PV十万記念 コラボ話
今回はPV十万超の記念話です。
続きを期待されていた方には申し訳ありませんが、
今回は別物語の作者様とコラボさせていただきます。
時系列は今の物語より進みまして現代の日本。
出てくるこちらからの登場人物は今まで出てきた奴らしか出てきませんし、
会話中に出てくる話も、これからのストーリーのネタバレはありませんので、
どなたも楽しんでいただければ幸いです。
それでは、本日のゲストは『東方幻想郷と現代世界』より四人組!
零くんと絡んで楽しくドンドコやっちゃいましょう!
※コラボ話ですので張り切りすぎ、
いつもの話の約三~五倍の量の文章で構成されています。
読む際はお気をつけください。
******
「あー暇だ」
ベッドに横になり、俺は天井にむけてそう呟いた。
とはいえ、この呟きには間違いがある。俺は暇ではなく色々やることがある。
例えば、嫁の本日の一枚を撮らないといけないし、嫁の料理姿を見なきゃいけないし、
嫁の長く美しい国宝級の髪をなでなでしなければならないし、暇ではないのである。
それ全部私情だろというのは気にしない、俺は暇ではなく忙しいのである。
しかし、長く生きた俺には何か物珍しいものでもないと退屈なのである。
「平和過ぎて暇だ。暇すぎて死にそうだ」
天井に向けてはなった言葉がフワフワと消えていく。
そこでふと思いついた。珍しいものがないなら自分で作ればいい。
作らないにしても別の世界からなにか持ってくればいいのだ。
「……いいこと思いついた!」
ベッドから勢い良く起きて嫁のもとに走って行く。
台所で支度を始めようとしていた嫁に後ろから抱きついて、
俺は今日の計画を弾んだ声で口に出した。
「姫ちゃん、今日は平行世界から客人を呼ぼう!」
幻想郷の何処か、知るものの限られた俺の家で、
今日の俺の気まぐれに付き合わされる不運な人たちがでることが決定した。
****
「と、いうわけで、平行世界をつなげる技『未知世界』」
我が家の居間に一枚の扉が現れる。
どこにでもついていそうな普通片開き扉だ。
そして、俺はそれに手を当てて適当にその辺の世界をつなげた。
「よし、姫ちゃん、準備はいい?」
「大丈夫です」
「よし、じゃあ連れてくるのは主人公体質のやつに設定して……せーのっ!」
俺は一気にドアを開いた。ドアの向こう側は真っ白で何も見えない。
俺はそこに左手を勢い良く突っ込んだ。そして、引っ張る相手を探して弄ってみる。
俺の手が誰かの腕を掴んだ。すると、掴んだ相手は必死に暴れだした。
向こうからすれば空間に急に現れた扉から腕が伸びてる異様な図、抵抗するのも当たり前か。
だが、そんな抵抗は俺の前では無意味だ。
「『暴君』軽く五倍くらいで……お客様いらっしゃ~い!」
強化した筋力でもって掴んだ腕の主を引っ張り上げる。
手の主が叫び声を上げながら扉から出現する。
そして、彼の足を見て俺は驚いた。まさか四人も釣れるなんて思ってなかったぜ。
しかも男二人に女二人、ダブルデートでもしてたのかな?
しかし、一人は頭を打ってしまったようだ。くるくると目に星を浮かべている。
「やぁ平行世界の諸君、歓迎するぜ、俺は神谷零だ」
『…………』
気絶した彼女には気にせず、三人へ自己紹介をした。
しかし、反応はなく釣られた三人は俺を見て思考を停止している。
わからなくもない、引っ張られた先は一般的な一軒家の居間なんだからな。
だが、返事くらいはしてほしいものだぜ。
「聞こえてる? 大丈夫か?」
そう聞くと一番俺に近い、つまりは俺に腕を掴まれていた少年が口を開いた。
「ああ、大丈夫。ここは?」
なんだよ少年。さっきも言ったじゃないか。
「ここは平行世界の一つ、少々退屈だから君たちを連れてこさせてもらったよ」
「えと、どうやって連れてきたんだ?」
先ほどの少年についてきたもう一人の少年が俺にそう聞いた。
まぁどうやってって、君たち今体験したところだろう?
簡単も簡単、単純明快でやろうと思えば尾都にだってできることさ。
「世界と世界をひっつけて、扉を介して君たちを釣り上げた。それだけ」
「それだけ?」
「それだけ」
その少年はまじかよとだけ呟いてなにか考え始めた。
ふと、俺が最初の少年を見ると彼の目が紫色に変色していた。
おいおい、やめてくれよ、
「その目で見たって俺からは何も見えないよ」
「!!」
こういう状況で使う『目』であれば、おそらくは相手の素性をつかむものだ。
ただ、それは相手への干渉を必要とする。俺に干渉は自動無効だからね、残念。
「後ろの子は二人の彼女だろう? まぁまずは敵意がないことを把握してくれ、
一人の女の子の方は気絶してるし、ベッドに運びたいからね」
そう言ってから俺はもう一度四人に向けて自己紹介をする。
「俺は神谷零、神の谷、そいで数字の零。
お前らの後ろにいるのは俺の嫁さんだよ」
俺が指差す方向を彼らが見た。
我が嫁は笑顔で自己紹介をする。
「神谷神姫といいます、神の姫って書きます。よろしくお願いしますね」
流れるような黒髪にか、芸術のような顔にか、
それともさり気なく香る花のような甘い良い匂いにか、男も女も姫ちゃんを見た瞬間少し赤くなった。
だが、赤くなってる暇ないぞ君たち、先に名乗ってやったんだから名乗ってくれないか?
