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魔法学園  作者: 眼鏡 純
27/88

27話 紫髪の少女(1)

エ「どうしよ…」

レ「どうしたのエアル?」

エ「前書きで話すことがない…」

レ「なるほど…」

エ「ねぇ、何話せばいいかな?」

レ「う~ん…何か話せばいいんじゃない?」

エ「解決してないじゃん…」

サ「何してんの?」

エ「あっ!サナ!ねぇ、前書きで何話せばいいかな?」

サ「別になんでもいいんじゃない?」

エ「レビィと同じこと言わないでよ~」

サ「でもこうやってグダグダ話している内にもう時間ないよ。」

エ「ホントに!?」

レ「では、本編をどうぞ!」

 「はぁ…はぁ…はぁ…」

8、紫:2、黒の割合の髪を靡かせ、紫の瞳をし、黒いゴスロリを着た12歳ぐらいの女の子が、ビルとビルの間を走る。その後ろから武装した男数人が追いかけてくる。

(まだ追いかけてくる…)

後ろをチラチラ見ながら女の子が必死に逃げる。だが、逃げる方は行き止まりになっていた。

「あっ…!?」

女の子は壁を背に、男達を見る。

「さ、大人しくしてもらおうか。」

男の1人が銃を向けながら女の子に近付く。

「こ…来ないで…ください。」

女の子がビクビクしながら言う。次の瞬間、女の子の体から青い炎がついた。

「マズイ!『あれ』か!?』

男達が急いでその場から離れようとした。

だがすでに遅く、青い炎は男達を包み込んだ。男達は苦しみながら倒れ、動かなくなった。

「ま、またやっちゃった…」

女の子は動かなくなった男達一人一人に謝りながら走っていった。



 レビィは二日酔いにより、今日学校を休んでいる。

「ごめんねママ…」

自分の部屋のベッドに寝ているレビィが、身の回りを整理しているフィリアに謝る。

「いいのよ、それより体調はどう?」

「頭が爆発しそう…」

レビィが頭を押さえながら答える。

「ちゃんと休むのよ。あっ!そうそう、さっきシャイン君がシュークリーム持ってきてくれたの。後で持ってくるね。」

「そのシャインは?」

「もう帰っちゃったわよ。」

「ふ~ん…」

レビィが掛け布団を顔までかぶり、

(顔ぐらい見せてくれればいいのに…)

そう思いながらちょっとムスッとした。



 シュークリームを届けたシャインは特にすることもなく、ブラブラと町を歩いていた。

(さて、何しようかな…)

そんなことを考えながらカーブに差し掛かった瞬間、

ドン!!

誰かとぶつかってしまった。

「いって~〜〜」

シャインが頭を押さえながら、ぶつかった相手を睨む。だが、相手を見てシャインは睨むのを止めた。

「女の子…」

それはなんと、あの黒いゴスロリを着た、紫髪の女の子だった。女の子はバッ!と立ち上がり、

「ご、ごめんなさい。」

シャインに謝って、急いで走っていった。

「おい!」

シャインが呼び止めたが、女の子は止まることはなかった。

「何なんだった…」

シャインが立ち上がり、ぼーっとしていると、後ろから武装した男達が女の子を追いかけていった。

(!今の奴ら!革命軍!)

気が付いたシャインは女の子と武装男達を追いかけていった。


 女の子は息を切らしながら逃げる方向には、またも行き止まりになっており、二回目の万事休すが訪れた。

「さあ、来てもらうぞ。」

1人の男が銃を向ける。

「いや…いや…」

女の子が怯えながら首を振る。

「無理矢理でも来てもらうぞ。」

リーダーの男が合図をし、他の男達が一斉に女の子に走り出す。女の子がもうダメだと思い、グッと目を閉じた。だが、男達が何もしてこないので、恐る恐る目を開けると、ムサイ男達が倒れており、その代わりに、若い男の背中が見えた。若い男は刀を握っており、体から黄緑のオーラを放ち、黄緑一色の髪を靡かしていた。気が付いていると思いますが、この男の正体はシャインである。

