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第十三節 友達との出会い

そんな訳で、師匠達は旅に出た。


旅立った数日間は、家族全体がしんみりとした雰囲気が流れていた。

俺は二人の事を決して忘れない様に、土魔法で彫像を作った。


更に、自分の部屋には師匠の使用済みTバックとブラジャーを師匠型の土人形に着せたまま飾ってある。

おっと、言ってなかったが…俺は土魔法を上手く工夫して等身大ほどの大きさのマネキンを創れるまでに成長した。


因みに、師匠のスリーサイズは把握済みさ!

師匠が深い眠りについている間に部屋に忍び込んでスリーサイズを測っていたのさ!


我ながら完璧だろ?


まぁでも、家族にはバレる訳には行かないので普段は布で全部隠している。

ニーニャとアルマには知られている…と言うかあの二人は俺が気付かない内にいつの間にか部屋に忍び込んでいる。

全く、困ったものだ。


もう少し俺が成長したら、あの二人にはエッチなお仕置きをしてやらないとなぁ…ぐひひ♡


ニーニャは言うまでも無く…アルマに関してもまだ十代だと言うのに順調に育ってくれているので最近はそっちにばかり目が行ってしまう。


おっと、話が少し変な方向に向かってしまった。


師匠が俺を外へと連れ出してくれたあの日から、何の恐怖もなく外に出る事が出来るようになった。


外に出てみるとそれはもう全くと言っていいほどに、見える景色が違った。

今日も外に出ようと思うのだが、いつもは家の近くしか行った事が無いので少し遠出をしてみようと思う。


そんな訳で家の外へ出ようと玄関を出ると、イアソンが剣の鍛錬を汗を流しながら行っていた。

剣を振っていたイアソンが俺の姿に気付き、話しかけて来た。


「おう、ダイン!

何処へ、行くんだ?」

「父さま!少し外へ遠出しようと思いまして!」

「そうか、もう外は怖くないんだな?」

「はい…もう大丈夫です!それじゃ、行って来ます!」









ーーー


さて、いざ外に出てみると大変心地がいい。


空は青々として実に気分がいい。

一面が綺麗な畑に覆われた景色も悪くない。


すれ違う人達はみんな優しい、挨拶をしてくれる。

ふむ…道行く人々の間では俺は少し有名人。


何でも、この村を治める下級騎士貴族のイアソンとイヤシスの息子にしてあのマーリンの弟子であるからだ。

皆んなの笑顔が眩しい…お、かわい子ちゃん発見〜


さてと…村から少し離れた森へとやって来た。


イアソンの話ではこの森を少し抜けた所には田舎には似つかぬ美しい湖が広がっていると聞いた事がある。

しかし、その森に子供は立ち入っては行けないと言い聞かされている。


理由は、村から少し離れたこの森にはE〜C級の魔物が彷徨っているからだ。

この森は他の場所と違い魔素(マナ)が濃く魔物の出現率が高いのだ。


よく分からないが、師匠の話ではこう言った森などの入り組んだ場所には魔素(マナ)の濃度が高く魔物の生まれる量や確率も高くなるんだとか。


そう言うことで、イアソンは騎士でもあるのでよくこの森に魔物の討伐を行う為に家を空ける事が多い。

棲み着いた魔物が巣を作っている事があるので数ヶ月も家を空ける事もある。


偶に、子供が遊ぶ為にこの森でたむろする事があるのだが…魔物に襲われて死亡すると言う事もあるのだとか。

俺もイアソンには森に入るなとしつこく注意されている。

ん?

気のせいか?今…森の奥で悲鳴の様な声が聞こえた気が…


俺はこの森に何度か足を踏み入れた事がある。

その時は、師匠と言う立派な強者が同行するからイアソンもイヤシスも許可してくれた。

師匠との魔法の鍛錬の中で魔物を討伐してみよう!と言う名目で訪れた。


まぁ、相手にはならなかったがな。


因みに、魔物にも危険度が存在する。


危険度が低い順から、F・E・D・C・B・A・S級の七つに分けられる。

C級の魔物レベルになると危険度も高く村人や狩人だけの対処が厳しい為にイアソンの力はこの村でもかなり信頼されている。


まぁ、こんな所だろう。


早速、その悲鳴の主を探す為に森へと入る。

森に入って気付いた事なのだが…この森は入る前と比べてだいぶ規模が大きい。

横広く、縦広い範囲で木々が並んでいる。

今の所、魔物の気配は無いが…何だ?少しだけ血生臭いな。


森の奥の方から微かにだが風に乗って血生臭い臭いが漂って来る。


すると、森の奥から激しい轟音が鳴る。


やはり、誰かいるようだ。

急いだ方が良さそうだな…


俺は、身体全体に魔力を巡らせ身体強化を施し駆ける。


辿り着いた先には…一人の騎士の様な鎧を全身に身に纏った子供が推定Cランクの魔物と戦闘を行っていた。

とは言っても、その子供は握っていた剣が折れ、完全に腰を抜かしていた。


魔物はオークだな?

それもジャイアントオーク…C級の中でも上位に入る危険度の魔物か。


「がガァぁあー!」


ジャイアントオークの巨大な腕が少女に振り下ろされる。


大丈夫、俺の魔法の方が速い。



「ーー『岩の絶壁(ロック・ウォール)』!」


まず、岩の絶壁(ロック・ウォール)をあの子供とオークの間に発動する!

