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魔法学園  作者: 眼鏡 純
45/88

45話 安らぎの一時(16)

眼鏡「え~と、前話の後書きで、『ヴァスタリガ編』は終了と言いましたが、すいません、あと2話だけ続きます。」


眼鏡「まだまだ『〜魔法学園〜』の世界はクリスマスですが、どうか見てください!では、どうぞ!」

 約20分ぐらい泣き続けたエアルは、そのままヘタリと倒れそうになった。

「エアル!?」

スノウが慌てて支える。

「どうした!」

シャイン達も慌てて近付く。そして、全員がエアルの顔を覗く。すると、エアルはスー…スー…と可愛い寝顔をしながら寝ていた。

「こいつ、泣き疲れたのか。」

スノウは一安心し、クスリと笑いながら、エアルをお姫様抱っこする。シャイン達もハァと一安心する。そして全員は、その場所を後にした。



 スノウとナルバーの戦闘により、エアルの部屋はメチャクチャになっているので、スノウはエアルを別の部屋に寝かして、部屋を出た。出た先には、シャイン達が待っていた。

「で、俺らは今からどうするんだ?」

スノウがシャインに尋ねる。

「う~ん…どうすっかな~」

シャインが頭をかきながら考える。その時、

「あなた方皆さんが良ければ、この城で休んでいってください。」

どこからともなく、カエデが現れた。

「婆さん!」

突然現れたカエデにシャインが驚く。

「カエデさんでしたね。あの…ライズさんはどうしたんですか?」

レビィが尋ねる。

「ライズ様と、特殊部隊のザウルスさんは、ちゃんと埋葬をしておきました。」

カエデが答える。シャインはザウルスという名を聞いて、難しい顔になる。

「で、話戻すけど、私達はこの城に休めるの?」

サナが話を戻して、カエデに尋ねる。

「はい、皆さんが良ければ。」

「ふ~ん…どうすんのシャイン?」

サナが視線をシャインに変える。

「別に断る理由もないしな、お言葉に甘えさせてもらうわ。」

シャインが決定する。

「わかりました。私はまだすることがあるので違う人が案内しますね。」

カエデは近くを通った若いメイドを呼び、シャイン達を部屋に案内するように頼んだ。メイドは承諾し、

「では、ご案内致します。」

と、シャイン達に頭を下げてから、前を歩き始めた。シャイン達はそのメイドに付いていく。そして最後尾にいたスノウに、

「大きくなりましたね。」

と、カエデが話しかける。

「俺のこと知ってたのか?……て、お前らに捕まったことあったっけ。」

スノウは立ち止まり、あー、と思い出す。

「あの時は失礼しました。」

カエデが謝罪する。

「別に気にすんなよ。」

スノウが笑って見せる。

「あと、エアル様を守っていただき、ありがとうございます。」

「いやいやいや!?なんで礼なんて言うんだよ!俺なんて誘拐犯と変わりないんだぞ!なのに…なんで…?」

スノウはいきなりカエデに頭を下げられ、お礼を言われて慌てる。

「確かにスノウさんはエアル様を誘拐しました。だけど、スノウさんはずっとエアル様を守ってくれていたので、今の元気なエアル様がいるんです。これは感謝するしかないでしょう。だからもう一度お礼を言わせてください。本当にありがとうございます。」

