23話 事件発生(2)
ア「少し気になったことがあるんですけど、皆さんって料理できるんですか?」
シ「だいたいなんでも作れるぞ。」
レ「私もママの手伝いとかしてるから作れるよ。」
ア「へ~サナさんとヒューズ君は?」
サ「簡単のだったら。」
ヒ「そこそこです。」
ア「へ~スノウ君とエアルさんは?」
ス「俺はできるが…」
エ「私だってできるよ!」
レ「エアルは…ちょっと…」
エ「レビィ!」
ア「エアルさんってそんなになんですか…?」
エ「そこまでだよ!ただちょっと平均より下なだけ!」
シ「エアルは料理というより錬金術だな。」
レ・ス・ヒ・サ「同意。」
エ「全員で頷くな!」
ア「あははは…」
シ「じゃ、本編をどうぞ。」
準備も着実に進み、龍空祭当日を迎えた。龍空高校は文化祭一色になっていた。
「よし!なんとか間に合ったね!」
ほぼ水着に近い衣装を身に纏っているエアルが飾り付けられた教室を眺める。
「何だよその格好…」
隣のスノウが横目でエアルを見る。
「へっへ~かわいいでしょ?」
エアルがクルッと1回転する。
「寒くないのか?」
「接客する時以外はジャージ着るつもり。」
「ふ~ん…てかお前、何の動物だ?」
「豹!」
エアルがガオーポーズをとる。
「女豹め。」
スノウが毒づく。
「うるさい!」
エアルがスノウの尻を蹴る。
「いっ…てーな!この野郎!」
「あはははは!」
逃げるエアルをスノウが追いかける。
「あの2人って付き合ってるんですか?」
走り回っている2人を見ながら大胆犬服を着ているアレンが隣にいるシャインに尋ねる。
「さあな、仲がいいだけだろ?」
興味ゼロでシャインが答える。
「あの2人、学校とか違うけど幼いころからよく知ってる中らしいわよ。」
そこに、大胆猫服を着ているレビィが入ってきた。
「へ~初耳だ。」
少し興味が出たシャイン。
「幼馴染みなんですね。」
アレンがニコッと笑う。
「ちょっと違うけど…そんな感じかな。」
「幼馴染み…か…」
シャインはバージェスやミリヤを思いながら呟く。
「あんた達、そろそろ始まるわよ。」
そこに猫柄のワンピースを着たサナが入ってきた。
「意外とノリノリだな。猫耳まで付けて。」
シャインがサナの姿を見てフッと笑う。
「う、うるさいわね!仕方がなくよ、仕方がなく!」
サナが恥ずかしそうに怒る。
「かわいいじゃん。」
シャインが冗談混じりで言う。サナは顔を真っ赤にしてプイッとどこかに行ってしまった。
「シャインはもう少し女心を分からなきゃね。」
アレンがポンと肩を叩く。
「ん?」
シャインがきょとんとする。その時、
ピンポンパンポ〜ン
「ただいまから龍空祭を開催します!皆さん、大いに盛り上がりましょう!」
という放送が入り、龍空祭が開催された。
「よーし!みんな、頑張るぞー!」
エアルが拳を上げると、
「オーー!!」
みんなも拳を上げた。
「いらっしゃいませ!」
「オムライス2つですね?」
「オレンジジュースお待たせしました!」
開催され30分ぐらい経って、アニマル喫茶はシャインの予想通り大繁盛した。
「いやーけっこう来たな。」
裏のキッチンから店を見てスノウが驚く。
「教室の前に列が出来てるよ。」
接客を終えたエアルが裏に入りながら言う。
「想像以上だな。」
シャインがオムライスを作りながら言う。
「てか、このキッチンどうなってんの?」
猫柄ワンピースのサナがシャインに尋ねる。
「ここ、魔法学園。」
オムライスを作りながら、サナの方にグッ!とする。
「つまり何でもありってことね…」
サナは呆れ、そこからキッチンについてはふれなくなった。
「オムライスできたぞ。」
