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魔法学園  作者: 眼鏡 純
3/88

3話 帰り道に気を付けろ

今回の話は女性には気を付けてほしい話です。

では、どうぞ!

 レビィが転校して来て1ヶ月が過ぎようとしていた。梅雨に入り、雨が途絶えることなく降っていた。今日もまた雨である。


 傘をさしながら、普通に登校してきたレビィにエアルが近づく。

「おはよーレビィ!」

雨の日でも元気なエアルが挨拶する。

「おはよう。」

レビィが微笑んで挨拶する。だが、少し後ろを気にしている。それに気が付いたエアルが尋ねる。

「どうしたの?」

「え?ああ、うん、あとで教室で言うね。」

そう言って2人は校舎に入っていった。



 昼休み…

「ストーカー!?」

エアルが大声で驚くのをレビィが口に指をつけ、シーと言う。

「だってストーカーだよ!」

「まだそうとは決まってないけど、最近誰かに見られている感じなの。」

「それ確実じゃん!」

「そう、なのかな?」

「絶対そうだよ!」

そんな話をしていたら、チャイムが鳴り授業が始まった。



 放課後…

「今日は私が一緒に帰ってあげる。」

廊下を歩きながらエアルが言う。

「ありがとう。」

「でも私だけじゃさすがに無理っぽいからもう1人ぐらい連れていこう。」

エアルがキョロキョロと連れていく人を探す。そこに、前を歩いていたシャインに声をかけた。

「ねぇシャイン、今日一緒に帰って。」

突然の言葉にビックリしながら、

「はぁ?何で俺が一緒に帰らなきゃ行けないんだよ?」

と理由を尋ねる。

「あのね…」

説明中…

「…と言う事なの。」

「ふ~ん…ストーカーね~、お前夜叉魔法使えるだろ。」

シャインがレビィに言う。

「そうだけど、あんまり人前で使うなって言われているし。」

「だから、あんたには怪しい奴がいないか見張って欲しいの。」

エアルのお願いにシャインはまだノル気じゃない。

「嫌だよ。ダチと寮でティガレックス狩るんだよ。」

そう言って帰ろうとするシャインの肩を持ち、止める。

「行くわよね?」

笑顔で聞く。

「いや、だから、」

「行・く・わ・よ・ね?」

次断ったら殺すという顔で再度聞く。

「だから、」

また断ろうとするシャインの肩がエアルの力によりメキメキと鳴る。

「行きます。」

さすがに折れたシャインだった。

「じゃあ早速出発!」

校舎から出たエアルが雨の中ズンズンと歩き出す。

「エアル、こっち。」

間違った方向に行くエアルを呼んで、2人で家に向かって歩き出す。シャインは2人から少し離れたとこを歩きながら、レビィの帰り道にある交番の前を通った時に、横目でチラッと指名手配書を見ながら2人に付いていった。



 別に変なことが起きるわけもなく、すんなりとレビィの家に到着した。白くて清潔感のある一軒家である。

「何にもなかったね。」

エアルが言う。

「うん。今日は視線感じなかったし。」

レビィがホッとする。

「勘違いだったのかな?」

「そうだといいんだけど…ねぇシャインはどう思う?」

レビィは後ろにいたシャインに尋ねた。シャインは顎に手をやり何か考えていた。

「どうしたのシャイン?」

レビィが尋ねる。

「勘づかれたな。」

シャインの言葉に2人が首を傾げる。

「どういうこと?」

レビィが理由を聞き、シャインが話そうとするとエアルが割り込んできた。

「はいはいはい、別にこんな雨の中で話す必要ないじゃん。」

「そうだけど…」

「だ・か・ら、レビィの家の中で聞こう。」

エアルが何か企んでいる顔で提案する。

「ちょっ…」

レビィがシャインに聞こえないとこまでエアルを連れて行く。

「何でそうなるの!」

「私の予想だとレビィって家に男の子居れたことないでしょ?」

図星だったレビィはただただ頷くだけだった。

「やっぱり、だったら練習がてらシャインでどうかな~て思って。」

「え~〜〜〜」

レビィの許可を聞く前にシャインのとこに戻り、事情を話す。そしたら意外と簡単に承諾した。いや、正式言うと承諾するしかなかった。

ここまでくるとレビィも断ることができなかった。レビィがインターフォンを押すと、扉が開き、中から1人の女性が出てきた。

「お帰りな…あら?お友達?」

女性はエアルとシャインに気が付きレビィに尋ねる。

「えっと、こっちがエアルであっちがシャイン。」

「そう、よろしくね。私はレビィの母のフィリアと言います。」


 この女性の名前はフィリア・サファイア(38歳)(身長:166cm)。レビィにそっくり、いや、レビィがそっくり?どっちでもいいが、とにかく顔が似ていて、レビィと同じ紺色の髪で青色の瞳。髪は先の方がクルッとカールしている。


