さくもつさんのごはん
エミ「おじさんクサイです!」
農夫「悪かったな。」
農道にて幼女と農夫が向かい合う。
エミ「それなんですか?」
幼女は農夫が天秤棒で肩に担ぐ桶の中身を聞く。
農夫「糞と小便だよ。」
エミ「そんなものどうするんですか?」
農夫「"そんなもの"とは何だい、作物の大事なメシさ。」
エミ「"さくもつさん"は"うんちさん"を食べるんですか?」
農夫「そうだよ。お嬢ちゃんの友達にも教えてやんな。」
エミ「シルヴィアさん達に教えて来ます!」
農夫「おう、行って来い。」
幼女はそう言うと農道を元気に駆けて行く。
エミ「う~んち♪う~んち♪」
日本家屋まで駆けて来た幼女、自宅の様だ。
幼女は勝手口をタンッ!と開ける。
エミ「シルヴィアさん!」
土間の台所にメイド服を着た女給が居た。
シルヴィア「おかえりなさいませエミさん。」
桶に貯めた清潔な水に手ぬぐいを浸して絞り、幼女の手を拭く女給。
エミ「"さくもつさん"はうんちさんを食べるんですよ!」
幼女は先程農夫に教えてもらった事を早速女給に教える。
シルヴィア「そうなんですか、エミさんは物知りですね!」
女給はそう笑顔を向けながら幼女の顔を手ぬぐいで拭く。
幼女も笑い返すと満足げに家の奥へ上がって行く。
エミ「樒様!」
バン!と戸を開ける幼女。
樒「ブッ!!」
茶を飲んでいた狐耳の壮年の男が噴き出す。
エミ「"さくもつさん"はうんちさんを食べるんですよ!」
樒「ブーッ!!」
更に噴き出す男。
樒「メシ前にそんな話は止しとくれ・・・。」
そう言いながら男は口を手ぬぐいで拭く。
エミ「樒様知ってましたか?」
幼女は得意げに言う。
男は一瞬の間の後。
樒「知らなかったよ。エミくんは博識だね!」
と笑いかける男。
更に満足げな顔で家の奥へ駆ける幼女。
エミ「千鶴さん!」
またもやバンッ!!と戸を開ける幼女。
千鶴「なんじゃ?」
刀の手入れをしている狐耳の女が動じず返事をした。
エミ「"さくもつさん"はうんちさんを食べるんですよ!」
女は納刀し、一瞬の間の後。
千鶴「そうか。では"うんちさん"から生まれた神は知っておるか?」
幼女は仙人の様なひげを蓄えたうんちを想像する。
千鶴「女神の姿をしておる。」
幼女は天女の様な姿をしたうんちを想像する。
千鶴「糞の姿はしとらん。」
そう女は苦笑いする。
エミ「どうしてそのような神様がいらっしゃるんですか?」
千鶴「田畑の神とされておるな、田畑を守る神としてヒトは祀ってるそうじゃ。」
女は人差し指を立てる。
エミ「ありがたい神様です!」
千鶴「そうじゃな!」
二人とも笑顔で顔を合わせる。
千鶴「ほれ、メシは食うたか?」
エミ「お腹ペコペコです!」
そう言って居間へ向かう女と幼女。
千鶴「エミ殿がワシに教えてくれた話は誰から聞いたのじゃ?」
エミ「うんちさんを持って歩いてたおじさんからです!」
千鶴「・・・そうか、では今日からエミ殿もそのおじさん達に感謝してメシを食おうな!」
エミ「はい!」
居間に行くと狐耳の青年が居た。
青年「そこは神の恵みとか言わないんスか?」
青年は女の部屋から漏れる幼女と女の話を聞いていたようだ。
千鶴「信仰心で腹は膨れぬ。」
青年「ごもっとも。」
END




