21話 2学期の転校生
ス「いつの間にか20話越えてたな。」
エ「いろいろあったからね~」
シ「てか、夏休み終わるの早くないか?」
レ「大会が長すぎたね。」
シ「そのせいでもう2学期始まったし…」
レ「あはは。」
サ「なんか題名を見たら転校生が来るらしいわね。」
ヒ「この転校生が前に言った新キャラですかね?」
シ「さあな、見てもらったら早いだろ。」
レ「じゃあ、見てください!」
暑さはまだ残っているが、色々あった夏休みが終了した。
「だり〜」
シャインがグチグチ言いながら学校の門をくぐると、
「ほら、シャキッとする!」
後ろからレビィがポンと肩を叩く。
「元気だなレビィ…」
「2学期早々だれてたらいけないよ。」
レビィが注意する。
「わかったよ。」
シャインはとりあえず言われた通りシャキッとする。
2人が話しながら歩いていると、
「あの~」
2人の後ろから誰かが声をかけてきた。立ち止まり、振り返るとそこに1人の男子生徒が立っていた。
「なんか用か?」
シャインが尋ねる。
「あの、職員室ってどこですか?」
うなじ以上に伸びているキレイな緋色の髪を半分くらい三つ編みにしている(※ハガレンのエドを想像してください)男子生徒が聞く。
「職員室?それなら昇降口を入って左曲がって右曲がったらあるぞ。」
シャインが普通に答える。
「ありがとうございます。」
緋色髪の男子生徒がお辞儀をして、職員室に走っていった。
「あんな奴いたか?」
シャインが走っていく緋色髪を見ながらレビィに尋ねる。
「ううん。見たことない。」
レビィも緋色髪を見ながら答える。
「妙に制服が新品だったな。」
「転校生かも。」
2人がいろいろ予想しているとチャイムが鳴り、2人は急いで教室に向かった。
「ふ~ん…緋色髪の男子生徒ね~」
エアルが興味津々に聞く。
「そう。なんか知らない?」
レビィがエアルに聞くが、エアルは首を振った。スノウもヒューズもサナも同じく首を振った。
6人が話していると、
「はい皆座って~」
ナナリー先生が入ってきて、生徒達を着席させた。
「今日は転校生を紹介します。」
クラスがざわめく。ナナリー先生は廊下にいる転校生をちょいちょいと呼ぶ。それにより1人の男子生徒が入ってきた。その男子生徒を見たレビィとシャインがギョッとした。
「初めまして。『アレン・ルビー』です。よろしくお願いします。」
キレイなお辞儀をしたのはなんとあの緋色髪の男子生徒だった。背はエアルより少し大きく、黒色の瞳をしていた。
「キャーーー!!」
アレンの顔を見たクラスの女子達が声を上げる。
「かわいい!」
「美男子ってやつだよね?」
「子犬みた~い。」
いろいろな感想が飛び交う。それもそのはず、アレンの顔はすごくかわいらしく、女子の格好をすると女子に見えそうな甘い顔をしている。
「ねぇ、緋色髪だけど…もしかしてさっき話してた子?」
エアルが隣のレビィに尋ねる。
「うん。ホントに転校生だったんだ…」
レビィはまだ驚いている。そんなレビィにアレンが気が付き、アレンも驚いた顔になる。
「じゃあ席は…シャイン君の隣に座って。」
「はい。」
アレンはトコトコと向かい、自分の席に座って、
「よろしくね。」
アレンがシャインに微笑む。
「ああ。」
シャインは生返事で答えた。
昼休みに入り、1―1にいろんなクラスの女子が殺到していた。
「どこの高校から来たの?」
「キレイな髪だね。」
「ホントに男の子?」
質問も殺到していた。
「一瞬で女子からの人気が上がり、モテない男子からの殺意も上がったな。」
女子に囲まれているアレンと、それを隅で殺意の目をおくっている男子を見ながらシャインが苦笑いする。
