13話 予選リーグ(2)
レ「今回はシャインのプロフィールだよ。」
シ「なんか嬉しそうだな。」
眼「では、シャインのプロフィールです。」
名前:シャイン・エメラルド
年齢:16歳
誕生日:5月5日
魔法:閃風魔法
戦闘タイプ:刀(風砕牙)
髪:首まで伸びていて、黒と黄緑が7:3の割合の色
瞳の色:黄緑色
好きな食べ物:焼きそば
嫌いな食べ物:レバー
好きな漫画のジャンル:SF/戦闘系/コメディ
好きなゲーム:テイルズオブシリーズ
好きな四字熟語:一刀両断
得意な料理:だいたいできる
持っているゲーム本体:PS3/DSライト/Wii/PSP
好きな映画:トランスフォーマー
好きなタイプ:興味がない
眼「こんな感じで。」
シ「以外と恥ずかしいな。」
レ「でしょ!」
シ「次は誰なんだ?」
眼「う~ん…じゃあエアルで。」
エ「私ーー!?」
シ「では、見てください。」
眼「まだプロフィールを知りたい人は感想に書いてください。」
レ「ああ…プライベートがなくなっていく…」
「これより、『BOM』、battle・of・magicを開幕する!!!」
その一言に会場が、
「ワァァァァァーーーー!!!!」
と言う歓声が上がった。
「それではルールを説明します。」
台の隣にいた進行役の女性がルール説明を始めた。
「今から選手の皆さんにくじを引いてもらい、Aブロック、Bブロック、Cブロック、Dブロックに3人ずつ別れていただき、『予選リーグ』をしてもらいます。その中で1位の人は1位トーナメント、2位の人は2位トーナメント、3位の人は3位トーナメントに出場してもらいます。だけど、この大会はハッキリと順位を出すので、何位タイなどはありません。例えば、1位トーナメントの1試合目に負けてしまった場合、もう1人の1試合目に負けた人と闘ってもらいます。それで勝った方が3位、負けた方が4位となります。これはどのトーナメントでも同じルールです。これでルール説明を終わります。」
説明していた女性が一礼をする。
「では、次にサポーターの説明をします。」
説明していた女性の隣の女性がまた説明を始める。
「応援席からのアドバイスは禁止となっておりますので、選手にアドバイスができるのはサポーターのみです。そして、戦闘中でも今から配るものを耳に装着しているといつでもアドバイスが聞けます。」
そう言った時に、選手達とサポーター達に、耳に簡単に入る小さな通信機が配られた。
「戦闘中にアドバイスってしていいんだ。」
レビィがビックリする。
「てことは、闘っているのは選手だけだが、実質はサポーターも間接的に戦闘に参加してる訳だな。」
シャインがまとめる。
「では、次に闘いのルールを説明します。」
その女性の隣にいた男性が説明を始めた。
「まず、選手の皆さんに『これ』を渡します。」
男性が何かを持って、皆に見えるように手を上げる。そして、男性が持っているのと同じのが選手達に渡された。
「なんだこれ?」
「さあ?」
シャインとレビィが首をかしげる。それは1円玉ぐらいの大きさの正方形のバッチみたいなものだった。
「『フィルムバリア』ね。」
応援席から双眼鏡を覗きながらサナが言う。
「なんだフィルムバリアって?」
スノウがサナに尋ねる。
「あのバッチを体のどこかに付けると、体を包むようにバリアの膜がはられるの。そのバリアは、『感覚』は通すんだけど、『外傷』はできないっていう特徴があるの。」
サナが説明するが、スノウの顔はポカンとしている。
「はぁ、ホントにバカね。」
サナが呆れる。
「うるさいな。」
スノウが怒る。
「例えば、フィルムバリアをしたあんたが刀で切られたとする。その時、切られた痛みは感じるんだけど、体には切り傷は残らないの。わかった?」
サナが例えながら説明して、ようやくスノウは理解した。
「…これでフィルムバリアの説明を終わります。」
フィールドでも同じ説明がされいて、その説明が終わった。
「最後に勝敗のつけ方を説明します。この大会に使われるフィルムバリアには特殊な装置が付いており、攻撃をうけると皆さんのHPが減っていき、0になると負けになります。HPは1000です。」
そして最後の説明も終わり、開会式が終了した。