「名乗りなよ、綴りは言わなくていい、わかるから」
「あ、俺は大丈優一……後ろの気絶してるほうが俺の彼女だ」
少年は言い終わるとすぐに彼女を抱き起こした。
硬い床に寝かせるのは健康に良くない。さっさと自己紹介を終わらせよう。
「そっちの二人は?」
「俺? 室井宏大っていうんだ」
「そうか、じゃあ後ろの子は君の彼女だね」
「………」
おお、女の子が赤くなった……面白い。
っていかんいかん、名前を聞かないとな。
「で、なんていうの?」
「え……あっその、西原抄……です」
西原ちゃんとやらがまた赤くなった。
こういうタイプってことはいつもは活発なタイプなのだろう。
だがそういうことは後から知っていけばいい、今は退屈を紛らわせてもらおうかね。
「さてと、自己紹介もすんだし、
優一の彼女を寝かせたら君たちのことを教えてもらおうかな」
「え、俺達の事?」
優一はぽかんと口を開けた。
さっき俺の暇つぶしのために連れてきたといったと思うんだがね。
それはさておき、俺は空間に穴を開けてベッドを取り出すと、優一の彼女をそれに転移させた。
そして、ついでに医療診断の技『医療の病』にて彼女を調べてみた。特に以上はなかった。
「たぶんすぐ目が覚めるよ、脳震盪も起こしてないからね」
「そうか、良かった」
何かあっても俺がどうにかしてやれるから実際には何があろうと問題ない。
しかし、なおす手間があるにはあるので、脳震盪とかになってなくて良かった。
「うーん、そうだな、なぁ三人とも」
「ん? なんだよ」
「なぁに?」
「どうした?」
三人が俺の方を向く。俺はさっきから少し気になっていることを三人に聞いてみた。
「なんで優一と抄は妖気を持ってるのかな?」
『!』
二人は驚いた顔をし、宏大はなにかまずいことでも知られたような顔だ。
そんなに知られたくないことでもあったのだろうか、少し調べてみよう。
俺は霊力などの発生源である魂を調べることにした、すると、ビンゴだ。
「ついでに、三人のその魂……この場合『心』がいいか。
底に入ってるサイコロみたいなものってなんだろう?」
「お前、知って!?」
「るわけないだろう、初対面だ」
驚きであげられた宏大のセリフをピシャリと切る。
こんなことで敵に認定されては世のチート諸君が全て敵になってしまう。
「………」
疑った視線を向けてくる優一、実際ここがどこだかわからない以上、
まだ俺達を完全に信用するわけにはいかないんだろう。納得できる正当な行為だ。
だが、やはり俺がチートである以上、これくらいで敵にされては困るのだ。
「しかたない、じゃあここがどこだか言ってから信用してもらおう」
「そうよ、ここって本当にどこなの? 普通に家の居間みたいだけど」
待っていましたと言わんばかりに抄が俺に言ってきた。
が、その質問の答は彼女の後ろの我が嫁が行った。
「普通のお家ですよ、ただ、建っているところは幻想郷です」
『幻想郷!?』
三人の声が一斉にハモッた。
しかもなにか聞き覚えがあるような反応だ。
「お前らも知ってるんだな、幻想郷」
「ああ、一応は」
ならいいや、こいつらを俺の違いはそこら辺にあるんだろう。
という訳で半ばあてずっぽうに優一たちに言ってみる。
「お前らのほうがそれだけ驚くってことは幻想郷は何かに乗っ取られてるんだろう?」
「おう」
大正解だったようだ。賞金がほしい気分である。
まぁいい、それはいいからここは別世界だと説明しないと。
「さっきも言ったがここは平行世界だ、こっちでは侵略なんかされてないよ」
彼らは黙っていた。彼らの世界がどうなっているのかは知らないが、
色々と不都合なことになってしまっているんだろう。よくは知らないが。
俺は暇つぶしができればそれでいいから手助けはしない、
主人公がいるんだし、そういう問題はこの優一が解決してくれるだろう。
「で、俺からお前らへ言いたいことはひとつ。
そろそろそのサイコロの中の人物を出してもいいんじゃないか?」
そして中身の人物も言い当ててみようと試みる。
能力を頼って霊力妖力で人名を判断する技『力名判断』
によると入ってるのは中々豪華。
「八雲紫に聖白蓮、博麗霊夢とは随分豪勢じゃないか」
「!!」
優一は随分と驚いた顔をした。まぁそう簡単に言い当てられたなら驚くだろう。
こっちでも紫か尾都かエルン並みの魔術特化じゃないとわからないほど巧妙に融合してる。
「驚いたか? 俺は人間だけど、これでも随分長生きしてるんでね」
「長生きって、お前は俺達と同じくらいじゃないのか?」
外見だけで判断すればそうなのだろう。
しかし、実際は不老不死なのだからそうではない。
「実際は恐竜とバトったこともあるくらいの長生きだよ」
「嘘……」
抄ちゃん、そんなに驚くなよ、お前の聖だって結構な長生きだぜ?
