祭りの間に
最近イベント続きで小説に手を出せずにいてごめんなさい。
なんとか更新速度を安定させていきますのでよろしくお願いします。
大男大会(予選)後の宴会、
この里は比較的神社に近いせいか大きいようだ(もう一度言うが比較的だ)。
火を囲んでエンヤワンヤと馬鹿騒ぎ、悪いとは思ったが記憶をいじっておいてよかったかもしれない。
今までの世界のように俺の能力を気にしない連中とも言いがたいしな。
「まぁ一人予想通り例外になった人がいるけどね」
「どうした零さん、浮かない顔だね」
「爺さん、あんたのせいですよ」
そう、例外が一人いる、爺さんだ。
なぜ記憶がいじれてないのか、
そもそもこの人催眠にもかかってなかったんだっけ。
何だろう、三十億年間自分のような論外以外例外がいなかったせいかな?
意味もないけど自信なくすわー。
「はぁ」
「大きなため息だね、私が寝なかったのがそんなにショックかい?」
「ショックもショック、寝たふりされて多分余計にショックです」
「ははは、それは済まなかったの」
爺さんは笑うが、俺には大問題だ。
力が弱くなったとかが起こってたら姫ちゃんと呼白を守れない。
今も女性陣の方に入ってワイワイやってるけど、
どっかから男に襲われないかとか心配で仕方がない。
「それにしても、零さんは心配症だね」
「何がですか?」
「娘さんと姫さんを見てるでしょう、小細工か何かで」
「……分かるんですか?」
爺さんはニコニコ笑顔で通した。
何この爺さん、勘が尖すぎて引いちゃいそう。
「さて、私も飲もうかね」
爺さんが自分のそばから徳利を出す、大きさからすると一升くらいの酒かな。
「どっから出したんですかそれ」
「気にしない気にしない、それより飲み比べでもしないかね、
私はこの里一の酒豪とも言われる酒飲みでね」
「流さないでくださいよ……」
「いいじゃないか、それより飲み比べしないかい?」
「飲み比べ?」
「そう。小細工はなし、先に潰れて寝たら負け、負けたら思い出話をひとつ語る、
簡単だろう? 年寄りのお遊びだが、付き合ってくれるかね?」
うーんいいね、面白い。これでも俺は結構強いんだよ。
ちょっと入ったほろよいからが勝負時ってね!
「いいですとも、乗った」
「じゃあ、はい」
爺さんはもうひとつ徳利を出す。
またまたどっから出したんですか。
「気にしない気にしない」
爺さんが笑った。
仕方ないなぁ。
「それじゃあゆっくり勝負しようか」
「はい」
「「良い夜を」」
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「いい夜ねぇ姫さん」
「そうですね」
「夫さんの優勝おめでとう頑張ってね!」
「ありがとうございます」
兄さんが不死鳥に勝ち、記憶をいじった後。
宴会では私と呼白ちゃんは一緒に女性陣でお酒を飲んでいます。
本当は兄さんとも飲みたいのですが、それはお家でのお楽しみですね。
「まさか零さんが勝つなんて、意外と力があるのね彼」
「そうですね、抱っこしてくれたり、
荷物を持ってくれたり、優しい自慢の兄さんです」
「あらあら、お熱いこと」
「えへへ」
兄さんはいつだって素敵です。
さっきお爺さんとお酒を飲んでる時の顔も最高でした。
目を細めて真剣に味わおうとするその表情、
そして全体からあふれる夜風のような雰囲気!
風流です! 兄さんの存在そのものが風流です!
「えへへ、えへへへ」
「姫さん? よだれ出てるわよ?」
「はっ!」
いけない、私としたことが……恥ずかしいです。
あれ? そういえば呼白ちゃんはどこでしょう?
