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幻想奇譚

哀愁の甘味屋

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

懐かしくて泣くかと思った本日です。


第二の故郷に帰らせて戴きます。えへへ。言ってみたかっただけです。

こんにちは渡です。本日は、上述の通り、第二の故郷に帰ります。以前は行列に尻込みして、思わず踵を返してしまった甘味処。学生時代に通い詰めた、あの懐かしい甘味処。大好き……なのです。そこの餡蜜と、小倉とアイスが乗ったパフェが。ふふふ。楽しみなのです。

長い電車を終点まで。それを二回ほど繰り返したところで漸く目的地に着きました。

お久しぶりです。此処の土地。お久しぶりです。宙様。お元気ですか? でも此処の土地神様、空様に御挨拶する前に、今は少しだけ我儘を言わせて戴きたいと存じます。

という訳で、私は神社のお膝元であるとある甘味屋に参りました。まだ開店時間前です。様子を伺ってから、また……。そう思っていた矢先、小さな緑の庭園からひょっこりと人影がご覧にいれます。従業員の方でしょうか? そう思って覗くとご夫婦が二人ほど、張り出したメニューを見ながら団欒をしている最中で御座います。

学生時代には、地元の人達が陰ながら応援する甘味処だと思っておりました。けれどももう過去の話なのかも知れません。私もこうして終点電車を乗り継いで来る場所なのですから。

そんな事をぼんやりと考えていると、従業員の方が顔を出し、暖簾を下ろして下さいました。一歩中に入ると、懐かしい香り。木と囲炉裏の香り。それらは何処にもないのに感じてしまう過去の哀愁故でしょう。暖光ぽつぽつと明かりを灯し、そっと店内を照らして下さいます。

こじんまりとしたこの優しい空間の中をくるくると歩き回る店員さんに声を掛けて、注文を。

「餡蜜と、小倉グラスを一つづつ」

「はぁい」

注文後、さりげなく辺りをみ回します。配置は少し変わっておひます。四人がけの席が二人がけに、でも隅の方の座席はそのまんま。この空気も、優しさも、温かさも、すべてそのまんま。

懐かしくて涙が出そうになった最中、店員さんが幸せを二つ分拵えて下さいました。

「餡蜜と小倉グラスです。片手から失礼しますしますね〜」

かつての私の楽しみが二つ、テーブルに並んでおいでです。餡蜜と、小倉とアイスがぎっちりと入ったグラス。食べなくても、懐かしさはそこに。

まずは餡蜜から。黒蜜の池に沈んだ寒天と、その上に乗った丸い餡子。一口入れればただただ優しい甘さが口いっぱいに広がります。重く、ないのです。此処の餡子は、黒蜜は。ただただ優しく口腔を包んで、ゆっくりと喉を下るのです。

飾られた果実、杏と蜜柑と、バナナ。中でもバナナが印象的、熟れてくずれる訳でもなく、しっかりとその触感をたもったままに、ただただ歯に潰される。変わらないお味。私は今まで食べたバナナの中で、此処が一番美味しいと思うのですよ。

小倉グラスは如何でしょう? 餡蜜を先に戴いたばかりに、アイスは形を崩して蕩けてしまってます。それをグラス一杯の餡子と混ぜて掬うと、マーブル柄の甘い蜜が出来ました。零さないように、落とさない様に、口に入れると、餡蜜とはまた違った甘さ。冷たくて、しっとりしていて、口内を落ち着かせてくれます。

もうかつての話。何年も前の話。過ぎ去った学生時代の話。でもこうして続けて下さる事に深く感謝を。出来れば私の命の火が消されるその時まで、存続をお願いします。

また、絶対、来ますのでっ……。

修羅場の漫画家の気分を最大限に味わった先週です。

あ、まだ修羅場ってません。試練は此処からです。


という訳で、何もかも投げ出す前に第二の故郷に来ました。

宙様(仮名です)にも会いたいし、餡蜜食べたいし、小倉グラス(権利の都合上少し変えました)食べたいという気分の元訪れました。


その場所だけは何一つ変わってなくて、内装も、匂いも、味も、何一つ変わってなくて、少し泣きそうになりました。

代わりの店を探したんです。

でも何処にも無くて、似た雰囲気のお店を訪れる度に、心の何処かで自分に失望してました。

(クソデカ感情故に、別れた彼氏感があります)


懐かしすぎて内心泣きながら食べてました。

開店前から行列出来てたし、人気があるのは重々承知の上です。

だから店主様の体だけが、しこたま心配……。

それで一度長期休み入ったので……。


という思いの元、幻想奇譚です。


懐かしいチェーン店のつけ麺食べました。

『あれ、味あっさりした( ˙꒳˙ ) 私の味覚が変わった? ちゃうの?』状態でした。


ちょこちょこお買い物を進めた珍しい月。

モバイルバッテリーと長傘の偉大さを身に染みて感じます。

スマホ依存症、折り畳み傘は上手く畳めない。

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