「では、このままブロックを別けますので、選手の皆さんは台に集まって下さい。」
そのアナウンスで選手達は台に集まった。そして、ブロック別けが始まった。
「よう。」
くじの順番を待っているシャインに、今大会のもう1人の1年、バージェスが近付いてきた。バージェスも制服ではなく、戦闘用の服である。(読者の皆さんの想像にお任せします。)
「なんか用か?」
シャインは敵意むき出しの目で尋ねる。その目を見てバージェスはニヤリと笑う。
「いや、その目を見れて安心したよ。てっきり怖じ気ついていると思ってな。」
「大丈夫だ。お前なんかに手を抜くなんざしねぇよ。」
「そらありがてぇ。俺も手を抜くなんざ最初っから思ってねぇ。なんせ…俺が本気で潰せる相手だからな。」
その目は、対戦相手を倒すやるという闘志の目ではなく、こいつを殺してやるという殺意の目であった。
「龍空高校代表、シャイン・エメラルド君。」
2人がにらみ合っていると、アナウンスでシャインが呼ばれた。シャインはバージェスをおいて台に近付いた。台の上には箱があり、手を突っ込んでとるタイプのものだった。
(ここらへんは原始的だな…)
シャインは心の中で苦笑いしながら箱に手を入れ、中にあった紙を1枚に掴み取り出した。
「Aブロック。」
シャインは紙に書いてあったアルファベットを進行役の人に伝え、元の場所に戻った。すると、会場にあった大きなモニターに記入された。
(あと残ってるのがAブロックに1つと、Dブロックに1つか…正直予選からバージェスと闘うのはさすがにキツいな…)
シャインがモニターを見ながら思っていると、
「虎神高校代表、バージェス・アルシオン君。」
バージェスが呼ばれた。そしてバージェスはくじを引いた。場所は…Dブロックだった。そして最後に残った高校がAブロックに入り、予選の組み合わせが決定した。組み合わせは次のようになった。
Aブロック
・龍空高校
・牛島高校
・天鼠高校
Bブロック
・蛇帝高校
・火兎高校
・猿山高校
Cブロック
・羊雲高校
・馬原高校
・犬白高校
Dブロック
・鳥崎高校
・猪里高校
・虎神高校
という組み合わせである。
シャインが組み合わせを見ていると、
「よかったな、予選であたらなくて。」
バージェスが近付いてきた。
「ああ。さすがにお前と予選であたるのだけはゴメンだったぜ。」
2人が話していると、
「シャイン、そろそろAブロックの会場に行かなきゃ…あっ…」
レビィがシャインを呼びに来たが、バージェスがいるのに気が付いて少し警戒する。
「ん?ここは選手とサポーターしかいてはならないはず…なるほど、お前のサポーターはこの女か。」
「そうだ。」
「クハハハハ、必要なさそうで意外と必要なのがサポーターだ。それをまだ魔法が使えて少ししか経っていない女にやらすとは。」
バカにした言い方にレビィはムッと怒る。そして言い返そうと口を開こうとした瞬間にレビィの前にスッとシャインが立った。
「俺はずっと1人で生きてきたから人を信じることがなかった。だがな、レビィは違う。レビィは俺が一番信用できる人間なんだ。だからサポーターについてもらったんだ。」
シャインはバージェスの目をまっすぐ見る。
「シャイン…!」
レビィは喜びと驚きと恥ずかしさが入り交じっている気持ちになっていた。
「そうか。すまなかったな。」
バージェスは反省の色なしで謝りながらシャインに顔を近付け、
「惚れたか?この女に?」
レビィに聴こえないトーンで囁く。
「残念だが、俺はそういうのに興味はない。」
と、シャインが囁く返す。
「そうか。」
バージェスはニヤッと笑い、フィールドを後にした。
「なんて言われたの?」
レビィが尋ねる。
「いや、気にすんな。」
シャインはそう言ってAブロックの会場に向かおうとすると、レビィが腕を掴む。
「どうしたレビィ?」
「ね、ねぇ…さっき言ってたのって…ホント?」
モジモジしながらレビィが尋ねる。
「なんであの場面であんな嘘つかなきゃいけないんだ?」
逆に聞き返して、レビィの腕をほどき、Aブロックの会場に向かった。それを聴いたレビィはすごく嬉しくなったが、逆にモヤモヤが増した。
(さっきの言葉が本当なら『1人で生きてきた』っていうのも本当になるんだよね?)
