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魔法学園  作者: 眼鏡 純
19/88

19話 もう1人の神(8)

眼鏡「『〜魔法学園〜Q&A』のコーナー!」

シ・レ・ス・エ・サ・ヒ「イエーイ!!」

眼鏡「では早速いってみましょう!」


Q:放課後は何をやっていますか?


眼鏡「ではお答え下さい!」


A:シ…修行/友達とモーハン

レ…友達と遊ぶ/剣道をする

ス…修行/友達と遊ぶ

エ…カラオケ

サ…研究/実験

ヒ…修行/弓道をする


シ「基本ダチと遊んでんな。みんな。」

レ「サナやシャイン、エアルやスノウは部活入ってないもんね。」

エ「てか、いつの間にレビィ部活に入ってたの?」

レ「夏休み入ってすぐだったかな?でもたまにしか行かないよ。」

エ「ふ~ん…あとサナ。」

サ「ん?」

エ「いつも何の研究しているの?」

サ「ネタバレになるけど言っていいの?」

エ「いいよ。」

眼鏡「やめてください。」



レ「では『大会編』最後の話、見てください!」

 「俺の勝ちだ…バージェス。」

バージェスに背を向けたまま、シャインは自分の勝利を告げる。その瞬間、刺された傷の痛みがシャインを襲う。

「いって~〜〜〜」

シャインはドクドクと血が流れている傷を押さえながらバタリと倒れる。両方とも喋らず、炎の壁が燃える音しか聞こえなかった。その時間が少し流れてからシャインが口を開く。

「おいバージェス…まだ意識あんだろ?もう俺もギリギリだから、手短に言うぞ。」

シャインはバージェスに話かけるが別に反応はない。それでもシャインは話を続ける。

「俺がお前を止めていたのはやり過ぎだってのもあるが、それ以上に、俺はただお前に…昔の性格に戻ってほしいだけだったんだ。ま、それを言おうとしたらお前に刺されたがな。」

シャインが少し笑い、よろよろと傷を押さえながら立ち上がる。

「あともう1つ、ただ支配してるだけだったらな、いずれ独りになるぞ。だけど、信じれる人間を守るとな、いいものを手に入れれる…………『仲間』っつうものをな。」

シャインがフィールドを去ろうとバージェスに背を向けた。その瞬間、

「ふざ…けるな!」

バージェスが叫んだ。シャインは驚いて後ろを振り返ると、フラフラとバージェスが立ち上がっていた。

「綺麗事ばかり並べやがって!俺はまだ負けちゃいねぇ!!」

次の瞬間、バージェスの体が炎神に包まれた。そしてバージェスの頭から角が生え、鋭い牙が生える。筋肉も膨れ上がり、その姿はまるで魔獣のようになった。

「バ、バージェス…!」

シャインは何が起きているかさっぱり分かっていない状態である。

「ガァァァァァ!!!」

獣の雄叫びを上げ、剛腕の腕でシャインを殴り付けた。シャインは吹き飛び、炎の壁ギリギリで止まる。

(くそ…!もう魔力がないってぇのに!)

シャインが左腰の鞘から刀を抜こうした瞬間に右腕に激痛が走った。

(右腕…折れてやがる…)

シャインが左腕で右腕を押さえる。

「ガァァァァァ!!!」

そこに魔獣バージェスが襲いかかってきた。

(もう…ダメか…)

シャインが諦めかけた。

 この時、前話のサナ達の突入する話と(とき)が重なる。

 ガシャァァァン!!