「あっ!…あなたは…」

女の子がさっきぶつかった人だと気が付いた。

「ちょっと待ってな。」

シャインは背を向けたまま女の子に言う。女の子は素直に頷いた。

「誰だキサマ!?」

男がシャインに銃を向ける。

「シャイン・エメラルドって言えば分かるだろ…革命軍!」

「き、キサマが…だと…!?」

「新技喰らっときな…」

シャインが刃先を向け、

瞬刃波(しゅんじんは)!!」

突き攻撃を放った。すると、突きから放たれた衝撃波が、銃のように飛んで行き、男の右肩を貫いた。

「ぐっ…!」

それにより、男が銃を落とす。それと同時ぐらいにシャインは地面を蹴り、

「疾風斬!!」

男を切り捨てた。男は血を流しながら倒れ、動かなくなった。それを見てからシャインは刀を納め、能力解放から元に戻り、女の子に近付いた。

「大丈夫か?」

シャインに尋ねられ、女の子はうんと頷いた。その時、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。

「ちっ、誰か通報しやがったな…ここにいたら面倒だ、場所変えるぞ。」

シャインはひょいと女の子をお姫様抱っこして、屋根に飛び乗り、そのまま屋根の上を移動した。


 シャインと女の子は人がいない野原を見つけた。

「あっこでいいか。」

シャインは野原に着地し、女の子を下ろした。その時、女の子の顔が赤いのに気が付き、

「どうした?」

と、尋ねる。

「なんでも…ないです。」

下を向きながら首を振る。まあ、お姫様抱っこに照れたとは言いにくいですよね。

「そうか…まぁいいや、本題に入る前に名前何て言うんだ?」

「……『サテラ・オパール』です。」

まだ少し警戒しながら答える。

「サテラか。俺はシャイン・エメラルドだ。よろしくな。」

「よろしく…お願いします。」

2人が握手をする。

「さてと、本題に入るか。なんで革命軍に追いかけられてたんだ?」

「革命…軍ですか?」

シャインの質問に、サテラが首を傾げる。

「知らないのか?」

シャインが驚きながら尋ねる。その質問に、サテラは頷く。

(あいつらが何の目的もなく人を襲うなんて有り得ないはず…)

シャインが考えていると、サテラが何かを見つけ、

「あ、あの…」

シャインの裾をクンクンと引っ張る。

「ん?何だ?」

「誰かこっちに来ます…」

「何だと!?」

サテラが指す方向を見ながら、シャインが刀の柄を掴む。サテラはシャインの後ろに隠れた。すると、向こうからダダダダダ!と誰かが走ってきて、そのままシャインに抱き付いた。それにより、シャインがバランスを崩して倒れてしまった。