レビィはモヤモヤを抱えたまま、シャインの後を追った。2人はメイン会場の出入口付近で4、5人の蛇帝高校の女子グループとすれ違った。その中の青色のポニーテールをした女子が振り返ってメイン会場を出ていくシャインの背中を見つめながら、
「へぇ、名前が同じだからもしかしたらって思ってたけど…本物じゃん。」
と、呟いた。
メイン会場を出た2人は驚いた。さっきまで真っ白い世界にメイン会場しかなかったのに、いつの間にかメイン会場より少し小さい4つの会場が出現していた。その中のAブロック会場に2人は入っていった。
入った瞬間、2人に1体のロボットが近付いてきた。
「シャイン・エメラルドサント、レビィ・サファイアデスカ?」
「ああ。」
「モウスコシデシアイデスノデ、ヒカエシツデジュンビヲオネガイシマス。」
「わかった。」
2人は言われた通り控え室に向かおうとすると、
「まだいたのかよ。」
と、後ろから声をかけられた。振り返ると、そこにはスノウとエアルとサナとヒューズが立っていた。
「お前ら…!」
シャインが少し驚く。レビィはシャインの顔が少し嬉しそうに見えた。
「頑張ってねシャイン。」
エアルが微笑む。
「負けないでくださいよ。」
ヒューズが応援する。
「ま、どうせだったらいい成績残しなさいよね。」
サナが興味なさそうに応援する。
「全員応援してるぜ。」
スノウがニヤッと笑う。
「みんなありがとな。」
シャインは礼を言って控え室に向かった。レビィも皆にお礼を言ってシャインの後を追った。すると、いきなりシャインが振り返った。
「あっ!お前ら、俺の最初の試合が終わったらまたここに集まってくれ。」
「なんでだ?」
スノウが理由を聞く。
「たぶんすぐ騒ぎになると思うが、お前らには先に見せておく。」
「何を?」
「バージェスの魔法を見せておく。」
そう言い残してシャインは控え室に向かった。
「ねぇ、どんな魔法なのバージェスのって?」
メイン会場とあまり変わりがない控え室に入ったレビィが椅子に座っているシャインに尋ねる。
「見ればわかる。」
シャインが答える。
「間に合うの?」
「確かあいつは2、3回戦だから俺が今から闘う奴を一瞬で倒したら間に合う。」
「できるのそんなこと?」
2人が話していると、
「モウスグシアイデス。」
ロボットが呼びに来た。
「わかった。」
シャインは椅子から立ち、フィールド入り口に向かう。
「ねぇ、ホントにできるの!」
レビィがもう一度聞くと、
「できるさ。」
と、シャインがニヤリと笑った。
シャインがいなくなりレビィ1人になった控え室がゴゴゴゴと鳴ってシャッターが開くように開き始めた。そこからはメイン会場より少し小さいが、同じ土のフィールドが見える。
(ここから見てアドバイスしろってことね。)
レビィはすぐに理解して通信機を耳に装着しようとしたが、自分の通信機の隣もう1つ通信機があった。
「あのバカ…」
レビィは呆れた。
シャインがフィールドに出ると、反対側の控え室から対戦相手が現れた。その瞬間、龍空高校、牛島高校、天鼠高校の応援席が盛り上がる。
「さーAブロック最初の試合は、龍空高校VS牛島高校だー!!」
実況者にも熱が入る。
「さて、初戦の対戦フィールドは…」
次の瞬間、土のフィールドから木や草などが生い茂り始め、あたり一面林のようになった。
「おっと、これはまだ読者の皆さんに説明していませんね。予選リーグは普通のフィールドではせず、いろんな属性のフィールドに変化するんです。フィールドの属性も利用して闘うのも戦略の内なんです。」
実況者が説明する。
「フフフ、なんて俺にあったフィールド。」
ものすごくフェアリーテイルのドロイに似ている対戦相手とシャインがフィールドの端同士でにらみ合う。
「俺の名前は『リグーン』!1年がでしゃばんなよ!」
対戦相手のリグーンが叫ぶ。
「わかったから、さっさと始めようぜ。」