さて、俺の年齢についてはこれくらいでいいだろう。
「さっさとそっちの紫たちと話させてくれよ」
「あ、ああ……ってお前見えるのか?」
「見えなかったりするものなのか?」
「あーどうなんだろう」
「まぁいいから一回出せ、話はそこから」
「あーうん、紫ー」
優一が呼ぶと優一から生えるような形で紫が出てきた。
随分と胡散臭さがなく素直そうな雰囲気……しかし気配は紫だ。
「よう、紫、初めまして」
「初めまして零、そっちの私は元気?」
「まぁね、呼んでもいいけど?」
「遠慮しておくわ、自分と話すなんで違和感しかないもの」
それもそうだ、ビデオレターとは言え俺も自分と話したことがある。
その時は随分と違和感があったものだ。彼女が呼ばないのならそれでいいだろう。
それよりも、俺は彼女が異様に弱い妖力しか持っていないことに違和感があった。
しかし、幻想郷が乗っ取られているということですぐに合点がいった。
妖怪だからやはり幻想郷から出たことにより弱体化したようだ。
まぁそれはいい、今は暇つぶしが優先だ。
「じゃあ、今回呼んだ目的だけど、退屈だから暇つぶしがしたくてね」
「お、おう」
彼らは少し身構えた。言われることがわかったんだろうか。
まぁそんな事はどうでもいい、こちらはこちらで勝手にやるさ。
「俺とバトってくれないか」
先程から規格外さを見せつけているからか、
それとも俺の宣戦布告が笑顔だったから怖かったのか、
三人の顔から一気に血の気が引いたのを俺は見た。
そして、その顔が面白かったので吹いた。
****
断ろうとする三人だったが、半ば無理やり転移させて異空間の競技場に連れてきた。
姫ちゃんと優一の彼女は居間においてきた。巻き添えをしてはいけないからだ。
すると、やはり戦闘するのかと優一達はまた疑いの目を向けてきた。
「さっきも言ったが、敵意はないよ、ただ遊び相手がほしいだけでね」
「遊びが戦闘って野蛮すぎるだろ」
「この歳になると喧嘩も立派な趣味になる」
笑顔の俺に対し、彼等から生えた幻想郷の三人が止めに入る。
「ダメよ優一、あの人には勝てる気しないもの!」
「宏大、私も今回は紫に賛成よ、勝てないわ」
「私も戦闘に反対です」
『喧嘩はいけないことだしね!』
妖怪と人間が同時にハモるなんとも面白い光景だった。
紫と霊夢、二人の予想はたぶんあたっているだろう。
この三人全員と戦っても、俺は負ける気が全くしない。
紫が入っているであろうサイコロは、大妖怪にしてはあまりにも存在が薄い、
しかも、もし本調子であったとしても右手だけで勝てる気がする。
しかし、勝負にならないのは、俺並みのチート能力を持っていない場合だ。
まぁしかし、そうホイホイ俺並みの能力はないだろう。
「大丈夫、手加減はするさ。強化以外では無から有は作らないから安心して」
「強化だけなら無から有しますよってことだな」
そのとおりだよ宏大くん。俺の戦闘は無から有を創りだして成り立ってる。
それをしないってことは、そうだな、俺を大妖怪数匹分くらいにまで弱体化させるってことだ。
「ありがたいだろう? 身体と霊力強化以外は
空間倉庫に入ってる分しか武器が出てこないんだから」
「その空間倉庫に入ってる武器ってどれくらいの量よ」
「んーっと、全弾薬を一年中ぶっ放してもたぶんなくならないね」
「……弱くなってない気がする」
おいおい抄、無理言うなよ、強化なしにしたら俺只の人間だぜ?
