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魔法学園  作者: 眼鏡 純
29/88

29話 ただの1日

シ「ん?今回は俺に1日密着だと?」

レ「そうらしいよ。」

シ「なんでまた突然…」

ス「繋ぎ話だ、繋ぎ話。」

シ「だろうな。」

エ「作者が次の長編を考えるためなんだって。」

シ「へぇ~じゃあ次は長編なんだな。」

エ「多分。」

レ「今回はシャインの1日に密着!では、見てください!」

 いろいろと起こり過ぎたので、今回は何もない日常の1日を、シャイン中心で描いてみました。



 住宅街に建っているマンション、『龍空(たつぞら)マンション』。その3階の奥の部屋、ある男が住んでいる。いや、最近1人女の子が増えたかな。


 AM:7:00

「シャイン、起きてください。」

サテラは寝室の布団で寝ているシャインをユサユサと揺らす。

「ん?」

布団からもそっと起き上がり、頭の近くにある目覚まし時計を見て、

「まだ7時じゃねぇか…」

布団の中にリターンした。そしてまた、

「シャイン、学校遅れますよ。」

サテラがユサユサと揺らす。

「オカンかお前は…」

シャインが観念して布団から出て立ち上がった。

「俺は基本7時30分に起きるからな。」

サテラに注意しながらキッチンに向かって、絶句した。

「お、お前…キッチンで何してた…?」

キッチンは辺り一面色んな材料が散乱していた。

「早起きしたので朝ごはん作ろうして…」

サテラが説明する。

「お前も料理じゃなくて錬金術か…」

シャインが大きなため息をして肩を落とす。

「す、すいません…」

サテラがしゅんとなって謝る。

「飯は俺が作るから、お前はジッとしておけ。」

「はい…」

サテラがさらにしゅんとなる。

「[そよ風]。」

シャインがパチンと指を鳴らすと、ゴミが1つに集められ、黒いゴミ袋にシュートした。

「掃除終了。」

シャインは片付けられたキッチンに立ち、朝食の準備を始める。

「朝ごはん作ってやるからちょっと待ってろ。」

シャインは余っていた卵とベーコンを使って、ありきたりな目玉焼きを作り、リビングにある小さい机に置いて、自分も座った。前にはちょこんとサテラが座っている。

「いただきます。」

2人は手を合わせ、ベーシックの合図とともに朝食を食べた。

そして2人は完食してから、歯を磨いたり、掃除や皿洗いなどをしていると、登校する時間になった。シャインは急いで制服に着替え、玄関に向かう。

「じゃ、行ってくる。昼飯は適当にカップ麺でも作って食べとけ。」

そう言って、シャインは部屋を出ていった。サテラはシャインが出ていった玄関にフリフリと手を振って見送った。


 AM:8:30

「あっ!おはようシャイン!」

シャインが教室に入ると、明るい声が出迎えた。

「朝から元気だなエアル。」

「シャインが暗いんだよ。」

2人は話しながら自分達の席に向かう。席に着いたシャインは机の隣にカバンをドンと置き、そのまま流れるように席に座り、2秒で夢の中に誘われた。

「いつもシャイン君は寝てますね…」

隣の席のアレンが寝ているシャインを見ながら苦笑いする。

「もう、いつも帰って何してるのかしら。」

左後ろに座っている、二日酔いから復活したレビィが呆れる。その時、チャイムが鳴り、皆が席に座り、ナナリー先生が教卓に立ち、

「はい、じゃあSHR始めるわね。」

SHRを始めた。それでもシャインは起きる気配はなかった。


 PM:12:50

昼休みになり、ようやく起きたシャインは、スノウと一緒に購買部へ昼食の調達に向かい、焼きそばパンを買ってきて、机に座りながら食べている。

「シャインってホントに焼きそばパン好きですね。」