シャインがはぁとため息をつく。
「さー両選手がフィルムバリアを装着した3秒後に試合開始だー!」
シャインとリグーンは体にフィルムバリアを装着した。次の瞬間、大きなモニターに『3、2、1、ファイト』と出され、試合が開始した。
「俺の植物魔法を喰らいやがれ![プラントパンチ]!!」
リグーンの周りにあった植物が拳に変化してシャインに向かってくる。
「はあ、さっさと終わらしてやる。」
シャインが足にグッと力をいれると風が足に纏った。
「[隼]!!」
地面を蹴った瞬間、すごいスピードで走りながらプラントパンチを簡単に避け、あっという間にリグーンの目の前についた。
「[閃風拳]!!」
シャインのパンチがリグーンの顔をとらえ、吹っ飛ばした。モニターのリグーンのHPが減る。
「この野郎!もう怒ったぞ!俺の最強の魔法で潰してやる!」
リグーンを中心に緑色の魔方陣が現れ、フィールドにある植物が大きな8匹の蛇に変化した。
「喰らえ![プラント・オロチ]!!」
8匹の蛇がシャインに向かってくる。
「この技、サナのと似てるなぁ。ま、関係ないけどな!」
シャインが刀を構えた。
「[獅子閃風牙]!!」
刀を振った瞬間に光る風でできた獅子が8匹の蛇を破り、そのままリグーンにヒットした。モニターのリグーンのHPが0になり試合が終了した。
「アーッと開始数分で決着がついてしまったー!」
実況者が驚く。応援席もザワザワしている。その中をシャインは控え室に戻った。
「ホントにしてきちゃった…」
控え室にいたレビィが驚いていた。
「すぐに行くぞ。」
そう言って2人は急いで控え室を出た。6人がさっきいた場所に行くと4人が集合していた。
「よし、行くか。」
合流した6人はDブロック会場に向かった。
Dブロック会場に入った6人は応援席に入ると、氷属性のフィールドに猪里高校の代表とバージェスが闘っていた。
「おーやってるねー。」
スノウが言う。
「HPは…1000と300ですか。」
ヒューズがモニターを見る。
「もう終わりそうね。」
レビィがシャインを見ると、シャインは何か考えていた。
(おかしい、あいつがこんなに時間かかるわけがない。何を考えてやがる…)
「シャイン?」
レビィがもう一度聞くと、
「ん?なんだ?」
と、シャインが反応した。
「だから、もう終わりそうねって。」
「ああ。」
すると、6人同時に、
【やはり来たかお前たち。】
頭の中にバージェスの声が聴こえた。
「な、何!?」
エアルが慌てる。
「テレパシーね。」
サナが冷静に言う。
「バージェス、お前何たくらんでやがる?」
シャインが聞く。
【せっかくお前らを待ってやったのにその言い方はないだろ。まあいい、どうせ俺の魔法を見に来たんだろ?そこで見ておけ。俺の『真の魔法』の初公開だ。】
そう言い残してテレパシーが切れた。
「どういう意味なのシャイン?」
サナが聞く。
「あいつの魔法は見た目は火魔法なんだが、一部の人間は知っていたんだ。あいつの魔法はただの火魔法なんかじゃないって。」
シャインが説明していると、バージェスを中心にフィールドを半分埋め尽くす魔法陣が現れた。
「な、なんだありゃー!?」
スノウが驚く。ほかのシャイン以外の4人も驚く。
「あいつの魔法は絶滅魔法の中でトップに立つ、『神魔法』。その中の1つの…『神炎魔法』だ。」
シャインが説明を終えた時にバージェスは剣を抜いた。すると、剣が炎を纏い、バージェスの髪が金色から真っ赤に染まっていった。
シ「さて、大会のルールを理解してくれたかな?」
エ「大丈夫でしょ。」
ス「お前、第一回戦終わるの早すぎだろ…」
ヒ「約2分。」
レ「はやっ!」
サ「そんなことより、なんなのあのバージェスの魔法?」
ス「確か…神炎魔法だっけ?」
シ「そういうのは次回でわかる。」
レ「待てってことね。」
シ「では、次回をお楽しみに。」