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地上から約3m50cmの酸素

地上から約2m70cmの酸素

作者: 些稚 絃羽
掲載日:2014/12/18

完結済『地上から約3m50cmの酸素』より、もう1人の主人公・キヨの思いを。

無邪気な夢を見たくて 空を見上げてたんだ

ここより上の酸素が欲しくて 背伸びをしたんだ


ありふれた笑顔の様な 作られた上澄みが

胸の奥 圧迫する様に苦しめて

澱んだ底にいる僕は 重力に逆らえない


前後不覚で 左右もなくて

ただそこにいるだけのハリボテみたい

それならいっそ本当のハリボテにして

肺を満たす鈍色の酸素から どうか僕を遠ざけて



誰も知らないあの場所へ  今日もまた僕は行く



逃れるため 辿り着いたその場所は

ほんの少し居心地が良くて

遮られることなく空を眺めた


居る筈の場所から飛び上がって

ここはどれほど清らかだろう

肺一杯に透明の酸素を吸い込んだら

僕の中に穏やかな上澄みができた



影ができる 君の影

立ち上がったその場所の 酸素はどれほど安らかだい?

二人並んで吸い込んだ 酸素の濃度は変わらない


もう少しだけこうしていよう

コンクリートと酸素が 僕等の体温で温まるまで



砕けそうな思いは今 空へ飛ばすから

どうか煌く星になれ


  

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