9話 迷子の家探し
レ「ここで少しお詫びをしたいと思います。」
シ「投稿した話の中に行替えをミスっているのがあるのに気が付いたので、お詫びします。」
レ「さて、気分を変えて行きましょう!」
シ「今回は休憩話だけど、少し関わりのある話だぜ。」
レ「では見てください!」
遠足事件から数日たった。期末テストも終わり、夏休みまでもうすぐの暑い日の話である。
「あっちぃ~」
サウナのような暑い教室の中でシャインがダラダラと汗を流したがボヤく。
「もう7月だからね。」
レビィもさすがにバテている。
「さっさと掃除終わらして帰ろうぜ。」
「そうだね。」
2人は掃除当番をちゃっちゃと終わらして、教室を出た。
「あれ?寮じゃないの?」
レビィが正門から出ようとするシャインに尋ねる。
「ああ。久しぶりに帰ろうかなと思ってな。」
「ふ~ん…あっ!シャインの帰る方向にコンビニない?」
レビィがもうひとつ尋ねる。
「あるけど、何か買うのか?」
「ちょっとコピーしたいものあるから。」
「ふ~ん…」
2人はレビィのコピーのためにコンビニに向かった。
2人がコンビニに着いた時、しくしくと泣いている声が聞こえた。
「どこだ?」
シャインが辺りを見渡す。
「あっ!あそこ!」
レビィがコンビニの隅っこを指すと、そこには泣いている6歳ぐらいの男の子がいた。
「どうしたの?」
レビィが近付き、同じ目線になるように屈む。だけど男の子は泣き止まない。
「大丈夫、私達は君の味方だよ。」
レビィがニッコリ微笑む。それを見た男の子が一瞬泣き止んだが、また泣いてしまった。
「どうしよう、泣き止んでくれない。」
レビィがシャインに助けを求める。
「たく…」
シャインはレビィをどけて男の子の前に屈むと、ガッと頭を掴んだ。男の子はビクッと怯える。
「ちょっとシャイン!」
シャインの行動にレビィが慌てる。
「泣くな、男だろ。」
シャインはその一言だけ言い、ジッと男の子の目を見る。すると、男の子は泣き止んだ。
「よし。」
シャインはニヤッと笑い立ち上がる。
「すごいねシャイン。」
レビィが耳元で囁く。
「こういうガキはテレビゲームとかのキャラに憧れるから、そいつらが言いそうなセリフが一番ガキに響くんだ。」
シャインが囁き返す。
「へぇ~」
レビィが感心する。
「おし、とりやえず泣き止んだから名前教えてくれ。」
シャインがまた屈む。
「リウド。」
男の子がボソッと呟く。
「リウドか、いい名前だ。俺はシャイン、こっちがレビィだ。」
シャインが自己紹介する。
「シャインお兄ちゃん、レビィお姉ちゃん?」
リウドが繰り返す。
「そうだ、よろしくな。」
リウドがコクッと頷く。
「さてリウド、お前自分の家の場所分かるか?」
シャインの質問にリウドがフルフルと首を振る。
「黒い猫追いかけていたら、全然見たことない場所にいたの。」
リウドが事情を説明する。
「全く分からないの?」
レビィが尋ねると、リウドが頷く。
「そうか、じゃあこの周辺歩いてみるか。」
シャインがリウドを連れて歩きだしたが、レビィが止める。
「待って、コピーだけさせて。」
そう言ってレビィはコンビニに入っていった。残された2人はやることもないから素直に待つことにした。
数分後、コピーを終えたレビィがコンビニから出てくると、缶ジュースを片手に2人が待っていた。
「あ、ズルい2人とも~私だって喉乾いてるのに。」
レビィがムッと怒る。
「そう言うと思って買っておいた。」
シャインがホイとジュースを渡す。