「いって~」

シャインが目を開けると、目の前に銀色の瞳があった。

「久しぶりシャン!大会以来かな?」

「ミリア!?」

なんとそれは、青色のポニーテールをしたミリア・ガーネットだった。

「とにかく…下りろ!」

上に乗っかっているミリアを横にはね除けた。

「もう、久しぶりの再開なのに冷たい…でもそんとこが好き!」

また抱き付こうとしたミリアを、シャインはひょいと回避した。回避されたミリアがプ〜と頬を膨らませる。

その時、その様子をほえ~と見ていたサテラの存在に気が付いた。

「かわいい~あなた誰?」

ミリアがサテラの前に屈みながら尋ねる。

「サテラ・オパールです…」

少し怯えながら答える。

「サテラちゃんね、よろしくね。」

ミリアが微笑む。

「はい…」

ミリアが小さく微笑む。

「それで…シャンとどういう関係?」

微笑んだまま殺意を放つ。サテラがビクッ!となり、シャインの後ろに隠れる。

「怯えさせてどうすんだよ…」

シャインがミリアにツッコんでから、

「さっき会ったばっかりだ。」

と、説明する。

「どうやって?」

「革命軍に追われてたのを助けたんだ。」

「革命軍?」

ミリアが首を傾げる。

「そうか、ミリアは知らなかったな。」

「何の話?」

「実は…」

と、シャインが話そうとした瞬間、和服を着た男達が刀を構えながら3人を囲むように現れた。

「何、こいつら…?」

ミリアがシャインに小さい声で尋ねる。

「話そうとした革命軍どもだ…」

シャインが刀を抜きながら答える。

「あれ?小さいお嬢ちゃんを捕まえるために来たんだが、いつかの閃風魔法の坊っちゃんじゃないの。」

下駄を鳴らしながら現れたのは、前にナイトと戦ったカギスタだった。

「お前は、フォーグの隣にいた…」

「カギスタだ。よろしゅう。今回は坊っちゃんじゃなくて、そこにいる小さいお嬢ちゃんに用があるんだ。」

「そうはいかねぇよ。」

シャインが風砕牙を抜く。

「やれやれ、血の気が多いな。お前ら、狙いは小さいお嬢ちゃんだけだ。行け!」

カギスタは部下達に命令をする。それにより、部下達が一斉にこちらに向かってきた。

「やるぞミリア。」

シャインが能力解放し、髪が黄緑一色になって、左目が燃えた。それを見たカギスタが何かに気が付き、

「あのガキ…」

と、呟いた。

「サテラちゃん魔法使える?」

ミリアが戦闘体勢に入りながら尋ねる。

「一応使えますけど、コントロールが…」

サテラがしゅんとする。

「分かった。隠れていて。ちゃんと守ってあげるから。」

ミリアが大丈夫だよって微笑んだ。

「来るぞ!」

部下達が一斉に襲いかかってきた。

閃風乱舞(せんふうらんぶ)!!」

「アクア・ガン!!」

シャインが閃風波を、ミリアが水の銃弾を連続で放った。それにより、約10人は倒れた。そこから2人は次々と部下達を倒していく。

「くそ、キリがねぇ…」

シャインが斬りながら舌打ちする。

「シャン!少しの間援護して!」

「なにする気だ?」

「一掃する!」

そう言うとミリアの足下に大きな青色の魔法陣が現れ、唱え始めた。

「青き壮大な海に宿りし神よ、我が意志に答え、我に力を…[ウンディーネ]!!」

唱え終えた瞬間、ミリアを中心に十字の巨大な水柱が出現し、宣言通り部下達を一掃した。

「やるじゃねぇか。」

シャインがフッと笑う。

「でしょ?」

ミリアがウィンクで答える。その時、

「きゃあ!!」

サテラの叫びが聞こえ、2人がサテラの方を見た。すると、サテラが巨体の男にかずかれていた。

「サテラ!」

シャインが助けに行こうとした瞬間、目の前を炎の玉が飛んでいった。

「なっ…!?」

シャインが飛んできた方向を見ると、そこには茶髪のスーツ姿の女性が立っていた。

「お前は…!」

シャインが思い出す。

(うわっ…スタイルいい…)

ミリアがムスッなる。

「イルファ、なんでお前が?」

カギスタが驚きながら尋ねる。

「あなたがなかなか帰ってこないから見に来てみれば、何この状況?」

眼鏡をクッと上げながら逆に尋ねる。

「ん~ちょっと邪魔が入っててね~」

カギスタがシャインを見る。

「はあ、さっさとサテラを連れて帰るわよ。」

「あいよ。」

カギスタが消えたと思うと、一瞬でイルファの隣に立っていた。

(は、はえぇ…)

