25話 創世計画(4)
シ「あれ?えらく早く出来たんだな。」
レ「うん。説明だけだから早く出来たんだって。」
シ「ふ~ん…勉強大丈夫なのかよ。」
レ「それはシャインだって言えないでしょ。」
シ「う…」
レ「今回は短いけど、重要な話です。」
シ「もう話すこともないので、早速本編をどうぞ。」
「俺の名は『フォーグ・サイバスター』。『革命軍』のボスだ。」
と、自己紹介した。
「俺はシャイン・エメラルド。」
シャインも自己紹介する。
「私はレビィ・ナイト。」
ナイトが自己紹介した後、髪が紺色に戻り、
「そして私が本当のレビィ、レビィ・サファイアです。」
と、サファイアの方も自己紹介する。
「二重人格か?」
フォーグが少し驚きながら尋ねる。
「そう思っといて下さい。」
レビィが流すように答える。
「単刀直入に聞きます。あなた達の目的は何ですか?」
レビィがフォーグ達全員を見ながら尋ねる。
「我が計画のため。」
フォーグが短く答える。
「計画…」
レビィが呟く。
「だがその計画もまだ先の話。今回はただ絶滅魔法を使える者がどのような人間かを見に来ただけだ。」
「その計画ってどんな計画だ?」
シャインが尋ねる。
「それはアレンも知っている。あいつから聞け。」
フォーグがアレンを見る。シャインもアレンを見ると、アレンは下を向いて黙ったままだった。
「イルファ…」
フォーグがイルファに命令を言うと、イルファは本を開いた。すると、シャインとレビィの足下に魔法陣が出現した。
「てめぇ!」
シャインが風砕牙を鞘から抜く。
「落ち着いて。あなた達のデータを取らして貰っているだけ。」
イルファがクスッと笑う。
数秒後、足下の魔法陣が消えた。
「完了です、ボス。」
イルファがフォーグに伝える。
「今回はこれで失礼する。次は容赦なく捕まえる。」
フォーグ達が帰ろうとするから、
「待てよ!帰らせねぇぞ!」
シャインは刀を構え、フォーグに走り出す。それを見たフォーグは、手のひらを空に向けた。すると少し手のひらが光ったと思うと高校一面に霧が発生した。
「なに!?」
シャイン達は突然の出来事にパニックになる。
10分ぐらい経ち、ようやく霧がおさまった。その頃には、フォーグ達も、武装した男達も全員いなくなっていた。
「結局何者だったんだあいつら?」
シャインがイライラしながら刀を納める。
「革命軍って言ってたような…」
レビィが話ながらアレンの方を見る。他の5人もアレンを見る。少し沈黙が流れてから、アレンは口を開いた。
「もう、隠す必要はないようなので、全部話したいと思います。」
アレンは自分が知っていることを話始めた。
「まずは僕の正体から話しましょう。僕は『secret・magic・company』、『SMC』第一調査部隊隊長兼第三戦闘部隊隊長です。」
「SMC?」
全員がハモりながら首を傾げる。
「まあ、当然の反応ですね。普通に生きていれば聞かない名前ですからね。」
アレンが苦笑いする。
「SMCというのは魔法が関連し、自衛隊ではどうしようもない事件を、世間に流れる前に解決する秘密組織です。自衛隊の派生みたいなものです。」
アレンが説明するが、みんなピンとはこない。
「まあ、大体分かったわ。」
サナが代表して頷く。
「じゃあ、僕のことはこれまで、フォーグの話をしましょう。」
次にアレンはフォーグについて話始めた。
「フォーグは元SMC第一戦闘部隊隊長だったんです。」
「そうなの!?」
エアルが驚き、アレンが頷く。
「だけど2年前に突然姿を消し、今は『革命軍』と名乗り、ある計画を決行しようとしています。」
「それだ、ずっと引っ掛かっていたんだ。あいつらの計画って何なんだ?」
シャインが尋ねる。
「『創世計画』。この世にいる魔法が使える者以外を殺す計画です。」
「創世計画…」
シャインが呟く。
「つまり、魔法が使えない者を殺すつもりなのね。」
サナがアレンに尋ねる。アレンは頷くだけだった。
「でもどうやって?」
今度はレビィが尋ねる。
