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魔法学園  作者: 眼鏡 純
20/88

20話 レビィの父

ス「はい注目〜」

エ「どうしたの?」

ス「重大発表がある。」

シ「なんだよ、早く言えよ。」

ス「『〜魔法学園〜Q&A』のコーナーが終わったらしい。」

エ「はやっ!?」

レ「じゃあ前書きで何するの?」

ス「前みたいにくっちゃべるだけ。」

サ「何よ、後書きと変わりないじゃない。」

ヒ「疲れたんでしょうね。」

サ「だったら最初からやるんじゃないわよ。」

ス「とにかく、この前書きもただ話すだけになったが、本編は頑張るらしいぜ。」

シ「じゃなきゃ困る。」

レ「では、どうぞ!」

 シャインはバージェスの忠告通り教師達に中で何が起こったか全く話さなかった。バージェスも全く話さなかった。2人が全く話さないので教師達も諦め、この大会の決勝戦だけ隠ぺいされ、引き分けという形にされた。

 そしてあの激闘の戦いから約2週間が経った。夏休みもほぼ終わりに近付いている中でようやくシャインは消毒臭い病院という牢獄から釈放された。



 「あー、久々の外だー」

シャインが病院から出て背伸びをする。

「ホント治るの早かったわね。」

レビィが隣で呆れる。

「バージェスもだろ。」

「あなた達の体ってどうなってんのよ…」

「う~ん…わかんね。」

シャインがさっと流して別の話題にする。

「さ~てと、今から何しようかな?」

シャインが歩きながら考える。

「宿題も終わったしね。」

シャインの隣を歩きながら言う。

「あれは地獄だった…」

シャインは中で何が起こったか言わない代わりに、入院生活はずっとナナリー先生に付きっきりで宿題をさせられていた。それを思い出したシャインはうっ…となりながらも話をする。

