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魔法学園  作者: 眼鏡 純
18/88

18話 決着(7)

眼鏡「『〜魔法学園〜Q&A』のコーナー。」

エ「あれ?眼鏡さんの書き方が『眼』から『眼鏡』に変わってる。」

ス「気分変えか?」

眼鏡「いえ、そうではないんですけど、『眼』だけでは何か気持ち悪い感じがしたので『鏡』を付けたんです。」

エ・ス「へ~〜」

シ「そんなことよりさっさとしようぜ。」

眼鏡「そうですね。では記念すべき最初の質問はこちらです。」


Q:6人はそれぞれ何の委員会に入っているんですか?


眼鏡「ではお答えくださーい。」


A:シ…入っていない

レ…風紀委員

ス…体育委員

エ…保険委員

サ…図書委員

ヒ…生徒会(書記)


エ「なんかすごくイメージに合っているような…」

ス「てかレビィって転校生なのによく風紀委員に入れたな。4月に決まっていたろ。」

レ「あっ、それはね、風紀委員の先生が「お願い、風紀委員に入ってくれ。」ってせがまれたの。」

エ「ふ~ん…まあ、レビィみたいな子は合ってるからね。」

レ「ずっと断っていたんだけど、うるさいから仕方がなく入ったの。」

エ「へ~」

レ「私はさておき、シャインって何にも入っていなかったの?」

シ「面倒いからな。」

サ「でも確か絶対何かしなきゃいけなかったでしょ?何やってんの?」

シ「戸締まり係。」

エ・ス・サ・レ・ヒ「………」

ヒ「確か戸締まり係は2人。シャインが閉めているとこを見たことがないからすると…もう1人に押し付けていますね…」

 ドキン!!

応援席で対策を考えていたレビィが突然炎の壁の方をバッと見た。

「どうしたのレビィ?」

いきなりのレビィの行動にビックリしながらエアルが尋ねる。

「胸騒ぎがする。」

レビィが自分の胸をおさえる。

「胸騒ぎ?」

「うん。」

「彼女の勘ってやつね。」

そのままスルーしかけたが、

「彼女じゃない!」

レビィが気が付いてツッコむ。

「でもそれが本当なら中はヤバそうだな。」

スノウが珍しく心配そうにしている。

「でもこの炎の壁をどうしますか?

