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東方兄妹記  作者: 面無し
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永遠の終り、とか思ったけど消せなかったよ

誤字脱字感想ありましたらよろしくです。


読みにくい、読みやすいの指摘もありましたらお願いします。


フェニックスの声が響く。

敵に向かい勇猛に戦う戦士の雄叫びのような、

同時に、臆病に逃げる市民の叫びのような。

そんな不思議な声がドームに反響した。

それを見て、聞いて、零は笑う。


「強い、だからこそ面白いね、戦いっていうのは!」


零が地面を踏み込む。飛び出す勢いで、地面が砕けた。

彼が手に持った剣を振り上げる。紫の炎をまとった赤の剣、

それを容赦なく振り下ろした。


「セイっ!」


迫る赤の剣を、フェニックスは後ろに羽ばたいて避ける。

勢いの着いた剣は地面に当たり、そのまま地面を割る。

すぐさま零がその場から飛び退く、間を開けずに地面が爆発した。


「------------!!!」


火の鳥が叫ぶ。すると、零の周囲が炎によって包まれた。

周囲を囲んだ炎はジワジワと零に距離を詰める。

炎は炎では返せない、彼の剣は少々分が悪かった。


「おお、ひどいねぇ……でも」


彼は笑う。武器の分が悪い、

そんなことは彼が負ける要因にならない。

彼はいつものように自身を転移させて炎から抜けだした。


「弱い弱い」


零が笑う。そして一言。


「横注意」


その言葉とともにフェニックスが吹き飛ばされる。

真横からジャックが光球で攻撃したのだ。


「ナイスジャック!」


零は吹き飛んだ鳥めがけて剣を投擲する。

高速で鳥へと向かうそれは、空中で無数に分裂した。


「物体を複製する技『出来過ぎた贋作』」


空中のフェニックスは無理矢理に羽ばたき勢いを消す。

自分に向かう剣に対して目を向けると、自分からそちらへ飛ぶ。

翼をたたんで剣の隙を飛ぶ、剣から抜けるときに一本拝借しながら。


「もう一撃」


剣を携えたフェニックスに零は突っ込んでいく。

武器を携えていようが、敵がもう一弾厄介になったのが嬉しいと、

その目を爛々と輝かせながら拳をつきだした。


「『疑身暗器』自分の体を武器にする技」


火の鳥が奪った剣で拳を斬ろうとする。

剣は金属とぶつかったような音をたてて止められた。


「今回は俺の拳を銃にしてみました」


それのお陰でと、零は続ける。


「鉛球も打てるぜ」


零はフェニックスを指さす。

その手には鉛球が握られている。


「バン!」


零のその声とともにその鉛球の一つだ指先に添うように射出された。

高速の鉛球をフェニックスは一回転で剣で防ぎ、その勢いのまま剣を零に投げつけた。


「あ、返してくれるの?」


零はそう言ったが、不死鳥は返す気はないようだ。

剣が黄金に炎上し、零へと突っ込む。


「おお!?」


横に避けた零がフェニックスに目を向ける。

そこには炎をまとった鳥がいた。


「ファイヤーバード……ね」


火の鳥が零へと突進する。

零は避けたが少しかすってしまった。

かすった部分から服が燃える。零は水を出してみたが消えなかった。

仕方ない、とつぶやいて零は服を捨てる。


「あちち!」


フェニックスは空中で剣を追い越し、空中で受け止めた。

炎をまとったままの剣と鳥が、零へともう一度迫った。


「ジャック」


それを今度はジャックが受け止めた。

弱点への攻撃以外はダメージにならない彼は、この攻撃をものともしなかった。

笑顔を浮かべたかぼちゃは、そのまま火の鳥に光球を連続で打ち付けた。


「わあお」


零は苦笑した。先の戦闘で当たらなくて得だったと思いながら。

そして目の前のかぼちゃに手を当てる。


「ジャック、ナイスだよ。さすがだ」


「カラカラカラ」


零の言葉にジャックが答える。

次の瞬間例の顔が黒い笑みに変わった。


「じゃあ、ちょっと実験してみようか」


「カラカラ……カラン」


ジャックははてなマークを移す。

零は笑顔でこういった。


「ジャックと俺を合体させるとどうなるか!」


ジャックの顔がビックリマークになる。

彼は目の前の鳥を光球で吹き飛ばすと、そのまま零から逃げようとする。

しかし、彼の頭を誰かがつかむ、ジャックが顔を向けるともう一人零がいた。


「分身する技『鏡写しの無限影』」


ジャックは炎で空中に文字を映しだした。


『主人! やめよう!