「最近体動かしてなかったからな、レビィ、少し鍛練に付き合え。」

シャインが刀に手をやりながらレビィに向く。

「え~イヤだよ〜」

レビィが拒む。

「じゃあ頼む相手を変えよう。鍛練に付き合ってくれ『ナイト』。」

その言葉を聞いて、レビィの髪が黒、瞳が赤に変わり、

「心得た。」

と言って頷いた。

【コラ!ナイトー!】

レビィの叫びもむなしく、シャインとナイトは鍛練できそうな場所を探した。


 シャインとレビィはちょうどいい空き地を見つけて、そこで2時間ほど鍛練をし、今はベンチで休憩している。

「はぁ…はぁ…つ、疲れた~」

レビィがスポーツドリンクを飲む。

「もうちょっと加減してよナイト。」

レビィがナイトに怒る。

【仕方がない。主には本気で、と言われたからな。】

「もう、私の体なんだからね。」

レビィが怒るのを諦める。

「あれ?レビィにシャイン君?」

そこにスーパーの帰りだろうか、両手に食材を入れた袋を持ったフィリアが現れた。

「ママ!?何でここに?」

レビィが驚きながら尋ねる。

「何でって、そこ、あなたの家。」

フィリアが指を指す方向をシャインとレビィが向くと、そこにはレビィの家が建っていた。

「ここって家の近くだったの…」

レビィが苦笑いする。

「ちょうどいいから昼食食べていく?」

今の時刻は午後12時である。

「そうですね、いただきます。」

シャインがベンチを立ってレビィの家にフィリアと行こうとする。レビィが止めようとしたが、自分の母とシャインがノリノリなので止めようにも止めれなかった。



 昼食のオムライスを食べ終えて、お腹がいっぱいの状態では帰れないので、少しの間シャインはレビィの部屋にいることになった。

「もう、ママったらすっかりシャインのこと気に入って。」

レビィがプンプンと怒りながらベッドに座る。

「それのおかげで俺は食事代とか電気代が浮くからいいけどな。」

椅子に座り、マンガを読んでいるシャインが言う。

「もう…あっ!そうだ。シャインに少し聞きたいことがあるの。」

その言葉を聞いて、シャインはマンガを机に置いてレビィを見る。

「大会の時、ナイトとサナが話していたんだけど…」

レビィは突入の際、心の中で話を聞いていたらしい。その話をシャインに説明する。

「『あっち』の魔法か…」

シャインが腕組みをしながら考える。

「ナイトは私は聞こえていないことにしたんだけど、ねぇ、どういうことかな?」

「ナイトが何かを見抜いているってことにも気になる…」

「私も気になって聞いたんだけど全く言ってくれないの。」

「じゃあ俺から聞いてみるから、ナイト呼んでくれ。」

シャインが頼むがレビィが首を振る。

「魔力が限界だって言って出てくれない。」

「ホントにお前とナイトって別人だな。」

「うん。体以外は基本違うかな。」

「魔力や思考も?」

「うん。だってナイトは魔力察知ができるけど、私は出来ないもん。」

ここで少し沈黙になった。そして数秒たってからシャインが「あー」と声をあげ、頭をかきながら椅子から立つ。

「なんかややこしくなってきた。どっかでナイトも言ってくれんだろ。」

そう言ってレビィの部屋の扉を開けた。

「帰るの?」

レビィもベッドから立つ。

「ああ。」

シャインが返事をして廊下に出た時、

ピンポーン

と、家の中に響いた。フィリアが「は〜い。」と玄関を開けた。それを階段の上からシャインとレビィが見ている。そして玄関を開けた時、レビィとフィリアが驚いた。

「あなた!?」

「パパ!?」

玄関に立っていたのは長身のスーツ姿の男であった。

「ただいま。」

黒い瞳に黒い髪の男が微笑む。

「どうしたのあなた?電話もなしに。」

フィリアが驚きながら尋ねる。

「うむ。俺も突然とれた休みだからな、少しサプライズをしてやろうと思ってな。」

家に入りながら持っていたカバンをフィリアに渡す。フィリアは手慣れたようにそれを受け取り、2人ともリビングに入る。

「誰だあれ?」

階段の上にいるシャインがレビィに尋ねる。

「パパ。」

「へぇ~確か、かなりの企業に務めてるって言ってたな。」

「うん。だから休みなんてほとんど取れないの。」

レビィが説明する。その時、突然はっ!と何かを思い出したようにシャインを見つめる。

「な、何だよ…?」

いきなりジッと見るレビィにシャインが少し照れる。

「ヤバい…」

そう呟くレビィにシャインは首を傾げるだけだった。

「そういえばレビィはどこにいる?2階か?」

その時リビングからパパが出てきて、2階へ来ようとしていた。それをフィリアがなぜか必死に止めていた。

「ヤバいパパが来る。とりやえずシャイン、私の部屋に戻っといて。」

「何だよ突然?」

「いいから!」

シャインは訳もわからないまま、部屋へ押し戻された。シャインを部屋に入れて、はぁとため息をしていると、階段を上がる音がしてきた。レビィは急いで階段に走り、パパの前に立ち、

「お帰りなさいパパ。」

今作れる最高の微笑みを見せた。

「おお!俺の最愛の愛娘レビィ!」

いきなりデレデレの声を出しながらレビィに抱き付く。

「やめてよパパ、もう高校生だよ。」

レビィがパパから離れて約20㎝を見上げて注意する。

「ねぇ、話なら1階でしよっ。」

レビィが提案すると、パパは素直に頷きリビングに戻った。それを見たレビィは一安心する。

「シャイン君、どこにいるの?」

フィリアも一安心しながらレビィに近付いて囁く。

「私の部屋、どうしよう?」

レビィとフィリアが話していると、パパが戻ってきた。

「どうしたんだ2人とも?」

「ううん!なんでもない!」

レビィが笑って誤魔化す。

「さっきメールきてたから、それ送ってからリビングに行くね。」

そう言ってレビィは急いで部屋に戻った。


 「何の騒ぎだレビィ?」

椅子に座っているシャインが少しイラッとしながら尋ねる。

「えっと…何から話したらいいかな…」

レビィが困る。

「まず、パパの名前は『スタン・サファイア』。」

「名前とかいいから、なんで俺がここに戻されたか説明してくれ。」

シャインが要求する。

「あっ、ごめん…えっと、単刀直入に言うと、自分で言うのもなんだけど、パパは私のこと…大好きなの。だから私に近付く男がいるんだったら多分半殺しですまなくなる。だからパパがシャインの存在を知ったから…」