「『ビッグバン』という兵器で、それを可能に出来るんです。」
「ビッグバン?」
レビィが首を傾げる。
「ビッグバンですって…!」
その名を聞いてサナがピクッと反応する。
「知ってるのサナ?」
隣にいたエアルが気が付き尋ねる。
「『審判魔法』を発動できる兵器よ。確かもう世界のどこにもないはずよね?」
サナが話をアレンにふる。アレンは頷き、
「そうです。だけど奴らは今現在、そのビッグバンを開発しているんです。」
と、説明する。
「そのジャッジ魔法ってなんだ?」
スノウがサナに尋ねる。
「絶滅魔法の1つで、その魔法を放った者が消したいと願ったものを消し去る魔法よ。」
「意味がわからん。」
シャインとスノウがハモる。
「もし、放った者が『この世から男がいなくなれ』と願っているとすると、この世界から男だけが消えてなくなるんです。」
「つまり、特定の者だけを判別して、この世から消せる魔法なの。」
ヒューズとサナの説明により、シャインとスノウはとりあえず理解した。
「そんなもん開発してどうするんだ?」
シャインが尋ねる。
「分かんないの?ビッグバンに『この世から魔法が使えない者を消し去れ』と命令したら、この世から魔法が使えない者だけが消せるの。」
サナが答える。
「なるほど。その方が断然早いわけか。」
シャインが納得する。
「これが奴らの計画の内容です。」
アレンが説明を終える。
「その兵器っていつできるの?」
レビィが心配しながらアレンに尋ねる。
「多分1、2年は先だと思います。」
「じゃあすぐじゃないのね。」
レビィが一安心する。
「でもなんで絶滅魔法の魔力が必要なんだ?」
シャインも尋ねる。
「ビッグバンを動かすには膨大の魔力が必要なんです。普通の魔力ではどれだけあっても足りないんですけど、絶滅魔法の魔力ではあれば足りるらしいんです。」
「ふ~ん…」
シャインが納得する。
「ビッグバンが完成したら2人を捕まえに来るでしょう。だから気を付けて下さい。」
アレンがシャインとレビィに忠告する。2人は素直に頷く。
説明が終わったぐらいに、
ピンポンパンポ〜ン
「生徒の皆さんは慌てず、速やかに寮や家に戻ってください。教師の皆さんは速やかに職員室にお集まり下さい。」
という放送が入った。
「さて、なんかすごい話聞いちゃったとこで、俺達も帰るか。」
そう言ってスノウが屋上を後にした。その後ろを付いていくように、エアル、サナ、ヒューズ、レビィも屋上を後にした。そしてアレンが出ようとした時、
「1つ聞いていいかアレン。」
シャインが呼び止めた。
「何ですか?」
アレンが振り返る。
「第一調査部隊隊長が、この高校に何を調べに来たんだ?」
シャインが尋ねるが、アレンは黙ったままである。
「ただの予想だが、前俺に能力解放を見せてくれって言ったのと関係があるんじゃないのか?」
アレンは黙ったままシャインに背を向け、
「時期が来れば話します。」
それだけ答え、屋上を後にした。
(どういう事だ?)
シャインは腑に落ちないまま屋上を後にしようとした時、ふと空を見上げ、仰天した。
「雲に…穴が…」
この日は曇っており、空の9割は雲だったのだが、高校の真上だけ雲がなくポッカリと穴が空いていた。
「異常気象か?」
シャインが空を見上げいると、
「何してるのシャイン?」
レビィが出入口から呼ぶ。シャインはモヤモヤを2つ抱えたまま、屋上を後にした。
エ「なんかとんでもない事に首を突っ込んだかも…」
ス「乗り掛かった船だ。諦めな。」
エ「う~〜〜」
サ「いつかは奴らとちゃんとぶつかるでしょうね。」
シ「ま、重い話はここまでだ。久しぶりに次回予告をしろというスタッフからの命令がきた。」
ヒ「では私が、次回は龍空祭の打ち上げの話です。」
レ「あれ?龍空祭って終わったっの?」
ヒ「ネタバレですけど、龍空祭は後日もう一度されて、無事終わったらしいです。」
レ「へぇ~」
シ「じゃ、次回を楽しみにしときな。」
エ「ここだけの話、次回はレビィが大変になっちゃうよ。」