「……初めてだよ、感謝されたのは。」

スノウが照れくさそうに頭をかいて、シャイン達に追い付くために歩き始めるが、すぐに止まり、クルッと振り返って、

「俺はあいつに心からの笑顔をしてもらうまで、お前らに何と言われようと…守り続けるからな。」

と、宣言した。そして前に向き直し、そのままシャイン達の方に歩いて行った。カエデはスノウの背中を見送った。


 「こちらが女性の皆さんのお部屋です。」

メイドが案内した部屋は、十分くつろげる大きさに、ベッドやテレビ、あとその他もろもろの家具が置いてあった。

「広〜〜い〜。」

レビィが通路から部屋を見渡す。

「反対側のお部屋が男性の皆さんのお部屋です。」

通路を挟んで、反対側のドアをスノウが開けた。その部屋は、構造は女子部屋とたいして変わりないが、全体的に小さく、古臭い感じがした。

「突然の男女不平等…」

スノウが苦笑いする。

「ま、まあ…居座る身だ…我慢しようぜ…」

シャインも苦笑いしながらも、この状況に無理矢理納得した。

「では、ごゆっくり。」

メイドはお辞儀をしてから、自分の仕事に戻った。

「さて、今はすることないけど、一段落するまで待機という感じで。」

シャインの意見に全員頷き、各自自由に休むことにした。


 シャイン達が休み始めて1時間ぐらい経った時、男子部屋にコンコンとノックの音が響いた。その音に、ベッドで寝ていたシャインが起き、ムクッと上半身を立たせた。

「誰ですか?」

椅子に座って銃の手入れをしていたアレンが代表で返事をする。すると、ドアがガチャリと開き、白衣を纏い、緋色のロングヘアーにピンクの瞳をしたイスラが入ってきた。

「姉さん!?」

予想外の来客にアレンが驚く。その声に気が付いた女性人も男子部屋に集まった。そこに、城を探検していたスノウとヒューズも合流した。

「シャインはいるかしら?」

少し怒り口調のイスラが尋ねる。

「俺に何か用か?」

シャインはベッドから下り、イスラの目の前に立った。次の瞬間、パン!!とイスラの平手打ちが、見事にシャインの頬にヒットした。周りのレビィ達は突然の出来事にビックリしている。

「この革命で出た死者は、70%がザファールス兵、20%が奴隷、5%がSMC、あとの5%は巻き込まれた市民よ。でも、兵や奴隷、SMCや市民はただの肩書き…死んだのは全員『人間』なの!あなた達の勝手な欲望で、命を道具として使わないで!」

その言葉は、シャインだけでなく、他のメンバーの心にも響いた。

「……それくらい、お前に言われる前から分かってるよ。」

シャインが下を向きながら小さく答える。

「……そう。なら、自分達が何をしたのか、ちゃんと反省することね。」

イスラが男子部屋を立ち去ろうとした時、

「反省はする…でも『後悔』はしない。」

シャインは顔を上げ、部屋を出て行こうとしているイスラに告げる。イスラは振り返り、シャインの方を見る。

「反省はする、じゃなきゃ死んだ人達に申し訳ないからな。だけど、この革命のおかげで、ヴァスタリガは変われるチャンスが出来たし、なにより…エアルを助けることができた。だから、この革命を起こしたことに後悔はしない。」

シャインが真っ直ぐな眼差しで見る。

「…そう、別に反省するならいいわ。でもあともう1つ言わせて…『犯罪者』という称号は、一生背負っていくのを忘れないでね。」

イスラは最後にそれを伝え、部屋を後にし、通路に出た。その時、

「大丈夫です。スノウ達の犯罪者という称号は、私が取り除きます。」

と、誰かに話しかけられた。その方を見ると、そこにはエアルが立っていた。エアルの声に気が付いたシャイン達も通路に出てきた。

「そんなこと出来るはずがないわ。」

イスラが否定するが、エアルは首を横に振った。

「いいえ、それが可能です。イスラさんは知っていますよね?こういう身分がものを言う国には必ず王という最高権力者がいるのわ。」

「ええ。」

イスラが頷く。

「ではその最高権力者であった私の父、ライズ・ダイヤモンドが亡くなった今、最高権力者になるのは誰だと思います?」

「それは……」

イスラはハッ!と何かに気が付いた。シャインとスノウ以外もアッ!と気が付いた。シャインとスノウは頭の上にハテナを浮かべる。

「気が付きましたか?普通は最高権力者が夫であれば妻に、妻であれば夫に受け継がれます。今の場合は、最高権力者がお父様だったので、その妻、私にとってはお母様の『クレス・ダイヤモンド』に受け継がれます。しかし、お母様は私が幼い時に、病によって亡くなっています。なので、次に受け継がれるの2人の間の子供になるのです。つまり、今現在、最高権力者は、娘である『私』になるんです。だから私が言ったことは絶対になったのです。」

「……成る程ね。で、何て命令したの?」

イスラが尋ねる。

「もう他国にこの革命は知られていますが、スノウ達が関わっていることはまだ知られていないので、『スノウ達が関わっていた証拠になる情報を、生涯公開することを禁ずる』という命令を出しました。」

