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魔法学園  作者: 眼鏡 純
53/88

53話 魔戦天使団副隊長(4)

ス「『龍空deラジオ』ー!」

ヒ「さて、今回は何を話しましょう。」

ア「じゃあ先に連絡を…今回の話の中で『源魔力』という言葉が出てきます。その意味は前に出てきた『源魔法』と同じ意味です。このことを覚えといてください。」

シ「ころころ設定が変わるな。」

ア「眼鏡純さんも悩んでいるんだよ。」

ス「誤字、脱字も多いし。」

ア「いや、だから…」

ヒ「行替えもよくミスってますし。」

ア「だから…」

シ「投稿遅いし。」

ア「あの、みんな…言い過ぎでしょう…。」

ス「いや、なんか悪口言う雰囲気だったから。」

ア「眼鏡さん今頃落ち込んでるよ。」

シ「大丈夫だ。この会話も作者が書いているもんだからな。」

ア「あの、そういうのあまり言わない方がいいんじゃない…かな。」

ス「ん?……ふん…ふん…えっと今、スタッフという名の放送部の奴らがそろそろ尺がもたんらしい。」

シ「そうか、じゃあそろそろ本編を見てくれ。」

 「どういうつもりだ!サナ!!」

シャインが怒鳴る。

「どういうつもりって、見たまんま。魔力を吸収してんのよ。」

サナが座ったまま答える。

「何でお前がそんなことすんだ?」

「仕方ないのよ、それが私の仕事なの。」

「仕事だと?」

シャインは意味が理解出来なかった。

「それより、何で私だって分かったか教えてよ。それ教えてくれたらこっちも教えてやってもいいわよ。」

サナが微笑を浮かべて提案する。シャインはとりあえず今の状況を把握したいため、サナの提案を飲むことにした。

「まず不振に思ったのは、お前の今日の動きだ。こんな非現実なことが起こったら、真っ先に動くお前が動かずここにいる。あと、あのバリアが現れた時、お前は驚いた顔をしなかった。まるでこうなることを知っていたようにな。」

「へぇ~、よく見てたわね。他に証拠になることは?」

「お前が魔法陣を作っていたことを思い出したんだ。あの時作ってた魔法陣って、あの空にあるやつだろ?」

シャインが空に展開されている魔法陣を指す。

「フッ、それは証拠って言うより予想ね。ま、的中してるから何も言い返すことないけどね。そうよ、私が作ってたのは確かにあの魔法陣、名前は『吸収魔法(ドレインマジック)』。魔力を吸収する魔法陣よ。」

サナが素直に答える。

「他にはないの?」

サナがまた尋ねると、

「『あっちの魔法』。」

シャインが間を開けることなく答えた。サナはそれを聞いた瞬間、ピクッと反応した。

「お前は以前レビィ…いや、ナイトに一回だけそう言ったらしいじゃねぇか。今ならその『あっち』がどこだか分かる…『エデン』だろ?」

「…ナイトの奴、話したわね。」

シャインはサナがブツブツと呟いて怒るので、当たりだなと確信した。

「ま、俺がお前を犯人だと疑った証拠はこの3つだ。」

「ふ~ん…それだけで真っ先に私を疑うなんて、よっぽど『信頼』されていなかったのね。」

片手をヒラヒラさせて、わざとらしく悲しい顔をする。

「お前もだろ。」

シャインが微笑を浮かべて言う。

「『信用』はしていたわよ。」

サナが冷たい目をあびせながら微笑する。

「へっ、俺と同じじゃねぇか…そんなことより、こっちは教えたぞ。さっさとそっちのことを教えやがれ。」

取り引きの内容はシャインはサナを疑う理由を教え、サナはこの事件について話すというものであった。

「…ここで話さないと、流石に最低ね…いいわ話してあげる。」

サナはヒョイと机を降り、窓辺に近付き、シャインの方に振り向いた。

「質問したものに答えるわ。」

「じゃあまず、この学校を囲んでいるバリアは何だ?」

シャインが尋ねる。

「あれはバリアじゃなくて結界ね。名前は『封円』。この中の様子は外から見ることは不可能。つまり、今この学校で何が起きようと、外からは何も起きていない学校にしか見えないの。あと、中から外に出ることも不可能よ。」