身体強化しなけりゃ反動が怖くて銃器だってまともに扱えないような男だ。
生身のままだったらおそらくは優一と喧嘩して五秒で負ける自信がある。
修羅場は皆がおどろくほどくぐったが、俺はあくまで能力ありきの強さだからな。
姫ちゃんほど生身の状態での強さは強くない。
「スマンが妥協できるのはここまでだ。諦めて俺と勝負しちまうこったな、
大丈夫、気が進めば後で俺の弟子と戦わせてあげるさ、勝利はそいつらに期待しろ」
「お前の弟子となると期待していいのか不安になるな……」
「あー、大丈夫、相性と実力によっては、三対一で勝負になる」
「三人で一人しか応戦できないのね……」
仕方ないさ、あいつらは大妖怪数十匹相手に戦えるからね。
博麗の巫女や普通のスキマ妖怪、寺の和尚なんかが敵う相手じゃないよ。
「俺からすれば、三人で一人相手にできたら拍手もんだと思うぜ、
能力制限付きの俺にならあいつらは勝利できるからな」
俺を目標にしてる弟子が負けたらそれはそれでショックだからな。
「だから、負けても気に病むことはない。
もし勝負になったなら、三人で一国を落とせるくらいの力があると思っていい」
「ほんとに反則的な表現だな」
実際に反則的な強さだからね。仕方ないのだよ少年。
「気にしたら負けだ。戦ろうぜ少年少女達よ。三十分は楽しませてくれよ?」
俺が笑いながら首を傾げると、彼らは肩をすくめた後、構えた。
生身のままやるのかと思ったが、そんなはずはないだろう。
ならば……
「先手必勝!」
俺はそう叫んで対戦車兵器、RPG7を二丁取り出した。
それを両肩に乗せ、身構える彼らに向けて遠慮無くぶっ放した。
『優一』
「わかってる」
せまる弾頭の前に優一が立つ。その口が大きく開き叫んだ。
「幻想!」
優一の声に合わせたように彼の心臓のあたりから光がわき出した。
弾頭は光り輝く優一に着弾した。が、その爆風は彼らを襲わず何かに吸収され、
突如俺の前に出現した空間の割れ目から焼き尽くさんとして俺を襲った。
足を地面に打ち付け、足に力を入れて爆風に耐える。熱は皮膚を強化し耐えた。
煙にむせこみながらも前を向く。煙が晴れると優一がいたところに面白いものがいた。
爆風をスキマ空間を介して俺に向けた張本人、八雲紫。
そしてその背後には博麗霊夢と聖白蓮目がばっちり戦闘態勢で俺を睨んでいた。
「改めてこんにちは、神谷零、八雲紫よ」
目の前の紫がそう言う。
「幻想という単語がお前たちを表に出す引き金か。言霊方式とは面白いね」
感心した返信方法を褒めると、目の前の紫がニヤリと笑った。
「面白いだろう? あと、肉体の手動は俺だぜ」
まさかのびっくり仰天した。紫の体で、その声で、しゃべっているのは優一か。
肉体を紫に変えているだけの依代のようなものか……興味深いね。
「じゃあ後ろの二人もおんなじか」
「そのとおり」
霊夢になった宏大が答えてくれた。うん、霊力多いね、さすが巫女。
いや、中身のことを考えると巫女じゃなくて巫男……か? どう読むんだろう。
「まぁいいや、続行しよう」
そう言って俺は彼らに向けて手榴弾を投げた。
紫の姿をした優一は動かず、他の二人は横に広がった。
手榴弾は優一の真上で爆発する。しかしスキマ妖怪に通るとは思えない。
まずはこれで放っておこう。
「いただき!」
「さすが、聖になってるだけある。速いね」
俺は左から迫っていた聖の姿をした抄の手を掴む。
そして、そのまま右から迫る宏大へと思い切り放り投げた。
「キャッ……ぐふっ」
抄を捕まえた宏大は勢いを止められずい吹き飛んでいく。
それを笑いながら見ていると手榴弾の煙の中からクナイが飛んできた。
「『五式』五センチセラミックプレートの盾」
五式は軍隊の防弾服に使用されるセラミックプレートを使い、
能力に物を言わせて量産しまくった、ある意味万能の盾だ。
流石に砲弾は耐えられないが、クナイぐらいなら十分だ。
案の定クナイは五式に刺さるだけになった。
いや、刺さるだけすごいといったところか。
「じゃあ、肉弾組の相手もしてみよう」
俺の後ろに突如現れた宏大に目を向けてそういう。
完全に背後をとったという表情を指定た宏大は俺の言葉に目を見開いた。
俺は驚いたその隙に彼の顔面へ拳を打ち付けた。
「ぐっ」
宏大は派手な音を立てて地面に激突し、そのまま跳ねて飛んで行く。
俺はそれを見ながら上空からの抄の一撃を受け止めた。
「バレバレだぜ君たち」
受け止めた抄の拳を掴み、右に振り下ろす。
地面に打ち付けられた抄は衝撃で息をつまらせたようだ。
