302.ツインテールが一番可愛いに決まってんだろうが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「サラお姉ちゃん、髪触るの上手だねー」
「んー……私も長いからねぇ」
「ふふふ……行った甲斐があったと言うものだ」
「あ、クティラちゃん」
サラちゃんの髪をイジっていると、やけに嬉しそうに、何故か誇らしげに、どうしてかニヤケながらクティラちゃんがリビングに帰ってきた。
お兄ちゃんの部屋にある漫画でいい漫画でもあったのかな。今度教えて貰おうかな。私とお兄ちゃんの趣味、全然合わないけど。
「お姉ちゃんお姉ちゃん、何でそんなに嬉しそうなの?」
と。まるで童話に登場する子供のように、わかりやすく疑問を子供らしくぶつけるティアラちゃん。
それに対してクティラちゃんは特に答えず、口角を上げて笑みだけを浮かべて、私たちの隣に座ってきた。
「……ティアラ、どんな髪型にして貰おうと?」
「え? えっとね……サラお姉ちゃんが触りたいって言うから触らせてあげてるだけだよー?」
「……サラお姉ちゃん、私の髪も触らないか?」
「へ? えっと……あはは、じゃあティアラちゃんのが終わったらね」
とても器用に、ティアラちゃんの髪と私を同時に見つめながら、私に甘えるように言うクティラちゃんに苦笑いを返しつつ、私はティアラちゃんの髪いじりに集中する。
凄く綺麗な髪。ちょっと触れるだけでもわかる素晴らしい髪。繊細で、芯があって、それでいてとても美しくて、フケが一歳見つからない正に完璧超絶美少女ヘアー。私でさえ頑張って注意して必死にお手入れしてるのに、ごく稀にフケが見つかるから本当にすごい。
生まれ持っての才能か、それともヴァンパイアが故か、はたまた物凄いお手入れ方法を知っているのか定かじゃないけど、羨ましく感じるのは確か。
おまけに銀髪だし、それが似合う顔してるし。羨ましすぎる。一応私も銀髪赤眼美少女になれるみたいだけど、それって一時的だし、本当の自分じゃないからあまり満足感は得られない。
「……よし、出来た!」
私は以前友達にしてあげたように、ティアラちゃんをツインテールにしてあげた。
幼いティアラちゃんによく似合う髪型。こんなの、誰もが見たら一目惚れしちゃうと思う。ただでさえ可愛い女の子が世界で一番可愛い髪型をしているのだから、もう無敵だ。凄すぎる、凄すぎるよティアラちゃん。
「ありがとうサラお姉ちゃん! ねえねえ見て見てお姉ちゃん! どうかなどうかなどんな髪型!?」
私の膝の上に乗ったまま、ティアラちゃんがぴょんぴょんと全身で飛び跳ねる。それに合わせて日本の触覚もぴょんぴょん跳ねて、凄く可愛い。
天使かな、天使かも、天使だね、天使でしょう。
いや、ヴァンパイアか。この子は。
「うむ……可愛いとは思うが、普段の髪型の方が似合ってると思うぞ?」
「んー……やっぱりそうかな?」
「……は?」
クティラちゃんの指摘、それに合わせて悩むティアラちゃん。そんな二人に私はつい、疑問の声色で漏らしてしまう。疑問を抱いた時に自然と出てしまう一言を。
ちょっと印象悪いけれど、それでも発してしまった。だって私から見たら、ティアラちゃんはツインテールティアラちゃんが一番可愛いんだもの。
──これが解釈違い、か。
「……クティラちゃん」
私は名前を呼びながら、ビシッとクティラちゃんを指で指す。
するとクティラちゃんは首を傾げながら、ほんの少し困惑気味に返事をしてくれる。
「ん? どうした、サラ」
──教えてあげなくちゃいけない。ティアラちゃんの真の可愛さを……この子に……!
「私はね……ツインテールのティアラちゃんの方が可愛いと思うよ! だってほら見て! ティアラちゃんって幼可愛いって感じでしょ!? そんな子が、美少女が! えへえへ笑いながらぴょんぴょん左右の触覚揺らしてニコニコしてたら……ヤバいでしょ!? ティアラちゃんの持つ幼さがより強調されて……可愛すぎてどうにかなるって言うか……似合いすぎって言うか……なんて言うかその……可愛いよ!? ちょっと待って一旦写真撮るね……はいティアラちゃん、チーズ!」
「チーズ?」
「可愛い……ほら見てよクティラちゃんこの写真! 可愛すぎて国宝レベルだよ……ウチの子可愛い……!」
「……ティアラは私の妹だが?」
「ん? じゃあ今日から私の妹ってことで」
「……おおー」
「ねえねえお姉ちゃん、今のサラお姉ちゃんの状態が、所謂限界オタクってやつ?」
「……どこで覚えたのだ、そんな言葉」
「え、SNS」
「……おおー」