「外から中は?」

「それも不可能。外から入ると、封円が作り出した幻の世界に強制的に入ることになり、本当の世界を見ることはできないわ。」

「なるほど…俺らが外に逃亡するのも、外から助けが来るのも無理ってことだな。」

「そういうこと。」

サナが正解とパチンと指を鳴らした。

「質問を変えよう。この周りに飛んでいる粉みたいなやつは一体何だ?」

シャインが学校中に充満している光る緑の粒子について尋ねた。

「あ~これ?これは私が作った『ウイルス』よ。」

「ウイルスだと!?」

シャインがバッ!と服で口と鼻を押さえた。

「アハハハ!残念、もうあんた達は十分に吸ったら、徐々に体ん中から牙をむくわ。」

サナがニヤニヤする。

「……どういうウイルスだ?」

シャインは口と鼻を押さえたまま尋ねる。

「魔力を根源に変えるウイルスよ。」

「…?どういう意味だ?」

「魔力というのは『(げん)魔力』の『炎、水、風、地、雷、氷、光、闇』の8つの中からなるってのは知っているわよね?」

サナが教科書にでも載っている常識を尋ねたが、シャインに反応はなく、ただ無言のまま頭の上に?を浮かべた。サナは大きくため息をついて呆れ果てた。

「例えば、あんたの閃風魔法は『風』と『光』の源魔力を組み合わせて構成されているの。でも…」

「その話とこのウイルスと何の関係があんだよ?」

シャインが話を遮ると、

「話は最後まで聞く。」

サナがムッと怒る。シャインは素で怒られたので、すまんと小さく謝ってから黙った。

「でも、その8つの源にも『根源』…つまり、『源の真髄』があると発見されたの。」

「源の真髄?」

「簡単に言えば『源の源』よ。」

サナが説明をするが、シャインは頭に?を浮かべたままであった。サナはまた呆れて大きくため息をついた。

「バカ頭め……結論を言えば、全ての魔法はたった1つの魔力から作られているってこと。」

「なんだ…だったら最初からそう言ってくれよ。」

シャインのはぁとやれやれポーズをとり、小さくため息をする。サナがその態度にイラッとする。

「で、それとこのウイルスにどんな関係があんだ?」

シャインが周りのウイルスを見てから尋ねる。

「ちょっと待って。もう吸収魔法(ドレインマジック)の吸収量が限界に達したから、今からウイルスを回収するわ。」

そう言うと、サナは内ポケットからおもむろに中指くらいの大きさの試験管を取り出した。そして試験管の栓をポンと抜くと、学校中に散乱されていたウイルスが全て試験管に入った。

「す、すげぇ…。」

シャインが素直に感動しながら、口と鼻を押さえていたのを止めた。

「すごいのはウイルスじゃなくてこの試験管ね。あっ、ちなみにあんた達の体の中からもウイルスは消えてるから安心して。」

サナが全てウイルスが回収されたのを確認して栓をした。

「このウイルスは魔力に感染し、その原点の魔力にまで分解する力を持っている。名前は『(オー)ウイルス』、正式名は『Origin(オリジン)ウイルス』。」

「オリジン?どこかで聞いた覚えがあるぞ…。」

シャインが思い出そうとしていると、

「『四大神(よんだいしん)』の1人の名、あんたはエデンレビィから聞いたんじゃないの?」

サナが思い出すのをアシストした。それにより、シャインがあ~と思い出した。

「何でウイルスに神の名を?」

「オリジンは『起源の神』。このウイルスは原点の魔力に変える力があるから、オリジンの頭文字をもらって『Oウイルス』と名付けたの。」

「ふ~ん…でも何でそんなウイルスが必要なんだ?魔力を吸収するくらないなら吸収魔法(ドレインマジック)だけでできるだろ。」

「複数の魔力をいっぺんに吸収しようとすると、魔法陣が複雑になってしまい、この魔力は吸収できるけど、この魔力は吸収できないという風に分けるはめになっちゃうでしょ。でも、吸収する魔力が全て同じものなら、その魔力だけを吸収すればいいから、魔法陣がシンプルになって効率がよくなるの。」

