第18章:人間らしい「ズレ」の再導入
「……なるほど。少しだけ『いい加減』な方が、世界は楽しいってことですね」
神様の説明(説教)を聞き、カイルは納得しました。
彼は漆黒のハンマーを手に取ると、わざと少しだけ斜めの角度から、床をポカッと叩きました。
すると、モノクロームの世界に色が戻り、止まっていた鳥が再び羽ばたき、レオンが投げたパンが彼の口の中に吸い込まれました。
「ふぅ……死ぬかと思ったぞ。お主、これ以上は余計なことをするなよ? 特に銀河の調律などは絶対に……」
「あ、あそこの星、少し瞬きが不規則で気になってたんですけど」
「絶対にやるなと言っているのだ!!!」
神様は涙目でカイルの手からハンマーを奪おうとしましたが、カイルがひょいと避けると、神様の指がカイルのハンマーに触れました。
チィィィィィィン……
「あ……。ああああ……腰痛が治った……何この幸福感……。もう神様やめて、お主の弟子になろうかな……」
「神様、仕事してください」
カイルの「無自覚な調律」は、ついに創造主さえも骨抜きにしてしまいました。
世界は今日も、カイルが「少しだけ残してくれた不協和音」のおかげで、賑やかに、そして平和に回っています。




