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魔法学園  作者: 眼鏡 純
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1話 転校先は魔法学園

今回から本編入ります。

分かりにくいとこもあるかもしれませんが、どうぞ見てください。




 「行ってきまーす。」

ある家の中に明るい声がこだまし、1人の少女がドアを開け外に出た。


 この少女の名前はレビィ・サファイア。紺色のロングヘアーに青色の瞳。新品のブレザーにスカートを身をまとって、首もとに赤色のリボンをつけている。


 (少し緊張するな~。)

そんなことを思いながら、カバンを前にして持ち、トコトコ歩く。

それもそのはず、今日は初めて転校する高校に行く日なのである。その行く高校の名前は『龍空(りゅうくう)高校』と言う。大昔、この地域の空に龍が飛んでいたという伝説からこの名前が付いた。

この高校は『魔法科』と言う科目がある。魔力が使える人が入れる枠である。その枠にレビィは入ることになった。

 何故か。

それは、レビィの家系は先祖代々夜叉魔法』が使えたらしいが、ひいが80ぐらい並びそうなおじいちゃんぐらいで、その力はしだいに弱くなり、今は誰も使えないのだが、レビィが家の倉庫にたまたまあった刀、『夜桜(よざくら)』に触れたら、眠っていた力がよみがえり、レビィは夜叉魔法が使えるようになったらしい。

(だからって5月に転校することないじゃん。私、受験した意味ないじゃないの。まあ、向こうの校長が来てくれって推薦してくれて、受験がないからいいけど…)

そんなことを思いながら、レンガでできた壁の隣を歩いていたら、レンガが鉄の門になったので門の方を向くと、そこには立派な校舎があった。

「キレイ。」

思わず声が出た。

ここが龍空高校である。門があり、入ると校舎と門まで豪邸の庭みたいで、その真ん中に校舎までの道がある。右にはキレイな寮があり、左には体育館ともうひとつ寮がある。

レビィはキョロキョロしながら校舎の中に入っていった。



 1―1。

ここがレビィのクラスになる。前と後ろにドアがあり、教卓があり、黒板があり、生徒たちの椅子と机がある普通の教室である。

「はい皆席についてー。」

1人の女性の先生が、ざわざわしていた生徒を座らせる。


 この女性の名前はナナリー先生(28歳)(身長:167cm)。黒色のショートヘアーに眼鏡をしていて、スーツ姿である。

「今日のHRは、転校生を紹介します。」

ナナリー先生がそう言うと、教室がざわつく。

その声をレビィが教室の前の廊下で聞いていた。

「やっぱり緊張するな~」

レビィがポツりと呟く。

「誰だお前?」

緊張をほぐそうと窓から中庭を見ていたら、いきなり声をかけられ、ビクッとしながら振り返る。そこには1人の男子生徒が立っていた。


 この少年の名前はシャイン・エメラルド。首くらいに伸びた髪は黒色の髪と鮮やかな黄緑色の髪が7:3の割合で入り交じっていて、瞳の色も鮮やかな黄緑色である。服は、ブレザーを着ておらず、カッターシャツをズボンから出ていて、ネクタイをユルユルに結んでいる。


 「わ、私?」

あまりにも突然だったので、レビィは少しあたふたする。

「お前以外誰がいるんだよ。」

眠たそうな目をしながらレビィを見る。

「私レビィ・サファイア。今日からこの高校に転校してきたの。」

レビィが自己紹介する。

「ふ〜ん…」

興味がないのかあるのか分からない返事をする。

「もしかして転校生か?」

シャインが尋ねる。

「うん。」

レビィが頷く。

「ふ〜ん…俺はシャイン・エメラルド。この1―1の生徒だ。」

シャインが自己紹介したとこで、先生がレビィを呼ぶ。

「レビィさん入ってき…あっ!シャイン君!また寝坊?」

先生がシャインに気が付き、シャインに怒る。

「よくわかりましたね先生。」

少しからかう声で言う。

「茶化さないで。先に入って。」

先生がレビィより先にシャインを教室に入れる。すると男子生徒の1人が「転校生ってお前かよ~」と言い、笑いが起こり、「ちげーよ。」とシャインが言いながら自分の席に座る。

