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影(闇)の勇者は不安定  作者: ヒーズ
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第6話:変化

「ふふふ。そうですか、では私共一同全力でやらせていただきます!」


急なお願いで、困らせてしまったかな。と思ったけど、予想外の反応が返ってきた。


(この時、メイド達は大きな勘違いをしていた。『シノノメ様は、旦那様に気がある!』と。

『礼儀作法を習いたいのは、旦那様とご結婚なされた時に備えるため』と。

そして。レオポルトが初めて弟子を取り、自らの屋敷に連れて来た女性。

見た目も、シノノメから受ける印象も、レオポルト好みだと確信できる。

レオポルトも、プッセン王国内で宰相・近衛騎士団長と同等の権威を有する魔導師長。

イケメンで、公爵で、齢24歳にして天才魔導師と各国の魔導師から称される存在。

数多の女性から好意を寄せられているが。

そんな彼に、特別扱いを受けて。これで意識しない女性がこの世にいるものか!!

と言う、情報と経験の下、メイド達は『シノノメ様を応援しなければ!』と考えたわけだ。

だが実際の所は。シノノメは、レオポルトのことを上司以上には思っていない。

レオポルトも、シノノメのことを『面白い玩具』または『便利な雑用』程度にしか思っていない。

そう!メイド達は『旦那様の奥方様が欲しい!!』と言う気持ちが暴走してしまい、

盛大な勘違いをしてしまったのだ!!!)


ニコニコと何かを意気込んだメイドさんは、パンパンと手を叩く。

すると、どこからともなく、色んな道具を持ったメイドさん達が現れた。

彼女達は、不敵な笑みを浮かべながら困惑する私の周りを取り囲む。

そして。私はメイドさんに言われるがまま、様々なことをすることとなる。

まず、お風呂。一人で入れるって言ったんだけど。

「いえ。御髪やお肌の手入れは私共にお任せください!」

と、数人のメイドさんが付いて来て。時間をたっぷりかけて色々とされた。

次に、体の隅々までマッサージをされてほぐされた後、よく分からない、

色んなクリームや香水を体中に塗られた。

最後に、お化粧?をされて・・・。自分ではない自分が鏡に映る。


「まあ。シノノメ様!とてもお綺麗ですよ」


う。うん。確かに、凄い綺麗。話には聞いていたけど、お化粧って本当に魔法みたい。


(※澪の父方の祖母(東雲家)は、かつてモデルをやっており、相当な美人であった。

母方(久保家)は、代々美男美女が多い家系であり、母親も美人である。

澪は、中学に入ってから、バランスのよい食事が取れず、髪や肌の手入れもできてない上、

睡眠時間も短く、ストレスも多い環境に置かれ、その美しさが際立つことはなかった。

だが、彼女は元から大層な美人であり、かなり素材が良い。

実際、メイド達は、髪や肌のパサつきなどを手入れし、化粧で目の下の隈を消したに過ぎない。

澪は鏡に映っている自分が、メイド達の化粧技術の賜物だと考えているが・・・。

今回ばかりは、メイド達の勝利と言うべきか。)


・・・アレ?でもなんで、急に髪や肌の手入れに、お化粧を?礼儀作法と何か関係があるのかな?


「シノノメ様。身なりを整えるのは、礼儀の基本。

・・・これから毎日、同じことを行いますが、よろしいでしょうか?」


疑問が顔に出てたかな?それとも、メイドさんは人の考えていることが分かるのかな?

でも確かに。面接とか、卒業式とか、スーツとか礼服とかを着たりするもんね。

それが貴族ともなれば、毎日、欠かすことなく身なりをキチンと整えないといけないんだろう。

わ、私も。ハーゲンドルフさんの弟子?部下?として、迷惑を掛けないようにしないと・・・。


「はい!その、面倒かもしれませんが、よろしくお願いします」


正直なことを言うと。化粧の方法とか、髪と肌の手入れの方法とかを教わって、

メイドさん達に面倒を掛けないようにしたいけど。私に、こんな複雑なことが出来るとは思えない。

そう言えば。お母さんでも、最低1~2時間くらいかけて、化粧をしていた気がする。

・・・メイドさん達が複数でやっても、数時間かかったこの工程。

はぁ。貴族のお化粧って凄いんだな~。でも、こんな私でもここまで綺麗になったんだから。

化粧って、本当に魔法なんだと思う。まあその分、時間は滅茶苦茶かかるけど。


「ええ!お任せください!!ハーゲンドルフ家の将来に関わることですから!!!」


メイドさん達の、この気迫と意気込んだ様子。貴族にとって、身なりってかなり大切なんだな。

(※ハーゲンドルフ家の将来に関わること(△)→レオポルトの妻と跡継ぎに関わること(◎)。)

よし!この調子で、貴族の礼儀作法を身に着けて、円滑に仕事ができるようにしよう!!

(メイド達・このまま、シノノメ様を旦那様の奥様にっ!)

それぞれが、別々を目標を携え、同じ目的へと向かって歩み始めたのであった。

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