指定席。
前哨戦です(謎)
いつも不思議でーー仕方がなかった。
息をするのも辛いぐらいの、ぎゅうぎゅう詰め。
それでもなんとか確保した僅かな隙間で開く新聞紙。
今や……、スマートフォンやiPadなどという便利なモノより。
隅っこの方に描かれていた四コマ漫画など。
デカデカと記されたゴシック記事も、サラリーマンとしての軸である。
そのほかーー片隅で。
意味不明な数字の羅列や、まるで役に立たないだろう星占いなど。
ガタンッ。
「おっと……」
この歳になって痴漢行為で騒がれたくはない。
目の前にいた、汗だくになるに連れて浮かび上がる悩ましきスジ。
正直、目の毒だ。
ただ、それよりもーー
いつもの、この通勤風景において、気になっていた。
これほど"密"になっていたというのに空いている。
如何にも「座ってください」と言わんばかりの座席だった。
どうして誰も座ろうとしないのか、あまりにもおかしい。
だったらーーー
「次は○▲駅~、○▲駅~~~」
目的地はまだ先なのだから、どうせならゆっくりしよう。
「どっこらしょっ……とぉ」
「「「 ……あーー 」」」
一斉に解き放たれた呟きの意味を、もう、知るよしもない。
パチンと弾けて、吸い込まれた。
「おい、そこは掃除しなくて良いぞ」
車庫でも、誰にも触れさせないようにしている。
電車のルール。
ねぇ、ここに居るのに、何で?
いろいろ編集しようとしていて失敗したとか言えない……。
どうせならやっちまえ(爆)