表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/84

ころちゃん視点 国王の侍女が斬られたので、白馬の騎士となって斬った男を叩き斬りました

「わんわん!」

 解放しろって俺は騎士団長に必死に吠えたのだ。


「陛下、宰相の野望は必ず阻止して参ります。それまではこの犬をしっかりと見張っておいてくださいね」

 しかし、奴はそう国王に言うと出ていったのだ。


「わんわん!」

 おい待て、俺も連れて行け!

 俺は叫んだが、騎士団長は俺を一顧だにせずに出ていったのだった。


「わんわん!」

 俺はコリーとベンヤミンの事も気になるから行かせろ!

 と俺は国王にも叫んだのだが、国王は全く俺の言葉を理解してくれなかった。

 俺はどうやって俺の意思を伝えようかと悩んだのだ。紙とペンがあればなんとか伝えられるのに、それもない。

 俺がどうしようかと悩んでいる時だ。


「陛下。カーラ様付きのサーヤが折り入ってご相談したいことがあると参りました」

 侍女のレイナがサーヤを取り次いでくれた。

「判った。通してくれ」

 国王がレイナに頷いた。

 サーヤが入ってきた。

 俺はサーヤにこの状態から解放してくれと言いたかった。


「わんわんわんわん!」

 俺は必死に吠えたのだ。

「ころちゃん!」

 サーヤは驚いて俺を見てくれた。


「わんわん!」

 俺はこの時とばかりに吠えたのだ。

 俺は必死に解放してくれと叫んでいた。


「ああ、この犬はカーラの子犬だったな。騎士団長が少し調べたいことがあるから預かってくれと申しておっての。この宰相の件が終われば、カーラの元に返すようにする」

 国王はそう言ってくれたが、それでは遅いのだ。


「わんわん!」

 俺は必死に吠えたのだ。

「陛下。姫様が不吉な予感がするからこちらに来たいと申しておられるのですが」

「うーん。しかし、今は危急の用があればこちらで対処せねばならぬ。不安になる気持ちは判るが、カーラにはもう少し待つように伝えてくれんか」

 サーヤの言葉に国王はそう判断した。


「判りました。カーラ様にはそのようにお伝えいたします」

 そう言うとサーヤは去って行こうとした。

「わんわんわんわん」

 俺は必死に吠えたのだ。


「ころちゃん」

 サーヤが吠える俺に振り返ってくれた。

「わんわん!」

 俺はここぞとばかりに吠えたのだ。


「あんまり陛下を困らせては駄目ですよ。すぐに迎えに来ますからね」

 そうサーヤは言うと吠える俺を捨て置いて去って行ったのだ。

 こいつら、元王子の俺に対する扱いが塩対応過ぎないか?

 まあ、俺が獣人王国の王子だとは知らないからだと思うが……

 王子を檻に繋いだと判明したら本来なら国際問題だ。もっとも王となった異母兄は当然無視してくれるとは思うが……

 俺は吠えつかれて檻の中に座り込んでしまった。

 こいつら俺に水さえも出さないのだ。

 さすがに声が枯れてしまった。


「うーーーー」

 俺が寝込んでしまうと

「はい」

 俺の前に水の入った皿をレイナが出してくれたのだ。


「わん!」

 俺は喜んで水を舐めた。

 吠えすぎた俺は喉がカラカラだったので、あっという間にその水を舐め尽くしたのだ。


「まあ、ころちゃんは喉が渇いているのね」

 呆れてレイナはお皿を取ると外に水をくみに行ってくんれた。

 俺はそれを見送ることしかでかなかった。

 こんなところで吠えるしか出来ないなんて本当に役立たずだ。

 本当に恥辱心で獣化するという、それも小さな子犬になってしまう体がこの時ほど役立たず立と思えたことはなかった。獣化しても子犬にしかなれないし、獣化したままでは戦えないではないか!


 でも、なかなかレイナは帰ってこなかった。

 俺は不吉なものを感じた。

 何だこの胸騒ぎは。

 俺は耳を澄ませた。


「「「わあああああ」」」

 遠くで大きな声と剣戟の音が聞こえてきたのだ。

 どういう事だ?


「ん?」

 国王も不審な物音を聞いたみたいだった。

「何事じゃ?」

「少し、様子を見て参りましょう」

 騎士の一人が外に出た。


「陛下、大変です。城門で、戦いが始まったと報告が」

 そこへ息せき切ってレイナが入ってきた。


「何だと」

 国王と騎士達が慌てた。

「どこの軍だ?」

「判りません」

「見て参ります」

 一人の騎士が飛び出して行った。

 俺は檻の中だ。このままではまずい。人間に戻らなければ。

 でも、戻れる兆候はなかった。


「陛下、大変です。宰相が率いた兵が城門を突破してきました」

 一人の騎士が慌てて駆け込んできた。


「何だと騎士団はどうしたのだ?」

「判りません」

「行き違いになったのではないか」

「取りあえず、陛下をお守りしろ」


「「「わあああああ」」」

 喚声と剣戟が近付いてくるのが聞こえた。

 俺は焦った。このままではまずい。騎士団は宰相邸に行ったままだ。そこに宰相が攻め込んできたってどういう事だ?

 ノース帝国の兵士達が思いのほか早く着いていたのか?

 いや、それはないはずだ。確かに宰相にはもう少しかかると言っていたのだ。

 という事は行き違いになったに違いない。

 俺は檻を破ろうと檻にぶつかったが、檻はびくともしなかった。


「ギャーーーー」

 そこへ扉を守る騎士の悲鳴が聞こえた。

 ドン!

 大きな音とともに扉が蹴破られる。


「国王がいたぞ」

「陛下に剣を向けるとは何事だ?」

「何を言う。レーネン閣下がこの国の王になられるのだ」

「レーネンめ、反逆したのだな」

「ええい。何をしている反逆者の兵士達を倒せ」

 騎士長が叫んだ。


「ふんっ、遅いわ」

「ギャッ」

 その騎士長が一瞬で入ってきた男に斬られていた。

 騎士長が血を吹いて倒れる。

 斬った男はベイルだった。

 こいつらではやられる。

 俺が思った時だ。


「キャー」

 レイナがベイルに斬られるのにが見えたのだ。

 ガシャンと大きな音がしてレイナが檻に倒れ込んでくれた。

 そして、俺は斬られたレイナの血潮で真っ赤に染まったのだった。

 おのれ、ベイル、もう許さん

 どくんどくんと俺の心臓が大きく唸った。


「モルガン国王。お覚悟」

 ベイルが叫んで剣を抜いた時だ。

 俺様の体がいきなり大きくなったのだった。

 俺は檻を突き抜けていた。


「な、何奴だ」

 ベイルが驚いて叫んでくれたが、その瞬間、俺はベイルを叩き斬っていたのだ。



ここまで読んで頂いてありがとうございます。

ついに白い騎士の登場です。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


新作も絶賛更新中です。

まだの方は是非

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』

https://kakuyomu.jp/works/16818622174781530787

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

このお話の次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