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リンカネーション《輪廻転生》:始めよう…悔いの無いように… 〜あぁ、この異世界人生に幸福を〜  作者: プンプン丸
第一・五章 家庭教師編 〜氷の令嬢の溶かし方〜
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第八節 不幸の予兆



ーー半年後


盛大な出来事はあったか?と聞かれると確かにあった。


何があったって?

簡単に言えば、クロセルの誕生日パーティーがあった。


何でも、彼女は俺と一番初めに出会った時は10歳になる数日前…つまり9歳。

その数日後には、親戚などの貴族を読んで盛大な誕生パーティーを行う予定だったのが…その当日は例の誘拐未遂事件の真っ只中…パーティーどころでは無かった為に、半年遅れでパーティーが行われる事になったのだ。


その誕生日パーティーには、俺も参加する事となりお嬢様と一緒にペアを組んでダンスをして欲しいとメイドさんに頼まれてしまった。


まいったものだ…生まれてこの方ダンスとは無縁の人生を歩んできた俺にダンスをしろって?恥をかくに決まってる。

まぁでも、あのクロセルの事だ…ダンスなんて面倒くさい行事なんて練習してる訳ないし下手くそだろ。


そう思っていたのだが…


「ふっ、残念ね!私は、ダンスの練習は頑張っているのよ!」


う、嘘だろ…き、君だけは俺と同類だと思っていたのに!

こにょ、裏切り者めがァァァァァァァァァァァァア!

しかも、めっちゃ嘲笑って来やがる…悔しい…よし、メイドさんにダンスの練習に付き合ってもらおう。


そこで、完璧なダンスを見せてギャフンと言わせてやる!


そう言うことで、早速俺はメイドさんの元に向かってダンスを教えてくれと頼んだら快く引き受けてくれた。

その日から、授業が終わり暇な時間が出来たらメイドさんと一緒にダンスの練習を頑張った。




ーー


教えてもらってから、数日。


最初の頃は、ダンスの基本のキの字も分からなかった俺だけどメイドさんの指導の賜物で、ステップ位は踏めるようになりました。

決して彼女は教え方が特段に上手いと言う訳では無いが、不器用ながらもしっかりと教えてくれるのでやる気が出るものだ。


助かったのは、ダンスと言ってもそこまで派手で難しい物を踊るのではなくあくまで披露会みたいな簡単な動きしかしないようなダンスだから、やる事は至って簡単なものしかない。


リズム感とある程度の運動神経さえあれば、簡単に覚えられる。

そんな事だから覚えるのに、一週間は掛からなかった。


クロセルよ…あんなに嘲り笑っていたと言うのに、肝心のダンスは簡単ではないか…

とは言っても…クロセルのステップには多少のぎこちなさがあるような気がする…まぁ、問題ないだろう。


流石は何ヶ月もダンスの先輩だ。


尊敬はしないが、賞賛はしよう。


んー、クロセルは、剣の舞をした方が似合いそうだよなぁ…チャイナドレス何かを着て踊ってみて欲しい。


パーティーまで残り後一ヶ月か…それまでには完璧に仕上げようと思う。



ーー


そして、一ヶ月後。


ようやく誕生日会が始まった。


と言っても、誕生日会の裏ではこのアスポロトスの家と交流を持ち経済的に地位を向上させようとするような下級貴族や中級貴族のむさ苦しいおじさんや、厚化粧をした令嬢らしき女性達が群がっている。


やれやれ、貴族と言うのは思ったよりも面倒くさいらしい…


しかし、流石は伊達にアスポロトス家と言う事なのか次々と酒の入ったグラスを手に持ち近付いて来る貴族達をユージンやリエッタさんは上手くそして不快にさせないように躱している。

まぁ、仮に揉め事を起こそうとしても最強の護衛である"剣帝"ヒッポリュテに鎮圧されてしまうしな。


ジュネーヴに関しては、放つオーラが桁違いで貴族達は恐れ慄いているのか誰も近づこうとしない。

クロセルも人気なようだ。

まぁ大貴族の娘だしな。

最後の手段としてクロセルに取り入ろうとしている者もいる。


それだけでは無い、彼女は贔屓目に見てもバカ美人だ。

彼女の容姿ならば大抵の男は選び放題だろう…俺の予想通り、貴族達は自分の息子を!とか言って取り入ろうとしている。

明らかに好青年な男性とか、無駄に偉そうなチャラ男とか様々なモブキャラが頑張っている。

が、全てあしらわれている。


ふふっ、こう言う光景を見て憐れに思って嘲笑うのって皆んな好きだよね。


あ、因みに俺はヒッポリュテと同じく会場の隅で二人仲良く豪華な料理を頬張っている。

タダ飯最高!


