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魔法学園  作者: 眼鏡 純
48/88

48話 犯人の正体(2)

ス「『龍空deラジオ』!!」

ヒ「はい!」

ア「は、はい。」

シ「さあ、3回目だぞ。そろそろ何をするか決まったか?」

ス「未定!!」

シ「まだかよ…。」

ヒ「まあまあ、まだ3回目ですから、ゆっくりしましょう。」

ア「あの、少し思ったんだけど、このラジオって放送されているの?」

ス「確か設定では昼休みに流れているらしいぞ。」

ア「ひ、昼休みに!?」

シ「誰が聴いてんだよ…。」

ヒ「40%の生徒は聴いているらしいですよ。」

シ「結構聴いてんだな。」

ヒ「ちなみに後書きの方は60%らしいです。まあ、その中の40%は男子なんですけどね。」

シ「何を期待してんだ…。」

ア「まずこのラジオ自体に何を期待しているんだろ…。」

ス「あっ!今閃いた!前書きでは『裏設定』を紹介していこうぜ!」

シ・ア・ヒ「裏設定?」

ス「そう!『〜魔法学園〜』の裏設定!」

シ「ふ~ん…それは面白そうだな。」

ス「だろ!」

ヒ「賛成に一票。」

ア「僕も。」

ス「じゃあ次回から前書きでは『〜魔法学園〜』の裏設定を紹介していくぜ!」

シ「じゃ、前書きですることが決まったんで、本編をどうぞ!」

 食堂での一件から約1週間が過ぎた。その間、シャインとレビィは一言も会話することはなかった。



 昼休み…

「ねぇスノウ、私もう限界だよ…。」

エアルがげんなりした顔でスノウに訴える。

「僕も限界…。」

アレンもエアルと同じ顔で、ハァとため息をつく。

「あいつ…本当にどうしたんだ…?」

スノウがパンを頬張りながら、1人晴天の空を眺めているシャインを見る。

「いつも話している人が突然話さなくなったら、これ程まで空気が暗くなるとは…。」

アレンが呟く。

「レビィは?」

スノウがエアルに尋ねると、エアルが隣のクラスを指差す。

「……香水野郎のとこか。」

スノウがハァとため息をつく。

「もうほっといたら?」

スノウの前の席に座って、本を読んでいるサナが会話に参加する。

「放っておけるならそうしたいですよ…。」

アレンがやれやれポーズをとる。

そこに、隣の教室からレビィが戻ってきた。エアルはレビィをちょいちょいと手招きをする。

「なに、エアル?」

レビィが近付いてきて尋ねる。

「お願いレビィ、シャインと何か話して。」

エアルが両手を合わせてヒソヒソ声で頼む。

「なんでそんなことエアルが頼むのよ?」

「あなた達二人が話してくれないと、空気が重くて耐えきれないんです。」

アレンが説明する。

「そんなこと言われても、私からなんか話かれられない雰囲気だし…ちょっと無理…かな…。」

レビィがシャインの方を見る。

「お前はお前で、あの香水野郎のとこに行き過ぎだろ。」

スノウがレビィに怒る。

「それはそれで言われても…やっぱりまた会えたのが嬉しいんだもん。」

レビィが少し微笑む。その顔を見て、スノウは怒るのを止めた。その時、チャイムが鳴り、全員自分の席に座った。しかし、シャインとレビィは会話することはなかった。


 その日の放課後、シャインは屋上で沈む太陽を眺めていた。そのシャインの後ろに1人の女子が近付いてきた。

「もし標的(ターゲット)が白で、俺が嫉妬野郎で終わった時には、責任とってくれるんだろうな?」

背中を向けたままシャインが女子に尋ねる。

「大丈夫、あいつならきっと本性出すわよ。」

女子が自信ありげに言う。

「はぁ…いつまでこの生活が続くんだ…。」

シャインがハァと落ち込む。


 この日の次の日に、また連続殺人に犠牲者が出たことにより、女子高生達が警戒し始めた。

「また事件起きたんでしょう。」

「しかもどんどんこの近くに近付いてきているんでしょ。」

「なんか怖いね~。」

朝の龍空高校で女子達も、この話でもちきりである。

「流石の私も怖くなってきたな…。」

教室にいるエアルも少し恐怖心を抱く。

「お前は寮だから大丈夫だろ。」

スノウが言う。

「そうだけど…。」

「こんだけ周りで起きると、寮の人は外に出れなくなるでしょうね。」

ヒューズが言う。

「犯行は全て夜、暗闇に紛れて殺害し、証拠も目撃者もなし。SMCも動いているけど、なかなか犯人が見つけれない状態。」

アレンが今の状況を報告する。

「結構大事だな。」

スノウが言う。

「でも、私達一般人がどうにかできるわけでもないし…。アレンは別として。」

エアルがう~ん…と何かできないか考える。

そこに、レビィが登校してきた。レビィは曇っている空を眺めているシャインをチラリと見てから、自分の席に座った。

「は〜いみんな座って。」

そこにナナリー先生が入ってきて、生徒全員を座らせた。

「え~、皆さんニュースや新聞とかで知っていると思いますが、最近この近くで殺害事件が起きています。なので、生徒のみんなは放課後、寮の人は学校から出ることを禁止します。家の人も、帰宅後の外出を禁止します。以上でSHRを終わります。」