「では、本当の転校生を紹介します。」

先生がレビィをちょいちょいと手で来てと合図する。レビィはその合図に従い教卓の上に立つ。

「えっと、レビィ・サファイアです。よろしくお願いします。」

自己紹介をしながら一礼する。

「はい!質問でーす!」

1人の男子生徒が立ち上がる。

「レビィさんはどんな魔法が使えるんですか?」

「夜叉魔法と言う魔法が使えます。」

レビィが答えた瞬間、生徒たちが驚く。ナナリー先生も何が使えるかは知らなかったらしく、生徒たちと一緒に驚いている。

「えええーーーー!」

「すげー!」

「絶滅したんじゃないの?」

いろんな声が飛び交う。

「あの、皆どうしたんですが?」

レビィが先生に尋ねる。

「夜叉魔法はね、魔法界からなくなった『絶滅魔法』て言われているの。」

先生が自分を落ち着けながらレビィに答える。

「そうなんですか!?」

レビィも驚く。

「まさかうちのクラスに『二人』も絶滅魔法が使えるやつが入って来るなんてな。」

一番前の席の男子生徒が言った言葉にレビィの耳が反応した。

「二人?」

男子生徒の顔の目の前で尋ねる。

「えっ、あ、あの、あいつも、なんです。」

完全に照れながら窓側の列から2番目の後ろから2番目にいるシャインのことを指す。

「シャインも?」

レビィがシャインの方を見ると、シャインも椅子に深く座り、腕組みをしながらこっちを見ていた。

「そうだ。俺の魔法は『閃風魔法』っていう風魔法最強の魔法だ。」

シャインが説明する。

「それも絶滅魔法なの?」

「ああそうだ。そしてお前の席はあっこだ。」

シャインが話を変えるようにシャインから左下の空いている席を指す。

「そう…」

レビィは皆が驚いている中自分の席に座った。



 午前中の授業が終わり昼休みになった。珍しい魔法が使えるかわいい女子が転校してきたという情報がすぐに流れ、1年生から3年生までたくさんの生徒が1―Aの教室に殺到している。