俺はそれを気にせず彼女を左に右に、連続で打ち付けた。
「抄を放せ!」
左から声が聞こえたのはその時だった。
先ほどとほぼ同じように見えるクナイが飛んできていた。
しかし、今度はそれが紫色に怪しく光り輝いている。
五式で防いでみるが盾は虚しく砕け散った。
マズいと首を逸らして避けるが、頬にクナイが掠る。
皮が切れただけのはずなのに、その紫光の力なのか傷は割れて血が拭きでた。
「おおっ!?」
鋭く走る痛み片目をつぶる。
すると、その隙を見逃さんとばかりに抄を掴んでいた右手を引かれた。
「えいっ!」
「うげはっ!」
地面に顔面がめり込む。鼻への衝撃と胸部への衝撃で呼吸ができない。
俺の右手を持ち主導権を握った抄が、やり返しとばかりに俺を地面に打ち付ける。
ついでというように紫のクナイと青い霊力弾が地面に打たれるたびに俺を襲った。
「これでどうだ!」
そんな叫びが聞こ得ると同時に打ち上げられる。
血だらけでボロボロの体を動かし、空中で左右を見ると、
右には特大の霊力弾。左には電車。挟み撃ちでミンチにするつもりのようだ。
「わ~こわい」
笑みとともにそんな言葉が出た。
ミンチなんか怖くない、だって塵なったことだってあるからね。
だが、それでもやはりミンチはいただけない、
回避のために、俺は地面の抄に向けて一式『審判の火』を設置する。
「ま、当たらなければ怖くもなんともない」
地上の抄に向けて発射する。その反動で左右からの押しつぶしを避けた。
一式のビームを抄は慌てたようにその場から避けた。
が、そんなもので避けられるほど俺の一式は甘くない。
たった五発でユーラシア大陸を更地にする爆発が俺たちを襲う。
俺は爆発に巻き込まれる彼らを横目にもう一つの防御を取り出す。
「『四式』対隕石用防御シェルター」
空間倉庫から取り出したシェルターはカプセルのような形をしている。
俺は急いでそのカプセルの扉を開け、入り、急いで扉を閉めた。
爆発の衝撃でシェルターが揺れる。地面への激突の衝撃の後も揺れは続き、
収まってから外に出ると、三人が固まっており、結界を重ねて自分たちを守っていた。
「三人合わせて九枚も結界を重ねたのか、すごいことするね」
「そういうあんたも、なんでその傷で立てるんだよ?」
彼らが言うとおり、一式を置いた時には
俺の体は腕や足もあるべき向きは向いておらず、頭も半分崩れていた。
グロいものを見ているせいか抄は少し青ざめている気がする。
俺が抄の足を掴んだあたりから攻撃の威力が上がっている。
どうせ外見から判断して規格外だけどちょっと能力の強いやつとでも判断してたんだろう。
それで、舐めてかかったら容赦がなかったので切り替えた……そんなところか。
霊夢達のが勝てる気がしないんだからさ、最初から本気出せよ。
「こんな傷じゃ気絶だってできやしない」
グキリと音を立てて俺の手と足が元に戻る。
崩れた頭は髪の毛までもがまったくの元通りに再生した。
あちこちの擦り剥きや切り傷ももとに戻り、服に染みた血だけが残った。
「いったろ、強化以外はしないって、治癒力強化だよ」
「いや、人間って回復力さえあればあの傷も完治するような生物なのか?」
「いやいや、無理無理、俺が規格外なほどに強化しまくっただけ、
普通ならただ治癒力があっても跡が残るし、手足はねじれたままだよ」
俺は方をすくめた後に笑顔を作る。
「でも、そこは俺だからだよ」
『……』
三人が不利な状況を把握したらしい、険しい顔付きで俺を見ている。
さっきの紫達の発言を信じて最初からそうすればいいのにね。
大抵のやつは俺と戦う場合は不利になる。なぜなら俺が万能型のチートだからだ。
近距離が得意な奴には遠距離戦。遠距離好きには近距離戦。術使いには術無効。
どんな時でも相手の苦手な戦闘タイプで戦える俺の最大の利点だ。
「理解したかな少年少女、まだまだ世の中広いんだぜ?」
地面に空間倉庫の開け、今度は刀を取り出す。
先ほどの紫のクナイは妖力を這わせたものだろう。
妖力によって強化され、威力が向上し、俺の盾を砕いたのだろう。
ならば同じことをしてみよう。軽く霊力を使って刀に這わせてみる。
刀は青い光で包まれ、刀身の形を除けばレーザーソードにも見える姿になった。
「うん、こんなかんじかな」
やはり、強化していなければ俺は凡人のようだ。
霊力総量が少なく、この霊力強化の刀も三本作れればいいとこだろう。
端からすれば霊力を操れる時点で凡人ではないだろう。
が、そこは年齢から来る経験の差であり、やはり俺は凡人だと思う。
「…それもできるんだな」