上品に弁当を食べているヒューズが言う。

「この学校の焼きそばパンはなんか旨いんだ。」

ちょっと幸せな顔で答える。

「ねぇシャイン。」

そこにサナが近付いてきた。

「何だよ?」

横目でサナを見ながら尋ねる。

「サテラ、どんな感じ?」

「サテラ?別に何も起きちゃいないよ。今はまだ、ただの12歳の少女だ。」

「そう。でも気を付けなさいよ。まだあの子、青幽鬼(ブルーファントム)をコントロールできてないんだから。」

「分かってら。」

「サテラ?サテラとは誰です?」

ヒューズが2人に尋ねる。

「あ~そういや話していなかったな。」

シャインが思い出す。

「またいつか紹介する。」

シャインが焼きそばパンを食べ終わる。

「そうですか。」

ヒューズも弁当を食べ終わり、カバンの中に戻した。


 PM:3:15

6時間目も終わり、生徒達が待っていた放課後になった。シャインは教科書などほとんど入っていないカバンを肩にかけて帰ろうとした時、

「ねぇねぇシャイン。今日の放課後空いてる?」

エアルが話しかけてきた。

「空いてたら何すんだ?」

面倒くさい顔して聞く。

「カラオケ行こ!」

「却下。」

即答で答える。

「ええ~レビィだって来るよ?」

「レビィがいたら行くと思うな。」

シャインはエアルに背を向けたまま、ヒラヒラと手を振って廊下を歩いていった。

「シャイン何だって?」

スノウとレビィがムスッとなっているエアルに近付く。

「行かないって。」

「仕方がない、他の奴誘うか。」

「うん。」

スノウとエアルが歩きだすが、レビィが付いてきていないのに気が付き振り返る。

「どうしたのレビィ?」

エアルが尋ねる。

「いや、シャインってあまり遊ばないけど、帰って何しているのかなって思っただけ。」

「なんだ?シャインのこと気になるのか?」

スノウが少し茶化しながら尋ねる。

「ち、違うよ!だってよく見たら、あいつの手や顔に傷が多いから…」

レビィが無意識に心配している顔をするので、エアルとスノウはどうする?と会議を開始した。そうして20秒後、会議は終了した。

「じゃあさ、カラオケ行くのやめて、シャインのこと尾行しよう!」

エアルが会議で決まったことをレビィに報告する。

「び、尾行!?い、いいのかな~」

「意外とシャインてミステリアスなとこが多いじゃない?私達も気になるし…ね?」

「う~ん…」

レビィはまだノル気じゃないが、

「おら、さっさと行かないと見失うぞ。」

スノウとエアルに無理矢理連れていかれた。だが、この作戦は角を曲がった瞬間に失敗となった。

「誰を尾行するって?」

壁にもたれ掛かり、腕組みをして待っていたのは、なんとシャインだった。

「げっ!?シャイン!」

スノウが驚いた。

「なんで分かったの?」

エアルも驚きながら尋ねる。

「声は周りの空気を振動させて伝わるものだ。俺はそれを聞き分けて、聞くことができるんだ。」

「でもけっこう遠いよ?」

と、レビィが後ろを見て尋ねる。教室から今の角まで約20メートルはあるだろう。

「これぐらいの距離なら可能だ。」

「すっげぇ~」

スノウが素直に感心する。

「とにかく、尾行なんてさせねぇからな。もししたらぶった斬る。」

そう忠告して、シャインは帰っていった。3人は断念して、カラオケに向かった。


 PM:3:40

シャインは別に寄り道もしないで、龍空(たつぞら)マンションに到着した。階段もエレベーターも使うことなく、ピョーンと3階までジャンプした。

「あら、お帰り。」

3階に着地したシャインに話しかけてきたのは、シャインの部屋の4つ隣のおばさんだった。おばさんやこのマンションに住んでいる人は、最初はシャインのジャンプに驚いていたが、今は当然の光景になっている。全く、慣れとは時に怖いものである。