シャインはオムライスを皿にのせる。そのオムライスをウサギ柄の服を着た女子が持っていった。
「交代だ。」
「おう。」
シャインとスノウがハイタッチをして料理係を交代する。
「じゃあシャインは接客頼むわよ。」
「へいへい。」
その時、
「なんだこの店は?」
不良6人組が列を無視して来客された。
「たく、面倒なのが来やがったな。」
シャインが舌打ちをする。
「私が行くわ。」
サナが不良達の接客に向かう。
「気を付けてね。」
エアルが心配そうに見送る。
「いらっしゃいませ!」
いつものサナからは想像もできないテンションでニコッと笑う。
「うほー!可愛いー!」
「猫耳じゃん!」
不良達のテンションが上がる。
「ご注文は何ですか?」
サナが注文を聞く。
「それは…君だ。…みたいな!」
不良の1人がボケ、不良達が爆笑する。サナは笑顔だが内心はイライラでいっぱいだった。
「でもホントに君可愛いよね。ね、今から俺達と遊ばない?」
不良の1人がサナを誘う。
「え~〜どうしようかな~?」
サナがモジモジしながら焦らす。
「ね、お金払うから。」
「え~〜じゃあ、ちょっとだけ…」
サナがそう答えると、不良達のテンションがマックスになり、そのままサナは連れていかれた。
「ちょっ、ちょっと大丈夫なの?」
エアルが慌てるが、
「ま、大丈夫だろ。」
シャインは特に心配しなかった。
「すいませーん。」
お客に呼ばれ、
「はーい、ただいま!シャインも手伝って!」
そう言い残してエアルが慌てて接客に行く。
「へいへい。」
シャインはしぶしぶ人獣姿に着替え、接客に向かった。
ムフフな展開を期待してサナを連れいった不良6人組は、体育館の隅でサナにボコボコにされ痙攣していた。それをほってサナは模擬店が並んでいるグラウンドを歩いていた。
「あれ?サナじゃないですか。」
そこにみたらし団子を食べているヒューズが近付いてきた。
「ヒューズ…アニマル喫茶の方は?」
「私のシフトはまだ先です。」
「あっそ…」
ヒューズの方をチラッと確認程度に見てから、サナはある一定方向を見たままになる。
「やはり気がついていましたか。」
ヒューズも同じ方向を見る。
「あんた魔力察知できたの?」
「ずっと前から。」
「そう…」
「かなりいますね。」
「ええ。しかもけっこう近いわね。」
「何の集団でしょう?」
「さあ?別に気にしなくていいと思うけど…」
サナとヒューズは龍空高校の外から感じる魔力を気にしながらヒューズが持っていたみたらし団子を食べた。
この後、大きな事件が起きるなんてまだ誰も知らなかった。
龍空祭が始まって2〜3時間経った。中庭で軽音部などの演奏なども始まり、まだまだ盛り上がっている。
「いらっしゃいませ!」
アニマル喫茶も今一番の繁盛中である。
「さ、さすがに疲れた…」
レビィが少し息を切らしながら裏に入ってきた。
「材料がなくなってきたぞ。」
焼きそばを作っているシマウマ柄の服を着た男子生徒が椅子で休んでいるシャインに尋ねる。
「確かまだ調理室に残ってたはずだ。」
「じゃあ私調理室に材料取りに行ってくるね。」
そう言ってエアルが教室から出ていった。
その時、事件が起きた。
「キャーー!!」
教室の外からエアルの悲鳴が聞こえた。その後に他の生徒達のパニックの声も聞こえた。
「エアル!?」
スノウがフライパンを投げ捨て、教室を飛び出す。そこで見た光景は、武装した男がエアルに銃を向けていた。
「てめぇ…!」
スノウは武装した男に走り出す。
「な、なんだキサマは!?」
男はシャインに気が付き銃を向ける。
「エアルから…離れろ!」
スノウは男の顔を思いっきり殴った。それにより男は気を失った。
「誰なんだこいつ?」
スノウが男を見下ろしていると、
