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リンカネーション《輪廻転生》:始めよう…悔いの無いように… 〜あぁ、この異世界人生に幸福を〜  作者: プンプン丸
第三章 魔境大陸編 〜生と死は、いつも紙一重〜
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第五節 実戦訓練

「それでは、お邪魔しました!」

「うむ…最後に、幾らばかりか路銀を持って行くと良い。」


カルバーナはそう言って、俺に小さな皮袋を渡してくれた。

これはありがたい、今はどうこう言ってられる場合じゃないしな。

貰えるものは、なるべく貰っておきたい。


中身を開けると、アムスフィア硬貨とはまた違った瑣末な形や物で作られた硬貨だった。

これも、辞典で読んだ事がある。


砂利の塊の様な硬貨が砂銭=1円が五つ

石で出来た銭が石銭=10円が四つ

鉄で出来た銭が鉄銭=100円が三つ

鉱石で出来た銭が鉱銭=1000円が0


と言った感じだ、これくらい有れば宿では5日程は泊まって行けるらしい。

ひぇ〜マジか、アムスフィア王国ではあり得ない安さだ…それほど、魔境大陸が貧相で過酷な土地なのだろう。

まぁ、貧相かどうかは分からないが…


「ありがとうございます!」

「旅の武運を祈っているよ。」


俺達は、フェリエノ族の村を後にした。


見ず知らずの俺を受け入れてくれた彼等には感謝しなければ、もし俺が有名になって金が稼げるようになったら恩を返そう。




ーー


俺達が次に使う街までは、歩いて5日ほどかかる場所にあるらしい。


また歩く羽目になるとは…仕方が無い。

それにしても、セタンタが居てくれて助かった…俺一人だったら詰んでいたかも知れない。


こんな何も知らない場所に、いきなり飛ばされて何の支度も出来ずに、何の道も知らずに家まで帰れと言われても絶対に不可能だろう。

そして、セタンタは強い…強すぎる。

魔物の戦闘に関しては、全て槍で一突きで殺している。

当分の間は、彼に任せていれば安心だろう。


しかし、そうはいかない場面が出てくるかも知れない。


例えば、何かしらの事が原因でセタンタが戦闘不能或いは死亡してしまった時だ。

その場合、一人残された俺は、ほぼ戦闘経験の皆無の俺は間違いなく秒殺。


だからこそ、ここで俺もある程度の戦闘を行なっておきたい。


丁度良いところに、魔物が現れた。


「うし、下がってろ。」

「僕にやらせて下さい。」


俺が、そう言うとセタンタは驚いた様子で俺の方を見る。


「セタンタさんだけに、負担させる訳には行きません。それに、僕だって戦士です。」

「そうかい、なら戦ってみろ。危なそうだったら直ぐに助けるからな。」



現れた魔物は、身体の全てが骨で構築された2メートル超えの巨体を持ったスケルトンウルフの群れ。

ただの動物だった狼が大気中の"魔素(マナ)"を長年に渡り吸い上げて、その許容量を超えて変異し全身の皮膚が焼け落ちた少しグロテスクな魔物。

スケルトンウルフの他にも、様々な種類が存在する。


例えば、全大陸で発見されるワーウルフ。

こちらは数多くいるウルフ種の中でも最弱に分類されており…力も弱く、動きも遅いので、戦闘経験が浅い者でも簡単に対処できてしまう。

次に、森林地帯でよく見かけるのが…風魔法を操るグリンウルフ。

こちらは、亜境大陸の神林に生息しており、エルフなどの亜人の戦士の最初の敵としても有名だ。

どの種類のウルフ達の行動パターンは決まっており、必ず5匹かそれ以上の群れ。

雄が1匹、雌が4匹のハレムで行動している。


このスケルトンウルフは、こう言った魔境大陸などの乾燥地帯に存在しており、全身骨なので他のウルフよりも素早く手強いらしい。

骨の部分に関しては、脆くとても燃えやすいので野宿の際の焚き火の必需品となっている。


確かに、俺とセタンタが出会った時の焚き火も何かの骨の様な物が燃えていたからな。

あれが恐らく、このスケルトンウルフの骨なのか?


「ダイン、そいつは今晩の焚き火の薪部分になるから、お前の得意な炎の魔法は使うな。水は使っても良いが、その分乾くまで時間が掛かるから出来れば使うな。雷の魔法は、無効化されるから使うな。」

「わかりました。」


すごい、アドバイスをしてくれる。

とても、ありがたい。


それにしても、一人で魔物と戦うのは久しぶりだな。

師匠との実践訓練以来かもしれない…対人はつい最近までやっていたが…まぁ、大丈夫か?