その瞬間ーー振り下ろされたオークの腕は岩の壁に激突しボギッと言う鈍い音が響く。


おぉ、日頃の魔法の鍛錬の成果だな。

初級の魔法であの強度は素晴らしい。


怯んだ隙に、攻撃。


「これで終わりだ!ーー『疾風の刺槍(ウィンド・ランス)』!」


その言の葉と共に、俺の手の平から丸太程の太さと長さを持った風の槍が勢いよく放たれる。


「ぶぉ、ぶヒィーーー、ぎぃ、、、」


疾風の刺槍(ウィンド・ランス)は、オークの心の臓を見事に貫いた。

オークはその胸元に風穴を空けて、大量の血を吐き出して倒れる。


ふぅ、上手くいったな。


「大丈夫ですか?」


俺は、フルプレートの鎧を身に纏ったおしっこ漏らしさんにそう声を掛け手を伸ばす。

鎧さんは暫く何が起きたのか分からずに放心状態だったが、少し経つと状況を理解して俺の手を掴んで立ち上がった。


「あ、ありがとうございます…このご恩は忘れません…」


お、おぉ、デカいな…俺の身長が111の俺よりも高い…恐らくだけど124㎝はあるだろう。

俺も5歳児にしては高い方だけど、同い年くらいに見えるこの子の方が高いのは驚いた。


声は割と女性寄りの高さ…む?鎧越しからの身体つきもなんか…


「いえいえ、気にしないで下さい!無事で良かったです!」

「本当にありがとう。えっと、貴方の名前は?」

「俺は、ダインスレイヴ・アスポロトスです。」

「アスポロトス…?まさか、貴方の父はイアソンと言う名では無いだろうか?」

「ええ、そうですよ。」


それが一体、どうしたと言うのだろうか…なんか物凄く興奮した様子で俺の手を握っている。

まさか、イアソンのファンなのか?辞めとけ、アレは女癖の悪いろくでなしのクソ親父だぞ?

まぁ、俺は好きだけど。


「はっ、失礼取り乱してしまった!

我の名前は…セレーナティアス・ディアエレンナだ。」



「よろしくお願いしますセレナさん!」


ん?

セレナさんの右脚の鎧の部分が割れて血が垂れていた。



「それよりも、怪我してますよ?」

「あ、あぁ…気にしないでくれ…己の力の程を見極められなかった私も不注意だ。」

「少し、怪我している所を見せて下さい。」


セレナさんは怪我をしている右脚を見せてくる。

俺は怪我をした部分に手を添える。


「あぁ 美しく慈悲深き 天の祖よ どうか我が救済の声を聞いて欲しい この声に応うるならば 汝の癒しを彼の者に!ーー『中級治癒(キュア・ヒール)』」


その詠唱と共に淡い緑色の光が怪我をした部分を包み込む。

やがて、血に濡れた部分から美しい純白の肌が顔を出した。


「これは…!中級の治癒魔術…凄い、傷が元通りに…それよりも君…三つの魔術を使ったのか?」

「はい、そうです…」


あ、やっべ!?

この世界では、三つの魔術を使うのはかなり珍しいんだったか?やらかした…


「凄いな君は!本当にすごい!」

「いえいえ、それよりも聞きたい事があるんですが…この森の先に美しい湖があると聞いて…その場所を知っていますか?」

「ああ、それなら…今から我が水浴びをしに行く予定だったから…もし良かったらついて来るか?」


よっしゃ、ラッキー!

俺は、セレーナティアスさんの案内の元…この先にある湖に向かう事になった。


森を抜けると…そこには、とても美しい湖が一面に広がっていた。


大空に昇る2対の太陽の光が水面に反射し幻想的な光景が広がっている。

なんて美しいんだ…元の世界でも一度だけこう言った湖を見た事があるが…この景色はそれ以上だ。


「綺麗だ…」


思わずそう、声が漏れてしまった。


「そうだろ!私もよく鍛錬の休憩時にこの湖を見て気を休めているんだ。」

「それはいいですね!それよりも、鎧は脱がないの?」

「ああ…人前では脱がないんだ…」

「どうして?」

「私は他の村の子供達と違って、少し変わっているから…よくイジメられているんだ。」


そりゃ、辛いな。


この様子じゃ、友達も居ないのかな?


「それが悔しくて、毎日剣を振っているんだ…父上からもお前は剣才があると言われて有頂天になっていたんだろう…結果、あのザマだ。」

「最初はみんなそんなもんだよ…俺も師匠に初めてこの森に連れて来られた時は…己の力を過信して魔物に殺されそうになった。」

「そう、なのか…少し安心した。」


本当に、あの時は死んだと思ったなぁ…師匠が助けてくれなければ今頃俺は魔物の腹の中だった。


「しかし、さっきの魔術は素晴らしかったな…母上も治癒魔術は使えるが初級までしか使えないので中級は初めて見た。

「セレナのお母さまは魔法師なんですか?」

「いや、少し違うが間違っていない。私も最初は、魔術師を目指していたんだが…剣士に憧れてそこからは、剣一筋で鍛錬をして来たから…たが、今日の君の魔術を見て…また少しだけ魔術を使ってみたいと言う欲が湧いてしまった。」

「なら、俺が教えましょうか?」

「いいのかっ!?」


うぉ!?

苦しい…苦しいですセレーナさん…嬉しさのあまりに俺の胸ぐらを掴まないで下さい。


「はい!でも、一つだけ条件があります。」

「何だ?」

「俺と友達になって下さい!」


ふむ、我ながら完璧な計画だ。

友達を作ろう計画!


「そんな事でいいのだろうか…でも、我といると貴方もハブられてしまうぞ?」

「その時は責任を取って、貴方がずっと友達でいて下さい。」

「あ…ああ!任せろ!

このセレーナティアスが貴方の友達になってやろう!」


初めて友達が出来た。


この世界では初めての"友達"と言う響きに俺は歓喜の声を漏らす。

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