ヒューズがサナに尋ねる。サナは顎に手をやりながら考える。そして1つの作戦を思い付いた。

「1つだけあるわ。」

「どんな作戦だ?」

スノウがやる気満々で尋ねる。

「この作戦は私とレビィしかできないわ。」

「そ、そうか…」

スノウがガクッと肩を落とす。

「サナと私だけ?」

レビィが自分を指で指す。サナは頷いてからマジックウォールへ近付き、作戦内容を話始めた。

「私がこのマジックウォールに穴を開け、その穴からレビィは夜叉魔法で、私は封印魔法で強引に突破する。って作戦。」

「それって…危険じゃない?」

レビィが恐る恐る尋ねると、サナが頷く。

「ええ、かなりね。今はマジックウォールのおかげでこっちに炎が入ってきていないけど、そこに穴を開けるとなると炎がこっちに入ってくる可能性がある。」

「じゃあ俺ら焼け死ぬじゃないか!」

スノウが慌てる。

「だから危険だって言ってんのよ。」

サナが冷ややか言い方で返す。

「でもなんで私なの?」

レビィが自分が選ばれたのに疑問をもつ。

「夜叉魔法はどんな魔法でも斬れるという能力があったはず。だから私の予想だと、この炎の壁を斬れる。」

「そうなのナイト?」

レビィが心の中のレビィに尋ねる。

【まあな。夜叉魔法に耐性も弱点もない。可能だと思うぞ。】

「ナイトが可能だって。」

ナイトが言ったことを皆に伝える。

「わかったわ。すぐに取りかかるわよ。今から使う魔法は詠唱できないものだから魔法陣を書かなきゃいけない。その分かなり時間がかかるの。」

説明しながらもサナが魔法陣を書き始めていた。

「ちょっとあなた達!さっきから聞いてたら何しようとしているの!」

ずっと5人の話を聞いていたナナリー先生が怒り始めた。

「何しようとって…閃風バカを助けに行くんです。」

魔法陣を書きながらサナが答える。

「シャイン君を助けるのは大会関係者の人が何とかしてくるからあなた達が別に危険な目にあわなくてもいいのよ!」

それを聞いたサナが魔法陣を書くのを止めてナナリー先生を見る。

「何とかしてくるから?先生ならわかっているはずですよね?この会場にもう関係者は誰1人いないって。」

「そ、それは…」

図星だったらしくナナリー先生が戸惑う。

「なんでそんなことわかるの?」

レビィがサナに尋ねる。

「教師のほとんどが『魔力察知』ができるはず。まあ、私もできるけど。」

「魔力察知?」

「魔力察知というのは魔法が使える人の魔力を感じ取ってその人の力や位置がわかる技術よ。」

「マンガ、ドラゴンボールでいう、気を感じるみたいなものだな?」

スノウが割り込んできた。

「そのマンガを知らないからなんとも言えないけど、そんな感じ。」

サナが頷く。

「そ、それはそうだけど…もしかしたら外に応援を呼びにいったのかも…」

「無いわね。」

ナナリー先生の予想をサナが一言で否定する。

「大人は不都合なことが起きるとそれをどうしようともせず、どう隠そうしか考えない。どうせこの大会ことも隠すつもりでしょうね。」

「だから…」

「先生ならわかっているはずです!どんどんシャインの魔力が減少していることに!このままほっていたらシャインは死にます!」

「お願いです!私達に行かせてください!」

サナとレビィのまっすぐな目にナナリー先生は返す言葉が見つからず、はぁとため息をついて、

「わかったわ。でも、無茶だけはしないで!」

忠告をいてれ突入を許可した。

「ありがとうございます!」

レビィが頭を下げる。サナは許可をもらった瞬間から魔法陣の続きを書き始めていた。

「ありがとねサナ。シャインのために。」

魔法陣を書いているサナにレビィがお礼を言う。

「勘違いしないで。私はただすぐ逃げる大人にはなりたくないだけ。別にシャインのためじゃいわよ。」

「うん。わかってる。」

レビィはサナの言葉に微笑んで返す。そして魔法陣が完成するのを黙って待つ。



 「クハハハハハハハ!流石はシャイン。まだかろうじて生きてやがる。まあ、放っていても死ぬか。」

倒れているシャインをバージェスが見下ろす。

【俺はただお前に…】

するとバージェスの頭の中にシャインの言葉がよぎる。

「何を言いたかった知らないが、俺の力に対する気持ちは変わらない。俺を見下してきた野郎どもを見返すために強くなる…これは昔から同じだ。」

バージェスはシャインを置いてフィールドを去ろうと背を向けた時、シャインの指がピクッと動き、

「お前が…昔から…同じ気持ちなら…俺だって…昔から変わっちゃ…いない…」

両手で鉄のように重くなった上半身をグッと上げて、バージェスを睨み付けながら立ち上がろうとする。

「もう立つな。死が近付くだけだ。」

バージェスがバカにしながら振り返る。

「支配するために、その想いがお前を強くした。だったら、俺も…」

その時シャインの脳裏にジャングルジムで話した記憶が甦る。

「『信じれる人間を守る』、この想いが俺を強くした!」

それを聞いたバージェスがニヤッと笑う。

「あの時と一緒のこと言いやがって。」

バージェスもシャインと同じ記憶が甦っていた。シャインが立ち上がるが、流血が多いせいか足はガクガクと震えている。

「お前は…俺が倒す!」

次の瞬間、シャインから風の柱が立ち上る。オーラも激しくなり、左目の瞳が火の玉が燃えているようになっている。目付きもよりきびしくなる。

「ついに完全な解放をしたか。」

バージェスがスッと剣を構える。

「来いよ。」

シャインが挑発する。

「なるほど、自分の命に危機が迫るほど強くなるのは本当か。」

「少し違うな。自分だけじゃないくて、自分の周りで命に危機が迫ってもなる。じゃなきゃリウド助ける時に解放しないもんな。」

「クハハハハ!面白い!最終バトルだ!」

