24話 革命軍のボス(3)
エ「みんなー!ご飯できたよー!」
ス「お、お前が作ったのか…?」
エ「うん!」
レ「で、でも急にどうして…?」
エ「前話の前書きでみんな酷いこと言うから。」
シ「ふ~ん…で、この料理はなんだ?」
エ「何って、オムライスだよ。」
ス・レ・シ「えっ…!?」
サ「オムライスっていうより…赤いスライムね。」
シ「どうやったらこんなに卵がぶにぶにになるんだよ…」
エ「見た目はともかく、食べてみてよ!」
レ「じゃ、じゃあ…」
シ・サ・ス・レ「いただきます…」
パクッ!
モグモグモグ………………
バタッ!
ヒ「新たな毒薬が完成しましたね。」
エ「なんで~〜〜!」
ス「で、では…本編をど…どうぞ………ぐはっ……」
バタッ
「さて、前話ではカッコよく決めたが…実際どうする?」
シャインがスノウ達に尋ねる。
「強行突破だろ!」
スノウがガンと拳を合わせる。
「いや、奴らの目的が不明である以上、下手に動くのは危険だ。」
ナイトが冷静に却下する。
「じゃあどうしよう?」
エアルがナイトに尋ねるが、ナイトもなかなか思い付かない。
「アレンはどうする?」
スノウがアレンに聞こうとしたが、アレンの姿がどこにもなかった。
「あいつ…どこ行った?」
スノウ達が教室を見渡すが、やはりどこにもいなかった。
「遠くで銃声が聞こえた。あのバカ、先走りやがったな。」
シャインが舌打ちしてから話を続ける。
「とにかく二手に分かれよう。俺とスノウ、ナイトとエアルだ。」
シャインの作戦に他の3人が頷いた。
「よし!行くぞ!」
そして作戦が決行された。
「何の騒ぎだ?」
屋上にいた漆黒の服を着た長い白い髪の男が1人の武装した男に聞く。
「それが、この高校に『SMC』が潜入していたらしく、その者がこちらに向かっているようです。」
「『SMC』?なぜ奴らが?」
右の眉がピクッと動く。
「それは今のとこ不明です。」
「どんな奴だ?」
「えっと…緋色の髪をしている女です。」
それを聞いた白い髪の男はある1人が思い浮かんだ。
「そいつは男だ。」
「そ、そうなのですか!?」
「ああ。もう下がっていいぞ。」
「はっ!」
武装した男は屋上を後にした。
「アレンの野郎がこの高校に…」
白い髪の男が不思議に思う。
シャイン、スノウの男子組は廊下を忍び足で動いていた。そして角で警備をしている男を見つけて近くにあった教室に隠れた。
「どうする?」
スノウが囁く。
「なあスノウ、1つ思ったんだが…」
「何だよ?」
「コソコソ動くの…俺らに合ってるか?」
シャインがよからぬことを考えている笑みを浮かべる。スノウは少し考えてから、
「いや、合わねぇ。」
と、こちらも笑みを浮かべる。
「行くぞ!」
「おう!」
2人は一斉に教室から出て、警備の男に低い体勢で走り出す。
「なんだキサマら!?」
男が銃を向ける。その瞬間、シャインは天井ギリギリまで飛び上がった。
「天を見れば、地がいる!」
スノウはシャインの方に気を取られた男の懐に一瞬に入り込み、延髄に一撃をいれた。男はその場で倒れた。
「キサマら!」
別のとこにいた男が騒ぎに気が付き、スノウに銃を向ける。
「地を見れば、天がいる!」
スノウに気を取られた男をシャインが刀で斬った。男は血を流しながら倒れた。
「名付けて…」
「[天地消滅連]!」
2人が決めポーズをとる。すると突然、
タラーラー♪タラーラー♪タラーラー♪タラーラー♪
どこぞのロッキーが走りそうな音楽が流れ始めた。
「誰だあいつ?」
2人の前に上半身裸のガッチリした体、黒人並みに黒くてスキンヘッドの男が現れた。テーピングされた右手にはラジオを持っており、そこから音楽が流れていた。
「HEY、ボーイ達。そこまでだ。」
クールに決めるが、音楽が大きすぎてシャインとスノウには全く聞こえなかった。それに気が付いた黒い男は音楽を切ってから、
「HEY、ボーイ達。そこまでだ。」
もう一度クールに決める。
「なんか変なのが出てきたな…」
スノウが苦笑いする。
「油断禁物だ。」
シャインは刀を構える。
「俺の名前は『ロイク』。会って突然だか、ボスの命令により、お前ら2人を拘束する。」
ロイクがゆら〜とゆっくり動いて戦闘体勢に入る。
「来るぞ。」
シャインも戦闘体勢に入る。
「あいつラジオ持ったまま闘う気か?」
スノウが戦闘体勢に入りながら呟く。それを聞いたロイクはハッ!とラジオの存在を思い出し、ラジオを廊下の隅に置いて、何事もなかったように戦闘体勢に戻る。シャインとスノウは苦笑いするしかなかった。
「何だか向こうサイド騒がしくない?」
エアルが廊下を歩きながらナイトに尋ねる。
「あの2人を一緒にした時点で騒ぎが起きるなんて分かりきっていた。」
