4話 12校の魔法学園(1)
シ「ついに前書きにも出てきたな。」
レ「まあまあ、さて突然ですが今から主力メンバーの名前の由来をご紹介しまーす。」
シ「ほんと突然だな…」
レ「ではいっぺんに〜ドン!」
シャイン:名前を考えている時、たまたま『スーパーマリオサンシャイン』の攻略本があったから。
レビィ:モデルのFTのレビィ・マクガーテンからいただきました。
スノウ:これもモデルのFF13のスノウからいただきました。
エアル:どっかの回復技の名前だったかな?
サナ:名前を考えている時、たまたまのFTの本が前にあり、カナが載ってあったのでモジって。
ヒューズ:名前を考えている時、たまたま鋼の錬金術師の本があり、中をパッと開くとヒューズ中佐が載ってあったので、そのままいただきました。
シ「こう見ると案外適当だな…」
レ「そうだね…とにかく!見てください!」
シ「サンシャインって…」
「まだ退院できないのかなシャイン?」
教室の自分の席でレビィが心配そうに言う。
「大丈夫だよ、なんたってシャインだもん。」
エアルがレビィの肩をポンポンと叩く。
シャインはスティールの攻撃により骨折してしまい、入院していた。
「たく、何やってんだよお前ら。」
スノウがあきれる。
「そうですよ、私達にも相談してくれれば良かったのに。」
ヒューズが文句を言う。
「ゴメンね、あまり迷惑かけたくなかったの。」
レビィが謝る。
「ま、別に死んだんじゃないんだし、いいんじゃない。」
サナが本を読みながら言う。
「そうだね。今日お見舞いに行こう。」
レビィが決定する。
「誰か行く?」
レビィが他の4人に聞く。
「私今日用事あるから行けないや。」
エアルがゴメンねと謝る。
「俺はダチとリオレウスを狩るから無理。」
スノウが無理無理と手をヒラヒラさせる。
「私も弓道の方があるので行けませんね。」
ヒューズもすいませんねと謝る。
「そう、サナは…」
「行くわけないでしょ。」
レビィの声に被せるようにサナが答える。
「やっぱり…」
レビィが当然かと思いながら苦笑いする。
結局1人で行くことになったレビィは、手ぶらはダメかなと思い、お菓子屋でシュークリームを買ってシャインが入院している病院に向かっていた。そして少し大きな公園の中の道を歩いていたら、前から5人の不良が歩いてきた。
(うわぁ、関わらないようにしよう。)
レビィが無視して通ろうとすると、案の定絡まれた。
「よう〜可愛いね君~どこの高校?」
片耳ピアスで5人の中のリーダーらしい男が話しかけてきた。
「龍空高校です。」
とりあえず答える。
「ああ~、あの魔法科があるとこね。」
片耳ピアスの男が思い出す。
「すいません、用事があるので」
レビィが無理矢理通ろうとすると、片耳ピアスの男がレビィの腕をガッと掴む。
「そんなこと言わずに、俺らと遊ぼうぜ。」
「離してください!」
レビィがバッと振りほどく。それが男の感にさわったらしく、
「あぁ!いいから一緒に来ればいいんだよ!」
あとの4人も一緒に無理矢理連れていこうした。
「やめてください!誰か!誰か助けてください!」
必死に助けを呼んだ。すると、1人の男が片耳ピアスを後ろから殴った。
「痛って~、誰だ!」
片耳ピアスが振り向くと、
「俺のダチに何か用か?」
なんとそれは、入院していると思っていたシャインだった。
「シャイン!?」
レビィが驚く。
「たく、今日退院だってメールしたぞ。」
シャインがあきれながら、レビィを男達から遠ざける。
「ちょっと待ってろ。」
シャインが男達の前に立つ。
「何だてめぇ、あの女の彼氏か?」
「勝手に想像してろ。」
シャインが見下しの目で見る。
「なめやがって~やっちまえー!」
片耳ピアスの合図で一斉に襲いかかる。
数秒後…
5人はボコボコにされた。
「に、逃げるぞ!」
5人その場を急いで去った。
「口ほどにもない。」
シャインがレビィに近づく。
「ケガないか?」
「う、うん。ありがとう。」
レビィが大丈夫だよと笑って見せる。
「ちょっと、どこに行くの?」
レビィが突然歩いていくシャインを慌てて追いかける。
「ねぇ、何でここにいるの?」
「ずっと消毒臭いとこに居たからな、外の空気を吸いたくてな。」
「ふ~ん…」
すると、シャインが公園の中にある噴水の近くのベンチに腰かけた。レビィもシャインの隣にちょこんと座る。そして少しの間沈黙が流れる。
(この状態、周りから見たらデートなの…かな?)