「呼白ちゃん?」
「ああ、彼女ならさっき若い衆が一緒にいたけど……」
………若い男+可愛い呼白ちゃん=いけない予感。
これはなにか嫌な感じがしますね……ちょっと追跡しましょう。
「これは……」
追跡した後五分ほど鑑賞。
結論は……黒です、真っ黒です。
「やっちゃいましょう」
家の呼白ちゃんに手は出させませんよ。
ちゃんと同意を得て、仲良く出来る人とお付き合いして欲しいです。
私は呼白ちゃんを監視するために座っていた場所から立ち上がり、男達に近づいていく。
少し暗くてさっきはわかリませんでしたが、男は全員既婚者の人のようです……浮気ですか。
そっちも含めて、お仕置きですね。
私が近づくと、彼らの会話が聞こえてくる。
「いいじゃん、ちょっと遊びに行こうぜ」
「そうそう、俺達と楽しいことしようぜ」
「え……でも……」
「大丈夫、すぐ家に帰えしてあげるからさ」
「あの……その……」
典型的なナンパさんのようですね。
そして呼白ちゃんはすごく怪しんでるようですね、偉いです。
断り切れないのは性格のせいですね、優しいですから。
さてと、
「こんばんは」
「あ?」
「あ、お母さん」
「おう、姫さんじゃねーか」
ああ、今の顔でわかりました。
目が黒いです、完璧に変な目で見てましたよね。
「どうも」
「姫さんも来ないか? 今から良い事しようぜ」
「遠慮しておきます、浮気は嫌いなもので」
「いいじゃないか、ほら、優しくするからさ」
連れて行こうとする時点で優しいも何もないと思います。
それに、私は兄さん以外の人と寝るつもりはありません、寝るくらいなら死にます。
ちょっと、何てを掴んでるんですか、
「放してください」
「だめだよー、俺前から姫さん抱いてみたかったんだよね」
「黙ってください」
「いいじゃん、もう連れて行こうぜ」
「何言ってるんですか、嫌ですよ」
「いいんだよ!」
あ、ちょっと! 担がないでください!
放して、放してください!
「うーん!」
「はっはっは、にがさねえよ!」
「お母さん!」
「ほら、呼白ちゃんも一緒に行こうねー」
「やだ! 放して!」
「ちょ……呼白ちゃんを放してください!」
ああもう、鬱陶しいですねこの腕!
やっぱり男の人だからか力も強いし!
でも、やっちゃうって言いましたよね。
うふふ、女だからって舐めてると痛い目見ますよ?
「放してくれないんですか?」
「当たり前だろう、こんな上玉二つ、見逃せねえよなぁ」
「そうですか」
じゃあ、実行しちゃいますね。
相手を精神空間に閉じ込める技『夢間刑』
「え?」
そんなことをつぶやいて、
私と呼白ちゃんを担いでいた男どもが崩れた。
呼白ちゃんがこちらに不思議そうな視線を向ける。
すいません、後でしっかり説明しますね。
精神空間にお邪魔する技『無遠慮な悪夢』
「さて、こんばんは」
「んーんー!」
目の前の男達は急に現れた私に目を見開いたあと、
脅しでも書けるように睨んできた。
「怖くないですよ、もっと怖いものだって見て来ましたから、
そんなことより! ナンパしてしかも相手の女の子は不本意なの連れて行こうとする!
しかも全員既婚者で浮気同然なんて言うのは許せないです!」
腰に手を当てて目の前の男達に声を上げてみる。
しかし、元々そんなに怖くないといわれる私の怒り方は足りないようだ。
本気で怒らないと怖くないらしいですね、兄さんに何度も言われました。
ですが、今回はちゃんとお仕置きを考えています。
お説教です! 二時間です! 寝させません! 集中させます!
罪悪感を無理やりわかせてこれからお嫁さん以外の人とできなくしてやります!
「覚悟してください!」
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「大丈夫ですか?」
お母さんはそう言って私に手を差し向けた。
男に担がれて逃げられないと思ったのに、
しかもお母線の性格だと逃げられないと思ったのに、
「何をやったの?」
お母さんの手を握りながら私は聞いた。
簡単ですよ、お母さんはそう言って続けた。
「ちょっと精神を切り離して、私の精神空間に突っ込んだだけです」
さらりと言われた言葉、私はそれが笑えなかった。
お母さんの能力って形作る程度の能力なんじゃなかったの?
