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〜モモと〜【夜に墓場で運動会は流石にしないけど、昼間にピクニック程度なら毎年する県でのお話。】  作者: U-10
中古物件に付いてきた幽霊が仲間になりたそうにしています……、家族にしますか?:選択肢が『はい』しかないんだよなぁ…。
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モモと検証

hen体!


 オレが【モモ】の存在を知ってから1週間ほどがたった。

…まだ姿を確認するには至らない。


 その間、娘はというと「ねぇねぇとねー、みるの『ゆーちゅーぶ』!」とよく一緒にテレビ鑑賞を行っている様だった。

 ゲームをしている息子なんかは、しきりに周りに話しかけたりしながら楽しそうにしている。

(おっ、会話も出来るようになったのかな?)


 子供たちは【モモ】とけっこう友好的に過ごしているようだ。


 ここでチョットした好奇心が湧いてきて、『シーサー』を両手に持ちリビングに近づいてみる。

 『シーサー』県内で最もポピュラーと言っていい魔除けで、各家の玄関先などによく見られる。

 コレにホントに効き目があるのだろうか…。

 ちなみに、口が空いている方が♂で、閉じてるほうが♀だ。


 一応モモに何かしら変化があったらすぐ片付けきれるように手に持ったまま、リビングの入り口付近から、そっとテレビを見ているであろう子供達(+モモ)を覗き込む、別に危害を加えたいわけではない。


 両手にイカツイ焼物を持ちながらコッソリ子供たちを監視する、はたから見たら、ヤバイ人がそこには居た…。


 うん、子供達は楽しそうにテレビを見続けている、モモが居ると思われる場所に話しかけ続けているのを見るに、特にコレと言って効果は無いみたいだ。


…まぁ、息子が夏休みの工作で作った物だしな、…こんなもんか。

 よし、検証も終わったことだし倉庫にサッサと片付…(あっ!)


「えー、トートーなにしてるー?ヘンな人のまねねー」

はたから見られた…


「あー!シーサーもってるー、ねぇねぇに、なにかしようとしたんでしょー」…気づいた子供達に怒られた。


 せっかくなので、シーサーはそのまま玄関に飾ることにする。


 リビングに戻ってみると子供達はまだ三人(?)でYouTubeを鑑賞中のようだ、ブンブンハロ〜とか言ってる。

 うん…なんだろう、なんか違う気がするのはオレだけかな?

 勝手な先入観かもしれないんだが、こういう幽霊とかと遊ぶ時って、一緒にお人形遊びしたり、お絵かきしたりするもんじゃないのか?

 映画とか、ドラマとかに出てくるホラー物はそういうのがお決まりのハズ(時代か!時代かそうさせるのか…)


あ、イヤ、似顔絵は描いていたっけ。


 娘のはなしではキレイな女性のようだ。(キレイな女性のようだ!)

 大事な事なので、ちゃんと何回も聞いて確認した。


 芸能人に対しても、某グループ三代目のイケメンダンサーにしか高評価をあげない娘のコトだ、そりゃもう!かなり可愛いのだろう!

テンション上がってきた!


 残念ながら似顔絵からは髪が長いコト以外伝わってこなかった。


…テンションを維持できなかった。


 後日、奥さんにも相談してみる事にした、一応、この家を見つけてきたのは彼女だし、気に入って購入を決めたのも彼女だ。


お金を払ったのはオレだけど。


 そんなマイホームに【出た】とあっては気が気じゃないはずだ。


お金を払ったのはオレだけど。


 あまりショックを受けないよう注意しつつモモの説明をした。

 終始無言でその話を聞いていた奥さんだったが、娘の描いた絵を見せた途端豹変した


「えー!こんなカワイイの、私も見てみたいなー、子供達見れてイイなー!!」

…反応はそれでいいのか?


 というか、奥さんには娘の似顔絵がうまく伝わったみたいだ。

 その後も「やれ誰々似だの、いくつ位だの、身長はこれくらいで、体重は…女性にそんなことは聞くな!」

 などの話し合い、もとい、モモの説明会を受ける事となった。

 あの絵のどこに、コレ程の情報量が入っていたのか疑問も残るが、まぁ今まで何か害があった訳じゃないし、そのまま様子を見る方向でイイか、と言う話に落ち着いた。


「ニィニィが、ニィニィがみつけたんだよー」

「ちがうー、トートーにみせるだけだしー」


 そんな会話を奥さんとしていると外から子供達の声が騒がしく聞こえてきた。

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