「でもホントにかわいい顔しているね。」
エアルが改めて感心する。
「何の魔法使うんだろ?」
エアルが首を傾げる。
「聞いてきたらいいじゃないか?」
シャインがエアルに提案する。
「え~あの中に入るのやだ。シャインが聞いてきてよ。」
その提案をバットで打ち返した。
「……仕方がない、あのままじゃ俺が座れねぇしな。」
提案を受け止め、シャインは女子が群がっているアレンの席に近付いた。
「おいアレン。」
シャインが女子サークルの外から呼ぶ。
「あ、シャイン君助けて!」
アレンが困り果てた状態で助けてを求める。シャインはサークルを強引に抜け、アレンの腕を掴み、
「逃げるぞ。」
そう呟いて、足に風を纏った。
「[隼]!!」
2人はすごい速さでサークルをすり抜け、屋上に向かった。
「あ、ありがとうシャイン君…」
アレンがお辞儀をする。
「気にすんな。」
シャインがヒラヒラと手を振る。
「あっ、いた!」
エアル達が2人に追い付いた。
「も〜2人とも速すぎ。」
エアルがムッと怒る。
「わりぃわりぃ。」
シャインが平謝りする。
「まあいいや、アレンに聞きたいことあったし。」
エアルがアレンの方を見る。
「何ですか?」
「アレンってどんな魔法使うの?」
「結局お前が聞いてんじゃん…」
シャインが呟くが誰も反応せず、話は続く。
「僕の魔法ですか?」
「うん。」
その時、スノウの周りにハエが飛び始めた。
「うっとうしいな。」
スノウが追い払うが、ハエはしつこく周りを飛ぶ。
「えらく好かれましたね~」
ヒューズが茶化す。
「ハエに好かれても意味ないんだよ…」
スノウがイライラしながらヒューズを睨む。
「そういえば自己紹介の時に言い忘れましたね。」
アレンがチラッとスノウを見てから自分の腰に手をもっていく。
「僕の魔法は…これです!」
次の瞬間、ダンッ!!という音がして、スノウの周りを飛んでいたハエが撃ち抜かれていた。
「なっ………!?」
突然の出来事にシャイン、レビィ、エアル、スノウ、ヒューズが唖然とする。
「拳銃……?」
シャインの言う通り、アレンの手には1丁の拳銃が握られていた。
「『銃魔法』ね。」
そこにサナが現れて冷静に分析する。
「よく知ってますね。珍しい魔法なのに。」
アレンはクルクルと拳銃を回してから腰の拳銃入れにしまう。
「武器魔法の一種よね?」
サナが尋ねると、アレンが少し驚きながら頷く。
「そうです。ホントによく知っています。」
アレンが褒める。
「頭いいから。」
サナが少し自慢する。
「なんなの銃魔法って?」
エアルがアレンに尋ねる。
「ガンマジックというのは、1つの銃でいろんな属性の弾が打てたり、違う種類の銃を使うことができる魔法です。」
アレンが説明するが、エアル、シャイン、スノウの上には?が浮かぶ。
「まあ、実際に見てもらった方がわかりますかね。」
アレンがもう一度拳銃を取り出す。
「まずこの拳銃を説明します。この拳銃には弾は入っていません。」
「弾が入っていない?でもさっき明らかに弾が飛んだだろ?」
シャインが疑うので、アレンがポイと拳銃を渡す。
「調べてみてください。」
シャインは言われた通り拳銃を調べ始めた。だが、どこにも弾は見当たらなかった。
「確かにないな。」
シャインがアレンに拳銃を返す。
「僕がこの拳銃に魔力を送ると、その魔力が弾に変わって発砲するんです。」
「じゃあ俺らが魔力を送っても使えるんじゃないか?」
スノウが言うが、アレンが首を振る。
「特定の魔力にしか反応しないんです。」
「ふ~ん…」
「じゃあ、次は属性変化について。」