シャインとバージェスの最後の闘いが始まった。



 シャインが能力が完全に解放したことは応援席にいるサナも気が付いた。この時ナナリー先生やスノウ達は避難しており、応援席にいるのはサナとレビィだけである。

「魔力が上がった!」

突然声を上げたからレビィがビックリする。

「どうしたの?」

「さっきまで下がり続けていたシャインの魔力が急激に上がったの。」

「そうなの!よかった~」

レビィがホッとする。

「けど、どうして?」

「たぶんシャインの能力が完全解放したのよ。」

「あれの完全…」

レビィが能力解放したシャインを思い浮かべる。

「あいつの命に危機が迫った時に解放する傾向があるらしいから完全な解放したってことは命に危機が迫ったらしいわね。」

「大丈夫かな?」

心配するレビィに、

「大丈夫よ。」

とサナが励ます。


 「よし、書けたわ。」

書き始めて1時間ぐらいたってようやく魔法陣が完成した。

「いよいよ突入するのだな。」

レビィがサファイアからナイトに変わる。

「行くわよ。」

サナが魔法を発動しようとした時、ふいにナイトが止める。

「1つ聞きたい。私は夜叉魔法で突入できるが、お前はどうやって突入するのだ?」

少しの間沈黙が流れてから、サナが口を開く。

「『あっち』の魔法を使う。」

その言葉にレビィがさらに聞く。

「大丈夫なのか?」

「大丈夫も何も、あんたは私のこと見抜いちゃったから隠す意味もないし、サファイアには見えていないんでしょ?」

「まあな。」

「なら使うわ。」

「そうか。」

会話が終わると、サナは魔法を発動しようとする。次の瞬間、

「待って!私も行かして!」

またしても誰かが止める。サナは少しイラッとしながら振り返る。扉の近くには青色のポニーテールの女性が立っていた。

「ミリア・ガーネット。」

サナが少し驚く。

「私も連れていって。」

ミリアが走ってきたせいか少し息が切れながらお願いする。

「何故だ?」

ナイトが尋ねる。

「私もシャンが気になるし、今のバージェスには一発お仕置きが必要だと思ってね。」

レビィの雰囲気が変わっていることに多少疑問を持ちながら理由を言う。

「そうか。入れる魔法はあるのか?」

レビィがさらに聞く。

「私は水魔法が使えるから大丈夫!」

ミリアが手でオーケーを作る。

「でもこれは炎神の炎よ?」

サナが大丈夫か聞く。

「大丈夫!」

ミリアが元気よく答える。

「そう…じゃあ、行くわよ!」

「承知。」

「オーケー!」

サナが魔法を発動させる。

[破壊陣(ブレイクサークル)]!!」

マジックウォールにピキピキとヒビが入り、きれいに円の形に割れる。そこから予想したように神の炎が流れ入ってきた。

[加護闇(かごやみ)]!」

「[アクアバリア]!」

[封魔天光(ふうまてんこう)]!」

それぞれ防御系魔法を使い、炎の中に突入した。



 時は少々遡り、まだサナが魔法陣を書き終えていない時、炎の中では今回最大の闘いが繰り広げていた。

「はぁ…はぁ…はぁ…!」

シャインは馴れていない力を使っているので消耗が激しい。

「はぁ…はぁ…ここまでとはな…」

流石のバージェスもかなり力を消耗している。

「やめだバージェス、もう闘うのは。」

シャインの思いがけない言葉にバージェスが激怒する。

「ふざけるな!!俺はお前を潰すまでやめる気はねぇからな!」

バージェスの反論にシャインが少し呆れる。

「勝敗は見えている。自分でも気が付いているはずだ。もう魔力がギリギリなことに。このまま闘っても今のお前は今の俺に勝てねぇ。それだけだ。」

シャインは少し魔力を下げる。

「黙れ!!お前さえいなければ俺を見下した奴らを支配できるんだ!だからここで死んでもらうぞ!!」

全く聞き耳を持たないバージェスを見たシャインは、

「バカやろう…」

と呟いてから、下げていた魔力を一気に上げる。

「だったら…決着つけようぜ!」

シャインの提案にバージェスはニヤリと笑い、

「いいだろ!この一撃で決めてやる!」

バージェスは提案に乗り、間合いを開ける。そして予選で見せたフィールド半分を埋める赤い魔法陣を作る。

「俺もこの一撃に賭ける!」

シャインは風砕牙を両手で掴み、バージェスに刃先を向けると、足下に黄緑色の魔法陣が現れる。

「紅蓮の炎に宿りし神よ、我が意思に答え、我に力を…」

バージェスが詠唱し始める。それに合わせてシャインも詠唱し始めた。

「吹け、閃空の風。その形、不死の鳥となり、無限の闇を切り裂く!」

その瞬間、シャインの背中に閃風の羽が生えた。

「[イフリート]!!!」

バージェスが剣を降り下ろすと、紅蓮の炎の斬撃が地面を切り裂きながらシャインに向かっていく。

[閃風鳳凰斬(せんふうほうおうざん)]!!!」

シャインは刃先を向けたまま紅蓮の斬撃に突進する。そして衝突した瞬間、紅蓮の斬撃を切り裂いた。

「何!?」

「終わりだ!バージェス!!」

シャインの閃風の刀がバージェスに現最強の一太刀をあびせた。バージェスはまともに喰らい、仰向けに倒れた。赤い魔法陣はバージェスが倒れた時に消滅した。

「俺の勝ちだ…バージェス。」

シャインがバージェスに背を向けたまま、自分の勝利を告げた。

エ「ついに決着がついたよ~!」

ス「ま、俺達は見えてないけどな。」

ヒ「何もできないですからね。」

エ「これで『大会編』終了だね。」

サ「残念。あと1話残ってるわ。」

レ「次回は私達3人が参戦。」

ス「でも闘いは終わったろ?」

レ「それはお楽しみ。次回も見てください。」

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