えいぷりるふうる
すみません、遅くなりましたが報告です。
四月十日にて書き直し番投稿予定です。
▼嘘のようなガチ話
二週間前
購入した新品のパソコン、ハードディスク壊れる。理由は妹が落とした。外付けはコーラ溢された。
キレて金額請求、18万ちょい、外付けやらハード診断費やら合わせると20万以上。
何故か逆ギレ、親からも何故か殴られた挙げ句ぶち切られる。家に金入れてるのにこの扱いとキレて一人暮らしし始めた。
ケータイ投稿辛いです。
私は現在究極の選択を迫られている。
一つはエウクレイアと共にふらり温泉湯煙の旅に出掛ける事。
一つはエウクレイアと共にふらり冒険血煙の旅に出掛ける事。
個人的に前者が嬉しいのだが、残念な事にエウクレイアは血煙の旅を推している。おまけに温泉は混浴らしく、良識ある大人が、小さいとは言え女の子の肌を人目に晒していいのか、と言う悩みも発生している。
しかしだ、逆に言うなら女の子に血煙の旅をさせるのもまた問題だろう。別に蝶よ花よとは言わないが、バイオレンスを時間潰しは後々に影響が出かねない。
父親として、家族として、相棒としても色々と思うところがあるのだ。
「……むぅ」
「たかが旅行で悩みすぎじゃない?」
「バカ野郎、湯煙と血煙じゃ大違いだ」
「そもそも何故その二択なのさ」
ちなみに旅行は二人きりである。センナ達が一緒なら前者一択だったんだが、生憎と予定が合わないのでエウクレイアの意見を聞いた結果、この二択から選択する事になった。
それにしてもだ、まさか血煙の旅がしたいとは誰が思うってんだ。いやまあ、エウクレイアからすれば普段通りに遊びたいって事だろうが、しかし温泉よりそれを優先するのは如何なものか。
件の愛娘は、血煙の先にある食材を求めてとでも言いたげにこちらを見詰めている。……誰に似たのやら、以外に頑固なんだよなぁ。
まあ、それはそうと話し合いだ。生憎と血煙の旅だけは勘弁願いたい。
「エウクレイア、やっぱり温泉で気楽に休まないか」
反応は芳しくない。頬を膨らませてそっぽを向いている。うちの子かわいい。
「飯が食べたいなら温泉でも食べれるぞ? 温泉卵とか、温泉湯豆腐とか」
あ、ちょっと反応した。チラチラとこちらを見てくる様子は小動物っぽくて愛らしい。
「それにほら、どうせ徒歩で行くのだし、その道中で美味いものを探せばいいじゃないか」
──よし、勝った。
◆
大森林の西側、現在友好を結んだ闇猫マクスウェルに許可を貰って進んだ先に存在する隠れ里。エルフも知らない大森林の地下世界にて、そいつ等からの招待状片手に俺達は入り口でリンゴを食べていた。
ちなみにこのリンゴは道中でもぎ取った物だ。天然物故に味に不安を感じたが、食べてみればしっかりとした酸味と甘味を感じる事が出来た。
「お待たせしましたぁ」
気の抜ける声と共に二足歩行する子猫が走りよってくる。
子猫は一般的にノンアクティブモンスター扱いされているケット・シーだ。しかし本来それは間違いであり、彼等は精霊と獣の中間の存在で、言語も話せれば魔法も使え、文明すらも発展させたスーパーにゃんこである。
「タマ、じいちゃんに聞いてきました。マクスウェル様のお友達、案内します」
「ああ、よろしく頼む」
とりあえず可愛らしいので抱上げるとそのまま普通にあっちと指差したので従って進む。
頭を撫でたり、肉球プニプニしたり、顎の下を撫でたりしながら進んだ先は彼等には不要な程に大きな一軒家。客人用と曲がりくねった字が彫ってある看板がある。多分爪で掘ったのか、周囲に細かい傷が何ヵ所も……コッソリと新しいのを作り刺しで置いた。日曜大工レベルならスキルがいらないのは有り難いな。
とりあえず手荷物─採取のし過ぎてインベントリに入れると重量オーバーする為、エウクレイアの内側に取り込んでいた─を置いて、温泉に直行する事にした。
温泉の入り口は既に脱衣場らしく、とりあえず装備品を外すとし、……出来ない。
どうやら風呂場らしく脱がねばならないらしい。しょうがないとさっさと脱衣して腰に手拭いを巻く。お手製で、エウクレイアともお揃いだ。ちなみに「おうま」と書いてあったりする。
温泉、と聞いて最初に思い付いたのは露天風呂だ。そして予想は良い意味で半分外れていた。
露天風呂でもある。しかし、そこは滑り台や猫サイズの流れるプール等も存在するのは流石に予想外だった。
それを見て喜んだのはエウクレイアだ。真っ先に変幻を解いて球体になると、流れるプールに飛び込もうとして、とりあえず捕まえて洗い場に移動した。
動き回って抵抗するエウクレイアの身体を泡立てた手拭い─洗い用で用意していた─を使って丹念に拭いていく。汚れはほとんどないが、しかしコレはマナーだ。守らないなら入れさせない。
「ほら終わったぞ」
すぐさまその場からプールへと突撃するエウクレイアに苦笑しながら、自分の身体も洗い始める。……不思議なのだが、どうやら一部分も再現されているらしい。いやはや、わざわざ現実と同じサイズにする必要があるのかね?
