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第11章:夢の贈り物と「究極の素材」
古の魔王を「安眠」という力技で手なずけてしまったカイル。その功績に対し、魔王アザトスは夢を通じて、あるいは現実の事象を捻じ曲げて、カイルに**「とんでもないお礼」**を贈ることにしました。
もちろん、本人はそれが「魔王からの貢ぎ物」だとは微塵も思っていません。
その日の夜。宿屋で深い眠りについていたカイルの夢に、あの漆黒の巨躯が再び現れました。
「……調律師よ。我が悠久の渇き(不眠)を癒やした功績、称賛に値する。礼として、我が体の一部……一億年の魔力に耐え抜いた『漆黒の真核』を貴様に託そう……」
魔王は厳かに宣言し、カイルの手に黒く光る宝石のような塊を握らせました。
「これで……究極の楽器を……作るがよい……」
翌朝。カイルが目を覚ますと、枕元に**「真っ黒な、ゴツゴツとした石」**が転がっていました。
「……ん? なんだこれ。庭に落ちてた石かな。でも、叩いてみると……すごくいい『響き』がするな」
カイルが爪先でピンッと弾くと、宿屋の建物全体が心地よく共鳴し、宿泊客全員が「今までにないほど最高の目覚め」を体験しました。