そこでシャインが手をバッと出して、レビィの話を止めた。

「わかった。つまり、俺とスタンさんを会わせないためにここに戻したんだな?」

「そういうこと。会ったらすごく面倒くさくなるから。」

レビィが大きく頷く。

「だけどなレビィ…」

シャインがレビィの後ろのドアを指さす。レビィが首を傾げてから後ろを振り向く。そこにはリビングにいるはずのスタンが激怒ギリギリの顔で立っていた。

「もう、無駄のようだ。」

「パ、パパ…」

レビィが困惑している顔になりながらスタンの後ろにいるフィリアを見る。フィリアはダメだった…と首をふった。

シャインは静かに椅子から立ち、スタンの前に立った。

「だ、誰だね君は?」

今にも殴りかかりそうな状態でスタンが尋ねる。

「初めまして、俺の名前はシャイン・エメラルドといいます。以後、お見知り置きを。」

シャインが丁寧に挨拶する。

「君はレビィとどういう関係だ?」

スタンがまた尋ねる。

「付き合っている。って言ったら?」

少しシャインがからかう。

「何だと!?」

スタンがシャインを殴りかかる。それをシャインは簡単に受け止める。

「冗談ですよ。ただの友達です。」

シャインがスタンの拳を放しながら本当のことを話す。

「友達のシャインがなぜここにいる?」

少し怒りが弱まったスタンが尋ねる。

「あなたの奥様が昼食をご馳走してくれると言ってくれたので。」

それを聞いてスタンがフィリアを見る。

「2人で鍛練していて…」

フィリアが説明をした。その説明の中で1つのワードに引っ掛かった。

「鍛練?」

スタンがシャインに向き戻る。

「あ~俺の鍛練に少し付き合ってもらってたんです。」

「なぜレビィだ?」

「主と夜叉の関係なんで。」

「主?夜叉?」

スタンが首を傾げる。

「あっ!ママとパパには私の魔法のこと話してなかった。」

レビィが思い出す。

「お前ちゃんと話しとけよ。」

シャインが呆れてから、フィリアとスタンに主と夜叉の関係について話した。それを聞いたスタンは、

「キ、キスだとーーー!!??」

と、激怒した。まあ、当然である。

「キサマ!よくも俺の愛娘のファーストキスを!」

「俺がしたんじゃなくて、向こうがしてきたんですけどね。」

シャインが訂正するが、今のスタンには届かない。

「君、体は丈夫か?」

スタンが突然変な質問をする。

「?まあ、丈夫ですけど…」

シャインが一応答える。すると、スタンがいきなりシャインの腕を掴み、窓に向かって放り投げた。あまりにも突然だったので、シャインは抵抗できずそのまま窓の外に消えていった。