「どうも。」

シャインはすれ違う時に軽く会釈した。そして自分の部屋を開けて、帰宅した。

「ただいま。」

部屋全体に響くぐらいの声で言うと、奥の部屋から、

「お帰りなさい。」

と、女の子の声が聞こえてきた。その部屋に入ると、テレビゲームをしているサテラがいた。

「Wiiの大乱闘してたのか。」

「はい、暇だったのでやってみようかと。いけませんでした?」

「いや、好きにしててくれ。どうやっても俺が学校に行ってる時、お前は暇だからな。」

シャインはネクタイを外し、制服から私服に着替える。

「操作方法よくわかったな。説明書なくしてないのに。」

「前シャインがやっているのを見て覚えました」

「へぇ~お前記憶力いいんだな。」

「見たものとかは大体覚えています。」

「へぇ~」

シャインが私服に着替え終え、そのままキッチンに向かい、冷蔵庫を開けて、ん?と何かに気が付く。

「あれ?食材がある。」

冷蔵庫の中には、朝なくなったはずの食材がほぼ完璧に戻っていた。

「あっ!私が買ってきました。」

サテラがゲームを一時停止してキッチンの方に振り返る。

「スゲーな〜ほとんど朝と変わりねぇ。」

「何があったか覚えてましたから。」

「マ、マジですげぇ記憶力…」

だがこの時、シャインがふと思った。

「お前、お金どうした?」

食材を買うためにはお金を払わなければならない。だがシャインはサテラにお金を渡した記憶がない。

「私が元々持っていたんです。」

「へぇ~これだけ買えるってことはかなり持ってたんだな。」

サテラが手で金額を教える。それを見たシャインがあんぐりとして、声が出なかった。

「ど、どうやってそんなに稼ぐんだ?」

「塵も積もれば山となる…です。」

サテラがニッコリ微笑む。

「あっそ…」

シャインは苦笑いしながら冷蔵庫を閉める。そしてそのまま玄関へと向かう。

「また修行に行くんですか?」

サテラは立ち上がり、テテテとシャインに近付く。

「ああ。帰ってから夕食作るから待っててくれ。」

「私も行っていいですか?」

「まだサテラには危険だ。もう少し青幽鬼(ブルーファントム)をコントロール出来てからな。」

「……分かりました。」

サテラが少し寂しそうな顔をして頷く。シャインはそんなサテラを置いて出ようとしたが、ドアに手をかけた時にピタッと止まり、

「夕食、ハンバーグ作ってやる。」

と、慰める。

「本当ですか!」

サテラの顔が明るくなる。

「ああ。」

「約束ですよ!」

「分かったよ。」

シャインはサテラと約束してから、部屋を出て、屋根の上を飛び移りながら修行場に向かった。


 PM:6:00

「ただいま。」

シャインが修行から帰ってきた。

「おかえりなさい。」

中から女の子の声が出迎えた。シャインは声がしたリビングに入ると、サテラがソファーに座り、本を読んでいた。本といってもマンガである。

「夕食作るからちょっと待ってろ。」

シャインはエプロンを着てハンバーグを作り始める。それをサテラはマンガを読みながら静かに待った。

約1時間経ったぐらいで、ホカホカのハンバーグが出来上がった。それをサラダと一緒にリビングの机に運んだ。

「うわ~美味しそうです。」

サテラが箸を持ちながらルンルンと揺れる。

「さ、食べようぜ。」

シャインも座り、2人はベーシックの号令とともに食べ始めた。食べながらシャインはおもむろにテレビをつけると、「VS嵐」がしていた。ちなみに今日は木曜日である。

「あっ、嵐です。私はリーダーがいいです。」

「嵐か、閃風魔法で嵐って起こせんのかな?」

「あっ、でも櫻井君もいいです。」

「今度試してみるか。」

全く噛み合っていない会話は食べ終わるまで続いた。そして「ぐるナイ」が半分ぐらい過ぎたくらいでお風呂がわいた。

「私先に入りますね。」

「ああ。」

サテラはソファーから立ってリビングを後にするとき、

「覗かないで下さいね。」

と、シャインに忠告する。

「誰が幼児の裸なんて見るかよ。」

その忠告をシャインが背を向けたまま流す。サテラはプ~と頬を膨らませて怒るが、シャインは気にしなかった。

ぐるナイが終わるころに、かわいいピンクのパジャマを着たサテラがリビングに入ってきた。

「お先でした。」

「あいよ。」

返事はしたが、シャインは風呂に向かう感じはしなかった。

「あれ?入らないんですか?」

「あー、後でな。」

そう答えて、2人は「とんねるず」を鑑賞する。そして20分ぐらい経った時、ソファーからボフッという音が聞こえてきた。ん?とシャインが見ると、サテラがスヤスヤとかわいらしい寝顔をして寝ていた。

「こうやって寝てたら、ただの女の子なのにな。」

そう呟きながら、シャインはサテラを起こさないようにそっと持ち上げ、サテラの部屋のベッドに寝かした。

「さて、夜の修行と行きますか。」

今の時刻はPM:9:35。シャインは夜の闇の中を走って、さっきと同じ修行場に向かった。


 AM:1:00

服がボロボロになっているシャインが帰宅してきた。そのまま風呂に流れ込むように入り、10分ぐらいで出てきた。そしてジャージに着替え、自分の部屋の布団に潜り込み、夢の中に誘われた。




 いつもこんな感じではないが、これがシャインの1日であった。

レ「シャインの家って意外と大きいね。」

シ「そうか?リビング、風呂、トイレ、俺の部屋、サテラの部屋ぐらいだぞ?」

エ「よくサテラちゃんの部屋あったね。」

シ「元々は俺の部屋だ。俺は追い出されて、物置になっていた部屋の物を全部どけて部屋にしたんだ。」

ス「その物置にあった物はどうしたんだ?」

シ「全部売ってやった。」

ス「へぇ~、いくらぐらいになったんだ?」

シ「サテラが持ってた金より安かった。」

レ「サテラちゃん、どれだけ持ってたのよ…」

シ「車3台は買えるな。」

レ「すご…」




シ「さて、前書きで言った通り、次回から長編ストーリーに入るらしい。」

レ「話のメインは、エアルとスノウなんだって。」

シ「へぇ~あの2人が。どんな話なんだろ?」

レ「さあ?私もそこまでは…」

シ「ま、次回を見てくれたら分かることだな。」

レ「そうだね。」

シ・レ「じゃあ、次回をお楽しみに!」

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