シャインが唖然とする。

「は、離してください。」

サテラがバタバタと暴れるが、12歳の力では巨体の男にはびくともしない。

「行くわよ。」

イルファ達が帰ろうとした時、サテラの体から青色の炎が付いた。

「うわっ!?」

巨体の男は青の炎に包まれ、苦しみ始めた。

「流石に…こりゃやべぇな…」

カギスタが苦笑いする。

「一旦引くわよ。」

イルファとカギスタは巨体の男を置いて退却した。巨体の男はそのまま倒れ、動かなくなった。

「逃がさねぇ!」

シャインが追いかけようとしたのを、

「待ってシャン!今はサテラちゃんの方が先!」

と、ミリアが止めた。

「そうだな。」

シャインが了解する。

「まずこの炎なに!?」

野原一面に広まっている青い炎を見ながら尋ねる。

「分からねぇ、分からねぇがサテラを止めれば消えるってことは分かる。」

シャインが炎の中心でダンゴ虫ように踞ってガタガタ震えているサテラを見ながら答える。

「ミリア、もう一度ウンディーネ出来ないか?」

「もう魔力が限界だから水神魔法は無理。だから普通の水魔法を当ててるんだけど消える気配がないの!」

ミリアが焦りながら答える。

シャインはフル回転で考え、ある決意をした。

「もうこれしかねぇか…」

「シャン…?」

「無理矢理突破する。」

「無理だよ!焼け死んじゃう!」

ミリアが必死に止めるが、シャインはミリアの頭をポンと叩き、

「大丈夫だ。」

と、安心させるように微笑んだ。それを見てミリアは頷いた。

守護風陣(しゅごふうじん)!!」

シャインは体に黄緑のオーラを纏って、青い炎に突っ込んだ。そして、サテラにたどり着き、

「サテラ。」

と、名前を呼びながら優しく抱いた。サテラは突然のことにビクッとなり、炎の威力が増した。それにより守護風陣が破れかける。

「……っ!?大丈夫だサテラ…俺は敵じゃない…大丈夫だ…」

シャインが声をかけ続けていると、次第に炎の威力が弱くなっていき、

「シャイン…さん…?」

と、サテラが呟いた。シャインは頷いて答えると、サテラが何か安心した顔をして、フッと気を失って倒れた。それと同時に、青い炎の海もボシュウ~といって消えた。

「すごいシャン!」

ミリアが喜びながらシャインの元に走ってきた。

「はぁ…はぁ…」

シャインはかなり魔力を消費したので息切れをしていた。

「まさかサテラがあんな魔法を使えるなんて…」

シャインがよろめきながら立ち上がる。そして辺りを見渡し、何か違和感があるのに気が付いた。

「おいミリア、周り見てみろ。」

「周り?」

ミリアも辺りを見渡す。そしてミリアも違和感に気が付いた。

「草が燃えてなくて…『枯れてる』…」

なんと周りに生えていた草花は、燃えて黒くなったのではなく、枯れて茶色になっていた。

「そうだ、普通の炎なら燃えるはずなんだ。だけどサテラの青い炎は枯らしたんだ。」

「何者なの…サテラちゃんって?」

ミリアが気を失っているサテラを見ながら呟く。

「サナに聞いてみるか。」

シャインは人形を持つように気を失っているサテラをお姫様抱っこをする。

「どこにいるの?」

「学校の寮だ。行くぞ。」

シャインとミリアはサナに相談するため、龍空高校へ向かった。

ス「おい、今回俺、前書きにも本編にも出てねぇじゃねぇか!」

ヒ「私もです!」

シ「いや、サテラについて何か…」

ス「うるせぇ!お前はいいよな!レビィやミリアや今回からの新キャラ、サテラとか可愛い女が勝手に集まってきてよ!」

シ「エアルがいるだろ。」

ス「あいつは!…その…あれだ…!…どれだ…?」

シ「何が言いたいんだよ…」

ヒ「シャインやスノウはいいですよ。周りに女性がいて。私なんか…」

シ「サナがいるだろ。」

ヒ「サナは関係ないです。」

シ「そうなんだ。」

ス「あーー!俺もハーレムしたい!」

シ「作者に言え、作者に。」

ス「作者ーー!」

ヒ「あっ、走っていった。」

シ「まあいいや、次回はサテラの正体が明らかになる。かも。」

ヒ「では、お楽しみ。」

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