そう伝えて、ナナリー先生は教室を後にした。先生が消えた教室は「やっぱりか~。」などとザワめく。

「どうしよう…。」

そんな中、レビィが困った顔をしている。

「どうしたのレビィ?」

隣のエアルが尋ねる。

「私、今日ソウルに食事に誘われているの。」

「食事!?高校生がそんなの誘う…。」

「まあ、そうだけど…。」

レビィとエアルが苦笑いする。

「大丈夫さ。いざとなれば俺がちゃんと守る。」

突然声をかけられたので、2人はその声をした方を見ると、ソウルが立っていた。

「でも…」

「大丈夫だ。」

ソウルが真剣な顔で見つめる。

「……うん、わかった。」

その顔を見たレビィはソウルを信じ、ニコリと微笑んで頷いた。

「ありがとう。じゃ、昨日言った待ち合わせのとこに。」

そう言い残し、ソウルは自分の教室に戻っていった。

「レビィも色男に弱いのかね~。」

エアルが呆れ顔にある。

「そうじゃないけど、ソウルは信じれる人間だから。」

レビィが微笑む。

レビィとソウルの会話を聞いていたシャインは心の中でフッと笑った。あと、もう1人も…。



 食事を済ませたレビィとソウルは、暗い夜道を歩いていた。

「やっぱりちょっと怖いな…。」

オシャレな服を着ているレビィが少しビクビクする。

「大丈夫、怪しい者が近付くと感知する『サーチバット』を上に飛ばしているから。」

ソウルが上を指すのでレビィが見上げると、そこには確かに一匹のコウモリが飛んでいた。

「ホントだ。」

「さ、もう少しで君の家だ。」

そこから数分歩き、2人はレビィの家に到着した。

「ありがとうソウル、ここまで来たら大丈夫。」

レビィがソウルに微笑んでお礼を言う。

「そうか。じゃあ、また明日。」

「うん、また明日。」

レビィがクルッと家の方を向いた時、ソウルがニヤリと笑い、召喚陣から一本の長い鎌を取り出した。そして、フッと振り上げ、一気に降り下ろした。

「えっ…。」

レビィが殺気のようなものを感じ振り返ると、目の前に鎌の刃があった。

「やめろ!!」

レビィに赤黒い刃が襲う直前、横から誰かが間に入ってきて、ソウルを鎌ごと押し飛ばした。

「くっ…誰だ!」

突然の乱入に怯みながらも、自分を押し飛ばした奴を睨み付ける。

「シャイン!?」

ソウルを押し飛ばしたのは、なんとシャインだった。そんなシャインの背中を見ているレビィが驚いた顔になる。

「やっと本性を表したな…ソウル・ヴェルライト!」

シャインが風砕牙を向ける。

「おいおい、何のことだ?説明してくれよ。」

ソウルが鎌をしまって尋ねる。

「しらばっくれても無駄よ。あんたが連続女子高生殺人事件の犯人だってことは分かってんのよ。」

そこにサナも現れた。

「サナ!?えっ…犯人!?」

レビィが目の前で色々起き、困惑状態である。2人はそんなレビィを無視し、ソウルを睨んだままである。