どうなるかは分からないが、なにか嫌な気がする!』


「呼び方主人にしてくれてるんだ、お前はいいやつだね」


『そんなことはいい! 主人、主人、考えなおせ!』


「主人も合体するから俺もリスクがある、

それなら……大丈夫だろう?」


『そういう問題じゃない!』


「一昔前に作った技『指を合わせて合体!』」


『ネタ!?』


かぼちゃと零が光りに包まれる。

その光は合わさって一つになると、零の分心が消えた。

光が開け、中に人影が見えるようになる。

しかし、その人影、頭だけが大きかった。


「あー成功のようだな」


「成功? バランス悪くないですか?」


人影から零の声が聞こえる。

しかし、その声は一人二役と同じで会話だった。


「うーん、顔がかぼちゃになっただけか」


「私の顔ですね、ちゃんと表情も作れてるようです」


「下は……ついてるな」


「下ネタか。0に1足したんですから1だ」


光の中にはカボチャ頭の人物。

零とジャックが合体したあとには、

カボチャ頭の人間が立っていた。


「名付けて『ジャック・ゼロ・ランタン』……みたいな?」


「主人、それは格好良くないぞ」


「そうか、じゃあいいや……アーユーレディー?」


「イエス、レッツゴー」


かぼちゃは目だけしかない無表情で声を出す。

しかし、声の調子から、セリフの主がどんな表情か想像できる。

そんな良く出来たカボチャ頭は、吹き飛んだ鳥めがけて光球を打ち出した。

鳥は過ぎに体制を立て直し、彼らと戦う。


「主人、光球は周りから霊子を集めるほうが得だ、

威力は高いが自分の霊力だけだと枯渇するぞ」


「なるほど……ジャック」


「なんだ?」


「霊子ってどうやって集めるの?」


「主人は自分の力が大きすぎて

そういう基本を知らないんだな」


「いいじゃないか」


戦闘中でありながらカボチャ頭は独り言という会話を続ける。

フェニックスの反撃を半分笑いながら躱し、彼らは首をひねる。


「やっぱり声が同じだと気持ち悪いな」


「私に声がないからですね、あったらあったで二重になるだけでしょうが」


「仕方ない、我慢しようか」


「そうですね、永遠の終りを覚悟させたんでしょう? 

そろそろ本当に終わりにしてあげないといけいないんじゃないですか?」


「……そうだね、じゃあ、しばらく主導権をもらおう」


「了解です、主人」


かぼちゃに表情が入る、その表情は、黒い笑顔だった


「さあ、本当の本当に、最後だ」


彼はそのカボチャ頭をフェニックスに向ける。

ネタとしか言いようがないその外見、しかし、

発せられた殺気によって、ネタな外見などあってないものになった。


「ジャックの光球を………圧縮」


かぼちゃの周囲に光球が無数に出現する。

それはかぼちゃの鼻先のあたりに集中し、圧縮されていく。


「----------------!!」


フェニックスが雄叫びを上げる。

その声に合わせるかのように黄金の炎がかぼちゃの周りに出現する。

それは先程のように迫るのではなく、一気に撃ちだされた。

かぼちゃが手を挙げる。周囲の黄金が爆散した。


「対象物にニトログリセリンの性質を負荷する技『ニトロアンノウン』」


衝撃を加えると爆発するニトログリセリン。

今回は対象物が炎だったこともあり、すぐに爆発したのだ。


「ジャックの光球圧縮技」


フェニックスがかぼちゃの眼前の光球に顔を向ける。

圧縮された光球はその光が変わり、紫から黒になっていた。


「『黒王弾』……とか?」


フェニックスはその場から飛び去る。

それを見て、かぼちゃは三日月に口を開けた。


「攻撃範囲をなめちゃイカンよ」


零は地面にその光球を地面に落とした。

感染している神姫たちに防御の『矛盾』を三枚貼ると、

自身も『矛盾』の中にこもった。


「消し飛べ」


縦の中でかぼちゃがそうつぶやいた。

次の瞬間、彼の周りの矛盾が二枚砕け散り、

残りの一枚にもヒビが入った。


「おおう」


矛盾を解きながら彼は驚きの声を上げた。

そして、地面にいる一羽の雛も見た。


「やあ、不死鳥、このあとはずっと俺のターンだ」


かぼちゃは雛へと距離を詰める。

地面で泣いている雛鳥は、全身を灰で覆われ、

あの不思議だった声は、金属がこすれ合うような不気味な声になっていた。


「さて、俺の勝ちだよ、永遠の終わりだ」


かぼちゃはその雛を目の前に拾い上げると、合体を解いた。

かぼちゃが横にずれ、かぼちゃの中から貫通するように零の顔が出てきた。


『主人?』


ジャックは自分の主人に顔を向ける。


「殺さない、ただ、消えてもらう」


『同義ではないのか?』


ジャックは首を傾げた。

零はそれを見てしばらく考えると。


「……タイマー式にするよ、いつか消えたこいつの残滓が集まって、

不死鳥の力を誰かが使えるようになるか、もう一度こいつが出来るかもしれない」


そう言って不死鳥に息をふきかけた。

フェニックスは黄金の火の粉となって空に舞い、

成鳥の時のような不思議な鳴き声を残して消えた。


「はい、終わり」


零が手のひらを打つ。


「帰ろう!」


そう言うと愛する嫁のもとにかけて行った。


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