まあ、このゲームには18禁も搭載されているらしいし、その時の為にあるんだろうな。……現実でどんな影響あるか分からんのによくヤる気になれるな。
「ふぅ」
汚れも泡も流し終え、向かった先は岩風呂だ。音を立てないように静かに入り、手抜きを頭に乗せてゆったりとした時間を過ごす。
現実では滅多に出来ない温泉入浴、まさかゲームで可能とは。あまりの心地好さに頬が揺るんじまう。
「──む?」
ふと、声が聞こえた気がする。それも酷く聞きなれた声だ。
「──か、──はねぇ」
「ジョ──まだね」
「と──、ジョ──うか」
うん?
入り口を向いたから気付いたのだが、何故か扉が二つある。おかしいな、入り口は一つだったんだが……おい、まさか。
気付いたのは遅かった。同時に開かれる両扉、現れた五人の男女。
腰にタオルを巻いて、意気揚々と歩いている不幸な情報収集担当殺人鬼は即座に隣から飛んだ霊剣にて一部分にクリティカルで消滅した、南無。
艶やかな身体をワンピース型の水着で包んだ馬鹿な友人は苦笑しながらこちらに手を振っており。
その背後には涙目で硬直したワンコがスクール水着なんぞ着ており。
料理友達は湯あみ着だけでメリハリのある身体を晒しており。
どこぞの褐色無口は紐なのか何なのか分からないほど際どい水着で剣を握り締めている。
「……え?」
思わず漏れた言葉に全員の視線が集る。維持悪く笑う耳長以外は耳まで赤く色を変え、──って、うおおぃッ!?
「な、何しやがるレザムッ!?」
「──何故?」
「こっちの台詞だクソッタレ! 手前等予定があるとか言ってたじゃねぇかッ!? というかどうやって来やがったッ!?」
招待状は確かにクラン全員が来れるようになっていた。だが、同時に来た場合のみだ。条件的に無理の筈。
「マタタビ酒分けたらすんなりと」
「猫だからなぁ、しょうがねぇか」
「それで納得するのかい?」
「猫だからなぁ」
「あ、現実逃避してますね」「してるね」
「……はぁ」
とりあえずエウクレイアを呼び、影になって貰い身体を隠す。その間に手拭いを巻き直し、すぐさま全身を隠すような盾へと変幻してもらう。それで身体を隠しつつ、見ないように出口を目指し、
「いや、たまには水入らずで入ろうよ」
「はあぁッ!?」
すぐさま手を引かれて身体が止まる。エウクレイアの影だからイイモノの手拭いがハラリと落ちた。
「ワォ、ご立派──まあ、ともかく水着渡すね」
渡されたのは普通の水着だった。とりあえず急いで着替えつつ、手を引いた友人に蹴りを食らわせた。もちろん、後頭部にローリングソバットである。
バウンドして温泉に叩き込まれたセンナの首を握り締めながら、左右に揺さぶって問い質す。──テメェ、どういうつもりだと。
「いや、発案者僕じゃない」
「あん?」
「最初は皆予定があったんだけど早く終わったから、それならって今頃教会で全裸晒してる犠牲者A発案です」
……あの野郎、次に会う際に二度と人目に出れない屈辱とトラウマを与えてやる。確か始まりの街に鋭い鉄塔があったし串刺し刑にでもしてやるか。
それはそうと、他のメンバーは既に何事もないかのように風呂に入っている。おい、身体洗ったかお前等? いや、確認はしないが、したくないが。
「もう諦めて皆で入らない?」
「……はぁ、ゆっくりと楽しめると思ったんだが」
「はは、まあ、諦めてよ」
ああ、クソッタレ。
しかしまあ、皆楽しそうだし、たまにはこう言うのも良いかも知れねぇな。
──まあ、俺は皆が出る間サウナに入ってるがな。
◆
──さて、二時間後。
未だに遊んでいる女衆と違い私はもう限界だ。眼前に状態異常の警告マークが何個も点滅している。しかし未だに遊んでいるあいつ等がいるので出るわけにもいかねぇし。
「組長、ちょっと良いかい」
「な、んだ、セーガ、ルじょ、ぅ」
湯あみ着なんて割と無防備な姿では流石に恥ずかしかったのか、上からタオルを巻いて登場したセーガル。しかし本人は気付いていないのだろうが、それは逆に視界的に辛い。……何よりサウナでは危険な格好だ。脱水症状を起こしかねん。
「流石に辛いだろうと思ってね、ほら。麦茶だよ」
「……あり、がた、ぃ」
五分六腑に染み渡る。塩が入っているせいか、普段より尚美味いそれを飲み干すといつの間にか隣にセガール嬢が座り込んでいた。
「いやはや、アンタも頑固だね。別にアンタならいいんだがねぇ?」
