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177.銀髪赤眼美少女に囲まれて

「……んー……」

「どうしたんだリシア? 変な声出して」

「……んにゃ。なんでもない」

 疲れちゃったのか安心したのか。文字通り私の膝を枕にして眠るサラちゃんを優しく撫でながら、私は一人悩み事を抱えていた。

 エイジを一瞥する。いつもの男の子のエイジではなく、彼は今、絶世の銀髪赤眼美少女お兄ちゃんだ。女の子の私でも惚れ惚れしてしまうほどに、彼は今、とっても素敵な美少女だ。

 サラちゃんを一瞥する。彼女は元より美少女だけど、ティアラちゃんと合体することによって、エイジをも超える究極の銀髪赤眼美少女妹へと変身できる。きっと誰もが老若男女が見ても一瞬で一目惚れするであろう美少女。本当に可愛かった。

 クティラちゃんを思い浮かべる。エイジの姿の元だけあって、彼女もしっかりと可愛い銀髪赤眼美少女だ。クティラちゃんの性格上、どこか凛々しさも感じてカッコよくも見える。

 ティアラちゃんを思い浮かべる。言うなれば彼女は、銀髪赤眼美幼女と言ったところだろうか。他三人にはない、幼いが故に持ち合わせる守りたくなるような、母性を擽るような、兎にも角にも最大限に甘やかしてあげたくなる魅力を持っている。

「……はぁ」

 私は小さくため息をついた。何故ならば、私だけが銀髪赤眼美少女ではないからだ。

 正直、私は不細工ではないと思う。けれどそこまで飛び抜けて美人かと問われると首を傾げたくなる。それくらいの顔だ。サラちゃんはよく褒めてくれるけど、逆にサラちゃんしか褒めてくれないからあまり自信はない。

 それに比べて、私の周りにいる銀髪赤眼美少女たちは本当に綺麗で可愛くてカッコよくて羨ましい。素人目で見ても、きっとプロの目で見ても、彼女たちは間違いなく美少女だ。羨ましい。

 いや、羨望よりも、どちらかと言うと私は疎外感を感じているのかもしれない。

 だってなんか、ズルいし寂しいじゃん。みんな銀髪赤眼美少女なのに、私だけ黒髪ポニーテールゴリラなんだもん。彼女たちに比べたら私、力しか取り得ないもん。

 私も銀髪赤眼美少女になって、銀髪赤眼美少女とイチャイチャしたい。

 銀髪赤眼美少女お兄ちゃんのエイジと、銀髪赤眼美少女お姉ちゃんの私で、銀髪赤眼美少女妹のサラちゃんを撫で撫で──

「……えへ」

「……ん? なんか楽しそうだな、リシア」

「んー……えへへ……そう? でもなぁ……はぁ……」

 私は思わずため息をついてしまった。だって絶対実現しないんだもん。私の想像した理想の妄想。

「……どっちなんだ?」

「……どっちもかな」

「あ、ごめん。聞こえてたか……」

「いいよ別に……はぁ……」

 銀髪赤眼美少女からの謝罪を聞きながら、私は三度目のため息を小さくついた。

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