優一が俺が保つ刀を見てそういった。
「俺だぜ?」
俺は笑ってそう答えた。
優一達は地面に三人で固まったままだ。
それを見てそろそろ決着をつけてもいいんじゃないかと思った。
姫ちゃんも置いてきてしまったし、そろそろ抱きつきたいのである。
やはり彼らが幻想郷住民ならばスペカもあるんじゃないだろうか。
急にそんなことを思った。ならば、スペカで決着をつけてみよう。
ルールは、相手が発射した弾幕に当たらないで、
相手に弾幕を当てるだけの簡単なゲーム、単純明快な幻想郷ルール。
女子供に人気のゲームだが、俺もやる、理由は面白いからだ。
まぁそんなわけで、即興でスペカ創って勝つ。
「スペルカードは知ってるな?」
一応確認のために聞いてみる。
「あ、ああ一応は」
ならよしだな。
「能力制限を外す、スペカで決着つけるぞ」
『え!?』
「能力制限してる俺だと長期戦になるからな、
姫ちゃんを置いとくわけにもいかん、そろそろあの笑顔を見なければならん!」
「そ、そうか」
宏大がなにかすごいものでも見るような顔になっている。
優一も優一で俺に言われて気がついたかのようにそわそわし始めた。
「真里大丈夫かなぁ」
そうか、それがあの倒れたこの名前か。
お前の彼女だったな、ならば心配するのもわかる。
俺も姫ちゃんが熱を出したときはショックで倒れかけた記憶がある。
ならば、なおさらさっさと決着をつけよう。
「よし、三人とも、同時に俺にスペカを撃ってくれていいよ☆」
俺は親指を立て、笑顔でそういった。
三人は驚いた顔をしたが、すぐにどこからかスペカを取り出してきた。
さっきからの俺の戦闘状態を見てどうせこれでも大丈夫だろうとか思ったんだろう。
……正解だけどね。
「じゃあ、そのまま五秒待ってね、新しいスペカ考えるから」
「え!? 今から考えるの!?」
三人が驚き、宏大が指摘してくる。
「あたりまえじゃないか、新しく考えないと、
ストーリーのネタバレはしないって言ったんだし、読者に悪いだろ?」
俺はそんな指摘は気にせず、普通に答えた。
いけない話題が入ったかもしれないが。三人はスルーしてくれたからいいだろう。
「と、いうわけで完成だ」
俺の手には真新しいスペカが一枚。
能力の制限なしで撃ちだすから、頑張って耐えてね☆
「いくぜ」
『来い!』
三人がスペカを構える。すると、カードが光り始める。
「魍魎『二重黒死蝶』」
「霊符『夢想封印』」
「吉兆『極楽の紫の雲路』」
三人が同時にカード名を唱えた時、
カードの光が弾け、三人から弾幕が溢れだした。
『激魂歌』を発動する。霊力が急激に増大し、霊力の柱が空へと登る。
周囲の弾幕を少し打ち消したが、それでも消しきれぬほどの弾幕がある。
あふれる弾幕は三つが重なったことにより隙間がなかった。
が、隙間がないなら創ればいい、そのための霊力強化だ。
「ああああああ!!!」
声をあげる、雄叫びをあげる。
その声に合わせるように、手の中の刀にさらなる霊力を込める。
込められた大きな霊力は、やがて刀の周りを這うことをやめ、
刀の形状を保持しただけのまま、大きく大きく、強靭な光の剣になった。
それを、一振り。光剣は弾幕を飲み込み、切り裂き、こじ開け、
一文字を書いたように三人までの道が一瞬にして現れた。
「光剣『青光の叢雨』」
真新しいスペルカードの名前を唱える。
俺の手にあるカードが光り、それを散らす、弾幕開始の合図だ。
背後に刀の群れを出現させる。それらの刀達を浮遊させ、
霊力を流し、這わせ、増大させ、先ほどの巨大で強靭な刀の群れを作り出す。
これを、この無数の光の剣を、まさしく叢雨が如く落とす。
「降り注げ」
隙間の向こうに居る優一達を指さす。
青き光剣達は迷わず彼らを目指し、彼らに降り注いだ。
優一達はスペルを中断し結界を貼る。おそらく、先ほどと同じ九枚。
だが、今度は一式のように一撃だけじゃない、無数の攻撃が降り注ぐ。
空を切り裂く光剣たちが、結界へと突き刺さる。
結界がひび割れ、結界が崩れ始め、結界が……砕けた。
せき止められていた刀は壁がなくなったことでまた降り注ぐ。
その光りの叢雨は、防御をなくした優一達を、隙間なく、切り裂いた。
*****
「どう? 楽しかった?」
『楽しいわけない!』
戦闘が終わった後、結構グロい状態になっていた彼らを能力で治療した。
一瞬にして消えていった傷を見て、彼らはなぜか唖然と口を開けていた。
先ほどの楽しくないという一言は、
異空間から戻っている最中に俺が興味本位で聞いてみたらに言われた。
