プロローグ
銀河の心臓、虚無の産声
かつて母なる星を仰ぎ見た人類は、今やその揺り籠を離れ、木星の彼方まで届く鉄の導線を敷き詰めた。惑星間を繋ぐ高速シャトルは、かつての鉄道のごとく日常を運び、宇宙は開拓という名の征服を甘受したかのように見えた。
しかし、繁栄の影には常に凄惨な不協和音が潜んでいる。
地球の利権を巡る「地球連合」と「ライコウ共和国」の果てなき内乱。そして、その戦火の隙間を縫うように現れた、理解不能な虚無の具現者――宇宙怪獣。
既存の兵器が紙細工のごとく蹂躙される絶望の中、人類が手にした唯一の槍。
それが、怪獣の肉を喰らい、その搏動を動力に変える人型戦闘兵器『人機』であった。
なかでも、禁忌の実験から生まれた「完璧心臓」を宿す一機は、あまりの力ゆえに歴史の闇へと葬られた。
名は、メモリア。
数多の生命を啜り、一滴の魂を核としたその機体は、地下深くの静寂の中で眠り続けている。
これは、宇宙という広大な墓標の上で、自らの魂を燃やして戦う戦士たちの記録である。
銀河西暦100年
人類が、地球を離れて、生活圏が宇宙に向かっていって100年が経った。
その昔、地球に残る者達で、地球の平和と豊かな世界を守るために出来た組織が、地球連合を名乗った。地球を出た人類は「月」「金星」「火星」「木星」へ移動手段として高速シャトル便があり、惑星間の移動には困らなくなった。
銀河西暦50年某月、月の民達は中立国家を設立。
各惑星と地球の安定を補っていた。
しかし、その5年後、3つの惑星、「金」「火」「木」星の集合組織のライコウ共和国が誕生。地球に対して、地球自治権を求めて戦線布告してきたのだった。勿論、地球連合はそれに反発して戦争になった。地球連合と共和国ライコウは、約半世紀に渡る戦争を繰り返し、被害が拡大して行った。
その戦争の(間)によって生み出されたのが、*人機と呼ばれる人型兵器である。
人機を使った壮絶なる戦争は、地球環境を破壊しナノマシン汚染が拡大され、地球は地獄の荒野と化していた。それを重く見た、地球連合の上層部はライコウ軍に一時停戦協定を持ち出した。
条件は、*ライブ・コアの取引だった。
**ライブ・コアとは、人機用に連合が開発した。それは宇宙怪獣の肉体の一部を用いた新たな発明で、燃費を最小に出来き、出力を通常の10倍以上に発揮出来る、次世代型の駆動部品であった。
その「ライブ・コア」をライコウ軍に渡し、休戦条約が締結し、一時の平和をもたらした。
しかし、ある日宇宙から、地球へ隕石が落下。
隕石だと思った物は、宇宙怪獣の核だったのだ。
宇宙怪獣でも希少種、上級怪獣級の巨大な脈打つ核だった。それは、人智を超えた強力なエネルギーの結晶である事が判明。
これを連合が、秘密研究し、パーフェクト・ライブ・コアを開発した。しかし問題が発生した。
それは、余りに膨大なエネルギーの為、制御効かない事が解り研究は失敗する。
そこで、マウスや人体実験を行い、多くの生命を犠牲にして生まれた結果。
*完璧心臓の存在を掴む。
**完璧心臓とは、【心臓に、(魂)宿りし心臓】のことである。数百億人に1人の奇跡であった。
それは、旧人類の遺産でもあり、珠宝であった。
それを、ライブ・コアに埋め込むとでエネルギーが、制御でき安定する事を発見した。ただ、駆動部に意思が宿ることで、機体とパイロット心が1つにならなければ、動かせなかった為、パイロットの育成に難儀していた。
それと同時に、強力過ぎる人機は地球連合内部の権力抗争を生む事になり、危険を恐れた上層部は秘密裏に連合基地の地下に封印したのだった。
その名は「メモリア」
かつて最強決戦兵器として作られた。人機が、今、目覚めようとしていた!
最後まで読み進めていただき、ありがとうございました。
前作、BATTLE SLUG -銀河の残響の強化版だと思って、読んで頂ければありがたいです。
更に、広い世界感、機動する人機の迫力を出せるように、書いて行きます。図鑑を作りました。キャラクター、機体増えましたら追加して行きます。よろしくお願いします。




