第3話 銀翼の躍動
記憶は暗闇に消え、手元にあるのは見知らぬ操縦桿だけ。
襲いくる宇宙怪獣の脅威を前に、少年カイの身体は、意識よりも先に「戦い」を選択します。
銀色の人機「メモリア」に宿る、少女の心拍。
なぜ自分は戦い方を知っているのか? この胸の鼓動は誰のものか?
荒野に立つ一体の鋼鉄が、地球の運命を塗り替え始める物語。その幕開けをぜひご覧ください。
ズバッ、と地下の闇を切り裂いて、銀色の影が地上へと飛び出した。
宇宙怪獣「デス」と「ヴォイト」がこちらに気付いた。怪獣から、遠距離攻撃が飛んできた。
「そんなの当たるか!」
メモリアは一足飛。「デス」の顔面を殴りつけた。デスはたまらず、地響きをたて、基地外まで巨体が吹っ飛ぶ。
ドカッッ!! バリバリドドドドッーン!!
続いてメモリアの脚部に内蔵されたビームソードを抜き、回転剣舞…「ヴォイト」の巨体を一刀両断にする。太刀筋が、綺麗な円を描いた。
スッパッン!!
ブシャー!!
ムラサキ色の返り血が、シャワーのように降り注ぐ、起き上がった「デス」まで、一瞬で疾走し
顔面を手で掴み、至近距離パルス砲を放ち、爆殺した。
すると、宇宙怪獣プロメが飛んでやってきた。 筋肉隆々の肉体は、その強さを強調しているようだった。
「くっ!また一体!」 怪獣から、襲い掛かる、突進して来たが、メモリアも応戦して、お互いの力が拮抗する。
バチバチ
衝撃で電磁場が出来る。
「うおお〜りゃぁぁーあ!!」
メモリアが輝き出し、怪獣を力任せに空中へ投げ飛ばす。すると機体の背中から光りの翅を出し、追い掛け怪獣を地面に蹴り飛ばした。
「いっつけぇぇ!!」
そのまま、大の字になり、全身の砲口に青光が集中。全身のパルスレーザーが放たれる。
キィィィィィーン……ドシュォォォォン!!
ドッドッドッドン!!
複数のレーザーが地面を削り怪獣共に、爆殺。跡には大きなクレーターが出来ていた。
「ハァハァ、いきなりだったけど、身体が勝手に動く感覚だ……。それにしても、この機体の鼓動と力はいったい……。」 カイの背中のシートを通して聴こえる。
…ドクン…ドクンと伝わるメモリアの鼓動。
そして、夕日の荒野に立つ、一体の銀色の人機。 記憶を失った戦士と、心臓になった少女。 二人の、そして地球の運命を賭けた戦が、 今ここから始まる。
ご一読いただき、ありがとうございます。
今回は、主人公カイがメモリアと出会い、初めてその力を解放するシーンを描きました。
記憶を失いながらも、身体に刻まれた戦闘本能だけで敵を圧倒するカイ。そして、彼の心臓として拍動するユナ。
「身体が勝手に動く」という感覚の正体は、かつての訓練の賜物なのか、それともユナとの同調によるものなのか……。
現世界との激闘は、まだ序章に過ぎません。二人の「反抗戦」がどこへ向かうのか、次回の更新も楽しみにお待ちいただければ幸いです!