「じゃあ弟子とやる?」
「やらない! 能力制限付きのあんたがあの強さなのに、
それに勝利できる化物な妖怪なんかとやりたくない!」
抄そう叫んだ。さっきの俺の強さは鬼畜だったようだ。
結構手加減したつもりなのだが………いやはや仕方ないね。
「しょうがない、今回は弟子を呼ぶのはやめよう。
居間に戻ったら皆でワイワイ騒いで終わりにしようかね」
「そうしてくれ」
優一が大きく頷いた。お兄さん少し残念だぜ。
さて、出口が見えた。普通の扉だが、空中に浮かんでいることが違う。
俺は全員の手を引いて空中に浮遊し、その扉をくぐった。
「ただいま姫ちゃん」
「おかえりなさい、兄さん」
「あ、優一、お帰り」
「ああ、ただ今」
異空間から出て、居間に戻ると、我が天女が迎えてくれた。
優一は優一で真里……だったよな、に迎えられて嬉しそうだ。
あとの宏大と抄はと言うと、疲れたように二人でソファに座ると息をついていた。
が、二人が手をつないでいたのを俺は見逃していない、ちゃんと写真にも撮ってやった。
後で現像して渡してやろうっと、思い出の一枚になりそうだよね。
「さて、姫ちゃん、急で悪いけど用意出来てる?」
「もちろんです、こっちへどうぞ」
「ん? どうしたんだ?」
「いいから、優一も来て、そっちの二人も」
姫ちゃんに確認してからそこへ移動する。
我が家の食事は居間を使っている。しかし、今日のような客が来ている場合は別だ。
うちの食堂、俺の意思で大きさが変わるため、最大百人、最小十人収容できる食堂。
今日は、そこで食事をとる。さっきの確認は料理の準備の確認だ。
廊下を歩き、食堂の扉を開けると、料理の匂いが鼻を通った。
今日もうちの嫁の料理は完璧だ。目の前には嫁の手料理という宝の山があった。
「えええ!? なにこれすごい、二人で用意したの!?」
抄が料理の量に驚きの声を上げた。しかし、真里は首をふる。
「ううん、ほとんど姫さんだよ。
なんか、まばたきする間にもう出来てるみたいなことが何回もあってさ」
なるほど、姫ちゃんが時間加速を使ったらしい、
まぁそうでなければこの量は多すぎるだろう。それにしても、
「この量は流石に張り切ったね姫ちゃん。意外ときつかったんじゃない?」
「そうでもない………いえ、大変でした。なので、甘えていいですか?」
「もちろんいいとも」
俺の答えを聞いて姫ちゃんが俺に抱きつく。
身長が俺の方までくらいしかない彼女を抱いて、その髪を撫でる。
ほんのり甘いいい香りがした。
「うわぁ」
「熱々ね……」
宏大と抄が俺達を見てそういった。
「何言ってんだよ、夫婦なんだから抱き合って当然、
お前らも恋人同士ならもっと抱き合ったり手つないだりしていいんじゃないか?」
「いや、それは……そのぉ」
「なんというか……」
なんだか二人は恥ずかしいようだ。
それはまたまた、初なことだ。とても微笑ましい。
「まぁ、くっつかなくてもいいならそれでいい。
そういうのは人それぞれだからな、お互いがそれでいいならいいだろう。
さ、食べに行こうぜ、姫ちゃんの料理が冷めたら二日は凹むからな」
「すさまじい………」
背後で唖然とする宏大の声が聞こえた。
が、俺はそれに振り向かず、少しにやりとしただけにした。
目の前では真里と優一が楽しそうに料理を頬張っている。
真里が自分が作ったものを示し、優一がそれを取って食べる。
時折、姫ちゃんの料理にも手を伸ばし、二人で感想を言ってみる。
どこからどう見ても仲のいい夫婦だ、結婚しちまえ。
「それにしても……やっぱり姫ちゃん手料理美味しい!」
「ありがとうございます、兄さん」
ふわふわ卵が口の中でとろける天津飯を頬張り、
姫ちゃんと笑顔でご飯を取りながら歩く。
他の四人も楽しんでもらえているようだ。
と、そんな折、急に食堂のドアが開かれる。
「零! 作るの面倒だから食べに来たわ!」
「零! 今日は優奈が用事なんだ、飯よこせ!」
「零! 飯がマズいから食わせて貰いに来たぞ!」
「出て行けバカ三人衆」
『ひどい!』
入ってきたのはいつもの三弟子、
飯を食わせてくれと言ってくる彼らをおればバッサリ切り捨てた。
嫁がいないなら作れ、面倒でも作りやがれ、不味くても我慢しろ、作ってくれた奴に失礼だ。
「客人が来てるんだ、お前らにやる分はねぇ!」
「あ、いいですよ、皆さん食べてってください」
……姫ちゃんがそういうならばしかたがない。
これは不本意だが、誠に不本意だが、本当に本当に不本意だが、
今回はいいだろう、食べさせてやろう、この国宝級の料理を!
