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第一節 転生

再び目が覚めると、引人は天井を見つめていた。

見知らぬ天井…自分の部屋の天井では無いようだ…。


起きあがろうとするが、身体が思う様に動かない。

頭もとても重くて動かしづらい…一体これはどうなっているのだろう。


そんな事を思っていると…部屋の扉が開く音と共に一人の綺麗な女性が引人の顔を覗き込んできた。

だ、誰なんだ…?

日本人とは程遠い顔立ちをしている…それに外国人とも違う様な…

自分が置かれている状況も理解した…どうやら赤ん坊に転生してしまったみたいだ。


此方を覗き込んで来た女性は…優しく微笑みながら引人を抱きかかえた。

金髪の美しい髪の毛、青色の瞳をしたとても優しそうな雰囲気を持った女性。


その隣には、同じく金髪の短髪がよく似合う色男がソワソワとしながら恐る恐る引人の頭を撫でる。

ふむ、推察するにこの男女が俺の両親と言うことか。


「可愛らしい子ね…そう思わない?」


あれ?

この異世界でも元の世界と同じ様に日本語なのか?…と思ったけど言葉が通じるのか?


「ああ…そうだな!」


一方の、父親の方はぎこちない返事を返す。

不器用な性格だと見た…


「うぁー、あぃ!」


引人は短い手足をバタバタさせる。


うん、やはり間違いない。

俺は赤ん坊だな…それにしても赤ん坊って随分と不自由だな…親の助けが無いと動けないし、食事も取れない。

おっと、待てよ…もしかして、母親のおっ◯いを飲まないといけないのか!?

まぁ、そこら辺は仕方ないか…ラッキースケベって思っとけば問題ないか!


ふむ…どうしたのだろうか…いきなり両親と思われる男女が、引人の顔を見て心配そうな表情をする。


「この子、泣かないわねぇ…心配だわぁ…」

「そうだな…何処か悪いのだろうか…」


やっべ、そうだよな…普通の赤ちゃんは生まれたらすぐに産声を上げるんだったよな。

なんか、いざとなると恥ずかしいな…


「ふぇ〜、ふぇ〜ん!!」


引人は、迫真の産声演技を披露する。


そうすると、両親は「泣いた!泣いた!」と二人で抱き合いながら涙を流した。

少し、大袈裟だと思ったものの親ならそう言うものなのかな。

まぁ、一件落着って事で。









              ◇


ーーあれから半年 


産まれて間もなかった赤ん坊だった引人も、半年の月日を経て分かった事がたくさん見つかった。


この頃になると、ハイハイが出来るようになったのでこれまで出来なかった事も出来るようになったのはとても喜ばしい事だ。

ハイハイで家の中を見て回ってみたのだが…やはり、日本とは違って家の構造もだいぶ変わっている。


当たり前?だが、家電製品らしき物は見当たらずに一昔前の日本の様な生活を送っているみたいだ。

木製の食器に机、家具も少し鉄製の物もあるが殆どは木製の物で揃えられている。

でも家は結構広いようで、家の外には庭園の様な物が存在している。

美味しそうな果物が成る木や色々な不思議な花などが植えられている。


これから推察するに、この家は裕福だ。


更に驚いた事に、この家には使用人らしき人が二人居る。

二人とも女性のメイド…しかも、結構可愛い。


家も結構大きくて二階建てで、部屋は一階と二階を合わせて六つ以上も存在する。

元いた、自分の家は決して裕福とは言えない家庭だったのでとても嬉しい。


家の外を見渡す限りは、自分が今暮らしている場所はかなり田舎で一面に田んぼが広がっている。

ここなら、のんびりと暮らせるんじゃないか…と思っていたけど、俺には女神から頼まれた使命がある。


それでも、暫くの間は自由気ままに生きてみようと思う。


この世界では決して悔いの残らない様に…もう2度と後悔しない生き方をしよう。


あ、でも欲望には忠実に行きますよ?

それが俺の、新たな異世界生活の始まりだ。


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