「すっかり有名人だな『夜叉女』。」

自分の机に座って、購買で買ってきた焼きそばパンをかぶりつきながらシャインが廊下を見る。

「何よ夜叉女って。」

レビィがお弁当を食べながらムッと怒る。

「夜叉魔法が使える女だから。」

「私はレビィよ。」

少し大きな声で言う。

「そんな風に言ってると女子に嫌われるよ。」

そこにシャインの後ろ、つまりレビィの隣の女子が話に入ってきた。


 この女子の名前はエアル・ダイヤモンド。オレンジ色のショートヘアーを首の後ろで小さく結んでいて、赤色の瞳をしている。服はこの高校の制服である。


 「別に嫌われて結構。」

強がりのようなことを言い、焼きそばパンが入っていた袋を捨てにいった。

「ゴメンねレビィ。」

エアルが代わりに謝る。

「大丈夫。気にしてないから。」

レビィが笑って見せる。

「あいつああ言ってるけど、多分レビィのこと気になっているんだよ。」

エアルがレビィの耳元で囁く。

「変なこと言うんじゃねぇよ。」

捨てにいったシャインがエアルに怒る。

「耳いいね〜」

エアルが茶化す。

「まあ、気になっていることはある。」

また机に座って腕組みをしながらシャインが言う。

「へぇ〜何なの?」

エアルが興味津々に聞く。

「お前、どうやって戦う?」

シャインの質問にレビィが首を傾げる。

「どういうこと?」

「どうやって魔法を使うかってこと。」

エアルが説明を付け足す。

「う~ん…刀かな?」

レビィが答えると、シャインの眉がピクッと動いた。

「刀なの?じゃあシャインと一緒だね。」

エアルが二人の顔を見ながら言う。

「うん。家の倉庫にあった夜桜っていう刀に触れたら力がよみがえったみたい。」

「ふ〜ん。」

エアルが頷きながら聞く。

「その刀、すぐに取りに行けるか?」

「うん、徒歩20分ぐらいだから。」

一体何が言いたいんだろと思いながらレビィはシャインの質問に答えていく。シャインはあと2、3個質問して、あることを決定した。

「よし、今日の放課後、刀を持ってグラウンドに来い。」

意味の分からないことを言われ、レビィがきょとんとする。

「何あんた、やっぱりレビィのこと狙ってたの?」

エアルが驚きながらレビィをシャインから遠避ける。

「ちげーよ、俺と勝負しろ。」

レビィはもっときょとんとした。



 放課後…

結局断ることができず、制服のレビィはシャインに言われたグラウンドの真ん中らへんの場所に夜桜を持って立っていた。

「まだかな~」

レビィがキョロキョロとシャインの姿を探す。

「女の子を待たせるなんて最低ね。」

突然エアルが横に立つ。

「そういえばシャインってどこに住んでいるの?」

今思い付いたように聞く。

「あいつ寮だったと思うよ。」

エアルが門から見て右側にある建物を見る。

「ちなみに女子の寮は間反対のあれ。」

説明しながら反対側の建物を指す。

「怖じけずに来たか夜叉女。」

そこに腰に一本の刀、『風砕牙』をぶら下げ、制服のまんまのシャインが男子寮の方から現れた。

「自分が呼んどいてその言い方はないでしょう。」

ムッと怒る。

「ね~やっぱりやめない二人とも。仲良くいこうよ。」

エアルが二人にやめるように言う。

「別に夜叉女が嫌いだから戦うんじゃねぇ。俺と同じ絶滅魔法が使える者がどんなものか試してぇだけだ。」

シャインが今回呼び出した理由を話す。

「ふ〜ん…」

レビィが興味がない返事をする。

「さて、さっさと始めるぞ。」

そう言いながら、シャインが刀に手をかける。

「待って。」

レビィがその行動を止める。

「何だよ?」

シャインが戦いたくてウズウズしながら聞く。

「ただ戦うだけじゃ嫌。条件を付けましょう。」

「条件?」

「そう。もし私が勝ったら私のことを夜叉女って呼ばないで。」

レビィの真面目な顔に、

「いいだろ。」

シャインが承諾する。

「でも俺が勝ったらお前を夜叉女って呼ぶし、かつ、今月の寮代払いな。」

シャインも条件を付ける。

「寮代っていくらなの?」

レビィがエアルに聞き、月1000とエアルが即答する。

「いいわよ。」

レビィが承諾する。

「じゃあ…いくぞ。」

シャインが鞘から刀を抜き、馴れたようにスッと構える。だかレビィは抜いた刀が小さく震えていた。

「? どうしたの?」

エアルが震えていることに気が付き尋ねる。

「お前、まさか刀で戦ったことないのか?」

シャインの勘が当たり、レビィがコクりと頷く。

「だって私魔法使えるようになったの1年前だよ。まあ、剣道は小さいころからしてたけど。」

言い訳のように話す。

「やっぱりやめようレビィ、あいつ一応魔法科の人の中でトップなんだよ。頭は残念だけど。」

エアルがシャインを指しながら説明する。

「頭は関係ないだろ。」

シャインが当たり前のようにそのフレーズに怒る。

「でも、ここまできたらもう引き下がれないよ。」

そう言って、レビィはグッと両手で刀を握って震えを止めた。

「話が分かるじゃないか、いくぞ!」

シャインが刀を構える。

「うん!」

レビィが刀を剣道の持ち方で構えると、レビィの体と刀から黒いオーラが現れた。

(あれが、夜叉魔法…)

エアルがそう思った同時にぐらいにシャインが地面を蹴った。

(速い…)