「……女の、肌は、見て良、ぃからと、見るも、んじゃね、ぇ」
「そんなもんかね」
「そん、なもんだ」
「……まったく、妙なところで人間らしいね」
「に、んげん、だからなぁ」
「普段は獣より野性的なんだけど、まあ、それ以上に家庭的だったねぇ」
男を感じさせないと思っていたのにねぇ、なんて謎の台詞を吐きながらセガール嬢は立ち上がる。そのまま扉の向こうに消えるが、……まあ、これで多少は余裕が出来たな。まったく、何とも気の効く仲間を持ったもんだ。
◆
──それから暫くして。
片手に容器を持った薫子、いや、るーが現れた。匂いからして、……バニラアイスか。
「ジョージさん、アイス持ってきました」
「おう、ありがとな」
「あれ、余裕綽々ですね」
「解決策が見付かったんでな」
正確にはインベントリからアイテム取りだし可能だったのでポーションを皮膚に塗ったり、飲んだりして身体を回復させたんだがな。
「それでどうしたんだ?」
「セガールさんがアイス作ってくれたので御裾分けに来ました」
「……お前の分じゃないか?」
「大丈夫です、もう食べましたから」
流石腹ペコ、既に食い終わってたのか。
「頂こう」
一口パクリと。
この味はカスタードクリームか、いや、それに生クリームも合わせているな。僅かに入っているアーモンドも中々いい仕事をしやがる。
美味いの一言に尽きるな。難点はこの環境じゃ食べ終わる前に溶けてしまうところだが、こればかりは仕方ない。
──そしてワンコは人が食べ始めた途端、涎を垂らしながら口を開けて見詰めてくる。これ、無自覚なんだぜ?
「──ほれ」
とりあえず一口と差し出すが、最早殆ど液化しているので当然垂れる。しかし水着故に気にしないと食らい付くワンコは流石過ぎた。普通、構図的に色事を考えかねないのに、白濁に汚れようともイメージはこぼれた牛乳を舐めた仔犬でしかない。流石である、流石の残念さである。
「じゃあ、容器は頼むぜ」
「はい、美味しかったです!」
最早何がしたかったのやら。とりあえず気付かれなくてよかった。……気付いてたら騒がしかっただろうなぁ。
◆
ケット・シー達が笑う中、水着姿の俺達は楽しくもない躍りを演じていた。
迫る剣を弾き、いなし、かわす私と。
狂気的な笑みを浮かべて迫る褐色娘。
普段から襲い、襲われの関係だが、まさか温泉ですら襲われると誰が思うものか。
四方から迫る霊剣、どれも凶悪な性能を有するその四剣を前に俺は自らの頑強さと、直感に従い捌いていく。
こちらの装備は何もない。水着姿で戦えるのは単に肉体の強靭さ故だ。
「負けない、負けない負けない負けない負けない負けないッ!」
「勝負になると饒舌だなぁオイッ」
「これで負けるのはヤダ!」
「残念、テメェじゃ俺は殺せねぇ!」
降り下ろされた剣を弾き、別の剣に当て軌道を剃らす。大地に突き刺さる豪華絢爛の金銀双剣を引き抜き、弓矢に変化したエウクレイアにより真っ直ぐにレザムへと突き進む。
流石にこの程度で当たる筈がなく、軽やかに避けたレザムだが、しかし見通しが甘い。
「終わりだ」
空中に浮かぶ剣を足場に跳ね上がり、剣に変化した愛娘にて、レザムを股座から左肩に掛けて逆袈裟で切り伏せる。
墜落するレザムを受け止めながら、とりあえず切れた水着どうしようとるーに預けた。……毎回毎回襲い過ぎだろあの娘。
◆
ようやくゆっくりと入れる。溜め息を吐きながら使ったのはゴエモン風呂だ。既にエウクレイアも出て食事を楽しんでいるようだが、まあ、俺はもうしばらく入るとしよう。
「──で、お前は食いに行かねぇのか?」
「私としては行ってもいいけど、僕としては友人と風呂に入る方が楽しいからね」
隣で違う釜に浮かんでいるセンナは既に女子を演じる事なく、水着を脱いで寛いでいた。
まあ、観客がいなければ役者が芸に徹する必要はないか。
「あのさぁ」
「あん?」
「ジョージってこのゲーム好き?」
唐突だな。
まあ、嫌いじゃねぇさ。この世界にはエウクレイアがいるし、飯も美味いし、友人もいる。嫌う理由は特にない。
「──ならいいや」
天井から垂れ下がる鍾乳石を眺めつつ、俺は友人と何をするでもなく寛いでいた。
ゆったりとした時間は稀少だ。だからこそ、人は頑張れるのだから。
「はい」
渡された盃を手に取り、注がれた酒を飲み干す。──ああ、美味い。
「閃」
「なに?」
「美味いなぁ」
「……うん」