「俺が犯人?その証拠があるのかよ?」

ソウルが尋ねる。

「証拠というより、仮説によってあんたにたどり着いたの。まず1つ目、『私があんたから感じた魔力。』召喚士からは召喚士の魔力を感じるのは普通だけど、一般の魔力察知では感じられないほどの微量な違う魔力を感じたの…闇に染まる暗黒の魔力をね。これで1つ仮説を作るとしたら、『あんたの心には闇がある。』ってなとこかしら。2つ目は『あんたの性格。』あんた女遊びが酷いらしいじゃない。でも、あんたみたいな女たらしが、女を見極めれないわけがない。そして、殺害されているのは全員キレイな女子。これで1つ仮説を作るとしたら、『殺害された女子とあんたは、何ならの関係があった。』ってなとこかしらね。3つ目は『今日のあんたの行動。』今日は放課後の外出を禁止されているのに、あんたはレビィを夕食に誘った。昼食ではなく夕食をね。これでの仮説を作るなら、『あんたの標的(ターゲット)がレビィである。』ってこと。あと、その他もろもろの仮説を入れていって、『あんたが、付き合ってきた女を殺している』っていう結論にたどり着いたってわけ。」

サナが長々とした説明が終える。

「長く説明したのはいいが、しょせんお前が作った仮説と結論。証拠がない。」

「証拠?ならここよ。」

サナが1枚の写真をピラピラさせる。

「さっきあんたがレビィを襲おうとした瞬間の写真よ。」

「もう逃げられないぞ!」

2人がソウルを睨み付けると、間にレビィが入ってきた。

「ちょっと2人とも!いきなり現れてソウルを犯人扱いして!見損なったわよ!」

「レビィ!お前はソウルに殺されたかけたんだぞ!」

「そんなの気のせいだったかもしれないじゃない!」

「お前もあいつが鎌を構えていたの見ただろ!」

「見てない!」

「認めやがれ!」

シャインとレビィの言い争いをしていると、フハハハハ!とソウルが笑いだした。

「ソウル…?」

レビィ達の目線がソウルに集まる。

「よくもまあそんな仮説だけでたどり着いたものだ……そうだ、この俺が、連続女子高生殺人事件の犯人だ。」

「う、嘘……!!」

レビィが愕然とする。

「だが、どうして俺がレビィを襲うと分かった?」

「分かったんじゃなくてそう仕向けたのよ。」

「なに?」

「あんたはレビィの幼馴染み。ということはあんたの最終的な殺す標的は、レビィだとすぐ分かったわ。だけど、レビィを殺そうにもすごく邪魔な存在を見つけてしまった。それは主である、シャイン・エメラルド。あんたはシャインの存在をどうにかしないと思っていた時に、突然向こうが自分の存在に嫉妬して、勝手にレビィの周りから消えた。この状況をチャンスだと思わない奴がいるわけない。だからあんたはまんまとレビィを殺そうとした。だけどそれは私達の罠だったってこと。」

