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第8話 壁の向こう側

※今話は、オーディオブックを読むような感覚で、ASMRをお楽しみください。

「小僧。この《《小さな穴》》に突き刺せる《《固くて丈夫ななもの》》を持ってはいないか?」


「ボクそんなの持ってないよ……。

あっ! 待って!」

少年は心当たりがあるようだ。


「ボク持ってるよ!」


「どれだ? 私に貸せ!」


「貸せないよ。

これはボクが両親からもらったものだし

貸したり出来ないものだから」




一方その頃、マザー様は。


「遅いわねぇ~。

いくらなんでも、二人がわたしを訪ねて来てもいい時間なんだけど……。

そうだわ!

この"《《聴き耳の玉》》"をあの子達の元に送ってみましょう。えい!

あら、いやねぇ~。狙い外れちゃったわ。

まあいいわ」


【……だ……だよ! ……ぜだ?】


「あら、もう届いたのね。

どれどれ?」


【じゃあ、お前がやるんだ。

出来るか?】


【うん、やってみる!】


【すごい立派じゃないか!

お前ガキのくせして、見かけによらずいいモノ持ってるな!】


「ブ、ブハァァァァァー!!」

※淑女が驚きのあまり、

勢い余ってジョジョ顔で鼻血を出しながら

口に含んだ飲みかけの紅茶を吹き出す音です。


【見かけによらずは一言余計だよ!】


【ああ、すまんかった】


【お姉ちゃん?】


【何だ?】


【お姉ちゃんが屈んでくれないと穴に入れにくいよ!】


【ああ、すまん。

これでいいか?】


【うん、大丈夫】


「え? え?

ちょ、ちょっと何やってるの? あの二人……?」


【どう? お姉ちゃん。

ちゃんと入ってるかな?】


【大丈夫だ、問題無い。

お前、顔がきつそうだな?】


【穴が小さくてね、なかなか奥まで届かないんだ】


【諦めるな!

私も手伝うから泣き言言わず頑張れ!】


【うん!】


「なっ! なんてハレンチなっ!」


【お姉ちゃん?

一番奥に届いたよ!】


【本当だ! やったじゃないか。

あとはな、何度も抜き差ししながら

穴を広げてくれ】


【お姉ちゃん、こうかな?】


【バカ! そんな乱暴に横に掻き回すな!

外壁を傷付けるだろうが!】


【ポコ!】


【痛っ!

ごめんなさ~い】


【あ~もう。らちが明かん。

私が手をかす!】


「あ・い・つ・ら~!

こんな真っ昼間からどさくさに紛れて、

しかもあんな目立つところで……、

独り身でいろいろ寂しいわたしに

堂々と見せつけちゃってくれてるわけ~!?

全く信じられな~い!

ふん、もういいわ。

聴き耳の玉 戻ってらっしゃ~い!」




蓮姫達の場面に戻る。


蓮姫は少年の小さな手を自分の大きな手で包み込んだ。二人で力を合わせ、ナイフを岩に突き立て、少しずつ隙間を広げていく。

未知なる場所への期待と、かすかな不安が入り混じった感情が、二人の胸を満たしていた。


「あ? 入った!」

少年がそう叫んだ瞬間、

蓮姫達は物凄い水圧とともに、

一瞬意識を失った。


蓮姫が意識を取り戻した時、少年は既に目を覚ましており、ぼろぼろになった石灰石のナイフを大事そうに見つめていた。

そして……、

蓮姫が前を向くと、

すぐ目の前には

いびつな形をした大きな煙突が噴煙をあげながらそびえ立っていた。


——————————————————————

↑【登場人物】

蓮姫(カムラ)

•オイロス

•マザー様

擬人化の際の見た目は20代前半くらいの若い美人の女性ではあるが、実年齢は某吸血鬼の年齢をゆうに超える。


【掲載に関するお知らせ】

いつもお読みいただきありがとうございます。

今後の運用方針に伴い、当サイトで公開中のエピソードは、予告なく非公開とする場合がございます。

公開されている今のうちに、ぜひお楽しみいただけますと幸いです。

尚、当内容については、憮然野郎のnote 掲示板にて詳しく告知しています。

https://note.com/buzenguy/n/n9517e6b198fc




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