モモとドロン子
分業って大事
ドタドタと自己主張の強い足音達が聞こえてきた。
開けっ放しの玄関から子供達が帰って来たようなので、そこに目を向ける。
すると、服は土まみれ。
床に足跡までつけて近寄ってくる子供達の姿が見えた。
…裸足で庭の土いじりでもしていたのだろうか
(足切ってないかな?大丈夫?)
「みてみてー、」
「これ見つけたのニィニィだよー」
(元気そうだし大丈夫か)
「もぉ、床よごさんでよー」
という奥さんの言葉もなんのその、リビングを通り過ぎスグ側まで近付いてきた子供たち。
その後、手に持ったナニかを振りかざしながら、熱弁を振るって来たので、リビングを拭きに向かった奥さんの代わりに聞き役に徹する。
「あのさーふんー、ねぇねぇさー、おにわに、たいせつなのさーあるって」
「ニィニィが、ほったんだよ」
「でさー、そしたらさーふんー、みつけたわけー」
「ニィニィがねっ!」
「なにかなーこれー」
「ニィニィが、見つけたんだよっ」
スゴイお兄ちゃん押しである。
分かったからお兄ちゃん、わかったから。
多分だが、お兄ちゃんに掘らせて、発見後、イイトコ取りされたのだろう…。
娘にはそういうトコがたまに見受けられる。
誰かさんの影響かなー。
誰?かあさんの影響かな。
ありがとねースゴイねー、と子供たちを労いながら、床を拭終え戻って来た奥さんと一緒に、お風呂場まで誘導する。
服や体についた土などを落とさないように慎重に。
ユックリと…
あと少しで脱衣場だ。
(けど、もうイイやコレ)服着たまま風呂場内に放り込む事にする。
「とーちゃくー」
「はい、服ぬいでいいよー、どおーぞ!」
その合図でイソイソと脱ぎ始める子供達、それに合わせてパラパラとタイルに落ちる土や砂(風呂場まで待って正解だったな…)
「はいこれー」
「おっけーありがとー」
手に持っているモノが服を脱ぐときに邪魔になったようで、娘が思い出したように差し出してきた。
ソレを受け取りよく見てみる(土ついてる…、なんだこれ?)
所々に土のついたソレは、箸のような細長い形、端の方に、玉?のような物がついている。
「ちょっとコレも、お風呂入れていいかなー?」
「うん、きれーにしてよー」
子供たちに了承をえてから流しの方へ向かう。
蛇口をひねり、普段は食器を洗う場所で子供たちの戦利品のお風呂をスタートさせる。
(痒いところはないですかーっと)
よく分からないソレに付いた土を手で洗い流していく。
入浴中に気付いた事がある。
感触は金属のそれに近い…、玉のような部分の土を取り除くと、細かな装飾が現れた。
綺麗だな、キレイな…?何だろうコレ、それなりに凝った作りで高そうに思えた。
そして、
(えっ…)
洗うのをやめる。
【ソレ】の異常さに気づいてしまった。




