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おんな、28歳の葛藤  作者: なごみ
1/1

前書き

女性のメイクというのは、麻薬だ。


最初は軽い出来心で、楽しそう、憧れのモデルがやってる、ママの動画が家にあったからと、深く考えずに始めてみる。

メイクをすることで、変身してステキな自分になったような気がして、またやりたくなる。周りの友達もやり始める。

大学生にもなると、「すっぴんで外なんて出れない」と脅迫観念すら覚え始める。

社会人にもなれば、女性ならばメイクはマナーだ。すっぴんなんて社会人失格だと烙印を押されるようになり、その頃には毎日のメイクによりくすんだ肌を隠すためにメイクをするという抜け出せないループに陥っている。


こんなことを言えば実家の家族にも地元の友人にも、夫にでさえ白い目で見られ偏屈人呼ばわりされるのは間違いなく、主張はできずにいる。


メイクには不思議な力がある。

ファンデを塗り粉をはたき、アイシャドウにマスカラを重ねる。パッキリした色の赤い口紅をひけば、なんだか別人になったように気持ちが引き締まる。


でも私は、「社会人としてそこそこうまく立ち回る、朗らかな自分」を演じなくてはならないプレッシャーを感じ、メイクをした自分の顔は少し重たく、窮屈な心地がする。


子供の頃はたしかに分かっていたはずの、自分自身を、今では見失っている気がしている。

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