白
クオリティ低いです、お覚悟を。
ある日のこと
俺はいつも通り姫ちゃんと幽香の畑を散歩していた。
「氷河期と言うのも速いものだ…」
氷河期は終わった。速すぎるって? 気にするな、禿るぞ。
そう、氷河期と言うのは地球の歴史上で何度もある。
俺達がよく言う氷河期っていうのは現代から七万年くらい前に始まったのものだ。
終わったのは現代から一万年前くらい。
「三十六億二千三百三十五万六千三百二十五歳…か、年取ったなぁ」
「兄さん、前の時から計算が違いませんか? まだ
三十五億三千三百四十三万千三百三十七歳のはずですけど…」
「あれ、そうだったっけ? まぁいいや、
でも、氷河期が終わったのなんて随分前の話だもんねー」
おかげで色々な地域を廻ることが出来た。
あったのは夜雀とか河童とか神様だと豊穣の神とか
厄集めの神様とか強かった奴と言えばあれだな、龍だな!
いやぁ、皆とはぐれて探険してたら出合っちゃって。
龍だし強かったよ、勝ったけど。
「現代からすると二千年くらい前なのかな~」
「ですね~、そういえば黙視さんから連絡は?」
黙視は氷河期が終わるのを見計らって旅に出た、
文明が出来たのは俺から考えると三千、四千年くらい前だから、
そう考えるとあいつは結構フライング気味だ」
「でも、黙視さんは植物も対象ないですから問題ないでしょう?」
「それもそうだね」
茨の柵の前までくる。
幽香がこの長い間で毒性を何とか弱めたりと試行錯誤の末
数を減らしていった問題草たち。
まだ残っているがそんなのの主なものは…
「ギャアアアアアアアアアアアアア」
柵の奥から聞こえる叫び声、これは人間のに聞こえるが植物のものだ。
そいつらとは食肉植物たちだ、こいつらが食えないような強力すぎる毒草を除き、
此処にいるのはそんな奴等だ。
「またやってるなぁ」
「今度はマンモスさんでも連れてきたんでしょうか」
こいつらの食物は幽香が獲ってきている。
食事時にこいつらが鳴くのだ。
外側からだと黒い空気を纏っているようで異様な雰囲気だ。
柵に指をかける。俺はこの先は一度も入ったことがない、
入ったのは姫ちゃんと幽香だけだ。
「ギャアアアア…バグっブチャグチュ」
「あ、何か食った」
食肉植物が食った音が響く。
血の落ちる音や、骨の砕ける音がグロテスクだ。
「いやぁそれにしても平和だねー」
「平和ですねー」
作御見上げてそう言いあったその時、柵の向こうに柱が立った。
柱と言っても霊力の、増幅させた俺の霊力よりは小さいが、
それでもそこらの妖怪などとは比べ物にならない霊力。
「「!?」」
柱は一気に細くなっていき、最後に巨大な爆発を起こした。
もうもうと黒い煙が立ち上り、物が焼けた時の独特のにおいがする。
「……平和どこいった」
「フラグでも立ててしまったんでしょうか」
お互いにため息をつく。姫ちゃんの手を握り、
転送を使って柵の内側に移動する。
「わあお」
「これは…」
柵の内側が黒く焼けている。
地面もクレータのようにへこみ、
その中心が爆発の発生源のようだ。
「植物は全滅のようだな」
「私たちも柵のおかげで助かったようなものですね
でも…どうしてこんな広範囲で…」
クレーターの中心を見やる。その時、何かが動いた。
煙の中に何かがいる、能力で煙を透視すると、
「あれは…」
そこにいたのは地面にへたり込んだ少女だった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
少女SIDE
頭痛い。
起きたら花畑に立っていた。
「…え?」
「ギャアアアアアアアアアアアアア」
頭から何かがかぶさってくる。
足に何かが刺さった、とてつもなく痛い。
「いやあああ! 痛い、痛いよぉ!」
刺さった物で私が切り裂かれていく。
液体のようなものが周りから出てきてまとわりつく。
「出してぇ! 出してよぉ!」
叫んでも出ることは敵わない。
それどころかもっと早く強く私は引き裂かれていく。
「あああああああああ!!」
痛い、痛い痛い、痛い痛い痛い!
出なきゃ、出なきゃ出なきゃ、出なきゃ出なきゃ出なきゃ!