ナイトが平然と答える。
「まあ、こちらサイドは静かにボコってるけどね…」
エアルが振り返って、自分たちが歩いてきた廊下に倒れている武装した男達を見て苦笑いする。
「ん?」
突然ナイトが止まった。
「どうしたのレビィ…じゃなかったナイト?」
エアルもナイトの隣に止まる。
「今かなりの魔力を感じた。」
「そうなの?誰かな?」
「あっちの校舎の屋上から感じた。」
ナイトが屋上を指す。その方向をエアルが見る。
「行ってみよう。」
「うん。」
2人は確かめるために反対側の校舎に走った。そして渡り廊下にさしかかった時、またナイトが止まった。
「どうしたのナイ…」
その時、エアルは背筋がゾッとなった。
「な、何この感じ…?」
「………奴だ…」
2人の反対側に現れたのは、下駄を履いており、江戸時代の町人などが着ていそうな服を着た黒い髪に黒い瞳の男であった。その腰には業物の刀がさしてあった。
「おやおや、これは可愛らしいお嬢さん達だ。」
男がナイトとエアルを見て微笑む。
「何者だ?」
ナイトは夜桜の刃先を向ける。
「俺か?俺は『カギスタ』。ピッチピチの23歳だ。」
笑顔のまま自己紹介する。
「私達に何のようだ?」
「あー、実は俺のボスがな、お前らを捕まえろって言うのよ。だからさ…大人しく捕まってくれないかな?」
さっきまでの微笑みが消え、血に飢えた野獣の目になった。
「離れていろエアル…」
ナイトが夜桜を構え、魔力を高めると、刀から黒いオーラが放たれる。
「!なるほど、お前が絶滅魔法を使えたのか…」
カギスタがニヤリと笑い、
「見つける手間が省けた。」
腰から刀を抜き、構える。次の瞬間、カギスタとナイトの姿が見えなくなったと思うと、渡り廊下の真ん中で刀同士がぶつかりあった。それにより衝撃波が発生し、周りにヒビが入った。
(す、すごい…)
エアルは唖然するしかなった。
「何、今の魔力?」
男子寮の中にいた武装した男達を全員全滅させ、そこで作戦を考えていたサナが寮から出て、ナイトとカギスタが戦っている方を見る。
「かなりの力がぶつかってますね。」
ヒューズも一緒に出てきた。
「1人はレビィ…じゃなくてナイトね。」
サナが冷静に分析を始める。
「戦っている奴の魔力を感じたことがないということは、敵ですね。」
ヒューズも分析を始める。
「あっちでも魔力を感じる。これは…シャインとスノウね。もう1人は分からない…」
「てことは、この魔力も敵ですね。」
「屋上にも1つ…まだ魔力を抑えていると思うけど、こんなに感じるなんて…」
「それに向かうであろう魔力が1つ…この魔力はアレンですね。」
2人が淡々と分析していると、
「あらすごい。魔力察知だけでそこまで分かるなんて。」
コッ、コッ、とヒールを鳴らしながら2人の前にスーツ姿で、普通の本より少し大きい本を持っている茶髪の女性が現れた。
「誰、あんた?」
サナが睨み付ける。
「私?私は『イルファ』。よろしくね。」
かけていた眼鏡をクイッと上げながら自己紹介する。
「私達に何かようですか?」
ヒューズが右手に弓を持つ。
「用は簡単、あなた達2人を捕まえるだけ。」
イルファが持っている本を開ける。
「あんた達の目的は何?」
サナが戦闘体勢に入りながら尋ねる。
「今回はただの偵察。」
「偵察?」
「そう。誰が絶滅魔法を使えるか、のね。」
「それと私達を捕まえるのは関係ないのでは?」
ヒューズも尋ねる。
「それは私も分からない。ボスの命令だから。私はただその命令に従うだけ。……もういいかしら?大人しく捕まって。」
イルファの周りに魔法陣が出現した。
「分かりました。て、言うと思った?」
サナの周りにも魔法陣が出現した。ヒューズは弓を構えた。
「さて、暴れている6人は奴ら3人に任せても大丈夫だろ。」
白い髪の男がサナ&ヒューズVSイルファの戦闘を見下ろしながら呟く。すると、屋上の出入口の方が騒がしくなってきた。男が出入口をジッと見ていると、数人の男達が何かに怯えながら走ってきた。
「た、助けてください!」
1人の男が白い髪の男に助けを求めた瞬間、ダンッ!ダンッ!と男の数だけ銃声が響いた。男達は倒れ、二度と動くことはなかった。倒れた男達の後ろには、緋色の髪をした男が白い髪の男にハンドガンを向けていた。
「久しぶりだな…アレン。」
「そうですね…『フォーグ』。」
緋色髪のアレンと、白い髪のフォーグがにらみ合う。
「なぜお前がここにいる?」
フォーグがハンドガンに動じず、尋ねる。
「ちょっとした調査です。」
「へぇ~…」
「逆に聞きましょう。なぜあなたはここにいるんですか?あなた達の『計画』にはまだ早いはずです。」
アレンがハンドガンを向けたまま尋ねる。