「成る程…流石はサナ、よく考えておらっしゃる。」

シャインが全く心をこもっていが褒める。

「ありがと。さて、もう質問することはないかしら?」

サナが尋ねると、シャインがいいやと首を小さく振った。

「一番聞かなきゃいけないことをまだ聞いていない。」

「何?」

「お前の正体だよ。お前…一体何者だ?」

シャインが再度睨む。

「……そう言えばまだ名乗ってなかったわね…」

サナはシャインの方を向き直す。すると、サナの背がパアァと優しく光り、透き通った薄いピンク色の綺麗な羽が生えた。その形は神話でよく出てくる…『天使』に生えている羽のようだった。

「私は『魔戦天使団副隊長』…サナ・クリスタルよ。」

「お前…天使だったのか…」

シャインは驚きを隠せない。

「私の仕事(ミッション)は、アースの魔力をエデンに魔力を流すこと。でも、こっちに来てビックリしたわ。アースの魔力は人の中にあるんだもん。流石に研究するのにかなり時間がかかったわ。」

「マジかよ…。」

シャインはまだ頭の中が整理されていない。

次の瞬間、グラウンドの方から爆音が響いた。

「なんだ!?」

シャインが急いで窓に走り外を見た。そこから見た光景は、レビィが膝をついて夜桜で自分を支えており、周りにはスノウ達が倒れている。

「ちっ!」

シャインは何の躊躇もなく3階の教室の窓から飛び下りた。それを見届け、教室にまた1人になったサナは、

「この魔力…『あいつ』ね。たく…何しに来たのよ…。」

ハァと呆れて、ちゃんと扉から教室を出た。


 「はぁ…はぁ…はぁ…」

レビィは夜桜で体を支え、なんとか立っている状態である。そして霞む視線の先には1人の仮面を付けた男が立っていた。

「なんだ、この程度か…。」

男はレビィ達の強さを見て意気消沈する。

(こいつ…強すぎる…。しかも、こいつから感じる雰囲気…まるっきり…)

レビィは男から感じる雰囲気に何故か安心感を抱いたことに不思議がる。

終了(チェックメイト)だ。」

男は止めを刺すため、持っていた刀を構え、一気に地面を蹴った。そして刃がレビィに当たる寸前、二人の間にシャインが入り込み、風砕牙で防いだ。シャインは男の刀をはじき、そのまま風砕牙で連続で斬りかかる。男はバックステップで後退りしながら刀で防御するが、3、4回防御した時、キン!と大きくはじかれバランスが崩れた。シャインはその瞬間を逃さす、回し蹴りを腹部に当てた。シャインは怯んだとここをすかさず追い撃ちをかけようとすると、男も瞬時に体勢を立て直し迎え撃った。だか次の瞬間、

「[ローズウォール]!!」

二人の間の下から(いばら)の壁が生えてきて、二人の行く手を遮った。

「そこまで。」

すると、空中から声がしたので、シャインは見上げると、そこにはサナがゆっくり羽ばたいて飛んでいた。

「えっ!?サナ…?」

レビィは霞む視界で天使の羽が生えたサナを見て目を丸くした。サナは地面に降り、棘を消して仮面男に近くに寄った。その時、周りに倒れていたスノウ達が起き上がり、サナ同様、羽が生えたサナを見て目を丸くしていた。そんなことを気にせず、サナは仮面男を横目で睨み付けて尋ねる。

