6話 遠足サバイバル(1)
レ「ねぇ、最近思うんだけど、最初のキャラクター紹介に書かれている性格、無視してるよね?」
シ「ああ、あれな、ホントに最初の設定だからな…じゃあここで宣言しよう。最初の性格設定は無視してください!」
レ「えっ!?いいのそんなこと言って!?」
シ「いいんだ。筆者が考えた答えだ。」
レ「そう…なんだ…」
シ「では、見てください!」
梅雨とは思えないほどの晴天の中に学校規定のジャージを着た魔法科の全員がグラウンドに集められていた。今日は遠足の日である。
「え~、今日の遠足のプランを説明するぞ。」
前で体育の先生が話始める。それを上の空で聞くシャイン。
でも読者の皆さんは分からないと思うので、説明します。この遠足のプランは、天龍山という山に登山をしに行き、その山に流れているらしい魔力を高める水を飲みに行くというプランである。でもここで疑問がうまれる。何故『魔法科』の人だけなのか?それは天龍山には普通に登山ができる『セーフエリア』と、普通に魔物が生息している『アウトエリア』があり、たまに襲われる事件もあるから、魔法を使えない普通科の人は危険だと判断され、魔法を使える魔法科の人だけが行くことになったらい。て言うか、普通科の人に魔力を高める水を飲む意味もないんでね。分かってくれましたか?では、続きをどうぞ。
「続きをどうぞ。じゃねぇよ!何だよ↑の説明文!これで分かるのか?」
シャインが説明文にケチつける。
「いいんじゃない。こんな感じで。」
本を読みながらサナが言う。
「ダメだろ。普通に魔物が生息しているって…」
「魔法科の人間は自分の身ぐらいは自分で守れってことね。」
「身勝手な…」
シャインとサナが話していると、体育の先生の話が終わり、バスへと移動が開始した。すると、何故かレビィがムスッとなっているのにシャインが気が付いた。
「どうしたレビィ?」
「うるさい!」
シャインの耳元で怒鳴り、レビィはつかつかと歩いていった。
「何だよあいつ。」
「モテる男はいいね~」
突然現れたスノウが茶化す。
「どういう意味だ?」
それを聞いてスノウがため息をつく。
「お前ホントに恋愛系にはダメダメだな。」
「だからどういうことだ?」
「嫉妬してんのよ。お前とサナがずっと話していたことにな。」
「な、なんで私が出てくんのよ!べ、別に私はそういう…」
サナが顔を赤くしてスノウを睨む。
「気にすんな、ただの推理さ。」
スノウ少し小バカにするように言う。
「たく…」
サナは本に目をもどすと、ある言葉を見て足を止めた。
(! この本に書かれていることが本当なら、レビィの夜叉魔法は…)
「サナさん早く乗ってください。」
ナナリー先生がサナを呼ぶ。その声に気が付き、サナは急いでバスに乗った。こうして、龍空高校魔法科の御一行は天龍山に向かって出発した。このあと大変なことが起きるなんて知らずに。
2時間後、龍空高校御一行は天龍山のふもとに到着した。
「やっと着いたか。」
バスをおりたシャインが背伸びをする。
「これを登るのか~、キツいな…」
スノウが山を見上げながら苦笑いする。それもそのはず、天龍山の頂上は雲で見えていない。
「頂上が見えない。」
レビィも見上げる。
「みんな行くよー。」
ナナリー先生が先頭を歩き、登山が始まった。
半分くらい登ったくらいで、登山しながらでも本を読んでいるサナがレビィに近づく。
「ねぇレビィ、1つ聞いていい?」
「うん。何?」
「今私あんたの夜叉魔法について調べているんだけど、それの調査的なものだから、変なようにはとらえないでね。」
「わかった。」
レビィが頷く。
「その…あんたって、認めた人っている?」
サナの質問にレビィが首を傾げる。
「つまり…好きな人がいるの?ってこと。」
少し顔を赤くしてサナが再度聞く。それを聞いたレビィは、サナ以上に顔を赤くして、
「そ、そんな人、い、いるわけないじゃん!」必死に否定する。
「そう。わかった。」
そう言って少し歩くスピードを速める。レビィはそのスピードに追いついて、逆にサナに尋ねる。
「ねぇ、私に好きな人がいるのと、夜叉魔法がどんな関係があるの?」
「もしも、好きな人がいるんだったら、少し気を付けなさい。」
サナはそう答えて、レビィより先に歩いていった。
(気を付ける?)