「俺の計画には絶滅魔法の魔力が必要だ。だが、俺達は誰が絶滅魔法を使えるか知らないんだ。だから今日は絶滅魔法を使える人間を知りに着ただけだ。」
「だったらこんな騒ぎにすることはなかったと思います。」
「下手に何かされたら困るからな、大人しくして貰うつもりだったのだが、暴れてくれたバカどもがいやがって…」
フォーグが呆れる。
「撤退してくれますか?」
アレンが睨みながら聞く。
「それは無理な話だ。まだ誰か知らないからな。ま、教えてくれたら別の話だがな。」
「……いいでしょう。」
アレンはちょっとためらったが、これ以上高校に被害が受けると、一般人にも危険が起きそうだったので承諾した。
アレンはハンドガンを腰に戻してから、シャインとレビィについて話した。
「閃風魔法のシャインに、夜叉魔法のレビィか…」
そう呟きながら、フォーグはおもむろに頭に指をあてた。
ある階の廊下でシャイン&スノウVSロイクの戦闘が行われていた。
「[水底脚]!!」
スノウが水属性の足払いを放つ。ロイクはそれをジャンプしてかわす。
「[閃風波]!!」
飛んだところにシャインが斬撃を放つ。だが、ロイクは天井を蹴ってまたかわした。斬撃により天井が崩れ、上の階が見える。
「おいおい、いいのか~?」
空いた天井を見て笑いながら尋ねる。
「いいんだよ。」
シャインが答える。
(いや、ダメだろ…)
スノウが心の中でツッコむ。
その時、ロイクがピクッと反応し、頭に指をあて、頷き始めた。そして、
「了解しました。」
と、呟きてからシャインとスノウの方を向いた。
「休戦だボーイ達。」
「何でだ?」
シャインが刀を向ける。
「今ボスから命令がきて、ボーイ達を捕まえる必要がなくなったらしい。その代わり…」
ロイクがシャインを指す。
「ボーイをボスのとこに連れてこいだとさ。だから、一緒に来て貰おうか。」
それを聞いてシャインは刀を納め、
「いいだろう。」
と、承諾した。
「じゃあ来な、ボスは屋上にいる。」
そう言ってロイクは屋上へ歩き出した。シャインは素直に後に付いていってた。残されたスノウはとりあえず他の4人を探しにいった。
渡り廊下で凄まじい戦いをしていたカギスタとナイト。その戦いはテレパシーによって中断された。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
ナイトが息を切らしながら待つ。
「了解しました。」
そう言ってカギスタは頭から指を離す。
「よかったなお嬢さん、捕まえる必要がなくなった。だが、一緒に来て貰うよ。」
「なぜだ?」
「うちのボスがお呼びなんだ。」
ナイトは少し考え、
「どうするサファイア?」
心の中にいるサファイアに尋ねる。
【行こ。何が目的か分かりそうだから。】
「わかった。」
ナイトが了解してから、
「付いていこう。」
と、承諾した。カギスタは下駄の音を鳴らしながら屋上に向かう。その後ろをナイトは付いていった。
エアルがまだ理解できないでいると、
「エアル!」
スノウが近付いてきた。
「スノウ、どうなってるの?」
「説明は後、先にサナとヒューズを探すぞ。」
「え、あ、う、うん。」
2人はサナとヒューズを探しに走り出した。
屋上でフォーグとアレンが待っていると、出入口からロイク、シャイン、カギスタ、ナイトが現れた。
「アレン!?」
シャインが驚く。
「僕がここにいる訳は後で話します。」
2人が話している間に、ロイクとカギスタがフォーグの両サイドに立つ。すると、下から水柱が現れ、その上にイルファが立っており、水柱からジャンプして屋上に着地した。
「そちらさんは全員集合らしいな。」
シャインが敵意むき出しで言う。
「そっちもな。」
フォーグが出入口の方を見つめているから、シャインが振り返ると、出入口からスノウ、エアル、サナ、ヒューズが入ってきた。
「俺は絶滅魔法を使える人間しか呼んでいないが?」
「水くさいな。俺らも交ぜてくれよ。」
スノウがニヤッと笑う。
「まぁいいだろ。」
フォーグが一歩前に出て、
「俺の名は『フォーグ・サイバスター』。『革命軍』のボスだ。」
と、自己紹介した。
シ「なんたどんどんややこしくなってきたな。」
レ「作者も大変らしいわよ。」
シ「面白くしようとして仇となったな。」
眼鏡「読者の皆さんにお伝えします。もし、分かりにくい部分があるのであれば、感想などに書いてください。ちゃんとお答えします。」
シ「おっ、久しぶりに出てきたな。」
レ「確か今中間テストの1週間前だよね?」
眼鏡「はい。だから次の投稿はかなり遅れるかもしれません。」
シ「ま、しゃーないな。」
眼鏡「はい。」
レ「では、次回をお楽しみに。」