「成る程…でも、人の口に戸は立たないわよ?」

「私がどうにかします。」

エアルが言い切る。

「じゃあ私が心配する必要はなくなったのね?」

「はい。心配していただいて感謝しております。」

エアルが丁寧に頭を下げる。

「…あなた達、良いチームね。」

イスラはフフッと笑ってから、

「アレン、ヴァスタリガが倒れたことによって、SMCの武器などの開発がストップしているから、一緒に来て手伝ってちょうだい。」

と言って、その場を後にした。アレンは急いでイスラに付いていった。

「てことは、俺らは逃亡生活をしなくてもいいのか?」

やっと理解したスノウがエアルに尋ねる。エアルは笑顔で頷いた。

「うおー!ありがとなエアル!」

スノウが喜びのあまり、エアルに抱き付く。

「ちょっ、ちょっと止めてよ!」

顔を赤くして、スノウを突き離す。

「んで、お帰り、エアル。」

スノウがニッと笑うと、シャイン達も微笑む。

「スノウ…みんな…うん!ただいま!」

エアルは涙を浮かべながら、スノウに抱き付いた。


 「あっ!今良い事思い出した!」

エアルが突然叫んだので、全員が注目する。

「どうしたんだよエアル?」

スノウが代表して尋ねる。

「私の城のお風呂ね、近くに湧いている温泉を使っているんだけど、その温泉ね、魔力が回復するんだよ!」

「へぇ~」

「だからさ、お風呂に入ろうよ!今すぐ!」

エアルが元気よく提案する。

「今すぐって…まだ昼だぞ。流石に入る気になんねぇよ。」

シャインが却下する。

「ええ~、いいじゃん。魔力も回復するし、体の汚れも取れて一石二鳥だよ。」

「確かに汚れたままじゃゆっくり休めないもんね。」

レビィが自分の体の汚れを見る。

「でしょ?男達の服はないけど、レビィ達のお風呂上がりの服は私の使ったらいいしさ、ね?」

エアルがグイグイとレビィに近付く。

「う~ん…そうね、入ろうかしら。」

レビィが賛成する。

「サナは?」

エアルがサナに尋ねる。

「私はどっちでもいい。」

あまりノル気じゃないので、エアルが強制に賛成側にした。

「あの、私の服はあるんでしょうか?」

サテラが自分の風呂上がりの服があるか心配する。

「大丈夫。私の小さくなっちゃった服がまだ捨ててないはずだから、それを着たらいいよ。」

エアルが答えると、

「なら、私も入ります。」

サテラが賛成する。

「スノウ達は?」

エアルが男性人に尋ねる。

「どうするんだシャイン?」

スノウがシャインに尋ねる。

「しゃあねぇな。」

シャインは観念して、エアルの提案に乗ることにした。

「じゃあ、早速入りに行こう!」

エアル達はそのまま風呂に向かった。

「あっ、混浴じゃないからね。」

移動中にエアルが男性人に言う。

「……分かってるよ。」

ちょっと期待していたスノウは少し落ち込みながら答えた。



 「う~ん…気持ちいい~」

プールのように大きな湯船に浸かりながら、レビィが大きく背伸びをする。

「ホントに魔力が回復する。…何が入っているのかしら?」

レビィの隣にいるサナがマジマジとお湯を観察する。

「もう、ちょっとは研究のこと忘れましょうよ。」

「こういうの調べないと気が済まないのよ。」

どこからともなく取り出してきた研究器具でお湯を調べ始めた。

「あははは、職業病みたいだね。」

頭を洗っているエアルが笑う。

「そういえば、ナイトはどうなの?」

研究をしながらサナがレビィに尋ねる。

「う~ん…私の魔力は回復したんだけど、ナイトの魔力は、なんかこう、回復しているんだけど、回復していないって感じ。」

「レビィさん、意味が分からないです…」

泳いで遊んでいたサテラが苦笑いする。

「う~ん…『器』もやられているようね。」

「器?」

サナの言葉にレビィらが首を傾げる。

「う~ん…なんて説明しようかしら…まあ、例えると、『器』が『袋』として、『魔力』が『水』とするわね。」

「うん。」

他の3人が頷く。

「袋に水を注ぐと、当然水は溜まるわよね?」

「うん。」

「だけど、袋に穴があった場合、水を注いでも、水は溜まらず流れちゃうでしょ?」

「うん。」

「今のナイトはそういう状態なの。」

説明を聞いて、3人がまた首を傾げる。

「えっと…つまり、魔力を回復しようにも、回復した魔力を溜めるとこ自体がやられているから、回復出来ないの。だから回復するためにはまず、その器を再生させてからじゃいけないってこと。まあ、簡単に言うと、かなり時間がかかるってわけ。」