「こっちもずっと芝居してたの疲れたんだぞ…。」

シャインがヤレヤレとする。

「つまり、俺は2人の罠にかかったわけか…やられたよ。」

ソウルがクスクスと笑う。

「逆に聞く。女達を殺す必要があったのか?」

シャインが尋ねる。

「あいつらは俺の女だ。誰にも汚させない。」

「……!つまり、お前は違う野郎に自分の女を取られないために殺したのか!」

「そうだ。殺せばその女の最後の男が俺になる。」

「ふざけんな!!」

シャインが風砕牙を構えソウルに向かって閃風波を放った。ソウルはさっきの鎌を構え、閃風波をスパッと切り裂いた。

「鮮血の鎌、『ブラッドデスサイズ』。」

ソウルの構えた鎌の刃が真っ赤になり、ポタポタと血が落ちる。

「大層な武器だな…。」

シャインがグッと風砕牙を握り、戦闘体勢に入る。

「お前らが死ねばこのことを知ってる奴がいなくなる…だから、死ね!」

ソウルの体からシャインと似たようなオーラが放たれ始めた。色は赤と黒のオーラが混じりあっている。そして顔には赤い刺繍が浮かび上がってきた。

「行くぞ!ソウル!」

シャインはダッ!と地面を蹴ったと同時に能力解放になり、ソウルの目の前で風砕牙を降り下ろした。しかし、ソウルがブラッドデスサイズで受け止めた。

「お前に…レビィは殺させねぇ。」

「なんだ、てっきり見離したかと思ったが…」

「俺の夜叉だ…手を出すな!」

「フッ…面白い!」

そこから2人はハイスピードな攻防を繰り広げ始めた。

「なんだ?」

「騒がしいな。」

2人の刀と鎌のぶつかる音に気が付いた周りの一般人が窓などから顔を出してきた。

「ヤバい…周りの人間が気が付き始めた…シャイン!住宅街から離れて!」

サナが指示を出す。

「んなこと言われたって…。」

シャインが闘いながら考えていると、ソウルの背中から悪魔の翼が生えて、空へと上昇した。そして、シャインを見下しながら、指で来いよと挑発する。

「なるほど…。」

シャインはソウルの行動を理解して、足に風を纏い、

「[隼"(くう)"]!!」

ソウルのとこまでジャンプした。そして、目の前に来たときに、停止した。

「お気遣いどうも。」

シャインがヘラッと笑いながらお礼を言う。

「全力で闘ってくれなければ面白くない。さあ、場所を移るぞ。」

ソウルとシャインは人気(ひとけ)のない場所に飛んでいった。

「私達も移動するわよ。」

サナが2人を追いかけようとした時、レビィは下を向いたままブツブツと、

「嘘よ…ソウルが…犯人だなんて…嘘よ…嘘よ…。」

と、呟いていた。

「レビィ、あんたがあいつを信じていたのは分かるわ。だけど、これが現実なの。」

「嘘よ!そりゃあソウルは女遊びは酷いよ。でも人を殺すような人間じゃない!」

顔をバッ!と上げ、サナに怒鳴る。

「でも、あいつは人を殺した!それを本人も認めた!あいつが犯人なのは確定なの!」

サナが怒鳴り返す。

「ソウルは人を殺さない!」

「いい加減認めなさい!」

サナがレビィの胸ぐらを掴む。その状態で数秒間沈黙が流れた後、レビィが口を開いた。

「ソウルは…何かに取り付かれて苦しんでる。私はそう考える。」

「……好きにしなさい。たとえ何かに憑依されていたとしても、ソウルが殺したことに違いはない。だから、罪は背負ってもらうわよ。」

サナが胸ぐらを掴んでいた手を離した。

「分かってるわ。」

レビィが頷く。

「よし、じゃあ行くわよ!」

サナとレビィは、シャインとソウルが飛んでいった方向に向かった。


 サナとレビィは魔力察知を頼りにシャインとソウルを追いかけると、人気がない林にたどり着いた。

「ハァ…ハァ…ここら辺なんだけど…。」

サナが辺りを見渡すが、2人の姿がなかった。

「サナ!上!」

レビィが空を見上げる。サナも見上げると、林の上でシャインとソウルが闘っていた。

「[疾風斬]!!」

シャインが刀に風を纏って斬りにかかったが、ソウルは簡単に回避した。回避した瞬間、ソウルがシャインに向かってブラッドデスサイズを縦振りした。シャインはそれを風砕牙で受け止めたが、下に叩き落とされた。