「あ、あいつらは?」
俺が渋い顔をしていると、優一がそんなことを聞いてきた。
隣の真里や、宏大のペアも俺の方を見ている。
「俺の弟子、ホントはあそこにもう一人いるよ。
あいつらが、優一たちには言ってた制限付きの俺に勝てる妖怪」
「じゃあ、強いのか?」
「強い、そりゃあもうバカみたいに強いよ」
俺は回収した優一のクナイを取り出し、もう片方の手にはりんごを乗せる。
霊力をクナイに這わせ、りんごは頭上に、クナイは三人に向かって投げた。
すると、尾都の尾がクナイの方を向き、次の瞬間には霊力が消えた。
そして、霊力が消えたクナイを国下がキャッチ、天へパスする。
クナイを持った天の姿が揺れたのを見計らって皿を頭上にやると、
綺麗にカットされたりんごがそこに落ちてきた。
「まぁ、こんな芸当がは序の口ですらないって言えるような奴らだ」
「じゃあ、本気出した時の強さ表すと?」
「そうだな、国一個を潰すだけなら三時間だな」
四人は唖然として弟子たちを見た。
その顔が面白くて、俺はもうひとつ付け加える。
「俺は星一個三時間だな」
彼等はそれを聞くと何の反応も示さずご飯に手を伸ばしだした。
考えることをやめたようだ。そんなに規格外だっただろうか。
「まぁ何にしても久々に退屈しのぎが出来たよ、
同じ相手とばかり戦っているとつまらなくなるからね。
世界軸は覚えたし、また退屈になってきたら呼ばせてもらおうかな、
今度は最初から手加減抜きで戦えるようになってくれよ?」
「俺としては二度と戦いたくないかな」
優一よ、結構ひどいなその感想。
「まぁそういうな、俺がチートすぎるだけだからな。
それに、お前もそのうち俺並になる可能性があるかもしれないぜ?」
「どういうことだよ」
「さぁ? 歳食った爺のありがたい言葉だよ」
「結局ホントの歳いくつなんだよ?」
「どう考えたって、その外見で恐竜見たはありえないだろ」
「はっはっは、じゃあ帰るときにでも細かい年齢言ってやろうか?」
「いいとも、一の位まで全部教えてもらうからな!」
優一達は笑った。俺も笑った。
三人は食事が終わってから帰ることになった。
****
「よっと『未知世界』」
彼等が来た時と同じように目の前に扉を出現させる。
「これを通れば帰れるぜ」
「ほんとにあんたなんでも出来るんだな」
宏大が俺にそう言った。
「何でもは一応違うかな、大抵のことはできるけどね」
「平行世界への扉なんか作れる時点で何でもだと思うよ」
それはありがたいね、まぁでも本当に何でもは出来ないんだよ。
俺は万能ではあっても全能ではないからね、そこは俺も只の人間だ。
「さ、さっさと通りな、むこうの時間は連れてきた時から三分後だよ」
「あ!」
四人を促すと、優一が思い出した様に叫んだ。
「お前本当に何歳なんだ? さっき一の位まで教えてくれるっていたよな?」
「いいよ、教えてやる」
俺は息を吸って一息で俺の年齢を言い始めた。
「三十五億三千三百四十四万千五百二十七歳だ。
因みに、世界を移動してるからこの歳なだけで、
別に地球ができて十億年くらいした頃に産まれたわけじゃねーぜ」
「本当に何でもありだなあんた」
「でも、俺の人生には三兆歳なんて人もいたからそうでもないぜ」
『………』
四人がまたしても微妙な顔になる。
規格外というものはどこでもそんな顔をされるんだね、お兄さん少し悲しいな。
「まぁいいや、さっさと帰りな」
「おう、そうするぜ」
宏大がそう言って扉に入っていった。
扉の向こうから押しつぶされたような声がしたけど聞こえない。
「じゃあ次わたしが行くね」
「ん、じゃあな抄」
将も迷わず扉に入っていった。
小さな叫び声とまたしてお押しつぶされたような宏大の声が聞こえた。
「大丈夫かな……?」
「大丈夫だって、ゴー」
少し不安そうな真里の背中を押す。
彼女が通るとまたも押しつぶされたような声が聞こえた。
「ほ、ほんとに大丈夫か? さっきから宏大の声が苦しそうなんだが」
「大丈夫だって、女の子のクッションに慣れて宏大も嬉しいはずさ」
何やら無理矢理な理由をつけて宏大のうめき声を無視する。
優一は扉に足を掛けると、不意にこちらを向いた。
「なぁ」
「ん?」
「あんた、どうやってこんな芸当できるんだ?」
彼の口から出た疑問。
俺がどうやって今のようなことをどうやって起こしているか、
その疑問には最初に能力を手にいれた時から答えを決めている。
「簡単さ」
そんなものは
「ただの小細工だよ」
俺は笑顔でそう答え、優一を送り出した。
向こうから彼の潰れたうめき声が聞こえた。
コラボ話FIN
長々と書いてしまってごめんなさい。
ノリにノッてしまって一万六千字弱もの長文になってしまいました。
今回コラボさせていただいた八雲さん。ありがとうございました。
そして、読者の皆様も、これからもよろしくお願いします。