シャインとバージェスの真上でガラスが割れる音がして、炎の壁から3人の女子が飛び出してきた。

「夜刀、[影鳥(かげどり)]!!」

先頭で落ちてくる黒髪の女子が刀をふると、そこからマシンガンのような無数の小さい影の鳥が飛ぶ。それをバージェスはバックステップで回避する。

「ちっ…」

黒髪の女子が舌打ちをしながらシャインの近くに着地する。そしてあとの金髪と青色のポニーテールの女子も着地する。

「[スプラッシュ]!!」

金髪の女子が詠唱すると、バージェスの足下から水柱が立ち上る。まともに喰らったバージェスは怯み方膝をつく。

「レ、レビィにサナ…」

意識がもうろうとする中でシャインが2人を見て驚く。

「私もいるよシャン。」

青色のポニーテールの女子がシャインを見てウィンクする。

「ミリアまで…」

シャインがまた驚く。

「大丈夫か?」

レビィが尋ねる。

「お前…ナイトか…」

ナイトが黙って頷く。

「大丈夫って言ったら嘘になる。」

シャインが答える。

「あれがバージェス?」

サナがバージェスを見ながら尋ねる。

「ああ、一応な。」

シャインが頷く。

「レビィ、サナ、シャンをお願い。」

ミリアが3人の前に立った。

「何する気だ?」

シャインが尋ねる。

「私がバージェスを止める。」

シャインに背を向けたまま答える。その目は珍しく真剣な眼差しだった。

「水魔法が使えるのは知ってるが、あれは神の炎だ。普通じゃ勝ち目はないぞ。」

シャインの忠告にミリアは振り返って、

「『普通じゃ』、でしょ?」

意味深なことを言って微笑んだ。

「あんた、やっぱり何か隠してたわね?」

シャインの隣にいるサナが眉をピクッと動かしてから尋ねる。

「向こうが神の炎なら、こっちは…『神の水』で行くしかないでしょう。」

そう言ってバージェスに近付いていく。

「グァ?」

魔獣バージェスがミリアに気が付き、戦闘体勢に入る。

「コノケハイ、『ウンディーネ』カ?」

「あなた、『イフリート』ね。」

ミリアが構えると体の一部が水に変化していく。

「バージェスの体、返してもらうわよ!」

ミリアとバージェスのバトルが始まった。

「ガァァァァァ!!」

バージェスが攻撃するが、ミリアが簡単に避ける。

「もう魔力がないのに…」

ミリアが飛び上がり、

[水神華麗脚(すいじんかれんきゃく)]!!」

見事に回し蹴りが顔にきまった。その瞬間に綺麗な水しぶきが弾けとんだ。バージェスはよろよろとよろけ、バタンと倒れた。すると、魔獣からいつもの人間のバージェスに戻った。

「す、すごい…」

ナイトが驚きを隠せない。

「あの魔法って…」

シャインがサナに尋ねる。

「ええ。あれは『神魔法(ゴッドマジック)』の1つ、『水神(すいじん)魔法』よ。」

サナがこちらに戻ってくるミリアを見ながら答える。

「大丈夫シャン?」

心配している顔でシャインを見つめる。

「お前、いつから神魔法(ゴッドマジック)を使えるようになった?」

ミリアの質問を無視してシャインが逆に尋ねる。ミリアは少しの間黙ってから口を開く。

「その話はあと、今はここからでましょう。暑くて死にそう。」

ミリアがパタパタと手であおぎながら何処かに行こうとする。

「おいミリア!」

シャインが呼び止めようとした時、後ろで炎の壁が変化し始めた。

「なんだ…!?」

シャインが驚く。

「いけない!急いで中央に!」

サナが叫びながら中央に走る。シャインはレビィに肩を借りながら中央に向かう。ミリアもバージェスを引きずりながら中央に向かう。5人が中央に集まると、サナは封魔天光を使い5人を包む。

「何なのこれ!?」

レビィが怯える。それもそのはず、自分達の周りで炎が踊るように飛び回っている。

「バージェスが倒れたから炎が暴走したのよ。」

サナが冷静に説明する。

(どうする…)