「いって~…」

「大丈夫シャイン?」

そこにレビィとサナが近付く。

「ああ。」

シャインが口から流れている血を拭いながら立ち上がる。

「シャイン、ソウルは何かに取り付かれると思うの。だからあんまりソウルを傷付けないで。」

レビィがシャインにお願いする。

「分かってる。俺もそんな感じだと思ってっから。」

「えっ?」

予想外の応答にレビィが驚く。

「あんたまでそんなこと言うのね。」

サナが呆れる。

「あいつの左手の甲に黒色の石を見た。多分あれが原因だろ。」

シャインがこちらを見下しているソウルを見ながら説明する。。

[血花咲(けっかざき)]!!」

ソウルがブラッドデスサイズを振ると、無数の血の斬撃が放たれた。

「[アイスウォール]!!」

サナがそれを氷の壁で防御した。

「[隼"空"]!!」

シャインは再度上空へと飛び上がり、ソウルと戦闘する。

「黒色の石…石…石…石…」

ブツブツと呟きながら考えていると、レビィがピン!と思い出した。

「『エルクワタストーン』!」

「エルクワタストーンって確か革命軍のカギスタって奴が付けてた石よね?あれがどうかしたのよ?」

サナが尋ねる。

「シャインが見た黒色の石っては、多分闇属性か何かの魔力を封じ込めた物なのよ!だからソウルが闇に染まっているんだわ!」

「成る程…それが本当なら、革命軍が関わっているってことになるわね。」

「そうなるね。」

「ま、今私達が加勢しても邪魔になるだけだから、シャインに任せましょう。」

レビィとサナは下から闘いを見守ることにした。


 2人の会話を闘いながら聴いていたシャインは、狙いを黒色の石に絞った戦い方に変更したが、鎌を持っている方の手なので、なかなかピンポイントで狙いずらい。

「君は何か忘れていないか?」

そう質問しながらソウルは間合いを空ける。

「何をだ?」

シャインが尋ねる。

「俺が召喚士だということをだ!」

ソウルがブラッドデスサイズを持っている逆の手をシャインに向ける。すると手のひらに魔法陣が出現し、ソウルの前にも4つの魔法陣が現れた。

「出でよ、『スカイシャーク』!」

すると、魔法陣からホオジロザメのように大きなサメが4匹現れた。そのサナ達のヒレなどは羽毛になっている。

「行け!」

ソウルの合図と同時に、恐ろしい牙をしたスカイシャークが一斉に襲いかかってきた。

「ヤバい!」

流石に危険と察知したシャインはスカイシャークの突進を回避する。しかし、回避した方向にソウルが先回りしていた。

「俺も忘れるな。」

ソウルはニヤリと笑い、下に向かってシャインを蹴り落とした。

「ぎっ…!」

シャインが体勢を立て直そうとするが勢いが強くなかなか直せない。しかも、下には口を開けたスカイシャーク達が待ち構えていた。

(ヤバい…どうすることもできねぇ!)