「その器はどうやって直すの?」

レビィが尋ねる。

「器も例えられているだけだから、実際そんな器は存在しない。だから、放って置いても勝手に再生して、勝手に回復するわ。」

「そっか…」

レビィは自分の胸の谷間あたりに手をやって、

(ゴメンね…そんなになるまで戦わせちゃって…あなたが回復するまで私、頑張るからね。)

と、自分の心の中で眠っているナイトに告げた。その時、エアルが、レビィが自分の手を胸あたりに当てているのを見て、

「なに〜?やっぱ気にしてんの~?」

と、ニヤニヤしながら、レビィの隣に浸かる。レビィはエアルの質問が理解出来ず、首を少し傾げるが、自分の今の格好を見て、胸の大きさを気にしている感じに見えるのに気が付き、

「ちっ、違うよ!そうじゃなくて…!」

と、慌てて訂正するが、エアルは聞く気はなかった。

「大丈夫だよ。Bぐらいが好きな男だってこの世にいっぱいいるって。」

エアルの言葉にレビィは、

「うるさい、Dのあなたに私の悩みなんて分かるもんですか。」

と、ムッとする。

「怒らない怒らない、ほら、サナの見てみなよ。」

2人の視線がサナの胸に向けられた。その視線に気が付いたサナは、慌てて手をクロスにして胸を隠す。

「な、なによ?」

顔を赤くして、サナが尋ねる。

「絶望的でしょ?そう考えたらあなたのはまだ将来性あるでしょ?」

それを聞いたサナがガーンとなってから、

「う、うるさいわね!そ、そんなの分からないじゃない!」

と、当然のように怒る。

「それもそうね。」

レビィが納得する。

「あんたもそれで納得すんのかい!」

サナがレビィにツッコむ。

「まあ、絶対ないとは言い切れないけど、絶対あるとも言い切れないわね。」

「ある!あると信じてる!ねぇサテラ?」

サナがサテラに賛成を求める。

「あっ、私、最近大きくなってきているので。」

サテラがさらりと答える。

「裏切り者!」

サナがサテラにツッコむ。

「こらこら、サテラちゃんを巻き込むな。サテラちゃんはまだ12歳、将来性がある可能性は低いけど、サナよりはあると思うわ。」

それを聞いてサテラはガーンとなり、湯船の隅で落ち込む。それをレビィはどうどうと慰める。サナとエアルが言い争っている時、

「やっぱり、お城のお風呂って大きいわね。」

と、体にタオルを巻いたイスラが入ってきた。4人はイスラの見事なモデル体型と豊満な胸を見て、ズーンと落ち込んだ。

「あら、どうしたの?」

イスラが落ち込んでいる4人に尋ねる。

「いえ、何でもないです。」

レビィが代表して答えるが、それはどこか力がなかった。


 「で、お前らは何をしてんだよ?」

壁を1つ挟み、隣にある男湯。その湯船に浸かりながらイライラと眉をピクピク動かしているシャインが、壁に近付いて、話を盗み聞きしているスノウとヒューズに尋ねる。

「バカ野郎!男のロマンだろ!」

スノウがシャインに怒る。

「逆にこのロマンを求めない方がどうかしていますね。」

スノウの隣でヒューズが呆れる。

「覗きをロマンにしているお前らの方がどうかしてるよ。」

シャインが2人にツッコむ。

「たく…数時間前に死闘を繰り広げていた奴らがすることかよ。」

シャインがため息をして呆れる。

「過去は振り返るな~シャイン、前にあるものを追い求めるのが男だぞ~。」

スノウが壁に耳をあてながら言う。

「そうですかい…」

シャインは2人を放って置くことにした。

「シャインはしないの?」

そこにアレンがシャインの隣に入ってきた。

「俺は無謀な冒険はしない主義だ。」

シャインが横目で見る。

「あはは、同感。」

アレンが笑う。

「SMCの方は片付いたのか?」

「うん、とりあえずはね。今は息抜き。」

「ふ~ん…」

「ぬお!アレンじゃねぇか!」

その時、スノウがアレンの存在に気が付いた。

「ということは、今この壁の向こうには、イスラさんがいるじゃないですか!」

2人の興奮が増し、もっと耳を壁に付け、イスラがいるか確かめる。そんな悲しげな男のスノウとヒューズを見て、シャインは2人に聴こえるようにアレンに話始めた。