そんなこと考えていると、レビィの顔が真っ赤になった。
「どうしたレビィ?」
シャインが聞くと、レビィがブンブンと顔を振り、
「ううん、何でもない。」
と、誤魔化すように笑って見せた。
「そうか。」
「そうだ!シュークリーム食べる?」
レビィがシュークリームが入っている箱を開けたら、2個入っていたが、1つがさっきの騒動で潰れてしまっていた。
「あ…ゴメンね。」
空気が重くなる。それを察知したのか、シャインは潰れたシュークリームをひょいと掴んで無言で食べた。レビィはシャインの気遣いに嬉しくなった。
シュークリームを食べていると、
「あんた達こんなとこで何やってんの?」
と、眼鏡をかけていないサナが近づいてきた。
「退院祝いのシュークリーム食べてる。」
シャインが簡単に答える。
「あっそ…」
「サナはここで何やっているの?」
レビィが聞く。
「最近実験しっぱなしで疲れたから、気分変え。」
サナが答える。
「ところで、さっき『虎神』の連中がボロボロで歩いてたけど、あんたじゃないでしょうね?」
サナがシャインを疑う。
「あいつら虎神の奴らだったのか。」
シャインがさらりと言う。
「知ってるってことは犯人はあんたね…」
サナがあきれる。
「虎神なんかにケンカふっかけて、『あいつ』の耳に入らなきゃいいけど。」
「入るな、ほぼ間違いなく。」
シャインとサナの会話についていっていないレビィが話を中断する。
「あの~全然分かんないんだけど。」
「そうか、レビィは分かんないか。」
シャインが気が付く。
「そうね、じゃあ説明するわ。」
こうしてサナの説明が始まった。
「最初に言うとね、魔法科がある高校はね、龍空高校だけじゃないの。」
「そうなの!」
レビィが驚く。
「そう。この国には全部で『12校』魔法科がある高校があるの。」
「へぇ~」
「そして、この12校はキッチリと順位ができているの。」
「どうやって決めるの?」
「8月に開催される大会に1校から1人の代表者を選んで、その代表者が闘って順位を決めるの。」
「へぇ~」
「この順位は高校としても重要で、受験者の数が大きく変わる。」
「何で受験と関係あるの?」
「誰も12位になった高校に行きたくないだろ。」
シャインが言う。
「そう。シャインの言った通り、12位の高校に行くより1位の高校に行きたいでしょ?」
「うん。」
「だから代表者に選ばれた生徒はすごくプレッシャーがかかるわけ。」
「なるほど。」
「去年の結果を12位から言うと、
12位:火兎高校
11位:羊雲高校
10位:馬原高校
9位:犬白高校
8位:猿山高校
7位:牛島高校
6位:鳥崎高校
5位:猪里高校
4位:蛇帝高校
3位:天鼠高校
そして2位と1位は引き分けになったらしく、その2校が、『虎神高校』と私達の高校『龍空高校』てなわけなの。分かった?」
サナが説明を終了する。
「分かった。でも何で引き分けになったの?」
「そこまでは私も知らないわ。」
「ふ~ん…」
「さて、説明も終わったし、寮に戻るか。」
シャインがどっこいしょと立ち上がる。
「うん。」
「そのね。私も戻ろ。」
3人は寮に戻り始めた。
サナが説明している時、ボコボコにされた5人は虎神高校に戻り、ある2人の前にいた。
「んで、要するにあんたら5人は一瞬で負けたわけだ。」
「申し訳ありません。」
片耳ピアスが深く頭を下げる。それに合わせてあとの4人も頭を下げる。
「ナハハハハ!謝ってももう遅い。制裁だ。」
3人の中の桜色の髪が5人を1人ずつ殴り飛ばす。