シャインが死の覚悟をした瞬間、ザン!!と全てのスカイシャークがレビィによって切り刻まれた。

「敵がソウルじゃなかったら戦えるわ。」

「サンキュー。」

シャインはお礼を言いながら体勢を立て直し、ソウルに向かって突進した。

「くっ…!」

ソウルは立て続けに鳥型の魔物を数匹召喚する。それをレビィとサナが、シャインの邪魔にならないように排除した。

「終わりだ!」

シャインがソウルにトドメを刺そうとする。

「君の狙っている場所は分かっている!」

ソウルは黒色の石が装着している左手を引っ込め、シャインの攻撃を回避した。そして、ブラッドデスサイズをグッと握り締め、

「終わるのは、君だ。」

ニヤッと笑い、鎌を横振りした瞬間、ドシュッ!!というイヤな音がした。

「シャイン!!!」

レビィの目に映った光景は、シャインの腹あたりに、ブラッドデスサイズの刃が突き刺さっていた。しかし、シャインは苦痛の顔をするのではなく、フッと笑みを浮かべた。

「肉を切らせて骨を断つ…ってやつだ…。おかげで…石が目の前だ…。」

シャインの言う通り、シャインを刺したことにより、石が風砕牙で攻撃できる範囲にあった。

終了(チェックメイト)だ…。」

シャインは風砕牙を構え、左手の甲にある石に一突きを入れた。それにより、石にヒビが入り、パキーンと砕け散った。次の瞬間、

「ぐあああああ!!」

ソウルの体から赤と黒が混じりあったオーラが放出し、翼や赤い刺繍もなくなり、元に戻った。気を失っているので、ヒューっと地面に落ちていき、叩き付けられる寸前に、

「[プラントネット]!」

サナが草の網でキャッチした。

「やったか…。」

シャインは刺さっている鎌を抜いて、ヨロヨロと下に降りていき、着地した瞬間、バタッと仰向けに倒れた。

「シャイン大丈夫!?」

レビィがシャインの近くに屈む。

「大丈夫じゃねぇけど、急所は外れてる…。」

シャインが傷を押さえながら答える。

「はぁ…無茶しすぎよ。」

サナが呆れる。

「ソウルはどうなった…?」

「あいつから感じる魔力が召喚士の魔力だけになったから、元に戻っているようね。」

サナが倒れているソウルを見ながら伝える。

「そうか…。」

「そんなことより早く病院行こう。」

レビィはゆっくりシャインを起こして肩をかす。

「ソウルはどうするんだ?」

「さっきアレン呼んどいたから、SMCに身柄を渡すつもりよ。」

「……そうか。」

「さ、私はここでSMC待つから、あんたは早く病院に行きなさい。」

「ああ。頼むレビィ。」

シャインはレビィに連れられ、病院へ向かった。

1人になったサナはソウルを見ながら、

(こいつが付けていたエルクワタって確か『悪魔(デビル)エルクワタ』…。あんなもの使うなんて、革命軍の奴ら何考えてるの…。)

う~ん…と考える。



 「あ~あ、負けちゃいましたね。」

カギスタが隣にいるフォーグに話しかける。

「成る程…『悪魔(デビル)エルクワタ』を人に装着すると、性格が悪に変化するのか。…良い実験になった。」

フォーグがふ~むと感心する。

「イルファ、悪魔(デビル)エルクワタはまだあるか?」

フォーグがイルファに尋ねる。

「あれは希少なエルクワタですので、今はありません。」

イルファが資料を見て答える。

「そうか。」

「これは実験成功なんですか?」

イルファが尋ねる。

「まあ、成功と言っていいだろ。」

「もし、うまくソウルの坊っちゃんが夜叉のお嬢ちゃんを殺していたらどうしたんですか?」

今度はカギスタが尋ねる。

「召喚士で悪魔の力を使えるのでな、3大革命柱の一本にしてやろうかと思ったが、敗北したから残念だ。」

フォーグがフゥと呆れる。

「さあ、実験は終わりだ。イルファは悪魔(デビル)エルクワタを手に入れろ。カギスタは3大革命柱の素質がある者を探せ。」

フォーグが命令すると、2人は素直に従い、部屋を後にした。

「俺を楽しましてくれるな…シャインども。」

フォーグは楽しそうに笑みを浮かべ、シャインを映している水晶を見つめた。

エ「『龍空deラジオ』ーー!」

レ「なんかシャインによると、前書きですることが決まったらしいわよ。後書きの私達も何をするか決めなきゃ。」

エ「そんなのもう決まっているわよ。」

レ「そうなの?」

サ「エアル、その持ってる箱なに?」

エ「質問のハガキ!」

サテ「いっぱいありますね〜。」

レ「いや、私達は見えてるけど、読者は活字だから見えていないわよ…。」

サ「てか、誰からの質問なのよ?」

エ「気にしない気にしない。じゃ、質問いくよ~。」

サ(スルーって…。)

エ「ペンネーム『俺の髪も黄緑色』さんからの質問。『全然本編で書かれていませんが、サナの赤い眼鏡とヘアピンはどうしたんですか?』というものです。これはご本人に答えてもらいましょう。」

サ「いや、こういう質問って、私じゃなくて作者が答えるもんでしょ…。まあいいわ。私が眼鏡をかけるときは本を読むときだけ。他のときはかけていないわ。ヘアピンは常に付けているわよ。こんな感じでいいかしら?」

エ「はい、サナさんりがとうございます。『俺の髪も黄緑色』さんには何かお送りしまーす。」

レ「何かって何よ…。」

エ「はい、今回の質問は終了です。次回予告にまいりましょう。」

サ「完全に無視ね…。」

エ「次回はサテラちゃんがメインの話のようね。」

サテ「緊張しますが頑張ります。」

レ「じゃあ、次回もお楽しみに!」

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