11/42
10章第2章:無意識の最強(デバッガーの本能)
「……いや、なんでもない。少し、立ちくらみがしただけだ」
カイルは強引に笑顔を作った。
三人は、王都近くの「黄昏の森」へと向かった。
管理者たちが用意した「仲の良さを読者に見せつけるためのイベント」である。
森の奥には、通常ならLv.20程度で苦戦するはずのフォレスト・オーガが現れる手筈になっていた。
「よし、カイル! 指示をくれ! お前の言う通りに動けば、俺たちは最強だ!」
レオンが剣を引き抜き、カイルの指示を待つ。
カイルは、手元にある古びた、しかし中身が妙に「整理」された本を開いた。
【全知の記録庫】。
管理者たちが、危険な「年代記」を封印し、都合よく作り変えたはずのスキル。
だが、カイルがそのページを見た瞬間、システムが想定した以上の「出力」が溢れ出した。