「何よ、あるならあるって言いなさいよ。」
レビィが素直に受け取る。
「さて、じゃあ、行きますか。」
飲み干した缶ジュースを後ろに投げて見事にゴミ箱に入れ、歩き出す。
「うん。」
レビィとリウドがシャインに付いていく。
リウドの家を探すため、シャイン、レビィ、リウドは少しオシャレな住宅街を歩いていた。
「ここらへん見たことあるなと思ったら言えよリウド。」
シャインが少し後ろをレビィと手を繋ぎながら歩いているリウドに忠告する。
「うん。」
リウドが頷く。
「ねぇ、レビィお姉ちゃんはシャインお兄ちゃんとチューしたの?」
ストレートな質問にレビィが顔を赤くする。
「ど、どうして、そ、そんなこと聞くの?」
慌てふためくレビィ。
「だってレビィお姉ちゃんシャインお兄ちゃんと仲良しだからしたのかなって思って。」
レビィは無邪気な笑顔を見て、返す言葉を悩む。
「リウド!男なら察しろ。」
シャイン誤魔化すように注意する。
「わかった。」
リウドが素直に頷く。
「で、ここらへんは見たことあるか?」
シャインがリウドに聞くと、リウドは首を振る。
「そうか…場所変えるか。」
そう言ってシャイン達は場所を変えた。
次に向かったのは金八先生のオープニングに出てくるとこにそっくりな土手を歩いていた。
「キレイな川ね~」
レビィが感動する。
「ここらへん見たことある。」
リウドが思い出す。
「ホントか!」
シャインが喜ぶ。
「うん。ここ学校に行くときに通る。」
リウドが説明する。
「そうか、じゃあ家は近くだな。」
3人が歩いていると、川から突然水柱が立った。
「な、何!?」
レビィとリウドが怯えていると、
「お前らここにいろ!」
そう言ってシャインは川に走り出す。川に近付いたシャインは川を覗く。
(別に何もいないな…)
シャインが調べていると、隣に土手で待っているはずのリウドがいた。
「リウド!待ってろって言っただろ!」
シャインが怒る。そこにレビィも来た。
「レビィ!ちゃんとリウドのこと見とけよ!」
シャインがレビィにも怒る。
「ゴメン。頑張って止めたんだけど…」
レビィが謝る。
「まあいい。」
シャインが調査を再開する。
「それで何か分かった?」
レビィが尋ねると、シャインが首を振る。そしてレビィも加わり、2人で調べる。リウドも2人のマネをして調べていたら、川の中に何かウネウネ動いている物を見つけた。
「ねぇシャインお兄ちゃん!ここに何か…」
リウドが2人に知らせようとした瞬間、川からウネウネ動いていた物がリウドを掴み、川に引きずり込んだ。落ちた音でシャインとレビィが気が付いた。
「リウド!」
シャインが靴を脱ぎ、急いで川に飛び込んだ。レビィは上で待つしかなかった。
飛び込んだシャインはリウドを掴んでいる物を見て驚いた。
(タコ!?)
その正体は、3メートルぐらいはあろかのタコだった。
(なんでタコが川に…)
そんなことを考えながら、シャインはタコに近付く。
(この野郎、リウドを離せ!)
シャインがタコからリウドを離そうとすると、タコがシャインを吹っ飛ばす。
(離せ!)
シャインは怯まず、リウドに絡まっている足をほどこうとする。だがなかなか取れない。
(離せって言ってんだろうが!)
次の瞬間、シャインの目付きが変わり、レビィに似た、黄緑色のオーラが現れた。
(だから…離せって言ってんだろうがーーーーー!)
そしてシャインがキレた瞬間、オーラが立ち上る。上にいたレビィが驚く。
(風の…柱?)
