表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しの恋路応援前線!  作者: 赤いシャチホコ
第三章『秋』
PR
89/160

75 『舞台』観劇

学校祭一日目、75話です!

よろしくお願いします!

「お疲れ様ー。俺らが入るから上がっていいよ」


 『展示』のシフトに入って二時間。航先輩がやってきてそう言い、俺は労働から解放された。労働なんて言いながらも、来てくれた知り合いに色々説明したり写真撮影をしたりと中々楽しかったけど。


 『展示』の教室から出て、スマホを開いて文化祭マップとスケジュール表を確認する。

 さて、どこへ行こうか、と一つずつ確認してみると、丁度もうすぐうちの団の『舞台』が始まる時間だということが分かった。さらに、うちの団の次は千波の団の『舞台』のようだ。裏方役とはいえ『想い人』が携わってるやつだし、なんか舞唯さんがメイン役で出るみたいな話も聞いたからちょっと観たいって思ってたから丁度いい。次はこれに決まりだ。


 少し早いが、会場の体育館に向かおうと足を進めると、途中でたまたま碧と出くわした。一人で廊下の壁にもたれかかってスマホを弄っていた碧に近づいていくと、こちらに気づいたようでスマホを閉じ、こちらに向き直る。


「あれ? 碧一人?」


 意外と、なんて言うのは失礼かもしれないが、意外と友人が多い碧はてっきり友人複数人と文化祭を謳歌しているものと思ってたんだが。という意図で尋ねてみると、少し苦笑いを浮かべながら碧が答える。


「あー、さっきまでは直紀達がいたんだけど、なんか「シフトが〜」とか言っていなくなった。あと、俺は友達は多くてもあんまり深い仲にまで達する人が少ないからこういう時あぶれるんだよね」


 初耳の碧の友人事情に少し驚きを覚えつつも、こんなところで会えたのも何かの縁だと思い、碧を誘ってみることにした。


「もうすぐうちの団の『舞台』があるみたいなんだけど、一緒に行かない?」

「へぇ。何やるの?」

「えーと、「鬼sideももたろう」? なんか、鬼視点から見た「ももたろう」を演じてみる、って書いてある」

「何それ気になるな。よし、暇だし俺も行くよ」


 見事に碧の勧誘に成功。そのまま碧を連れて体育館へ。

 体育館に着くと、中からは盛大な拍手が聞こえてきた。どうやら丁度前の団の『舞台』が終わったらしい。少し早いかと思っていたが、碧と話しているうちに良い具合に時間が経ったようだ。


 前の団を観ていた人が一気に体育館の外に溢れ出すのを見送ると、俺達は体育館の中へと足を踏み入れた。体育館の前の方の席は「一般客専用席」と書かれていたので、とりあえず後方の席の中で見やすそうな場所を適当に見繕って腰をかける。


 無事に座れたので、あとは始まるのを待つだけ、と周りを眺めていると、出入り口の辺りに見覚えのある影を見た気がした。目を凝らして探してみると、やはりさっき見たものは見間違いではなく、杏実さんだった。その隣にはダンス部の友香梨さんもいる。

 様子を伺うに、どうやら席を探しているようだ。開演の時間が近くなり、段々と席が埋まってきたので二人で隣り合わせに座れる場所が少なくなっているのだろう。

 そう思いながらちらりと俺の隣に座っている碧のさらにその隣を見ると、なんの偶然か席が二つ連続で空いていた。

 すごいな、杏実さん。このタイミングで碧の隣が空いてるとか世界に愛されてるだろ。こんな絶好の機会を杏実さんに知らせないわけにはいかない、とメッセージアプリで連絡しようとすると、それよりも早く碧が動いた。その場で立ち上がると、杏実の方に手を振り、少し大きめの声で呼びかける。


「杏実〜。ここ空いてるよ〜」


 碧も杏実さんのことをちゃんと見つけてたのか、と少し驚いていると、その間に杏実さんがこちらに駆けてきた。

 そんな杏実さんを見て碧が声をかける。


「ほらここ。俺の隣空いてるから良ければ」

「ふぇっ?! と、となり?」


 『想い人』の隣ということに対してあからさまに反応する杏実さんの様子に、「あ、嫌だった?」なんて杏実さんの気持ちに一ミリも気づいていない発言。

 それに対し、杏実さんは「そ、そんなことないよっ! お、お隣失礼しますっ」と語尾に勢いをつけて照れを隠しながら返答。

 しかし、真っ赤に染まった耳は隠せておらず、そこを切り取って仕舞えば杏実さんが照れているのは丸わかりだ。碧はこれに気づいてるのかなぁ? と考えていると幕が上がり、我らが赤団の『舞台』が始まった。






 『想い人』の隣で観劇。

 このシチュエーションに気を取られずに気ままに観劇できる人はいるのだろうか、なんて考えながら体育館のステージを眺める。

 しかし、(杏実)の心臓はずっと速い鼓動を刻んでいて、時折上がる碧君の感嘆の声にすっかり囚われてしまっている。おかげで『舞台』の内容がちっとも頭に入ってこない。


 そもそも、なんで私を隣に誘ってくれたんだろう、という疑問が生じる。そして、私に対して好意を持ってくれているが故のお誘いだったらなぁと思う反面、きっとそんなことはなくてただ単に碧君が優しかったからなんだろうなぁと思ってしまう。

 一体、どうすれば碧君に意識してもらえるのか。

 そんな事を考えているうちに幕が下り、『舞台』が終わってしまった。

読んでいただきありがとうございました!

読んでみて少しでもいいなと思ってくれたら、感想やブックマーク、評価などいただけると嬉しいです!励みになります! PS.年内中に総合評価100ポイントまで行けたらなぁなんて我儘を言いながら

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