すると、アレンが持っている拳銃が少し赤く光った。
「この状態で弾を撃つと…」
アレンが持っていた1枚の白い紙を舞い上がらせ、それを撃ち抜いた。すると、白い紙が燃えて消し炭になった。
「なんで燃えたんだ?」
シャインが尋ねる。
「今のは火属性の弾です。僕が魔力といっしょに違う属性を送ると、その送った属性になるんです。」
「へ~」
エアルが納得する。
「じゃあ、最後はこのハンドガンで違う銃を使ってみましょう。」
「それよ、それだけ私も意味がわからなかったのよ。」
サナが興味を持つ。
「見たら大体わかりますよ。わかりやすいのは…マシンガンですかね。」
アレンがハンドガンに魔力を注ぐと、カチャカチャと音がした。だけど外見は何も変わっていない。
「これでマシンガンに変わりました。」
「どこがだ?」
シャインが首を傾げる。
「このまま引き金を引くと…」
アレンが空に向けて引き金を引いた。その瞬間、ダダダダダタ!!!と何発も弾が発砲された。
「す、すげぇ…ゲームで聞くマシンガンの音だ…」
スノウが驚く。
「今のようにハンドガンでマシンガンやスナイパーライフルような違う銃になるんです。わかってくれましたか?」
「ええ。」
サナが頷く。その時、チャイムが鳴った。
「あっ、チャイムが鳴ってしまいましたね。皆さん戻りましょう。」
アレンが言い、全員教室に戻っていく。その時、
「あっ、シャイン君ちょっといいですか?」
最後に屋上を出ようとしたシャインをアレンが呼び止める。
「なんだ?」
シャインがアレンの前に立つ。
「確かシャイン君って閃風魔法が使えるんですよね?」
「ああ。」
「じゃあ能力解放ってしていますか?」
「ああ。それがどうした?」
「少し、なってくれませんか?」
アレンの目が少し真剣になる。それを見たシャインはクッと構え、
「はっ!!」
と、一気に解放した。その瞬間、髪が黄緑になり、左の瞳がゆらゆらと燃える。
「これでいいか?」
「はい。少しそのままにしといてください。」
アレンは能力解放したシャインをジッと見る。
「もういいですよ。」
数秒見てからアレンが言う。それを聞いたシャインは元に戻った。
「何がしたかったんだ?」
シャインが尋ねる。
「あまり気にしないでください。」
アレンが微笑みながら答える。
「……………そうか。」
シャインは少し納得しない感じで屋上を後にした。
「やっぱりあの人…」
アレンがシャインの後ろ姿を見ながら呟いた。その時、ポケットでブブブと携帯が震えた。気が付いたアレンは電話にでた。
「もしもし?」
「どう?学校生活には馴れた?」
電話から聞こえてきたのは大人の女性の声だった。
「まだ1日しか経ってないよ。」
アレンが訂正する。
「あはは、ごめんない。で、シャイン君だっけ?どうだったの?」
「悪い予感が当たった。」
「そう…どうするの?」
「もう少し様子を見るよ。」
「分かったわ。頑張ってね。」
そう言って女性は電話を切った。
「一番悪い結果にはならないことを祈ろう。」
アレンが呟き、屋上を後にした。
エ「ねぇレビィ、アレンを女装させるとヤバいと思わない?」
レ「思う!メイドとかしたらヤバい!」
エ「ねっ!ねっ!」
シ「なんか異様に盛り上がってんな…」
ス「女装させられるな。」
ア「えっ!?僕、男ですよ…」
ス「おっ!俺ら以外がここに出てきたのは眼鏡純以来だな。」
ア「イヤだな~」
ヒ「で、次回は何ですか?」
エ「次回は高校のイベント、文化祭だよー!」
シ「模擬店でメイド喫茶でもやってアレンにメイド服着せるか。」
エ・レ「賛成!」
ア「ええ~〜〜!?」
ス「ま、次回を楽しみにしてくれ!」