「何しに来たのよ?」

「迎えに来た者に向かってその態度はないだろ…。」

仮面男が呆れながら仮面を取った。その顔を見た瞬間、シャイン達は全員息をのんだ。仮面男の素顔はまるっきりシャインだった。よく見たら髪型や体型も瓜二つだった。

「シャインが…もう1人?」

エアルが首を傾げる。

「どうなってんだ?」

スノウも首を傾げている。そんな中、レビィはハッキリした。何故あの時、あいつに安心感を抱いたのか…その理由は、あいつがシャインと同じ雰囲気を放っていたからだった。

「お前…『エデン』の俺だな?」

シャインが刃先を自分そっくりの男に向ける。

「やっぱりお前、『アース』の俺か…。」

男が勝手に納得するので、

「質問に答えろ。」

シャインがキッ!と睨む。

「はぁ…俺の名前は『シャイン・ハールロッド』。そして…」

次の瞬間、ハールロッドの背中が光り、サナと同じ形の羽が生えた。色は違い、こちらは薄い透き通った緑色だった。

「『魔戦天使団隊長』だ。」

「お前がハールロッドか…。」

シャインは刃先を下ろした。ハールロッドは自己紹介を終えると、クルッと反転して何処かに行こうとする。

「何処に行く?」

シャインがハールロッドに尋ねる。

「俺がこっちに来た理由はうちの副隊長を迎えに来ただけだ。用が済んだから帰らせてもらうよ。」

ハールロッドは背を向けたまま答え、そのまま封円に近付いた。そして刀を構えると、光が集まって、ズバッと切り裂くと封円に人1人通れる隙間が空いた。

「じゃあね、これであんた達と会うことはないわ。」

サナは振り返り、シャイン達に別れの言葉ようなことを告げた。

「どういうことよサナ!ちゃんと説明して!」

理解が全く出来ていないレビィがサナに怒鳴るように尋ねた。

「詳しいことはシャインに聞いて。今私が全員に言える言葉は1つだけ……さようなら。」

サナは特に悲しむことなく別れを告げ、ハールロッドが空けた隙間を通り、封円の外に出て、ハールロッドと共に外に飛び立った。

「よかったのかよ、あんな別れ方で。一応一緒にいたんだろ。」

ハールロッドが飛びながらサナに尋ねる。

「いいの。別にあいつらに何の未練もないし。」

サナが冷たい感情で答える。

「そうかよ…。」

ハールロッドはそんな冷たい感情のサナに呆れそれから質問するのは止めた。しかし、違うことで気になったので尋ねた。

「今思ったんだが、あいつら普通にお前の作ったウイルスの中で動いていなかったか?」

サナはハールロッドに言われ、そういえばと思った。

「どこか作りミスがあったかしら…」

「いや、それないじゃねぇか。気配はあいつら以外学校から感じなかったからな。」

「じゃあ…おかしいのはあいつらの方か…。」

サナが飛びながら考え込む。

「ま、調べんのはエデンに帰ってからにしようぜ。『四大神』がお前が吸収した魔力をお待ちかねだしな。」

ハールロッドとサナは唯一アースとエデンを繋ぐ湖に向かった。

封円の中に残されたシャイン達は二人が飛んで行く後ろ姿が消えるまで呆然と眺めていた。そして完全に姿が消えた時、

「ちゃんと説明してもらうぞ。」

スノウがシャインを睨んだ。


 シャイン達は場所をグラウンドから誰もいない図書室に移動した。そしてシャインはレビィ達にサナから聴いた全ての話した。

「そんな…サナが敵だったなんて…。」

レビィを治療をしているエアルがショックを隠せない。

「やっぱりサナ…この世界の人じゃなかったんだ…。」

治療を受けているレビィが納得する。

「?レビィさんはサナさんがエデンの人間だと知っていたんですか?」

アレンが尋ねる。

「あっ、そうじゃないんだけど…」

レビィはナイトがサナのことについて話してくれたことを伝えた。

「『あっちの魔法』…なるほど…ナイトはおそらく魔力の源を感知してわかったんでしょう。」

アレンが分析する。

「でもそのことを何で私達にずっと話してくれなかったの?」

エアルが尋ねると、

「ゴメンね。ちゃんとした証拠もなかったし、話す機会がなかったから話せなかったの。」

レビィが素直に謝った。

「くそ!あの女!」

椅子に座っているスノウは怒りで机をドン!と叩く。

「落ち着いて下さいスノウ。」

ヒューズが冷静になだめる。

「何でそんなに冷静にいられんだよ!」

ヒューズの冷静さに腹が立ったスノウはヒューズの胸ぐらを掴み、

「俺らはあの女に『裏切られた』んだぞ!」

と、怒鳴った。その時シャインはスノウが発した『裏切られた』という言葉が何故か心に刺さった。しかしシャインは表情を変えることなく、

「スノウ、ヒューズの言う通りだ。今は現実を受け入れるしかない。」

と、スノウを説得する。

「くそっ…。」

スノウはシャインにも言われたので、府には落ちないがヒューズの胸ぐらから手を離し、少し落ち着きを取り戻して椅子に座り直した。そこから少し沈黙が流れ、図書室にあった時計のカチ、カチという音だけが響いていた。その音が10回ほど鳴った時、