サナがフル回転で考える。すると、またミリアが3人の前に立った。

「そのまま防御しといて。」

そう言い残して封魔天光から出る。

「ちょっ…」

サナが止めようとしたが、止めれなかった。そしてミリアが手のひらを上に向ける。そこからバージェスと同じ魔法陣が現れ、会場を囲んだ。そこで詠唱を始めた。

「青き壮大な海に宿りし神よ、我が意思に答え、我に力を…[ウンディーネ]!!」

次の瞬間、会場を包むように巨大な水柱が出現した。その水柱がなくなった時には、あれだけ燃えていた炎が消えてなくなっていた。

「終わったよ。」

ミリアがシャイン達のとこに戻って微笑む。サナが封魔天光を解除する。

「あんたそんなに強かったのね。」

サナが感心する。

「へっへ~ん、見直した?」

ミリアがエッヘンとする。

「少しね。」

サナが少し微笑む。そこに先生達と救助隊が数人駆け付けた。バージェスがタンカで運ばれる。シャインもタンカに乗せられ運ばれる。

「あ、私も一緒に…」

レビィが一緒に行こうとすると、

「待ってレビィ。」

いつの間にかいたナナリー先生が止める。

「ここで起きた事はシャインとバージェス君に聞くわ。あなた達に聞きたいのはさっきの水魔法、誰が使ったの?」

「あ、それは…」

サナが答えようとすると、ミリアが口を塞いで、サナにしか聞こえない声で囁く。

「私に合わして。」

「えっ?」

サナが聞き返す。

「いいから。」

「わかった。」

サナが承諾する。

「えっと…あなたは?」

ナナリー先生が尋ねる。

「あ、申し遅れました。私蛇帝高校1年4組ミリア・ガーネットです。」

ミリアが頭を下げる。

「なんで蛇帝高校の生徒がここに?」

「それは後からお話します。」

「……そうね、じゃあ本題に入るわ。さっきの魔法誰の?」

ナナリー先生が再度尋ねる。

「あれはですね、簡単に言いますと私とサナの魔法が合体してできたんです。」

ミリアが説明する。

合体魔法(ユニゾンマジック)ってこと?」

「はい、そんなところです。だからもう一度やれと言われても私達もどうやったのかわからないので出来ません。」

サナが説明する。

「でもそんな簡単に合体魔法(ユニゾンマジック)が出来るとは思えないけど…」

ナナリー先生が怪しむから、

「しかしさっきの魔法を1人で発動できる方が思えません。」

ミリアがうまく後押しした。それによりナナリー先生は一応納得して3人を置いてその場から去った。ナナリー先生が見えなくなってからミリアがはぁと安心したため息をつく。

「なんで隠したりしたのよ?」

サナが尋ねる。

「私、バージェスみたいにあまり公開したくないの。だって公開したら大騒ぎになるでしょう、そうなったら面倒くさいじゃん。」

ミリアがいつもの調子で答える。

「私、シャインが心配だから病院行ってくるね。」

そう言ってレビィが病院に向かう。

「待って、私も行く!」

ミリアがレビィを追いかけ、一緒に病院に向かおうとした時、

「ミリアくん。」

扉の近くでレビィが知らない人がミリアを呼び止めた。

「げっ…先生…」

それはミリアの担任の男の先生だった。

「話を聞こうか。」

「うきゃ~〜〜〜」

ミリアは担任の先生に掴まれ、ズルズルと何処かに連れていかれた。それをレビィは苦笑いしながら見送った。そこにサナが近付いて、

「私は後からエアル達連れて病院に向かうわ。」

そう言って先に会場を出た。1人になったレビィはいそいそと会場を出て、シャインがいる病院に向かった。



 どこかの病院の病室でシャインが目を開いた。

「ん…ここは?」

シャインが辺りを見渡す。その時、病室の扉が開いてレビィが入ってきた。

「あ、シャイン気が付いた?よかった~」

レビィがホッとした顔をしてベッドの隣にある椅子に座る。

「俺、どうなった?」

シャインが天井を見たまま尋ねる。

「シャインはミリアが封魔天光から出た時ぐらいから気を失ったの。原因は大量出血らしいわよ。」

レビィが答える。

「バージェスは?」

シャインが次の質問をする。

「この病室より遠いところ。また問題起こさないように先生達がそうしたの。」

レビィがちゃんと答える。

「そうか…」

シャインが起き上がろうとするのをレビィが慌てて止める。

「ダメだよシャイン!傷口が開いちゃう!」

レビィがゆっくりシャインを寝かす。

「あれ?骨折が治ってる。」

