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少年(?)山田の胃が痛い日々  作者: 夏澄
プロローグ
2/95

2・わたしと彼女の関係

「知人以上友達未満」


それが私と彼女の関係である。


私と彼女の出会いは中学2年生の時のこと。

彼女は当時から可愛かった。クラスに1人はいるマドンナ的存在。それが彼女、相原 桃子だ。

時々、男子生徒に告白されたりはしていたようだが、このころはまだ今のように逆ハーレム状態ではなかった。

彼女の魅力は年々強さを増してきているように思う。

もっとも、中学の頃は恥ずかしくて告白に至らなかった男子が、高校生になり、今のように激しく求愛してくるようになったのもあるだろう。


同じクラスとはいえ、彼女とはあまり交流はなかった。

ただ単に、交友関係の輪が違ったのが原因だ。彼女は男友達が多く、わたしは半々だった。

彼女は元来明るい性格だから、男子だけでなく女子とも普通に仲良くしていたようだが。

まあ、モテるので、一部の女子からは多少のやっかみはあったようだ。


わたしは恋愛系のことにあまり関心がなかったので、最初彼女のことは「可愛くてモテる子」ぐらいの認識しかなかった。

むしろ、リアルで乙女ゲーの主人公を見ている気分になれて面白い、とさえ思っていた。

でもそれはあくまで自分が蚊帳の外にいる場合限定だ。自分に迷惑が被る状況になると、笑って見ている状況ではなくなる。


ある日、わたしの男友達Aが、桃姫に告白して玉砕した。

彼女曰く、「良いお友達でいて」とのこと。

その男友達Aは「良いお友達ってなんだよ!?」と泣いていた。

彼は相当入れ込んでいたらしく、復活するまでの一週間、毎晩電話で愚痴られた。あの時は寝不足になって小テストでミスを連発するわ、母親からは「あんた彼氏できたの?」と言われるわで精神的にきつかった。


ある時は、わたしの男友達Bが、桃姫に告白して玉砕した。

彼女曰く、「友達以上には見れない」とのこと。

その男友達Bは「恋愛対象に見られない俺ってダメな奴!?」と泣いていた。

彼は吹っ切れる手段として、「バカヤロー!!」と叫ぶためだけにわたしを誘って海へ行った。移動手段は自転車だった。(わたしの家から海へは自転車で3時間かかる。)

あの時は夏場で、危うく熱射病になりかけ、日焼けあとの皮がめくれて痛いわ、筋肉痛で2日は動けなくなるわで肉体的にきつかった。


似たような事がその後3回は続き、最後にはバカバカしくなって、振られた友達F以降は泣いているのを発見しても関わるのをやめた。

友達Fには「薄情者~!」と言われたが、無視しておいた。


思えばこの頃からわたしの胃は荒れていたように思う。


今あげたのは男友達の場合だが、女友達の場合もあった。

「好きな人が桃姫のことを好きになった」というパターンがほとんどで、

中には「彼氏が、桃姫が1番でお前は2番だと言ってきた」という酷いものもあった。


その度に、オールでカラオケ、ケーキバイキングのドカ食い、衝動買いの荷物持ち、等のフォロー役にまわった。

男友達のフォロー役は断っても、さすがに女友達はないがしろにできなかった。

(散々、引っ張りまわされましたとも。)


わたしは桃姫に直接、迷惑を被ったことはない。

(でも、火の粉がこっちに飛んでくるんです!)


わたしと彼女の関係は

「知人以上友達未満」

それだけで良い。


(ってか、頼むからこっちに火の粉が飛んでこないようにお願いします。)








火の粉か飛ばないように願うが、そうはいかない話。

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