はぁ、ここにクロセルが居てくれれば…前線を安心して任せられたのになぁ…っと、そんな事を考えている暇はないな。


俺は、杖を構える。


そして無詠唱で、スケルトンウルフの周りに巨大な岩の壁を生成する。

あれ、最低限の魔力しか込めて無いのに…やけに大きいな…あ、この陽を総べる魔杖(アマテラス)は、日中は魔法の効果が倍増するんだったか?


まぁとにかく、これで奴らの進行方向を塞ぐ事には成功した…スケルトンウルフは突然の事に酷く動揺している。

狙うなら今しか無いな。


再び、杖を構える。


使うのは岩魔法の岩石砲・連弾(ストーンガトリング)…本来の魔法には無い技だ。

師匠との魔法の授業の中で、生み出した技術。


本来は、一つずつ放つ岩石砲(ストーン)を元の世界の知識にあるガトリング砲の様に連続で放つ。

仕組みは自分でも、よく分かって居ないが…俺の背後に岩石砲(ストーン)を幾つも生成し、それを風魔法で高速に回転させ熱を加え、後は、魔力を込めて放つだけ。

放った瞬間から、弾丸を装填するようにストーンを生成し続ける事で完成する。


「さぁ、ありったけ喰らうがいい!ーー連弾岩石砲(ストーンガトリング)!」


その声と同じタイミングで、引き金を引くように魔力を込めると…凄まじい回転量で起きた熱と速度が込められた岩石砲が、休む間もなくスケルトンウルフに使って撃ち続けられる。


ドガガガガガガガガガガッ!!


と言う、まるで本当に重機関銃から弾丸が放たれてるかの様な音を鳴らしながら雨のように降り注ぐ。

うほぉ〜、爽快爽快!


魔法って最高!

普通に生きてたら出来ない様な、事が魔法さえ有ればこんな簡単にできてしまう…転生ありがとうっ!


やがて、撃ち終わると…スケルトンウルフは跡形もなく消滅してしまった。


「あ…」


やっべ、やらかした…つい、思ったよりも魔法が高性能で楽しすぎて忘れてた。

叱られてしまった…慎重なのは良いが、やり過ぎるのも良く無い…と。


その後も、ある程度危険の低い魔物を選びセタンタ指導の元で戦闘訓練を行った。

そこで感じたのは、やはり前衛の重要性。


前に出て戦う人間が居ないだけで、後衛の魔法使いなどは動きや距離の取り方がかなり難しくなる。

冒険者に前衛と後衛の役割がしっかりと揃えられている理由が分かったような気がした。


結局ーーこの日は、他にも四種類程の魔物達と戦闘を行った。


セタンタのサポートやアドバイスを受けながら、さほど苦戦せずに戦う事が出来たのは良かった。

しかし、どうも俺の魔法は規模が大きくなってしまうので、集団の中で使うには一苦労しそうだ。

特に、セタンタを前衛にして魔物と戦った時は調節が難しく当ててしまいそうになった。


ここら辺は、もう少し上手く調節しなければいけないだろう…とまぁそんな訳で、あっという間に夜となった。

どうやらこの魔境大陸は、時間の間隔がバラバラらしく…朝や夕方が長い場合もあれば、夜の時間が長い場合がある。

今日は、正に夜が長い日。


勿論、夜は野宿だ。


今日のディナーを紹介しよう。


榎茸鬼の、2本の腕を炒めた物とロック鳥の丸焼き。

よく分からない魔物を喰らうのは抵抗があるが、食わないと生きていけないので勇気を振り絞って食べてみた。

が、驚く事にこれが美味い、ロック鳥の丸焼きは更に美味い。

日本でも鶏肉はどんな物でも美味しいが、コイツはその倍以上だ。

因みに、味付けはしていない…それなのに、ほんのりと塩の風味が口の中に広がっていく。


セタンタが、オススメするだけはある。

榎茸鬼の腕は、逆に不味い。

なんか、味のしないキノコを食べているみたいな感覚だ。


「ダイン、お前は魔法使いとしては一人前以上だ。」


急に、セタンタがそんな事を言ってきた。

これにはとても驚いた…暫く、何を言われたのか分からなかった。

褒められたのか、素直に嬉しい。


「だが、決して慢心はするなよ。慢心は、命取りになるからな。」

「分かりました。」


なるほど、流石は戦士。

こう言った彼の助言は、必ず役に立つので頭の中に入れておこう。

それにしても、ヒッポリュテとクロセルは無事なのだろうか…あの光に飲み込まれたのは俺達だけなのだろうか…


それをセタンタに愚痴ったら、他人の事を考える前にまずは自分の命を優先させろと叱られてしまった。

確かに…他人の事ばかりを考えて自分の命を疎かにするのは危険かも知れない…はぁ、今日は疲れた…寝よう。



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