「何でもかんでも暴力で終わるのはやめるんだな『クラウド』、悲しい。」
黒髪の男が眼鏡を上げながら注意する。
「ナハハハハ!お前は何でもかんでも静か過ぎだ『レイン』そして何で悲しいんだよ?」
「口癖だ。」
「あっそ…」
桜色の髪の少し小柄な男の名前はクラウド(16歳)(身長:165cm)。あの幽霊事件の犯人の1人。鋭い黒色の瞳で、背中には自分とほぼ同じぐらいの大きさの鎌をせおっている。
黒髪の眼鏡をかけている男の名前はレイン(16歳)(171cm)。あの幽霊事件の犯人の1人で鎧武将を召喚した男。黒色の瞳で常に人を見下す目をしていて、腰には小さな箱がぶら下がっており、中にはたくさんの紙が入っている。
そこにボスらしき金色の短髪が現れた。
「どうしますかコイツらの処分?」
クラウドが5人を見ながら聞く。
「お前ら…誰にやられたんだ?」
ボスが5人に聞く。
「え、あ、えっと…黄緑色の髪をしたシャインっていう男です。」
片耳ピアスが慌てて答える。その答えを聞いたボスが笑い始めた。
「クハハハハ!あいつか、お前らがあいつに勝てるわけねぇだろ!まあ、あいつだからな、いいよ、お前らの処分は免除してやる。」
「あ、ありがとうございます。」
5人が一斉に頭を下げる。
「さっさと帰りな。」
5人がいそいそと帰っていった。それを見届けたボスは何処かに行こうとする。
「どちらに?」
レインが尋ねる。
「少し出かけてくる。てめぇらは来るな、俺1人で行く。」
そう言ってボスは何処かに行ってしまった。
シャイン、レビィ、サナは龍空高校の近くまで帰ってきていた。すると、3人の前から1人の金髪の男が歩いてきた。それにレビィが気が付いた。
(あれ?あの制服…さっきの不良たちと一緒の制服。てことは虎神高校の人…嫌だなぁ~)
前から歩いてきたのは、さっき何処かに行ってしまったボスだった。シャインとサナも気が付いて、サナは少し驚いた顔をしたが、すぐに普通の顔に戻った。シャインは無反応だった。
レビィはボスとすれ違う時に少し下を向いて通りすぎた。サナはそのまますれ違った。そしてシャインとすれ違った瞬間、
「よう、久しぶりだなぁシャイン。」
ボスが囁くように言った。それを聞いたシャインが足を止める。
「ああ。久しぶりだな。」
背中を向けたままシャインも囁くように言う。
「何だよ、2年ぶりだってのに素っ気ないな。」
ボスがあきれる。シャインはゆっくりと振り返り、睨み付ける。
「そう睨むなよ。ただ近くを通っただけだ。」
「だったら、お帰り願おうか。」
敵意の目のままのシャイン。
「クハハハハ!昔と全然変わってねぇな。」
この様子をシャインの少し後ろから見ていたレビィがサナに小声で尋ねる。
「ねぇ、あいつ何者なの?昔がどうとか言ってるし。」
「あいつは私達と同じ高1で、たった3ヶ月で虎神高校の頂点に立った男。名前は『バージェス・アルシオン』。そして、シャインの…幼馴染み』よ。」
「えっ…!」
サナの説明を聞いてレビィは驚いた。
風の音しか聞こえないくらい静けさの中でシャインとバージェスは睨み合っている。
レ「いっぱい高校の名前が出てきたね。」
シ「さて、読者は気が付いたかな?」
レ「何を?」
シ「お前、気が付いていないのか?」
レ「だから何を?」
シ「高校の名前には『干支『が入っているんだ。」
レ「ホントだ!」
シ「鳥崎とかの『崎』とかは適当らしい。」
レ「犬白の『白』とか?」
シ「そう。」
レ「よし!理解もできたし次回予告をしよう。次回はシャインとバージェスの過去の話だよ。」
シ「次回をお楽しみに。」