サナの言葉に疑問を持ちながらレビィも歩いていく。
「ここで昼食しまーす。そっちの崖に気を付けなさいね。」
天龍山には半分ちょい越しぐらいに、大きな草原が広がっており、そこで昼食タイムとなった。いつもの6人は少し崖に近いところで昼食をとっている。
「なにもこんなとこで食べなくても…」
レビィが崖の方を見て苦笑いする。
「崖ではなく前を見ましょう」
上品に弁当を食べているヒューズが崖の向こう側を指す。その方向には、町が一望でき、まさに絶景が広がっていた。
「たしかに。」
レビィが笑顔になる。
昼食を終えた6人は、崖から絶景を眺めていた。その後ろで2人の女子生徒が、草原に一本だけ咲いていた花を見ている。
「見てこの花。かわいい~」
「ホントだ~」
「水あげよっか?」
「そうだね。」
2人が花に水をあげようとするのをサナが気が付き、驚きながら止めようとする。
「! ダメ2人とも!その花に水をあげちゃ…」
だが、すでに遅く、2人は水をあげてしまった。すると、花がみるみる大きくなり、花の真ん中から牙の生えた口が現れ、地面から何本も蔓が生えてきた。
「な、何だありゃぁぁぁ!?」
この状況を見たシャインが叫ぶ。
「『ノウウォターフラワー』よ!花のくせに水が大嫌いで、かけられると、こうやって狂暴化しちゃうの!」
サナが説明しながら構える。
「ノウウォターフラワー?『ノウウォターフラワー』→『ノーウォーターフラワー』→『No・Water・flower』!」
レビィがポンと手を叩く。
「ああ~〜〜」
シャイン、スノウ、エアルが納得する。
「感心してる場合か!」
サナが即座にツッコむ。
「そうですよ。この状況はさすがにヤバいですよ。」
ヒューズが空間から弓矢を出し、構える。
「だな。今はこいつをぶっ倒す!」
シャインとレビィが刀を抜き、スノウはグローブをはめ、エアルは空間からピンクの杖を出し、全員構える。
「[閃風波]!!」
三日月型の衝撃波が蔓を何本か切る。
「私も!」
レビィが漆黒のオーラを纏う。
「[夜刀]!!」
レビィが華麗に宙を舞いながら、蔓を切っていく。
「くらいやがれ![ロックナックル]!!」
スノウが地面を殴ると、フラワーの下から無数の岩が現れ、攻撃する。だが、フラワーは怯みもしない。
「ちっ!」
スノウが舌打ちをする。
「貫け、[サンダーアロー]!!」
ヒューズが放った雷の矢が、フラワーを貫く。
「[ホーリーソード]!!」
エアルが唱えると、数十本の光の剣がフラワーに突き刺さる。そして、ようやく少し怯んだ。
「終わりよ![フレイム・ガン]!!」
サナが唱えると、大きな炎の銃弾が、ノウウォターフラワーを燃やした。そのままノウウォターフラワーはくずれていく。
「やったー!」
エアルとレビィがハイタッチをする。
だが、この騒動の中でこぼれたお茶が崖をつたって流れていく。そして、一番かかってはいけない花にかかってしまった。6人が喜ぶ後ろに不気味な影が現れ、6人が一斉に見ると、2匹目のノウウォターフラワーだった。
「な…」
シャインたちが戦闘体勢に入る前に、フラワーが蔓で6人を掴み、崖の方に放り投げた。
「うわあぁぁぁぁ!」
「キャアァァァァ!」
6人は崖の底へと消えていった。
崖から落ちた6人は、全員気絶していた。その中で、シャインが気が付いた。
「い、痛って~」
シャインは痛めた右腕を押さえながら起き、辺りを見渡す。
「何処だここ?」
そこは森というよりジャングルに近いぐらい生い茂っている。
すると、シャインの隣でレビィが気が付いた。
「う…痛った〜」
「レビィ!」
「シャイン!無事だったのね。」
レビィが立ち上がる。
「何処なのここ?」
レビィが尋ねる。