「ねぇ、今思ったんだけど…私達ってこの封円ってとこから出れるの?」

エアルが口を開き今の心配を伝えた。

「とりあえず魔法陣を見なければ分かりませんね。」

アレンが言う。

「そうだな、じゃあ見に行くか。」

シャイン達は封円の魔法陣がある屋上に向かった。


 屋上に着くと、そこには赤い魔法陣から一本の赤い光の柱が天に伸びていた。

「これですね…。」

ヒューズが柱の先を見上げる。

「で、魔法陣ってどうやって止めんだ?」

シャインがレビィに尋ねる。

「えっと…基本的には魔法陣の一部でも消すと能力は消えるよ。」

レビィが答えると、聴いていたスノウがよし!と言って魔法陣に近付き消そうとする。しかしそれをヒューズが、

「待ってくださいスノウ。ちゃんと構造を知らない魔法陣を消すのはかなり危険です。」

と、止めた。

「じゃあどうすればいいんだよ?」

スノウがヒューズに尋ねると、魔法陣を調べる必要があると言って、ヒューズは魔法陣を調べ始めた。

「どれほどかかるんだ?」

スノウがまたヒューズに尋ねると、かなりかかりますねと答える。それを聴いたスノウはため息をついた。

「はぁ…サナがいればすぐ分かるんだろうな~。」

レビィが誰にも聞こえない声で呟いた時、

【我らの力なら、ここから出ることができるぞ。】

誰かが自分に話しかけてきた。レビィはビクッ!となり、辺りをキョロキョロと探す。しかし話しかけてきた人間を見つけることはできなかった。当たり前である。話しかけてきた者は自分の心の中にいたから。