それから暫くして…遂にクロセルお嬢様のダンス披露の時間がやって来た。

ついでに、オラも。


多くの貴族に囲まれながら、会場の中央でたった二名でダンスを行う。

案の定、お嬢様は緊張している。

だが、日々の練習の成果のお陰なのかダンスの方は全くもって問題ない。


だから、俺はお嬢様に声を掛けるだけで済んだ。


「大丈夫です、いつもの調子で行きましょう!」

「わ、分かってるわよ!」


そんなやり取りを皆んなが聞こえないような小さな声で、続ける。


最後は、手を繋ぎ二人揃って一礼をする。


会場は、拍手喝采。


誰一人として非難する者はいなく、皆が俺たちを称賛してくれた。


それからも会は続いた、皆んなが楽しそうにダンスをしているのを見つめるのも悪くはない。

途中で、ヒッポリュテと踊ったり…名前も知らないかわい子ちゃんからダンスを申し込まれたり、俺を女だと勘違いした貴族のバカ息子が結婚を申し込んで来たりととにかく色々大変だった。


悪意の色を持った貴族達も居たが、"剣帝"の存在と隙を見せない圧倒的な貴族感を醸し出すアスポロトス家を前にしては何も出来なかったようだ。


最後には、もう一度俺の方からクロセルを誘ってダンスを行った。


ユージン、リエッタ、そしてジュネーヴ達はそんな様子をとても微笑ましく見ていた。


うん、たまには悪くないかな。



ーー


楽しかったパーティーが終了した。


そのあとは、俺とクロセルとヒッポリュテの3人で集まってプレゼントを渡したりと楽しんだ。


俺は、クロセルには彼女のイメージに相応しい美しい氷の結晶を彷彿とさせるイヤリングをプレゼントした。

杖を渡そうと思っていたが、それだけでは少し物足りなさを感じたので追加でプレゼントをした。


クロセルは、物凄く喜んでくれた。

一生大切にするわよ!なんて言って渡した瞬間に、耳に付けていた。


「嬉しい!」


可愛い。


ヒッポリュテにも、プレゼントをした。

誕生日ではないが、お世話になっているのでお礼のつもりで。


プレゼントしたのは、真ん中に綺麗な赤い宝石が付いているチョーカーをあげた。

男らしい性格の彼女の事だから喜んでくれるか不安だったが、ツンデレムーブを行いながら無意識のうちに装着していた。


「なるほど、ダインは私を奴隷扱いしたいとはな。」

「へ?ち、違いますよ?

そう言う、オシャレなんです。」

「そうなのか?」

「似合ってるじゃない、ヒッポリュテ!」


ふぅ〜、いきなり何を言い出すんだ!と、思ったが喜んでくれたので良しとしよう。

ヒッポリュテは、クロセルに一本の剣をプレゼントしていた。

何でも、部族に伝わる貴重な剣らしく…持ち主の潜在能力を引き出す力があるらしい。



用事も終わったので、部屋に戻ろうとすると二人に呼び止められた。

どうしたんだろう?と思っていると…二人は大きな布に包まれた何かを持って来て俺に手渡して来た。


「私とヒッポリュテからのプレゼントよ!」

「日頃から、世話になっているからな。感謝の気持ちだ。」

「ありがとうございます、二人とも!」


早速、布を開くと…包まれていたのは分厚い一冊の本だった。

え、コレって…


「あの日、お前がとても物欲しそうに眺めていたからな。」

「あの後に、お父様達に言って内緒で買って来たの!」

「嬉しい…本当にありがとう!」


こうして、楽しいパーティーは幕を下ろした。




ーー


その日の、深夜。


中途半端な時間に目を覚ましてしまった俺は、外の新鮮な空気を吸おうと何処か良い場所は無いかと家の中を散策する。

すると、まだ行った事の無かった部屋を発見した。


その部屋を開けてみると、上へと続く螺旋階段が中央に佇んでいた。

何処まで続いているのか気になって、上がってゆくととある場所に辿り着いた。


どういった場所なのだろうか…場所的にはこの家の最上階。


ん、奥の方に人影を発見する。


「ダインですか。」


そこに居たのはジュネーヴだった。


「どうしたんですか?」

「世界が悲鳴を上げているのよ…耳を澄ましてご覧なさい。」


言われるがままに、耳を澄ましてみる。


ーー『ーーー ーー  ーーーー ーーー ーーーー

     ーーー  ーー  ーーーー  ーーー ーーー』


確かに、悲鳴のように聞こえる。


風の音ではない、今日は無風…風など吹いていない。

魔物の叫びでもない?…何処か、不吉な…何かが起こりそうな予兆だ。


「ダインよ…もし、我々の目の届かぬ場所で我が娘が危機に陥った時…娘を貴方が守って欲しいのです。」

「?わかりました。何も起きない事を祈りましょう…」

「ええ、そうね。」


何でも、この唸り声らしき物は数年前から聞こえていたらしい。


本当に、何も起こらないことを祈るしかない。

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