 「エアル・ダイヤモンドです。」

エアルも自己紹介しながら一礼する。

「シャイン・エメラルド…です。」

シャインも自己紹介しながら軽く会釈する。

「さあ、どうぞ。」

フィリアさんの案内で2人とレビィは家に上がり、一直線に2階のレビィの部屋に入った。



 レビィの部屋には勉強机があり、ベッドがあり、ぬいぐるみや本がある、いたって普通の部屋である。

「さて、さっきの話の続き話して。」

まるで我が家のようにベッドにダイブしながらエアルが聞く。

「ああ。」

シャインが勉強机の椅子に座って話始めた。

「勘づかれたのは俺の存在だ。」

「シャインの?」

地べたに体育座りしているレビィが言う。

「そう。お前らこんなことないか?いつもこの時間に出ると絶対見かける人や物があるっていう現象。」

「ある、私が登校する時にサラリーマンの人を見る。」

レビィが同意する。エアルもあると頷く。

「だろ?そのストーカーがお前の時間帯まで分かっていたら、その時にレビィの周りを歩いている人ぐらい覚えているはずだ。だけど今日は知らない2人がいた。エアルがいても友達か何かで終わるが、見かけない男が後ろから付いてきていた。ちょこちょこ会話に参加していたから友達にしたんだろ。だから、今日はストーカーするのは止めた。警戒されていると思ったからだ。」

シャインの説明が終わり、2人はなるほどという顔でいる。

「じゃあ明日も付いてきてもらう?」

エアルが案を出すが、シャインが否定する。

「いや、俺がいる限りそのストーカーは現れないし、俺が消えればまたストーカーをするだろ。」

「じゃあ、どうしよう?」

レビィが頭をかかえる。

「心配すんな。策はある。」

妙に自信のある顔でニヤける。

「どんなの?」

2人がハモる。

「普通は1ヶ月はかけた方が確実なんだが、、そんな時間はないから2週間でケリをつける。」

そう言って、シャインは2人に作戦を伝える。



 そして作戦は次の日から実施された。1週間は前と同様3人で帰ってレビィの家に入り、少しして2人が帰る。変えたのは、いつもより警戒し、周りをキョロキョロする。これだけだ。そしてあっという間に1週間が過ぎ、レビィの部屋でシャインがまた作戦を言う。

そしてあとの1週間はレビィだけで帰る。それだけだ。そしてまた1週間が過ぎた。


 「これで本当に良かったの?」

今回もまた雨である。しかもどしゃ降りである。校舎でレビィが心配そうに聞く。

「大丈夫だ。犯人はもう分かった。」

シャインが言う。

「じゃあ、行くぞ!」

そう言うと、エアルとレビィがオー!と拳を上に突き上げる。


 そして作戦最終段階に入った。

レビィが1人だけで雨の中を歩き、特に特別のことをするわけもなく、普通に家に到着した。

そしてこの状況を電信柱から見ている20代ぐらいで雨でびしょ濡れの長い髪に眼鏡をしている怪しい男がいた。そいつはレビィが家に入るの見守ると、満足そうに帰ろうと振り返ると、

「よう、ストーカー行為は終了か?」

こちらを睨んでいるシャインが立っていた。

「ひっ!」

男はとっさに逃げだした。

「待ちやがれ!」

シャインが持っていた傘を投げ捨てあとを追う。


 数分走ったとこで、ついに男を建物と建物の間の行き止まりの狭い路地に追い詰めた。

「もう逃げ道はないな。」

シャインが勝利を確信したようにニヤける。

「どうして僕だと分かった!?」

男が聞く。

「大変だったんだぞ2週間仕込むの。」

「2週間?」

「そう。この2週間はお前を捕まえるための罠だったんだよ。」

「罠…だと?」

「最初の1週間は3人で帰る。そして必要以上にキョロキョロして警戒しているように思わせた。」

「そうだ!お前たちは僕を警戒して必死に探していたじゃないか!」

「それが罠だ。別に俺らはお前を探していたんじゃなく、『あるもの』を覚えていたんだ。」

「あるもの?」

「それは『周りにいる人間』だ。」

「どうことだ?」

「レビィの家の前は人通りが少ないのに気が付いてな、これを利用したんだ。人通りが少ないということは、決まった人しかほぼ通らないということだ。」

「それと僕を見つけるのと、どう関係するんだよ?」

「簡単さ。1週間は周りの人覚え、あとの1週間て『答えあわせ』をするんだ。」

「答えあわせ?」

「そうだ。俺は校舎の屋上から双眼鏡で監視して、1週間で見なかった人間を探したんだ。そしてドンピシャでお前を見つけたんだ。それが1週間全部見たからお前と確信できたって訳だ。」

