島詩
蒼き空見て 陽は登り
深き海見て 陽は沈む
沈む夕陽を 追いかけて
空に漂う 鴎達
明日は吉かと 問うけれど
知らぬと漂う 鴎達
浅瀬の波と 人の波
緑の山と 鉄の山
遠く離れた 古里も
島も何処かは 相通ず
違うは人の 気持ちなり
誰かを想う 心なり
降る霧雨は 浅瀬まで
空吹く風は 頂きに
島の火を呑む 雨と風
火の島興す 人の子ら
人の子集い 雨を待つ
人の子死せば 風に帰す
自由気ままな 夏の旅
旅先で会う 水と風
水はこの身を 清めつつ
風は心を 育まん
自由な旅の 日暮らしに
笑顔もあれば 泪も然り
潮風香る 石垣や
海へ行く道 帰る道
青葉の上の 雨露の
滴る先を 見つめつつ
紅葉を散らす 憂き顔は
奥に秘めたる 恋心
ついに眠れぬ 熱帯夜
独り庭にて 空を見る
煩い程の 夏の虫
眩しい程の 御月様
手など届かぬ その高さ
月光垂るる 小さき手
高台までの 登り坂
手を取り取られ 歩む道
見渡す海の 輝きに
瞳を焼いた 夏日の出
つむった口も 話さずに
握った手をも 離さずに
山に生まれし 結いの池
遠浅の波 望む島
浜辺の亀の 美しき
御天道様の 輝きし
夢に現る 雨の神
天読む力 授けたし