「いやぁああああああああああああああ!!!」
叫んだら周りが弾けた。
かぶさっていたものが消え去り、視界が広がる。
次の瞬間、周りが爆発して煙が立ち上った。
「あ…」
体から力が抜ける。
足に力が入らず、そのばにへたっと座ってしまった。
そうだ、また襲われるかもしれない、逃げないと。
「おい」
「!」
隣から誰かの声がする。
その誰かは私の方に走ってくると、肩に触れた。
その瞬間、私の体から抜けた力が一気に戻ってきた。
その誰かを見ると、全身黒ずくめの男の人だった。
―――――――――――――――――――――――――
零SIDE
「大丈夫か!?」
へたり込んだ少女へと近づく。
真っ白な髪の毛に真っ黒なワンピースを着た少女。
外見は姫ちゃんよりも幼く、小学校の六年生くらいだろうか。
肩に触れると俺の体から少量の霊力が抜き取られた。
「!?」
少し驚いて手を放してしまう。
だが、すぐにもう一度肩を触ると今度はこちらを向いた。
「あなたは?」
少女の目は真っ赤だ、色素欠乏症か? と一瞬思ったが、
彼女の体は乳白色でも薄紅色でもない、普通の肌色だ。
それにアルビノの人の目は真っ赤ではなく淡紅色だ。
バカなことを思ったなと、少し思った。
「俺は神谷零って言うんだ、君は?」
なんった後に名前を聞く。
俺の問いに少女は少し困った顔をする。
「わからない」
少女が俯いてしまう、何があったのか聞くのは…
だめだな、トラウマになってる可能性もある、
小っちゃい子は傷つきやすいのだ。
うーんと悩んでいると俺の頭に誰かが手を乗せる。
見上げると姫ちゃんだった。
「兄さん…早いです」
息を切らしている姫ちゃん、俺は走ってきたんだったか。
姫ちゃんの基本スペックは普通の女の子より高い、それでも女の子である。
「あ、ごめん」
「あなたは?」
少女が不思議そうに姫ちゃんを見る。
姫ちゃんはにっこり笑ってしゃがみ、彼女の頭を撫でた。
「私は神谷神姫って言います」
「神姫…」
少女は俺と姫ちゃんの二人を交互に見る。
「私は…」
見た後少し俯いた。
自分の名前がわからないのが嫌なのだろう。
少し悪いと思っいながらも能力を使わせてもらう。
特定の歴史を覗く技『界歴目録』を発動する。
「分からない」
覗けない?と言うより、こいつは……瞬間的に自然発生した生命?
そんなの俺以外に作れる奴なんか数えるほどしか知らんぞ?
「姫ちゃん」
姫ちゃんの方を向くと、彼女は大丈夫と視線で答えてきた。
「この子はいい子です、それに、
此処にいる理由がわからないなら、なおさら私たちのそばの方がいいです」
少女を抱き寄せ、彼女は頭を撫でる。
少女はそのまま目を閉じ、一分経った頃には寝てしまった。
「さて、どうしようか」
「どうしましょう」
俺達は空を見上げて考えた。
この惨状をどうしようかと。
植物を再生させるのは簡単だ、巻き戻せばいい。
ただ、それだと目の前のこの子が消える可能性がある。
というか戻してこの子が消えても、この子と同じようなものが現れるのが
運命なら、戻したところで意味がないのだ。
「いや、まぁ普通に再生するのもいいんだけどね」
いざとなればエルンあたりに未来の項目を潰してもらえばいい。
俺もできるけど面倒くさい。
「兄さん、早く戻しましょう、じゃないと幽香さんがかわいそうです」
「そうだな、この花を放っておくのも悪いし」
面倒だけど仕方ない、と心の中で付け足す。
『幽言実現』
「『再生』」
その言葉と共に周囲の植物たちが再生する。
茎が再生し、花弁が再生し、消化器官が再生し、
口が再生し…ん?
「ここどこだったっけ?」
「食肉植物の柵の中です」
目の前で再生されていっている植物どもはどんどん凶悪な姿になっていく。
その凶悪すぎる外見にい目を背けてしまう。
「姫ちゃん、帰ろうか」
「…そうですね」
答えた姫ちゃんは大丈夫そうだ。
ただ、背負った少女が見たらいけないだろうと思ったらしい。
「さて、家の前に転送」
いつもの要領で幽香の家の前に移動する。
さぁ、入ろうと顔を上げると…
幽香の家がない。きれいさっぱり底の部分だけ切り取ったかのように。
二人でばっと後ろを振り返る。さっき転送された時は有った幽香の花畑がない。
それがわかった直後、がばっと柵の方を見る。柵ごとなくなっていた。
「「はい?」」
姫ちゃんと声がシンクロする。
二人で固まっていたら紙飛行機が降ってきた。
拾って開くと紫からの手紙。
『零と神姫へ
私と幽香、エルンは近々ここらへんに人間が来るそうだから移動するわ。
全員で移動しようと思ったけど、ここ何万年も夫婦水入らずがなかったし、
久々に何千年間か楽しんじゃいなさい。遊びに来たくなったらいつでも来ていいから、
いつでも来てね☆
爆発の後のことはスキマを通して全員で観賞させてもらいました。
子供だし、人間かもしれないなら、人間の文化にも触れさせた方がいいのでは、
と言う意見の基手紙でだけどいったん離れることを提案するわ。
あと、エルンによると目の前の子が出来る運命の項目は消せないそうよ。
じゃあ夫婦水入らず楽しんでね。
PS・必要な荷物は家のあった場所に二分後くらいに送るようになってるから。』
ふむふむ…なるほど。
「まぁ仕方ないか」
「そうですね、妖力ですぐばれる三人がここにいるのは危険ですし、
まぁ確かに最近はその…二人きりとかなかったですし…」
「姫ちゃん…」
「兄さん、人里に行きましょう、今日は久々に
…その…ね?」
姫ちゃんの頬が染まる。意味は分かる、そこまでアホじゃない。
「うん…わかった」
姫ちゃんにそう答え、
少女を抱えて人里の方へ歩き出す。
一応後から分かったことだがこの少女は霊力しかない人間のようだ。
里についてから二人で名前を付けた。
最初に入った家にあった白蛇の抜け殻をもとに。
真っ白を呼ぶ女の子と言うことで
『呼白』
――――――――――――――――――――――――――――――――――
幽香の家の跡地。
真っ白な少女が生まれ出たその場所で、一本の木が生えた。
そこに来た人間が切り倒そうとしたが無駄だったらしい。
切っても再生するそうだ。
その木は真っ白だった、葉も、幹も全てが。
ゆえにこう呼ばれた。
白神木と




