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290.おのおのにゅーよく

(リシアお姉ちゃん家のお風呂……久しぶりだー……)

 午後八時を過ぎた辺り。私たち愛作家は急遽安藤家にお泊まりすることになった。提案したのはリシアお姉ちゃんではなくまさかのクティラちゃん。更に驚いたのは、突然の提案だったのにやけにあっさりとリシアお姉ちゃんが了承したこと。

 リシアお姉ちゃん曰く、今日はお父さんが帰って来ないし、一人は寂しいからとのこと。

 私は天井を見上げながら、手のひらでお湯を掬いながら、ふぅと一息ついてみる。

 温かいお湯。人一人なら余裕で入れる浴槽。正直、ウチの風呂と何が違うのかわからないけど、何か匂いが違う気がするし、お湯もいつもより心地いい気がする。

 パチャパチャと水音を鳴らしてみたり、一人で水鉄砲で遊んでみたりする。けどすぐにそれらには飽きちゃって、思わずため息をついてしまう。

(リシアお姉ちゃんと一緒に入ればよかったなぁ……まあいいや……そろそろトリートメント染みただろうし……身体洗おーっと)


 *


「気持ちいいねー……お姉ちゃん……」

「うむ……心地よく気持ちよい……裸の付き合いというのも存外悪くはないものだ……」

「お姉ちゃんとお風呂なんて何年振りだろうね……えっと……ひーふーみー……」

「十六年ぶりくらいではないか?」

「んー……お姉ちゃんが言うならそうかも、それでいっか!」

「ふふふ……どうだティアラ、久しぶりの混浴だ。私が身体を洗ってやろうか?」

「んにゃ? いいの? じゃあお願い!」

「んぎゃあ!? 目にお湯が!」

「わぁ!? ご、ごめんなさいお姉ちゃん! 勢いよく立ち上がり過ぎちゃった……」


 *


(サラちゃんと銀髪赤眼美少女姉妹の浸かった残り湯……うぇ……何その変態みたいな感想……)

 サラちゃんとクティラちゃんが出た後、私は一人で自分の家のお風呂に浸かっていた。

 そこそこ減っているお湯に全身を浸からせながら、持ってきたスマホで好きな音楽を流しながら、私は何となーく天井を見上げている。

 いつも入っているのに、こうして入浴しているのに、なんだか普段とは違う雰囲気を感じる。何も変わらないのに、お風呂の外に愛作家が居ると思うと何だか、恥ずかしいというか、違和感があると言うか。

 別に愛作家のお風呂に入るときにはこんな風に、変に意識することはないのに、どうして今日はこんなにドキドキするんだろう。

 エイジが居るからかな。私の家にエイジが。

(エイジ先にお風呂に入れたほうがよかったかなぁ……)


 *


「……はぁ」

 安藤家のお風呂。唯一の男である僕は、溢れ高まる羞恥心を必死に抑えながら、申し訳程度にお湯に浸かっていた。

 僕は悩んでいた。この風呂に一番最初に入るか、最後に入るかを。最初に入ったら女の子達が僕の浸かった残り湯に入ることになって不快に思うかもだし、最後に入ったら入ったで入浴後のお湯に興奮する類の変態だと思われていた場合、嫌な思いをさせてしまうから。どっちがベストなのか、マシなのか、マジで死ぬほど悩んだ。

結果、最後に入ることになったけど。

「……とっとと出るか。恥ずかし過ぎて死にそうだし」

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