レビィは最低限の動きでかわし、後ろから刀を上から振り落とした。だか、シャインは一瞬で振り向きレビィをガキンと受け止める。

「やるじゃねぇか。」

シャインがニヤリと笑う。

「あんたこそ。」

対抗するようにレビィも笑う。

シャインはレビィの刀を振り払い、間合いをとる。

「これでも食らいな、[閃風波(せんふうは)]!!」

シャインが三日月型の衝撃波をレビィに放つ。

「えっ!?」

レビィは驚きながらも横に飛びかわすが、転んでしまった。

「次は逃がさねぇ。」

シャインは衝撃波を溜めて、転んだレビィに狙いをつける。

「ヤバい。」

さすがに諦めかけた瞬間、

「ダメーーーー!」

その声に二人は声の主を探すと、何処にあったのか知らないが、かわいいピンク色の杖を構えているエアルを見つけた。

「[フェアリーライト]!!」

エアルが唱えると、数個の光の玉がシャインに向かって行き、目の前で弾けた。

「うっ…」

すさまじい閃光にシャインが目をつぶった。その瞬間を逃さず、レビィはすかさず立ち、シャインに向かって地面を蹴り、刀を吹っ飛ばして刀を眉間で止める。宙に舞った風砕牙が地面に突き刺さり、グラウンドに流れる風の音しか聞こえないほどしんと静かになった。

「勝負ありね。」

レビィがシャインに向けていた夜桜を鞘に入れる。

「ちっ、何すんだエアル!」

地面に刺さっている風砕牙を引っこ抜きながら睨んだ。

「だって、あのままにしてたらシャイン殺しそうだったんだもん。」

止めた理由を言ったエアルにシャインはため息をする。

「たく、別に殺しはしなねぇよ。」

そこにがっちりした体をした、体育の先生がこちらにやって来た。

「こらー何やってんだお前たち!」

すごく怒りながら、3人の顔を見る。

「ちっ、さすがにバレたか…」

シャインが舌打ちする。

「もしかしてシャイン、許可とってなかったの?」

レビィが聞くと、

「ああ。」

と、即答する。

「もう~許可ぐらいとってよ!」

エアルが怒る。

「何でもいいから3人とも生徒指導室に来なさい。」

そのまま3人は先生に連れられ、こっぴどく叱られた

説教が終わったころには夕日がキレイに校舎などを照らしていた。

「もう、シャインが口答えしなかったらもうちょっと早く終わったのに。」

エアルがブーブー言う。

「終わったからいいじゃねえか。」

反省の色なしのシャイン。

「初日から怒られた。」

レビィがしょげる。

「気にすんな。」

他人事でシャインが言う。

「そういえばあの条件はどうなったの?」

エアルがふと気がつく。

「一応私が勝ったから、私の条件、聞いてもらうわよ。」

レビィがシャインに指を指す。

「あれはエアルが邪魔をしたから無効だ。」

そう言って寮に帰ろうとする。

「ちょっと!約束が違うじゃない!」

怒るレビィを尻目にヒラヒラと手を振る。

「なんて勝手なの。」

レビィがあきれる。

「ああいうやつなの。」

エアルも同意する。

「じゃあな『レビィ』。」

そう言ってまた手を振る。そのまま振り返らず寮に消えた。それから数秒後にレビィは気が付いた。

「今、シャイン私のことレビィって。」

「あっ!」

エアルも気が付く。

「ふふ。」

「あはは。」

二人はお互いに顔を見て笑った。

「これからよろしくねレビィ。」

「うん!こちらこそよろしくねエアル。」

二人とも挨拶をして、バイバイとエアルが寮に帰っていった。

(シャインもよろしくね。)

そう思いながらレビィも自分の家に帰っていった。




 レビィの魔法学園の暮らしがこうして始まった。

龍空高校の説明

・校舎全体をレンガの壁で囲まれている。

・グラウンドはレビィたちがいた校舎の裏にある。

・龍空高校の広さは、東京ドーム3つ分の大きさ。


少しは分かってくれましたか?

次回を楽しみにしててください!

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