「分からねぇ、フラワーの野郎に投げ飛ばされたまでは覚えてるんだが。」
シャインが頭をかきながら言う。
「どうやらあそこから落ちてきたらしいわね。」
いつの間にか起きていたサナが崖を指しながら状況を整理する。
「あんなとこから落ちてよく平気だったな俺ら。」
シャインが感心する。
「あんたたちも起きなさい。」
サナの言葉に残りの3人が起き上がる。
「で、ここはどっちなのですか?」
ヒューズがサナに尋ねるが、スノウが割り込む。
「どっちってどういう意味だ?」「ここには『セーフエリア』と『アウトエリア』があるんですよ。ここがアウトエリアなら…」
ヒューズが説明していると、バキバキバキと木が折れる音がし、4メートルはあろうかという虎の魔物が現れた。
「魔物がいるんですよ。」
ヒューズが説明を続ける。
「冷静に言ってる場合かーーーーー!」
6人は全力で逃げ出した。
「ガアアアアア!」
虎の魔物が追いかけてくる。
「この、[アイシクル]!!」
サナが地面を凍らした。すると、そのエリアを踏んだ虎の魔物が思いっきり滑り転倒した。
「今のうち!」
6人は虎の魔物から全力で逃げた。
「はぁ…はぁ…ここまでくれば大丈夫だろ…」
シャインたちは虎の魔物から逃げ切り、森の中に流れていた川の近くで休んでいた。
「この水飲めるのかな?」
レビィが川に近づく。エアルも一緒についていく。
「うわぁ~キレ~」
レビィが言った通り、川はすごく透き通っており、顔を近付けると鏡のように映るぐらいキレイである。
「これだけキレイだったらいいんじゃない?」
エアルが川の水を飲もうとする。
「待って!今調べるから。」
サナがどこからともなく調査道具を取りだし、調べだした。
数分後…
「分かったわ。」
「どうだった?」
エアルが尋ねる。
「この水、飲まない方がいいわ。」
サナが調査結果を報告する。
「どうして?」
「この水は『魔高水』と言って、魔力を一時的に高める水よ。」
「だったらいいんじゃねぇのか?」
スノウが割り込む。
「ドーピングにみたいなものよ。あとからの副作用が大変なの。」
「どんな副作用?」
「効力が切れた時に自分が高まった魔力分だけ魔力が下がるの。」
「ふ〜ん…じゃあ飲まない方がいいわね。」
レビィが飲むのを止める。
「それより、今は自分たちの状況を理解することね。」
「どういうことだ?」
サナの言葉にシャインが尋ねる。
「食料もない。人もいない。魔物しかいないこの森にいるんですよ。すぐに助けが来ると思いますか?」
ヒューズが代わりに説明する。
「思わねぇな。」
シャインが首を振る。
「しかも、夜もふけてきたし、夜の森を動くのは危険よ。」
サナも加わる。
「じゃあ今日は野宿だな。」
少し楽しそうなスノウが割り込む。
「の、野宿ーーー!?」
エアルが叫ぶ。
「仕方がないだろ。こんなとこにすぐに助けなんか来ねぇし。」
スノウが言う。
「冗談じゃないわよ!そんなのできるわけないじゃい!ね、レビィ?」
エアルが訴えてからレビィに聞く。するとレビィがエアルの肩を持ち、
「仕方がないよエアル。しよ、野宿。」
レビィの答えにエアルが肩をおとす。
「もう勝手にして。」
エアルがしぶしぶ承諾する。
こうして、6人のサバイバル生活が始まった。
ス「おっ!ついに俺達も後書きに出れるようになったか!」
エ「うん!そうだね!では早速次回予告といきますか!」
ス「早いな…」
エ「スタッフさんが「押してるから早くして。」って。」
ス「何だよスタッフって…」
エ「では次回予告。次回はシャインとレビィが××しちゃうんだよ。」
ス「決してエロくはないぞ。」
エ「では次回をお楽しみに!」
スタッフ「はいオーケーでーす。」
ス「声入っちゃった!」