シャインが自分の右腕を動かしながら驚く。

「それは医師達もビックリだったらしいわよ。治癒魔法をかけたらすぐに骨が再生したらしいの。」

「俺の体って一体…」

シャインが自分自身に少し引く。その時、病室の扉が開いてサナ達が入ってきた。

「お前ら…」

シャインは少し驚く。

「気が付いたのね。」

サナがシャインの前に立つ。

「まあな。」

シャインが頷く。

「じゃあ早速だけど、私達が入る前、中で何が起きてたか教えてちょうだい。」

サナの目が真剣になる。シャインは少し黙り、

「……そうだな。スノウ達も聞いといてくれ。」

と、中で何が起きてたか話始めた。

説明中…………

「……てなわけだ。」

説明が終わると、少し空気が重く感じられた。誰も喋らない中、レビィが口を開く。

「ねぇ、『信じれる人を守る』ってどういうことなの?」

「あーそれか…まず話したことがないと思うから俺の昔話を話そう。」

シャインは自分の昔の話を始めた。

「俺は11年前に母親を病で亡くしているんだ。オヤジは母親が病で死ぬ前に、俺達を置いてどこかに消えやがった。母親も父親もいない、親戚がどこにいるかも知らない俺は途方にくれていろいろなとこを歩き回った。それが一年ぐらいたった頃に、1つの家族が俺を養子として預かったんだ。まあ、今考えればただの労働力が欲しかっただけだったんだろうな。俺は家に自分の居場所はなく、どんどん人を信じれなくなっていった。だけど小学校には行かしてくれていた。その小学校で出会ったのが、バージェスとミリアだ。2人だけはまだ他の人より信じれた。だけど中学に入った時、ミリアは転校して、バージェスには裏切られ、ますます人を信じれなくなった。そしてそのまま高校に入って、お前らに会った。だけどお前らからはバージェスやミリアと同じ感じがしたんだ。俺はお前らを信じれる。だから守る。これは小さい時と変わらない誓いだ。」

シャインの長い昔話が終了した。

「お前にそんな過去があったなんて…」

スノウが呟く。それから誰も話さなくなり、重い空気が流れる。この空気を打ち切ったのはここの6人ではなく、以外な人間だった。

「えらく重い空気だなここは。」

それはなんとバージェスだった。まだ包帯なのど巻いていて歩くのがやっとの状態である。

「何の用だ?」

シャインが尋ねる。

「特に用はない。1つだけ忠告しにきただけだ。」

「忠告?」

「レインの情報によるとそろそろ教師どもが来るはずだ。いいな、面倒いことにはしたくない。中で起きたこと一切話すな。」

「わかった。」

シャインが素直に頷く。

「あと1つ…」

バージェスがシャインを指し、

「次は絶対殺してやる。」

そう言い残して自分の病室に戻っていった。

「なんだよあいつ。」

スノウがイラッとする。

「そういうな。俺には「次は絶対勝つ。」って聞こえたけどな。」

シャインが笑う。

「そういうとこは素直じゃないってことね。」

レビィも笑う。

「そういうこと。」

シャインとレビィが笑うのであとの4人も笑った。




 「ターゲット発見。」

6人がいる病室を監視していた黒スーツの男が呟いた。そしてポケットからケータイを取り出し、誰かにかける。

「どうした?」

相手は声からすると男のようだった。

「社長、ターゲットを発見しました。」

「そうか。引き続き監視を頼む。」

「了解しました。」

短い会話をし、ケータイを切った。

シ「バージェスの技といい、ミリアの技といい…どこかで聞いたことがある名前だな。」

レ「『イフリート』や『ウンディーネ』のこと?」

シ「それだ。」

眼鏡「その説明は私から。えっとですね、イフリートやウンディーネという名前は『テイルズオブシリーズ』に出てくる精霊の名前です。勝手に使ってすいません。」

サ「私が使ったスプラッシュとかも?」

眼鏡「はい。テイルズオブシリーズの技名です。」

ヒ「なぜそんなにテイルズばっかり?」

眼鏡「好きなんです、テイルズ。」

ス「理由簡単だな…」

エ「そんなことより、ついに『大会編』終了したよ。」

ス「長かったな~」

レ「最後の黒スーツの男、誰なんだろ…?」

眼鏡「それは秘密です。」

シ「次からは違う話だ。少し投稿が遅れてすまなかったな。次回はもう少し早く投稿するから楽しみにしといてくれ。」

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