「キサマ!」
同じく武装をした数人の男が銃をこちらに向け、今にも発砲しそうだった。
「しまっ…!」
スノウが振り向いた瞬間、男達はグラリと倒れた。倒れた男達の後ろには風砕牙を持ったシャインが立っていた。
「悪い、助かった。」
「気にすんな。」
シャインとスノウがハイタッチをする。次の瞬間、
「そこまでだ。」
また同じく武装した男数人が2人に銃を向ける。2人は素直に手を上げ、教室に戻された。
武装した男達は龍空高校を侵略し、さっきまでのお祭り騒ぎがお葬式ように静まり返った。アニマル喫茶ではお客、1―1の生徒ともども座らされ、手足を縛られている。
(くそ、こいつら何者なんだ?………そんなことより今はこの状態をどうにかしねぇと…)
見張っている男に警戒しながら、シャインは使える物はないか体の後ろに縛られている手で探る。その時、何か鉄の棒みたいなものがあたった。
(これは…フォーク…)
とりあえずシャインはフォークを掴む。そして教室を徘徊している男を見て、自分の反対側にいる足を伸ばしたまま縛られているアレンを見て、何かを思い付いた。それをアレンに伝えるためにアイコンタクトをする。それに気が付いたアレンはシャインが持っているフォークを見る。シャインは目だけでアレンに作戦を伝える。アレンはそれを理解し、頷いた。
シャインはフォークの持つ方の先端近くを持ち、ヒュッ!と器用に教室の上空に投げた。投げられたフォークはくるくると回転し、男の肩近くに刺さった。
「がっ…!」
突然の出来事に男が両膝をつく。顔の位置が下になった瞬間、アレンは男の顔に縛られてたまま蹴りを入れた。それにより男は気を失って倒れた。
「ふぅ…」
シャインが小さく深呼吸する。
「スゲーぜ2人とも。」
スノウが褒める。
「誰か縄切れる奴いないか?」
シャインが教室を見渡していると、
「切れたよ!」
レビィが切った縄を見せながら立った。
「でかした。俺の縄切ってくれ。」
シャインがレビィの方に縄を向ける。
「私の近くにナイフが落ちてたの。それで見つからないようにちょっとずつ切ってたの。はい!切れたよ。」
自分のことを説明しながらシャインの縄を切った。
「サンキュー」
シャインが立ち、風砕牙を手に取り、
「そのままいてろお前ら…」
シャインが全員の縄をぶった切った。
「ホントになんだこいつら?」
スノウが立ちながら尋ねる。
「ずっと高校の外に集団の魔力を感じていたが、まさか攻めて来るとは…」
いつの間にかレビィがナイトになっていた。
「なんで言わなかった?」
シャインが尋ねる。
「気にすることはないと思ったのだ。申し訳ない。」
ナイトがシャインに頭を下げる。
「まあ、もう事件が起きちまったからな。気にすんな。」
シャインがナイトの頭をポンと叩き、ナイトが頭を上げる。
「とにかく、祭をめちゃくちゃにした野郎共をぶっ飛ばすぞ!」
「おう!」
シャイン、エアル、ナイト、スノウ、アレンが各々の武器を構え、反撃体勢に入った。
「さあ、絶滅魔法の使い手は誰だ?」
漆黒の服を身に纏い、長い白い髪により左目は隠れている男が屋上で風を受けながら静まり返ったグラウンドを見下ろす。
シ「おいおい何か長編入りそうな感じじゃねぇか。」
エ「楽しく終わらしてくれないんだ…」
レ「なんか作者がこういう話の終わらし方がわからないから、とりあえず事件を起こそうって思ったらしいわよ。」
サ「じゃあ止めればよかったのよ。」
レ「もう後戻り出来なくったらしいわよ。」
ヒ「みきり発車ですね。」
レ「そういうこと。」
シ「作者は高校生だから投稿は少し遅いんだ。だからできるだけだけ早く投稿するけど気長に待ってほしい。頼むな。」