「ナイト!」

レビィは話しかけてきた人間の名前を呼んだ。その声は思いの外大きく、周りにいたシャイン達がレビィに注目した。

「ナイトがどうかしたの?」

エアルが代表して尋ねる。

「ナイトが気が付いたみたい!」

レビィが喜びながら答える。

【すまない、心配させた。まだお前とは入れ代われないがな。】

「ううん、こっちもゴメンね。そんなにボロボロになるまであなたに頼っちゃって…。」

レビィがナイトに謝る。

「で、ナイトは何か言ってんのか?」

シャインがレビィに尋ねると、レビィはちょっと待ってとシャインに言ってからナイトに本題を持ちかけた。

【我らの夜叉魔法はどんな魔法でも切り裂く能力を持っている。だからこの封円という結界も斬ることが可能のはずだ。】

「なるほど。」

レビィが1人で納得しているので、

「おい、何がなるほどなんだよ?」

シャインが尋ねた。レビィはナイトの声は自分しか聴こえていないことに思い出し、シャイン達にナイトが言ったことをそのまま伝えた。

「ふ~ん、それって絶対成功するのか?」

スノウが尋ねる。

「ちょっと待って………【絶対ではないが下手にしない限り大丈夫だ。】だって。」

レビィはナイトに言われたことをそのまま伝える。

「ではその方法で決まりですね。」

アレンが言うと、全員が頷いて、もう一度グラウンドに向かった。


 グラウンドに戻ると、レビィは封円に近付き夜桜を構える。その後ろから他のメンバーは見守っている。

「で、どうしたらいいの?」

レビィが心の中のナイトに尋ねる。

【魔力を刀に溜めて切り裂く。それだけだ。】

「わ、わかった…。」

あまりにも簡単な説明にビックリしたが、レビィは言われた通り、夜桜に魔力を集中させた。すると、夜桜に黒いオーラが纏い始め、漆黒の刀に変わった。

[黒月斬(こくげざん)]!」

レビィは強力な突きを封円に放った。すると、大きな穴が開いた。

「やった!」

レビィ成功したことに喜ぶ。後ろでシャイン達もお〜!となっている。

【喜んでいる場合か。急いで通らないとすぐ塞いでしまうぞ。】

ナイトが喜んでいるレビィを注意する。

「そうだった!みんな急いで!」

レビィはシャイン達を呼んでダッシュで穴を通った。シャイン達もレビィに続いて穴を通過し、全員封円から脱出した。


 シャイン達は外に出た瞬間、目を疑った。なんと周りには中で魔力を抜かれ倒れているはずの生徒達が何事もなかったように楽しそうに下校していたのであった。

「どうなってやがるんだ…?」

スノウが他の全員に尋ねるが、誰も答えれるわけなかった。

「多分この人達は…封円が作り出した『幻』ということでしょう。」

アレンが今の推理を言う。

「てことは、突然大量に人が消えれば騒ぎになる。だから騒ぎにならぬよう幻が本体(オリジナル)の代わりに生きるというわけか。うまくできてやがるな、エデンの魔法は。」

シャインがエデンの魔法技術に関心する。

「でもなんか気味が悪い…。」

レビィが少し嫌な顔をする。

「それわかる。なんか生気を感じられないって感じ…。」

エアルがレビィに賛同する。

「ま、とにかく今は休みましょう。色々起こりすぎて疲れました。後々のことを考えるのは休んだ後にしましょう。」

ヒューズが言うと、全員頷いた。その時、エアルがあることに気が付いた。

「ねぇ、私とヒューズとスノウはどこに泊まるの?学校に入れないんじゃ行くとこないよ。」

学校が封円により入れないので、自動的に寮の方も入れなくなっているため、寮で暮らしていたエアル、ヒューズ、スノウは寝泊まりするとこがない。

「そっか、じゃあエアル私の家に来る?」

レビィが提案すると、

「本当!ありがとうレビィ!やっぱり持つべきものは友達だー!」

と、喜びながらエアルがレビィに抱き付いた。

「おい、俺らはどうすんだよ?」

スノウが尋ねると、

「さあ?野宿でもしたら。」

エアルがレビィに抱き付いたまま他人事MAXで答える。

「自分が決まったからって…!」

スノウがギリギリと怒る。

「確かアレンはSMCから通っているんですよね。私とスノウが泊まることは可能ですかね?」

ヒューズがアレンに尋ねると、アレンが申し訳なさそうに首を横に振った。

「基本的部外者は立ち入り禁止なんだ。」

「でもヴァスタリガの時は入れたじゃねぇか。」

スノウが言う。

「あれは特例。」

アレンが答える。

「じゃあもう1つしかないですね…」

ヒューズがゆっくりとシャインの方に目線をやった。それにつられて他の全員もシャインの方を見た。

「まさか…俺の家に来ようとしているのか…?」

ある人物は苦笑いしながら尋ねる。

「そうです。」

ヒューズが頷く。

「ふざけんな、こっちはもうサテラがいるんだぞ。お前とスノウが泊まれる部屋なんてねぇよ。」

シャインが無理だと言うが、

「じゃ、俺らはシャインの家に泊まるわ。」

スノウが勝手に決定する。

「いや、だからな…」

シャインが抗議しようとしたが、

「分かったわ。じゃあ明日ここに集合でいいかしら?」

誰も聞いてくれず、シャインを残して話が進んでいく。シャインはもう勝手にしろとため息をついて抗議をするのを諦めた。

「じゃあ明日、正門前に集合で。」

最後にレビィが明日の集合場所を言って、女子二人はレビィの家へ、アレンを除く男子三人はシャインの家へ、アレンはSMCに帰ろうとした。しかし、全員の足がピタリと止まった。

「……珍しい客人達だ。」

シャインがギロリとその客人達を睨み付ける。他のレビィ達もいつでも戦闘できるように身構える。

「そう殺気立つな、別に殺しに来たんじゃない。取り引きをしに来たんだよ。」

客人のリーダーが今日来た理由を話す。

「取り引き?何を企んでやがる…『革命軍』。」

そう、客人達とは…フォーグ、イルファ、カギスタの三人…革命軍だった。

エ「『龍空deラジオ』ー!」

レ「なんか本編、大変なことになってきたね。」

サ「ね~。」

レ「えっ!?何でサナが…?」

サ「いちゃ悪い?」

サ「いや、だって…本編の方…」

サテ「私達を裏切りました。」

レ「ちょっとサテラちゃん!?そんなハッキリ…」

エ「なんかサテラちゃん機嫌悪いね。」

サテ「最近私、出演していません…。」

エ「あはは…なるほど…。」

レ「いや、それよりも、何でサナがここにいるかよ。」

サテ「流された…私にとっては重大なことなのに…。」

エ「どうどう。」

サ「簡単な話。本編とこの後書きの世界は違うの。」

レ「あっ、そうなの。」

サ「そっ。」

エ「え~、一応解決したところで、尺がないと言われました。だから今回はここらへんでお別れしたいと思います。」

サ「あれ?今回は『ハガキコーナー』しないんだ。」

エ「時間がもうないみたい。」

サ「あっそ。」

エ「では皆さん、次回をお楽しみに~。」



レ「あれ?サテラちゃんどうしたの?」

サテ「放っておいてください。」

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