「シャイン!?」

レビィが慌てて外に向かった。

「あなた、そこまでしなくても…」

フィリアが注意するが、スタンは聞く耳を持たなかった。


 外に放り投げられたシャインは、空中で1回転してキレイにレビィの家の前の道に着地した。

「大企業の人だから力とかはないと思ったが、まさか投げられるとはな…」

服のホコリをパンパンと払いながらシャインが呟く。

「シャイン!」

そこに家から出てきたレビィが近付いてきた。

「大丈夫?」

「ああ。どうやらスタンさんにとって俺は邪魔のようだな。」

「ゴメンね。私からパパに言っとくから。」

レビィが謝ると、シャインは黙ったままどこかに行こうとする。

「どこに行くの?」

「家に帰るんだ。あと、スタンさんがいるまで俺はお前の前に現れねぇから。」

「なんで!?」

「それの方がいいだろ。」

シャインは背を向け、ヒラヒラと手を振りながら家に帰っていった。レビィはそれを黙って見送るしかなかった。


 それからスタンがいる間、本当に現れることはなかった。その間はレビィは心なしか元気がなかった。そしてスタンが仕事に行く日になった。

「次に帰ってこれるのは年末かな。」

靴を履きながらスタンが伝える。

「わかったわ。」

フィリアが頷く。その隣でレビィが不機嫌な顔をしている。

「あの男のことか?」

レビィは黙ったままである。

「あんな奴をレビィの近くに置いとくわけにはいかん。」

「あなた、あなたが思っているほどシャイン君は悪い子じゃないのよ。」

フィリアが言う。

「髪が黄緑色の奴を信じれるか。」

スタンの言葉を聞いたレビィが口を開いた。

「外見だけで決めないで!シャインはチャラくも悪くもない!私の大切な友達よ!」

レビィの訴えを聞いたスタンがはぁとため息をする。

「お前は騙されている。」

「そんなこと言うパパなんて嫌いよ!」

レビィは涙目になりながら走って自分の部屋に入っていった。

「………なんでわかってくれないんだ。」

スタンが呟く。

「えっ?」

フィリアが首を傾げる。

「いや、じゃあ、行ってくる。」

「行ってらっしゃい。」

スタンはフィリアに見送られ、ドアを開けて外に出た。そして家から少し行ったとこの電信柱にシャインがスタンを待っていた。

「お前…」

スタンが足を止める。

「俺は別にレビィを束縛したいわけじゃない。ただレビィを悪から守りたいだけなんだ。」

シャインが突然言った言葉がスタンの胸に刺さった。

「図星、ですよね?」

シャインがニヤッと笑う。

「よくわかったな。」

スタンも素直に認める。

「ほぼ勘ですけどね。」

「何のようだ?早く行かなければ電車が出発してしまう。」

「じゃあ要件だけ……等価交換しませんか?」

シャインの提案にスタンがん?となる。

「等価交換?何と何をだ?」

「別に物々交換じゃないです。男同士の約束をしてもらいます。」

「約束?」

「あなたにしてもらう約束は、レビィの恋愛や男関係に対する口出しを最小限にしてもらいます。」

「………お前の約束は?」

「俺の約束は…あんたに変わってレビィを守ってやる。」

「お前がレビィを?」

「『信じれる人を守る』。それが俺の小さい時からの誓いだ。俺はこの誓いをレビィに使う。まあ、あと数人いるけどな。だからあんたも約束を守ってほしい。」

「信じれるかそんなこと。」

「夜叉は主を守るのが使命。だけどそれは女に守られてるってことだ。それは男のプライドが許せねぇ。だから、どんなことがあってもレビィを守ってやる。」

シャインのまっすぐスタンを見る。その目にスタンは何かを感じ、

「信じていいんだな?」

と、尋ねる。

「ああ。」

シャインが頷く。それを見たスタンは歩き始め、シャインの横でもう1回止まる。

「お前からは俺と同じ想いがあると感じた。だから信じる。けど、もし破ったら…どうなるかわかっているだろうな?」

「わかっていますよ。」

それだけを話して、スタンは駅へ向かった。その背中をシャインは見送り、見えなくなったとこでレビィの家に向かった。


 レビィの家に入ったシャインはレビィの部屋のドアを開けた。中に入るとレビィがベッドで寝転んでいた。

「シャイン…」

「あんたのパパは俺を認めてくれてたよ。」

「えっ!?パパが?」

「ああ。」

「どうやって?」

「男同士の約束をしてもらった。」

シャインがニヤッと笑う。それを見たレビィが安心した顔になった。

「約束ってどんな?」

「ん?教えねぇよ。」

「ケチ〜〜〜!」

2人が笑いながらはしゃいでいるのを聞いたフィリアはニコッと微笑んだ。

エ「レビィの父親って親バカだったんだ…」

レ「あははは…否定できないよ。」

シ「ん?」

ス「どしたシャイン?」

シ「今スタッフから言われたんだけど、今回はそんなに尺ないってよ。」

レ「本編が6ページいっちゃったからね。」

エ「じゃあ早く次回予告しよっ!」

レ「次回は2学期スタート!」

シ「ネタバレするんだったら、新キャラが登場だ。」

エ「では、次回をお楽しみに!」



眼鏡「学校の方が忙しくてなかなか投稿できなくてすいません。なるべく早く投稿しますので待っててください。」

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