シャインが説明を終えると、男はフフフと笑い始めた。

「フフフ、そうさ僕の名前はスティール。だが、1つだけ間違っているぞ。」

「何?」

思いがけないことにシャインの眉がピクッと動く。

「僕はストーカーなんかじゃない。誘拐犯だ!」

「何だと!?」

その時、シャインはハッと思い出す。

「お前、指名手配犯だな。交番のとこにお前の顔が貼ってあったぜ。」

「そうだ。そして僕の本当の正体を知っているのは君だけ。つまり君が消えれば知っている人間はいなくなるんだよ!」

スティールがシャインに殴りかかる。

「そんな動きで俺に勝てると思うなよ。」

シャインが簡単に避けた。そしたらスティールがニヤリと笑った。

「かかったな。」

「何!?」

すると、避けたはずなのにシャインの腹にスティールの拳が直撃した。

「な…」

何が起きたか分からない気持ちのままシャインが膝をつく。そこにスティールが蹴りをいれようとした。

「くらうか…」

シャインが避けたが、またしても腹に直撃し、骨がボキリとなり、吹っ飛んだ。

「がっ…」

壁に叩き付けられてたシャインはなかなか立てない。

「どうしたどうした最初の威勢はどこいった!」

スティールがバカにするように笑う。

(どうなっているだ…予測したとこに攻撃がこねぇ…しかも絶対曲がらない方向に腕や足が曲がりやがった…)

そんなことを考えていたら、スティールがまた襲いかかる。

「オラァ!」

キックを完全に避け、シャインがスティールに刀をあびせた。いや、正式に言うとあびせられなかった。スティールの体をスルリとすり抜けた。

「何だと!?」

さすがに驚いた。

「僕に攻撃はくらわないわ!!」

そのままスティールの拳がシャインの顔をとらえた。

「ぐっ…」

すぐに体制を立て直し、少し遠めに間合いをとる。

(マジで意味がわからねぇ!いや、落ち着け、考えるんだ。攻撃が当たらないという事は…)

その時、シャインはあるものを見つけた。

(!そうか!分かったぞ!あいつのトリック!)

「どうした?もう終わりか?」

スティールがニヤニヤする。

「分かったぜ、お前のトリック。」

シャインに自信がもどる。

「トリックだぁ~?」

「そうだ、今それを証明してやる!」

シャインはスティールではなく、スティールの足下に刀を突き刺した。

「ぐは…」

すると何故かスティールが口から血を吐いた。

「これが、答えだ。それとも、まだ分からないか?」

シャインは再び刀を突き刺そうとした。

「やめろ!」

スティールが慌てて止める。

「これがお前のトリック、『鏡魔法(ミラーマジック)』だ。鏡魔法(ミラーマジック)はその名の通り鏡の力を使った魔法だ。お前の腕や足がおかしな方向に曲がるのは、鏡による屈折を利用したんだ。屈折する方向ならどんな方向にでも曲げられる。そしてお前に攻撃があたらないのは、お前は一定時間だけ鏡に映る自分と入れ替われることができ、攻撃があたる瞬間だけ入れ替わっていた。だが、鏡魔法(ミラーマジック)は自分の周りに鏡がないと使えない魔法だ。だから、俺は探したんだ鏡を。そしたらちゃんとあったんだよ。雨の日にできる天然の鏡、水溜まりだ。だから俺はお前ではなく、お前の足下にある水溜まりに映っているお前を攻撃したんだ。俺の推理、間違ってるか?」

シャインの推理を聞き、スティールが笑う。

「フフフ、ご名答。正解だよ。だが、タネが分かっても、僕に勝つことはできない!」

スティールが殴りかかる。それを避けたシャインがスティールを殴ろうとした。

「僕に攻撃はあたらないぞ!」

「だから、俺はお前を狙ってない。」

シャインが殴ったのは、スティールの足下の水溜まりだ。すると、やはりスティールにダメージがはいる。

「がはっ…」

スティールが膝をつく。シャインはコンクリートを殴ったので、拳から血が垂れている。

「これで終わりだ![閃風拳(せんふうけん)]!!」

シャインの全力の拳がスティールの顔をとらえ、吹っ飛ばした。吹っ飛んだスティールは壁に叩き付けられて、そのままバタリと倒れ、気を失った。


 シャインが壁にもたれていると、ようやく追い付いたエアルとレビィが来た。

「遅せぇぞお前ら…」

「大丈夫…なわけないか、今治癒魔法かけるから。」

エアルが治療を始める。

「ゴメンねシャイン、変なことに巻き込んじゃって…」

レビィが謝る。

「気にすんな。もう終わったんだ。せっかく勝ったのに謝れると、テンション下がるわ。」

「…そうだね、じゃあ…ありがとう!シャイン!」

謝る代わりに満面の笑みを浮かべお礼を言う。レビィの笑顔を見てシャインは、

「お、おお…」

照れて、レビィから目をそらした。




 女性の皆さんはストーカーなどに気を付けて下さいね。

シ「ん?何で俺らが後書きにいるんだ?」

レ「なんか私達が次回予告しろって筆者が。」

シ「勝手だな。」

レ「まぁまぁ、次回は龍空高校以外の魔法科がある高校を紹介だよ。」

シ「何校だっけ?」

レ「それも次回に分かるよ。じゃあ見てくれた皆さん、次までお楽しみに!」

シ「確か、じゅう…」

レ「言わない!」

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