「アレン知ってるか?この城の風呂な、さっき見渡してみたら、密閉にならないように、壁の上に隙間があるんだよ。そこからなら見えるかもしんねぇぞ。」

それを聞いたスノウとヒューズは、壁を登り始めた。

「単純な野郎共め、制裁を受けやがれ。」

シャインはニヤニヤしながら登る2人を眺める。

「どういう意味?」

アレンが尋ねる。

「あの2人は向こうの声が聞こえていたんだろ?なら…」

そんな説明、当然聴こえていないスノウとヒューズは、ズンズンと登っていき、シャインの言っていた隙間に到着した。到着した時の2人の興奮はMAXに達していた。

「ヒューズ…」

「スノウ…」

2人は顔を見合せ、一度頷いてから、同時に中を覗いた。だが、2人が見た光景は、思い描いたロマンではなく、サナが体にタオルを巻き、雷を纏って、こちらにニッコリと微笑んでいた。

「向こうもこっちの話が聞こえているってことだ。」

シャインが説明を終えたと同時に、

「[サンダーボルト=キャノン]!!」

サナが鬼の形相に変わって放った、青く大きな(いかずち)がスノウとヒューズに直撃した。

「ぎゃあああああ!!」

スノウとヒューズは感電し、黒焦げになって、線香花火のように儚く落ちてきた。

「自業自得だ、バーカ。」

シャインは別に助けるわけもなく、倒れている2人に罵声を浴びせ、放って置いた。

「そういえば、お前の姉ちゃんってどんな魔法を使うんだ?お前と同じ銃魔法(ガンマジック)か?」

その質問に、アレンは首を横に振った。

「ううん、姉さんは魔法は使えないんだ。その代わり、姉さんは機械技術は周りの人より飛び抜けているよ。」

「ふ~ん…魔法の才能なかったのか。」

シャインが呟く。

「あっ、その魔法は才能理論ね、最近変えられたの。」

「そうなのか?でも教科書とかもさ、『魔法を使えるのは才能がある人間だ。』って書いてあったはずだぞ?」

「ホントに3、4ヶ月前に変えられたの。」

「へぇ~、どんな理論なんだ?」

「魔法が使えるか使えないかは、『遺伝子』で決められるんだって。」

「遺伝子?」

「そう。遺伝子の中には、『魔法が使える遺伝子』と、『魔法が使えない遺伝子』があるの。親が両方『魔法が使えない遺伝子』だったら、当然その間に産まれた子は魔法は使えない。親が両方『魔法が使える遺伝子』 だったら、間に産まれた子は魔法は使える。そして、親が『魔法が使える遺伝子』と『魔法が使えない遺伝子』だったら、優性の法則により、魔法が使えない子の方が産まれやすい。…てな感じで、科学者の人達が発表したんだ。それが正論だったから、来年からはこっちの理論が教科書とかに書かれるらしいよ。」

アレンが長々しく説明したが、

「ふ~ん…わかった、なんとなく。」

と、シャインがあやふやに答える。

「あはは…ちゃんと理解する気はないんだね。」

アレンが苦笑いする。

「さて、十分魔力も回復できたし、そろそろ出るか。お前、ヒューズ頼むな。」

シャインは湯船から出て、倒れているスノウの足を掴み、ズルズル引きずりながら風呂を出た。アレンもヒューズの足を掴み、シャインと同様引きずりながら風呂を出た。アレンが用意したいたって普通の服を着て、風呂を出ると、そこにはレビィ達が待っていた。レビィ達はのびているスノウとヒューズを叩き起こし、1時間以上の説教をした。その光景を見ていたシャインとアレンは、絶対にレビィ達を相手にしないでおこうと心に決めた。

眼鏡「あと1話、あと1話で、本当に『ヴァスタリガ編』が終了します。現実世界ではもう受験も終わり、新しい生活に変わろうとしているのに、前書きで言った通り、まだ『〜魔法学園〜』はクリスマス…つまり、まだ冬なんですよね~。書いている自分も時々忘れてしまいます。ですが、頑張って書きたいと思うので、応援よろしくお願いします!次回から、この後書き、そして前書きにシャイン達が復活します!では、次回を楽しみにしてください!」

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