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お、オヤジ!?
国境に達するまでに、数回の戦闘があった。まあ、リーオが食ってしまったが。怖い魔族だ。
「南無南無…」
「おい、なんか失礼なこと考えてないか?」
放送禁止…
リーオの牙は、快、イヤイヤ、痛かった。
出口が見えてきた。不思議と向こうは赤く光ってみえる。
「止まれ!!」
後ろから声が聞こえた。
「幻聴? 幽霊?」
呑気にそんなことを言ったリーオを放って、ぼくは闇をにらみ返した。
「忘れたとは言わせないさ」
暗がりから出てきた人影。メタリックブルーの髪の毛をロン毛にして、あまり格好いいとは思えたい中
「誰が中年顔だ? あ?」
とにかく、そのエスパー(?)能力をもったそいつは、青い騎士服を揺らして絶叫した。
「「で、誰? あんた?」」
ぼくとリーオがはもって言うと、大量の投剣がエスパーから飛んできた。
「ふ、ざけんな!!・!
「オヤジか?」
僕が尋ねると、オヤジが応える。
「な! に! が! オヤジだ!!!」
身体を貫いた投剣は、やけに重かった。