「説明しますね」
お母さんは視線で気づいたのか私に一から説明してくれた。
「私の能力は兄さんの超劣化型です。
兄さんの能力は最初の転生時に付けられたもので、
その能力をつけたのが、当時世界の管理者をやっていた私です。
兄さんを転生させるつもりが手違いで自分も巻き込まれ、
人間になってしまい、失った神様の力の残骸、それが、
『形作る程度の能力』です。兄さんの劣化というのは、
兄さんの能力の延長が神の力だからです。
そして今回はその残骸をかき集めて、
残骸の力で残骸地震に干渉し、元の形に無理やり近づけたのが、
今回の力です。兄さんの力と同等のものですが、時間制限がやっぱりあって、
一時間ではなく三十分。一時間でもいいですが、硬直時間が二時間です。
わかりましたか?」
「え、あ、はい」
正直半分ほどわからなかったのだが私は頷いてしまった。
まぁお母さんの能力はお父さんのと一緒になれるってことだね。
「じゃあ行きましょうか」
「え? あの人達は?」
私は方って置かれそうな人たちを指さす。
「いいんですよ」
「へ?」
「いいんです」
にっこり笑顔でそういったお母さんのその顔がどこか黒かったのを覚えている。
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月を見ながら爺さんと月見酒。
交互に飲んで飲み比べはしているが、
ふたりとも落ち着いて、ゆっくり飲んで楽しんでいる。
「美味しいねぇ」
「美味しいですねぇ」
爺さんと一緒に笑った。
爺さんがこの後の大男大会について話してくれた。
「このあとは四人の代表者が集まることになっている」
「国の四人ですか、まぁ大丈夫でしょうよ」
「そうじゃのぉ、零さんなら問題ないかもしれん
……いや、一つつだけあるなぁ」
「なんだよ爺さん」
俺がそう返すと爺さんの顔が引き締まった。
目を細めて遠くを見る目、前回の大会のことでも思い出しているんだろうか。
「大男大会での優勝者は諏訪子様との謁見が許される、
大会の代表が四人じゃし、強さは簡単にひっくり返せんから
いつもの大会は決まったものが何度も優勝するのが普通じゃ」
「そりゃあそうだな」
まぁそうホイホイ毎回出てくる優勝者が変わったら神様謁見の有り難みや、
大男大会での賑わいもなくなって、経済や信仰に余裕がなくなるだろう。
「まぁ当たり前だが体の大きいものが有利だ。
数年前まではガタイの大きいものばかりが優勝していた」
「数年前までってことは今は違うんだな」
「ああ、自分より明らかに大きいものを倒したのは二人だけ、
零さんと、数年前から連続で優勝しておる国建というやつじゃ」
へぇ、ちょっと興味出るよこれ。
「で、問題は?」
「勘じゃが、妖かしだと予想している」
「なんともそれは、問題ですね」
ふむふむ更に興味出てきた。
ついでに血沸き肉踊ってきた。
「まぁ戴冠式で諏訪子様と謁見するが、
その時に何も問題が起きてないから脅威ではないんじゃろうが……」
「俺の優勝には大きな障害になるかも知れない」
「そうゆうことじゃ」
「まぁ大丈夫でしょう、いざとなったら叩き潰すので」
「物騒じゃのお」
爺さんはニヤニヤ笑いながらそういった。
そういうもんですかね? と返してまたお酒を飲み始めた。
徳利が二つ共空になり、俺が能力で増やしてのむこと数本。
「うー」
「零さんも強いなぁ」
「爺さんには負けますよぉ」
さすがに酔ってふたりとも意識がおかしくなってきていた.
夜も更けてもう人影も少ない、おそらく姫ちゃんは一旦帰っただろう。
「眠い……」
「寝ていいですよ? 私の勝ちだがね」
「もういいやぁ、俺の負けですぅ」
眠さに負けた俺はそのまま地面に倒れ込む。
爺さんは笑っていった。
「私の勝ちですねぇ」
「そうですねぇ、数少ない俺の負けた人に認定です」
「よしよし、名誉ある称号だね」
そのまま二人で倒れこんで寝てしまった。
目が覚めたら膝枕のまま寝てる姫ちゃんの顔が目の前に、
微笑ましいのおと、隣で爺さんが笑った。




