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第5話

「ラビィさんに、最初に話しておかなければならないことがあります」


フィニスの言葉に、部屋の空気が静かに張りつめる。


ラビィは背筋を伸ばしたまま頷いた。


「はい」


フィニスは一度だけ視線をメンバーに向け、そしてラビィを見る。


「現在運営中のフルダイブVRMMOクロノス・レガリアですが——」


ラビィの胸がどくんと鳴る。


「サービス終了が決定しました」


一瞬、意味が理解できなかった。


「……え?」


椅子が大きな音を立てて引かれる。


ラビィは思わず立ち上がっていた。


「い、いつ終わるんですか!?」


フィニスは落ち着いた声のまま、ラビィの肩に手を置く。


「座って、ラビィさん」


ゆっくりと促され、ラビィは再び椅子に腰を下ろす。


指先が震えている。


「半年後よ。そろそろ運営チームから全ユーザーに正式な通知が出ると思うわ」


ラビィの視界が揺れる。


半年。


たった半年。


あの世界が、終わる。


仲間たちと過ごした時間。戦い。笑い合った日々。


全部が、終わる。


「そんな……」


小さくこぼれた声は、自分でも驚くほど弱かった。


フィニスは静かに続ける。


「でもね。ここからが本題よ」


ラビィは顔を上げる。


フィニスの瞳はまっすぐだった。


「私たちのプロジェクトは、《クロノス・レガリア》の続編を開発するチームです」


室内のモニターが一斉に起動する。


見たことのないロゴが、空中に浮かび上がった。


《クロノス・レジェンズ》


ラビィは息をのむ。


「続編……」


「大筋の開発はすでに進んでいるわ。でも」


フィニスはラビィを見つめる。


「ラビィさん。貴女には前作のトッププレイヤーとして、《クロノス・レジェンズ》の新アイデア提案と——」


一拍置いて告げる。


「兼任でベータテスターをお願いしたいと思っています」


ラビィの思考が止まる。


「ベータ……テスター!?」


声が上擦る。


後ろでナナミが小さく笑い、ショーンが腕を組んで頷く。


「そりゃ心強いな」

「トッププレイヤーの実戦データは貴重っス」

「これは助かる……」


メンバーたちは納得した様子だった。


フィニスは続ける。


「続編のサービス開始時期はまだ未定。でも、できるだけ《レガリア》の熱が冷める前にリリースしたいと考えているわ」


ラビィの胸の奥に、さっきまでとは違う熱が灯り始める。


終わる世界。


でも、新しく生まれる世界。


「まあ、しばらくの間は……」


フィニスが少しだけ柔らかく微笑む。


「みんなの開発のお手伝い、という感じかしら」


ラビィはぎゅっと拳を握った。


悲しみは消えていない。


でも、それ以上に——


「は、はい!!」


声がひっくり返る。


「せ、精一杯頑張ります!!」


一瞬の静寂。


そして。


部屋に笑い声が広がった。


「いい声だなぁ」

「元気すぎっス」

「将来有望だな」


ラビィは真っ赤になりながらも、必死に前を向く。


終わりが来る。


でも、それは——


新しい伝説の始まりでもある。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございました。


《ブックマーク》や《評価》を頂けると大変励みになります!


更新は毎日致しますが、2話更新に変更致します。


平日:7時頃、19時頃の1日2話

土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話

です。


また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!

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