レビィが立ち上る風の柱を見ていると、川からタコが飛び出してきた。
「『オクトパン』!?」
レビィが打ち上げられたタコを見て驚く。
「シャインとリウドは!?」
レビィが慌てて川を覗いていると、
【今はこのタコを倒す方が先だ。】
「ナイト!?…でも、そうだね、頼むわ。」
そう言うと、レビィの髪が黒くなり、瞳が赤く染まった。
「行くぞ!オクトパン!」
レビィ・ナイトは地面を蹴り、タコに突進する。
「[月牙]!!」
ナイトが一瞬でタコの後ろに回り込み、一太刀をあびせた。
「夜刀、[無月]!!」
立て続けに、目に見えないスピードで強烈な一太刀をあびせた。そして、鞘に納めた瞬間、オクトパンは真っ二つになり、消滅した。
「終わったか。」
ナイトがふぅ〜と息をついていると、
「ブハァ!…ゴホ…ゴホ…ハァ…ハァ…」
川からシャインがリウドを抱え上がってきた。
「我が主よ、無事であったか。」
ナイトがホッとする。
「リウドは無事か?」
ナイトが心配する。
「大丈夫だ。すぐ気を失ったらしく、あまり水を飲んでいねぇ。」
シャインが説明しながら濡れた服を脱いで絞る。
「ん?サファイアに戻らないのか?」
シャインが尋ねる。
「やはり、サファイアの方がいいのか?」
意外な質問にシャインが少し驚く。
「いや、サファイアでもナイトでもレビィはレビィだからな、どっちがいいとかないけど。」
シャインがまだ少し湿っている服を着ながら答える。
「そうか、それならいい。」
そう言って、ナイトとサファイアが入れ替わった。
「また変な質問して。」
レビィ・サファイアがナイトにムッとする。
「聞いていたのか?」
「うん。ナイトがそうしてくれたの。」
2人が話しているとリウドが気が付いた。
「気が付いたかリウド。」
シャインがホッとする。
「シャインお兄ちゃん?」
リウドがシャインを見つめる。
「そうだ。」
そうしていると、1人の女性が近付いてきた。
「リウドー!」
その声にリウドはパッと明るくなり、すぐに立ち上がった。
「ママ!!」
リウドが女性に走り出し、抱きついた。2人は母親を見た瞬間目を丸くした。
「ナナリー先生!?」
なんと母親の正体は自分達の担任、ナナリー先生だった。
「あなた達!」
ナナリー先生も2人の存在に気が付き驚く。
「リウド君ってナナリー先生の息子さんだったんですか。」
レビィがナナリー先生に事情を説明する。
「そうだったの。ありがとう2人とも。」
ナナリー先生が頭を下げる。
「いやいや、国語の単位少し上げてくれればいいだけですよ。」
シャインがニヤリとする。
「それとこれは別の話。」
ナナリー先生がキッパリと言い、シャインがしょげる。
「でも本当にありがとうね。ほら、リウドもお礼言いなさい。」
「ありがとう、シャインお兄ちゃん、レビィお姉ちゃん!」
「うん。」
「もう迷子になるなよ。」
シャインとレビィは手を繋ぎながら帰っていく親子を見送った。
「さて、俺らも帰るか。」
シャインが帰ろうとするので、レビィが慌てて止める。
「待ってシャイン、あなたオクトパンをどうやって打ち上げたの?」
「オクトパン?」
「さっきのタコ。」
「あ~あいつか、それが俺にもよく分からねぇんだ。いつの間にか目の前にいないから、とりやえず川から出ようと思って出てみたら、お前がタコを倒していたんだ。」
シャインが説明を聞いて、レビィは首を傾げた。。
(あれ?シャイン、あの風の柱に気が付いていないの?じゃああれは無意識に放ったのかな?)
「どうしたレビィ?」
いきなり悩むレビィにシャインが尋ねる。
「ううん、なんでもない。」
レビィが笑って誤魔化す。
「そうか、じゃあ俺は帰るから気を付けて帰れよ。」
そう言い残して、シャインは自分の家に帰っていった。レビィもさっきの風の柱について考えながら自分の家に帰っていった。
そして、さっきの風の柱を見たのはもう1人いた。
「ナハハハハ、偶然通りかかっただけなのにいい収穫しちまったぜ。」
それは桜色の髪のクラウドだった。
「これは面白くなりそうだ。」
クラウドは笑いながら何処かに行ってしまった。
ス「さて次回はいよいよ夏休みだぜ!」
エ「何しよっかな~」
シ「俺はプールに行きたいな。」
ス「いいねプール!ビキニだろ、ビキニだろ、ビキニだろ…」
サ「変態。」
ス「ガ〜ン…」
シ「で、次回は何なんだ?」
ヒ「次回はなんと、そのプールの話です。」
ス「マジ!?」
ヒ「女性人の水着姿を拝めますね。」
シ「活字だから読者には分からんがな。」
ス「俺達が拝めたらいいんだ。」
ヒ「そうですよ。」
レ「男の子って…」
ス・ヒ「では次回をお楽しみに!」